8月4日2010/08/05 00:14

 本日が8月最初の更新になってしまった。ここのところちょっと滞りがちである。いけませんね。色々理由があるとは言え。
 
 とはいえ、本日はココまで。ネタの整理が悪く、更新に失敗しました。やはり「アタマの中が完全にコミケモード」のこの時期に、コミケ以外のネタを仕掛けようとしたのがいけなかったか…

8月7日2010/08/08 04:19

 アタマの中は相変わらずのコミケモード。諸般の事情により、今回は相当カリカリきてたりする。これでもカレンダーが控える冬よりは数倍マシではあるんだけど。おかげでココのネタをじっくり練ることも出来やしない。まいったね。
 
 そんな愚痴ばかり言っても仕方ない。とりあえず更新しやすそうなネタとして、ゲームネタにしよう。題して「40年の対ソ戦」。この色のネタについて行けない人、置いてけぼりにします。ご了承下さい。
 
 何故このネタを?先日の「鉄十字の軌跡」出版記念講演の翌日にあったコンベンションで、軍神鹿内殿が「そーゆーテーマの」ゲームをプレイしていたから。タイトルは忘れたけど、デザイナーはタイ・ボンバ。プレイしていた方の感想も、端で見ていた私の感想も「結構イケるんじゃ」ってなもの。そこでまあ、「ヒトラー電撃戦」でこの手を研究しまくった私の目から見た意見を述べてみようかと。
 
 WW2の戦略級ゲームで、「40年に仏を放置してバルバロッサ」という手は、ゼーレーヴェと並ぶ「ありがちな奇手」である。独軍プレイヤーが「なんか面倒くさそうだ」と検討すらしないのはともかく、連合軍側は一応ある程度警戒しておかなくてはならない。赤軍が崩壊してしまうと、ゲームによっては敗北決定、そうじゃなくてもツラいからねえ。
 
 そんな両面作戦が成り立つのかって?案外成り立つんだなこれが。そもそも、独はWW1の時にこの形でロシアを崩壊させている。革命寸前のロシアとソ連を一緒にはできないけど、それを言うなら西側の攻撃力も衰えている。無茶のある作戦かどうかは「ルールを丹念に読み、ある程度研究した末」でないと断言できない。コレとゼーレーヴェについてキチンと研究してないとイケナイってのが、「経験の少ない側が連合軍を担当するのは辛い」理由だ。
 
 連合軍側の対処方法は大きく分けて2つ。まず重要なのが「赤軍の防衛」。ポーランド戦直後はともかく、40年の春~夏辺りからキチンと機能する防衛ラインを築いておく必要がある。これは案外楽じゃない。赤軍に「開戦前の生産」が認められているゲームの場合、40年の総戦力は41年のものより劣るのが当然。それゆえ、慎重に防衛計画を練らないと大穴が開いていたりする。かといって40年の防衛を重視しすぎた結果、「その後生産した部隊と合流できてないので、なんか戦線が脆いんですけど」ってのも大いに困る。
 
 もう1つの対処方は「西側からの攻撃」。これは2つの考え方がある。1つは英仏の攻撃で赤軍を間接的に支援するもの。西に部隊を引きつければ、それだけ東の攻撃は弱まるからね。ただ、これも「とりあえず独に攻め込めばいい」ワケじゃない。仏独が直接国境接している場所って、かなり狭い。ここを独がガッチリ守るのは、そう難しくないのだ。これを打開しようと思ったら、「連合軍によるベネルクス侵攻」を視野に入れる必要が出てくる。アルデンヌの森を抜けるのか、アルンヘムまで一気に突っ走るのかはともかくだ。これまた事前にある程度研究しておかないと、グダグダになって「ウチもやられちゃいました」となりかねない。
 
