9月14日2010/09/15 00:41

 体調不良。ここに来て、まさかの夏バテ。暑かったから…つーより、寒暖差にヤラれちゃいました。皆様も体調には気をつけて下さいませ。
 
 本日の話題は、先日休刊したコミックバンチ関連。なんとこの雑誌、分裂増殖しやがった…何がどうなっているのか私にもサッパリわかんないけど、とりあえず思うところを書いてみます。
 
 以前書いたことではあるけど、まずは書誌情報。コミッックバンチ。新潮社刊行。毎週金曜発行の漫画週刊誌「だった」。8月末に休刊し、12月をメドに新雑誌「@バンチ」が創刊される見込みだそうな。詳細はともかく、私の「この雑誌の総括」は以前(6/25)語った。ここまではいい
 
 問題はここから。各種広告やWebニュースによると、10/25に「コミックゼノン」って月刊の漫画雑誌が創刊され、どうやら旧バンチの作家・作品のかなりを「引き継ぐ」模様。当然出版社は異なる。まさに分裂増殖。
 
 雑誌が分裂増殖するってのは、実はそう珍しい話じゃない。一般人にはあまり知られていないようだけど、増刊だの別冊だのを持つ雑誌って、結構あるのだ。それが独立した雑誌になるような形で「分離」し、その際本誌の連載を一部引き継ぐ…って話はあったからね。特にコレをよくやるのが講談社系列。特に「モーニング」系列は、何がどーなっているんだか私にもサッパリ…
 
 しかし、今回のような「雑誌休刊~新雑誌創刊って流れがある中で、作家・連載を引き抜く形で別会社から別雑誌創刊」ってのは、聞いた覚えがないなあ。そりゃまあ、雑誌休刊・廃刊ってのはたまにある話。そこに連載持っていた作家がある程度「斬られる」のも、仕方ないと言えば仕方ない。斬られた作家は仕事見つける必要があるから、別の会社の雑誌に移って仕事する…なんてのは当然だろう。余談だけど、雑誌廃刊に伴って掲載先を移した作品ってのもいくつかある。「雑誌の生命を吸い取っているので不死身」と言われた「火の鳥」(手塚治虫)とか、「何度壊しても『キング編集室』が復活する…どころか、最近は2つに増えてます」(注:ごく一部のゲーマーにしかわからん表現です)「超人ロック」(聖悠紀)とかね。
 
 何でこうなったのか?私が仕入れた情報によると、こうなる。元々新潮社は、「コミックバンチ」の編集を編集プロダクションに委託していた。そんでもって、休刊と同時にその編集プロダクションを「斬り」、直営でコミック雑誌を出す気になったそうな。それに対し、どうやら斬られた編集プロダクションが「新しい出版社」を見つけ、そこから新雑誌…と称してコミックバンチを復活させる気になったらしい。どーゆー話があってどーなったのかサッパリわからんけど、とりあえずは「敵対的な分裂増殖」と呼んでいいと思う。
 
 私は基本的に「雑誌の廃刊・休刊」が大嫌いである。いくつもトラウマ抱えているから。けど…分裂増殖ってのはどうかと思う。どこぞのエロゲメーカーが「解散したはずが、分離増殖した」(実態はまるで分離してません。仲良くお互いの仕事やってます)件だってイマイチ納得できてないのに。色々「オトナの事情」があるんだろうけど、読者としては混乱するだけだ。なるべくならやめて欲しい。
 
 問題は、「作家・作品の振り分け」がどうなるかだけど…これは、現状では「コミックゼノン」陣営の圧勝じゃないかと。「北斗の拳」の原哲夫、「シティーハンター」の北条司を抱えているんだから。飛車角を分捕ったようなものだな。ただ、「元が所詮コミックバンチ」だってことは認めるしかない。今後ドチラが「売れる」のかについては、まだ何とも言い難い。
 
 ただ…「コミックバンチの飛車角を手にした」コミックゼノンには、少しばかり不安はある。以前の記事で私はコミックバンチのことを「正直言ってターゲットが良くわかんなかった」と書いた。ヲタク層狙いなのか、一般層狙いなのか、絞り切れてない感じがすると。これは私個人の意見であって、そーゆーのがこの雑誌のカラーであり、利点でもあるのは確かだ。けど、それをそのまま月刊マンガ雑誌に引き継ぐってのは…
 
 現時点ではまだハッキリしてないけれど、おそらくゼノンはコンビニ・駅売店では入手できそうもない。つまり、マンガ雑誌とは「そーゆートコロで売っているモノが全て」だと思っているような奴、イコール一般人のかなりの割合が目にすることすらない。書店のマンガ雑誌コーナーに足を踏み入れるような人種ならフツーに入手できるだろうけど、「北斗の拳」を愛読してた年代にもかかわらずソコに足を運ぶのは、ハッキリ言ってヲタク入っているような奴だ。にもかかわらず「コミックバンチと同じような」作品で勝負ってのは、どうなんだろ。
 
 新潮社の@バンチに至っては…私個人の意見としては、ゼロから新雑誌を作り上げるのと同じくらい、タイヘンだと思う。現時点では「目玉作品」っぽいのが見あたらないんだもの。せめてもう少し知名度のある作家をどっかから持って来ないと、色々辛いんじゃないかなあ。おまけに、コッチも「コンビニで扱ってくれると思うなよ」って存在なので、「売っている場所をうろついている層」の変化に対応できてるのか?って心配がある。なまじ「出版の世界じゃ大手」だけに、なおさらだ。ヲタクに媚び売る覚悟あるのか?
 
 この影でひっそりワケわからんことになっているのが、徳間書店。実はコミックゼノンの「出版社」は、徳間書店らしい。「引き取った」んだ、ふ~ん…って、ちょっと待て。この会社は「COMICリュウ」っていう月刊マンガ雑誌を1つ抱えているはずじゃ…とりあえず路線がかなり違うと思うので、「客の奪い合い」にはならないでしょ。でも、今後色々とタイヘンじゃないかなあ。共倒れにならないよう、祈りたいね。
 
 6/25の記事を私は「最近ネタが不足気味とはいえ、この話については『新雑誌創刊時に改めて語る』だけで終わりにしたいです。はい。」って言葉で〆た。この期待は思いっきり裏切られたわけだ。何やってんだかなあ。オトナの事情が大切なのはわかるけど、読者がついて行けない話になるのはカンベンして欲しい。私が「雑誌の廃刊・休刊」をこよなく嫌う最大の理由は、こーゆー「読者不在のドタバタ騒ぎ」を見せられるからだ。作品が「生き延びた」ことは評価しても良いけど、それでも正直言って不愉快だね。
 
 とりあえず、この件については引き続き「経過観察」します。なんかイヤなモノ見せられて終わり…ってなりそうな気もするけど、それでも「しっかり見る」のが私の趣味だからね。さて、どうなることやら。本日はオチなし。