 西側からの攻撃その2は、「米軍の参戦を待って攻勢に出る」というもの。赤軍の降伏=ゲーム終了・独軍の勝ちってゲームならともかく、モノによっては「ウラルの彼方まで占領されない限り、赤軍は戦い続ける」なんてこともある。東部戦線に投入された独軍がいつまでも戻ってこないのならば、米軍使ってベルリンを蹂躙しちゃえば連合軍の勝ちだ。ただ、これは「モスクワ占領後」の独ソ両軍がどーなるのかをキチンと読まないと、「カイザーシュラハト」喰らって大陸から叩き出されかねない。やっぱり研究の必要がある。
 
 コレに対し独軍は、別にこんな戦略研究する必要は無い。いわゆる「史実通りの作戦」の変形に磨きを掛ければ、かなり戦えるからね。まあ「ブラフのかけ方」ぐらい覚えておくと便利だとは思うけど、所詮ブラフ。複雑な研究が必要ってホドじゃない。ただ、あえて研究してして実行し、顔色変えて意味不明なコトを口走る連合軍プレイヤーの顔を見るのも悪くない…って程度だ。
 
 実際この手が成り立つかどうかは、そのゲームのルールに強く依存する。禁じ手に指定されても文句言う奴は少ないし、「事実上の禁じ手」ってな場合も大いにあり得る。ただ、事実上禁じ手って程度だと「ルールの抜け穴」見つけようとする奴とのいたちごっこに陥るかもしれないんだよね。とりあえず連合軍プレイヤーは、ルールブックに「パリが陥ちるまで、独軍はソ連に侵攻できません。」って書いていない限り、油断はしないように。
 
 私が覚えている限りでは、確か「第三帝国」(AH)では「一応成立する手」だったような。「それを勘定に入れて防衛線を引け」って記事を、何かで読んだことがあるような気がする。他のゲームじゃ、流石に本気で研究したこと無いなあ。とりあえずは「そんなコトしたら、色々辛いよ?」ってルールがある場合が多いので、その抜け穴を探す気になれなかった。ただ、仏降伏により多大な収入が得られる「第三帝国」で一応成立するんだから、今本気で研究したら「必勝法じゃん」となりかねない気も…大抵は「やっぱり成り立たない」で終わりだと思うけどね。
 
 「ヒトラー電撃戦」には、別に何の制約もない。やりたければやれば?ってなもんだ。それゆえ、必死になって研究した。「独軍が諦めてくれそうな防衛線の構築方法」「英仏による攻撃ポイント」「米軍展開まで対ソ戦が続く可能性」の3つについて、「とりあえずの結論はコレだ!」ってものを出し、記事に書いた。ソコに至るまでかなり時間を掛けたつもりなので、巨大な穴はないと思うなあ。細かい穴はありそうだけど(苦笑)。
 
 ちなみに、初期の研究では「ひょっとしたら必勝法じゃ?」って状態だった。赤軍が脆すぎて、崩壊しちゃうのだ。その後大増援がやってくるけど、東部戦線は広いので、これだけじゃ穴を塞ぎきれそうもない。コレはイカン!と戦い方を根本から見直して出た結論が「前進させるため使う補給が惜しいから、後方に防衛線を構築」だったりする。これなら流石に「一気に大崩壊」しないので、後は増援で穴埋めが出来る。そうなると目先の問題として英仏の攻撃に対処せねばならず、後々米軍の攻撃を「海という防衛線」抜きで受け止めなきゃならないのは…なにせ仏を降伏させても「西の守りが気になって仕方ない」ってゲームだ。対ソ戦開始後3ターン後に来る「大量の特別増援+総力戦カードで生産された部隊」を見た瞬間、独軍の心が折れるでしょ。
 
 こうやって結論だけ書くと簡単そうだけど、ここに至るまでの研究は苦しかった…解決のヒントとなったのは、「ある悲惨なる戦い」という、有名な「第二次欧州大戦」(SPI/HJ)リプレイ記事。この記事で赤軍は「国境は事実上放置して、後方に防衛線を構築」するんだけど、それは「ヒト電」でも応用できないか?と考えたのがキッカケになった。後方と言ってもどの辺に…というのは、軍神鹿内殿や有楽斎殿に教えてもらった「East Front」(COL)の赤軍防衛線、つまり「大事なトコロに一気に引いてしまう」を参照した。「移動のために何かしら資源を使うゲーム」って部分が共通している以上、「下手に部隊を前で粘らせてはイケナイ」って法則も共通すると考えたのだ。最後は自分で研究した「このゲームのソ・フィン戦争における部隊のかき集め方」の応用だ。この「40年から戦える防衛線」にその後生産された部隊などを加えたモノが、「F男式バルバロッサ用赤軍防衛線」だ。
 
 この戦略って、史実と比較してどうなのか?う~ん…あくまで私個人の意見としては、「赤軍を電撃戦で崩壊させるため」の手段の1つだと考えるのならば、アリだったような気もする。ただ、これは「電撃戦を使えば、赤軍を崩壊させることが出来る」という仮定の回答がイエスならばの話だ。私の回答は、実はノーだ。赤軍は電撃戦では崩壊しない。スモレンスクを巡る戦いでそういう結論が出たからこその「南方旋回」じゃないかと思うので。この辺は色んな主張があると思うけど、とりあえず私個人の主張はこうなる。
 
 余談だけど、先月やった「ヒト電」のプレイで、私はそれを痛感させられた。自分なりに練った戦略で赤軍戦線に大穴をこじ空けたまでは良かったけれど、その穴は大増援で見事に塞がれた。わかっちゃいたことではあるけれど、それでもあの瞬間「赤軍を電撃戦で屈服させるなんて、無茶だ」と歯がみしたくなりましたね。あれでゴーリキー(「ヒト電」ではモスクワより重要)目指して突っ走っていたら、「南方旋回だ!戦争経済考えたら、それしかない!」と叫んでいたような。
 
 戦争経済とやらを持ち出してどうこうって話になると、40年からのバルバロッサは無茶がある。色々事情が違うとは言え、ロシアを屈服させたあげくカイザーシュラハトぶちかましても、独はWW1で負けたのだ。多分44年中にベルリンが占領されるんじゃないかなあ。大抵の戦略級ゲームだと「それだと負け。45年夏まで降伏を遅らせれば、一応勝ち」となるので、大人しく仏降伏させてからバルバロッサやっとけ…って話になりそうだ(笑)。
 
 私は「赤軍は電撃戦では崩壊しない」と思っているけど、「できるはずだ。崩壊させてみたい」と思っているゲーマーは多いはず。いやまあ、私も色気ぐらいはあるし。そのための手段として「対仏戦省略してバルバロッサ」が考えられるのは事実。大抵の場合は「相手プレイヤーがリアルに奇襲効果」喰らってくれないと成立しそうもないけれど、それでも研究してみる価値はあるんじゃないかな。ただまあ、大抵は無駄に終わります。それは覚悟して欲しい。戦略級ゲームの「40年バルバロッサ」なんて、そんなものよ。私が「ヒト電」で「駄目だこりゃ」って戦略をいくつ検討したと…(以下略)

8月9日2010/08/10 00:15

 昨日はMiddle-Earth東京支部でD-DAY(EP/SS)をプレイ中、「ちょっと特殊な呼び出し」がかかってコミケ関連の飲み会に顔出し。こういう掛け持ちは色んな意味でどうかと。ただまあ、それが私だ。
 
 本日の話題は、飲み会で出た話題に関連して「F男の称号」について。相当アホな話なので、本気にしないで下さい。何故こんな話なのか・ついでにこの色使っているのは何故かは、後ほど説明します。
 
 私に面と向かって「F男の称号は何ですか?」と聞いてきた人間はいない。少なくとも、記憶にはない。そりゃそーだ。私の本名についてどうこう…って話なら、冠婚葬祭絡みなどで聞かれることもあり得る。けど、そんなモノと基本無縁な「私生活用の人格」の象徴であるF男って名前使っている時、称号を気にする奴がドコにいる。私自身、どんな称号使われたってまるで気にしてねえ。「F男さん」「F男様」「F男氏」「F男殿」「F男」「F男の奴」その他諸々、好き勝手な称号とセットにしてもらってかまわない。
 
 けど、もし仮に面と向かってそんなコト聞かれたら、一応私は「ドクターでお願いします」と答えることにしている。私はドクターコースに進んだ経歴があるワケじゃないので、私の「本名」の敬称はドクターじゃない。けど、私の「趣味の上での人格」はドクターなのだ。そう「詐称」するに足るアイテムを持っているから。
 
 私の部屋はカレンダーだらけだけど、それ以外のアイテムもいくつか飾ってある。そのうちの1つに、「ミスカトニック大学超心理学博士課程の修了証」なるものがある。ちなみに、こんな大学は実在しない。一部で有名な「クトゥルフ神話」関連の小説に良く出てくる、架空の大学だ。とはいえ、それなりに有名な小説のシリーズに出てくる、「由緒ある架空の大学」だ。「シャーロック・ホームズの住所」ベーカー街221B(注:当時架空だったけど、後の区画改訂で実在するようになった)みたいなものだと思って欲しい。
 
 何でそんなものがあるのかって?その昔々、私がまだテーブルトークRPGを盛んにプレイしていた頃、「クトゥルフの呼び声」(ケオシアム/HJ)って作品があってだねえ。そのエクスパンションキットの1つに「必要な書類揃えて申し込めば、ミスカトニック大学の修士/博士課程の修了証あげる」ってオマケがあったのだ。そいつを申し込んだんだな。確かに「うそんこ博士」ではあるけれど、一応は「多少なりとも公式性のある詐称」だったりするのだ。ゲームの出版元であるケオシアム社が存在していた頃は、この会社が私の博士号を「公認」していたはず。会社が亡くなった今じゃどうかは知らない。
 
 この博士号、日本人で「持って」いる奴はごくわずかのはず。だって、このエクスパンションキットは未訳だからね。他に数人申し込んだ奴がいたのは知っているけど、100人いたら大した物だと思う。ただまあ、日本で「クトゥルフ神話」に詳しい奴はこのゲームのことも知っている場合が多いので、ごくごく限定的な時と場合によっては、感心してもらえると思う。つーか、ゲーム知らなくても「ミスカトニック大学博士課程修了証持ってます」と言えば、感心はしてもらえるはずだ。カネ出せば誰でも買えたとわかっていても、「ネルフ公式携帯」(ネルフは「エヴァンゲリオン」に出てきた組織)持っている奴がヲタク限定で尊敬されるのと同じだ。
 
 ある意味残念なことに、この修了書に書いてある名前は「F男」ではない。私がこの名前を名乗る前の品だからね。しかも、ご丁寧なことに本名ですらない。「以前のペンネーム」なのだ。アホでしょ。ただまあ、私の中では「F男」と「修了証に書かれた名前」は完璧に同一人格(ちなみに、「本名」と「F男」は同一人格扱いしてない)だから、何ら問題はない。少なくとも、「F男の称号は何ですか?」などとアホなこと聞いてきた奴に、「博士と呼べ」というアホなコト回答して、良心が痛まない程度には。
 
 ちなみに、いわゆる「文系の博士号」なるものは、直接は役に立たない称号として有名だ。大学の教員レベルでさえ、「持っていたからどうだって?」って扱いをされている程度。理系と違い、文系の学会とはそういうモノらしい。少なくとも日本では。普通は修士課程を修了した後に博士課程に進み…って手段で獲得するけど、「大学で偉い立場になったから、博士課程修了したことにしちゃう」ってな場合も多いとか。なお、最近色々叩かれている法科大学院を卒業すると、マスターを飛ばしてドクターになるんだとか。少なくとも、某法科大学院の学長が非公式に「ドクターってコトになるんだろう」と発言するところを聞いたことがある。
 
 何故こんな話をするのかと言えば、先日の飲み会の参加メンバーが「SF大会」に行ってきた帰りだったから。「クトゥルフ神話」系のイベントに参加したそうで、「(F男の方が)楽しめたんじゃない?」と聞かれた。そりゃまあ、詐称学歴とは言えミスカトニック大学のドクターコース出ているからねえ。「クトゥルフ神話は詳しくない」なんて言えないわけですよ(笑)。国書刊行会って出版社から出ていた「ラヴクラフト全集」及び「真ク・リトル・リトル神話体系」って本(両者とも全10巻)を読破した記念?として「修士じゃなくて博士課程申し込んじゃおう!」ってなアホやらかした奴なだけに、参加していれば楽しかったと思うな。
 
 SF大会は「SF好き」であり、「科学全般に興味ある奴」であり、「ゲーマー(SF系のゲームやってる奴がいるらしい)」であり、ヲタク」である私が参加しても何の不思議もない…どころか、過去何度も「行かないの?」と聞かれたイベントだ。私が参加しないのは、下手に参加すると毎年行く羽目に陥りかねないから。要はハマるのがイヤなので逃げ回っているわけだ。毎回東京付近でやるイベントじゃないだけに、毎回参加はキツいよ。けど、一度行けば「次も行くこと確定」となるのがミエミエ。そりゃもう、逃げるしかないでしょ。(笑)。
 
 こういう話も出たけれど、話題のメインはやはりコミケ絡み。コミケの話は、「F男」にとっては、ある意味「仕事」だ。実際コミケ絡みでカネ儲け(と言えるのかぁ?)しているわけだし。いくら詐称学歴とは言え、「ドクター」のやる仕事じゃないよな。でもまあ、「文系博士号」なんてそんなものよ(苦笑)。

8月10日2010/08/10 23:48

 「萌えが付属したミリタリー関連」だの「イケメンの石田三成」だのはカンベンして欲しい、それを許容しろと言うのは子供に「ピーマン食え!」と強要するようなモノだ…って話(詳細はコチラ)を見て最初に思ったのは、「逆でしょ」の一言。面白いし長くなりそうなので、ここで長々と理由を述べてみます。
 
 何が逆なのかって?何か「気に入らないモノ」を押しつけられそうになった時、自分を「ピーマン食えない子供」にたとえたくなる気持ちはわかる。わかるけど、この場合は適切では無さそうだ。私が思うに、この話題の「ピーマン」は「燃えミリ」や「短足胴長武将」の方で、子供は萌えやイケメンを喜ぶ連中だ。つまり、「萌えミリはカンベンしてくれ」という意見は、ピーマン普通に食えるし大好物って大人が、子供用の舌にアレンジされたピーマン料理食わされ、「マトモなピーマン食わせてくれ」と嘆いている…って図式だと思うんだな。
 
 何故コッチになるのか?これは、「仕掛け人側の意図」を考えればわかる。萌えやイケメンを好む連中にモノ売ることを考えた場合、別に「ミリタリー」や「戦国武将」がセットになっている必然性はあまりない。差別化しやすくて便利って程度だ。にもかかわらず、何でミリタリーなの?と考えてゆくと、「作り手はミリタリーの方が好きなんだろうな」ってのが透けて見える。でなけりゃ、あんなモノ作れないよ。「ミリタリー方面」ではそれなりのレベルにあるはずの私でさえ、たまに感心させられるってレベルなんだから。
 
 ミリタリーはいい。武将は燃える。そんなコトは当たり前であり、説明の必要は感じない…というのは、ごく一部の人種の話だ。私も一応この人種に分類されることが多いので、その言い分はよくわかる。わかるけど、残念なことにそれを理解できない「可哀想な連中」がいるのも、事実なんだよね。嘆かわしいことに、そういう連中の方が数が多いと来ている。こういう連中に「正しい道」を教える手段として生まれたのが、萌えミリだ。開発目的だけを考えれば、むしろ「燃え系」人間のために生まれたのである。
 
 しかし…しょせん萌えミリは「お子様向け」である。「ピーマン使っている」のは確かだけど、味付けは露骨にお子様向け。「大人の舌」の鑑賞に耐えるとはとても…というシロモノだ。ただ、これは結局「ピーマンを喜んで食う習慣を付ける」手段に過ぎない。とりあえず食わず嫌いを解消してしまえば、「お子様向けピーマン料理」を卒業して「苦いピーマン料理」を食べるようになる奴が出るかも知れないって期待が持てる。ピーマンってのは苦いんだよ。苦いから良いんだよ。それが「オトナ」の正常な意見であり、「甘ったるいピーマン料理食えと言われると、涙が出てくる」理由なんて考える必要は無いと思うな。
 
 そりゃあね、私も「初めてピーマン食った時から、オレの求めているモノはコレだと直感した」人間に近い。そんな人間から見れば、「萌えミリ」は邪道以外の何者でもない。理解したくないんだけど…って気持ちはわかる。わかるけど、「ピーマン食える人間が絶滅危惧状態に陥り、ピーマンの生産量がゼロに近くなる」って状態になって困るのは「ピーマン食える側の人間」である以上、せめて存在意義ぐらいは認めてあげないと。
 
 そもそも、「萌えミリ」の起源はすごく古い。コレを否定しちゃうと、新谷かおるの漫画を否定することになりかねないんですが。あれも「色気あるネーチャンの絵」+「ミリタリー」って部分では共通するわけで。「(萌えミリから入った奴と)ゲームの嗜好が合うかどうか、同じ卓を囲めるかどうかはまた別の話。」などと言うのなら、新谷かおる描くところのネーチャンから「エリア88」経由してミリタリーエアを語れるようになった奴(私だ私)と空戦ゲームは出来ないって話になると思うな(笑)。陸モノはゲームが先なんだけど、空は萌えが先なんですよ私は。
 
 流行している「何か」を取り入れた結果、その「何か」の方がメインになってしまい、業界全体がズタズタになる…というのは、良くある話だったりする。実際、ウォーゲーム業界はテーブルトークRPG業界(その昔は関連性が高いとされていた)のおかげでダメになったと言われている。その意味では、「萌えミリ」を意識したウォーゲームなんてモノが下手に主流になったら、この業界はヤバいかもしれない。ただ…正直言って元々からしてヤバい業界なのだ。「ブームと称してどっと人が増え、ブームが去ったからと言って人が消え去る」ってことをやらかせば、なんかスゴく困ったコトが起きたような気になるけど、「ブームが去った後-ブーム前」って算術がプラスならば、ブーム前もブーム後もこの業界にしがみついているに決まっている人間の目からすれば、「良かった」となるわけだ。この算術は、マスコミ言うところの「名馬」が登場するたび浮き沈みする競馬業界を見ていればわかる。キッカケが何であれ、「そこに馬がいる」ってだけで競馬場に突撃する馬鹿が増えれば、それでいいんだよ。
 
 この辺、私は「コアなゲーマー」を信頼していると言える。萌えを取り入れたからって、それに押し流されて駄目になるような連中じゃないだろうと。そりゃまあ、一部のコアゲーマーが「そーゆーゲーム」も(あくまで「も」)プレイするようになり、コアなモノしかプレイしない人間が寂しい思いをする…ってことはあるかもしれない。けど、その程度で業界全体がどうにかなっちゃうとは思えないんですが。「『萌え』なんぞで道を踏み外すようなゲーマーは惰弱な奴だ。そんな奴は、平民落ち(「独身貴族」でなくなること)した瞬間にゲーマー止めるに決まっている」(元ネタは競馬の戸山哲学「調教で壊れるような馬は弱い馬だ。そんな馬は競馬に出しても勝てないに決まっている」)と考えて良いんじゃないかと(笑)。
 
 ウォーゲームに萌えを取り入れる手法ってのは、要はコンポーネントに「萌えイラスト」を採用するかどうかって問題になると思う。ゲームの本質はルールにあるとするならば、「ユニットが萌え萌えだったからって関係ないね」で済ませられる理屈だ。けど、実際は…私は相当「コンポーネント軽視派」に属する(ゆえにハリガネ弁当箱を尊ぶ)気がするけど、それでも「同人ゲームのコンポーネント向上に並々ならぬ関心がある」ように、無関心じゃいられない。「萌え耐性」が強い私でも、好みはやはり燃え系コンポーネントだ。ただ、「コンポーネントは大事だよね」って意見を展開してゆくと、「萌えイラストで騙して引きずり込むのは有効なんじゃ」って話にも繋がるんだよね…とりあえず、「自分が好きな傑作ゲームが、萌え絵ユニットで再版されちゃった」場合、「中身は傑作だから許す」のか、「それでも許せない」のかは、意見が割れるとは思う。
 
 ついでに言えばだ。「萌え」の侵出は各方面に及んでいるけど、私個人の感想としては、何故か「ミリタリーエア」はそれが著しい気がする。「ストパン」こと「ストライクウィッチーズ」とかね。ということは、「中身はまんまAir Force(AH)やAir War(SPI/HJ)」なんだけど、「ユニット及びデータカード付属イラストが萌え萌え」ってシロモノが登場する可能性は、あると言えばあるような…新作出ない・再版もされないという「空戦シミュレーションゲーム」の世界において、「萌え導入を認めるなら、再版してやる」などという「悪魔の選択」突きつけられたらどーするのか?コレって実はシャレになってないような…
 
 とりあえずの結論。子供にフツーのピーマンを食うよう強要するのは、拷問である。でも、大人に「ピーマン使ってはいるけどピーマンの味はしなくて、ただただ甘ったるいシロモノ」を食えと強要するのも、拷問である。かといってお母さんに「ドッチが食べても美味いと言う料理作って」と強要するのも、拷問である。「栄養があるので」ピーマン料理を出さなきゃイケナイ場合、誰が拷問を受け入れるのかは…私は「貴族」だからして、この辺で悩む必要は無いんだよな。良かった良かった(おい)。

8月17日2010/08/17 23:16

 いやもう色々大変でした今回のコミケは。「暑くて体力すり減った」だけじゃなく、色々と気力を消耗させるコトがありましてね。というわけで、軽くレポートお届けします。
 
 まずは「仕事」でもある?ゲーム系について。事前に「不作っぽい」と愚痴っていましたけど、何とかなったと思っています。まあ、色々カラクリがあったりするんですが。曲がりなりにも「この業界初のコミケレポーターらしい」(知人に話聞いたところ、ゲームグラフィックスにもそんな奴はいなかったらしい)以上、不作予想の中でも何とかするんだよ!つーか、しろ!と自分にハッパかけて頑張りました。
 
 カラクリの一端はここで紹介しちゃいましょう。今回は勇気を振り絞って、小林源文先生の同人誌を掲載する許可をいただきました。先生が活動の中心を同人誌に移したってコトは以前から知っていたんですけど、そういう決断を下した方の同人誌を、曲がりなりにも商業紙が採り上げようとするのはどうよ…ってんで、逃げ回っていました。「掲載許可だぁ?出直してこい!」なんて一喝されたくないですよ。でも、実際は「どんどんやって下さい」と快諾していただけました。良かった…本当に良かった。自分の逃げ道を消すためにも、事前にコマンド誌編集長に「この業界って、小林先生とケンカ別れしてませんよね?」と確認しておいた甲斐があった…
 
 小林先生の同人誌なんて「ゲーム(電源不要)」には…と思ったアナタ、その通りです。他も一応取材してますから。「コミケレポーターって言うからには、ココまでやってくれなきゃあ」なんて文句言われないよう、注意はしているんですよ。コミケレポートなんて、その気になれば誰でも出来るような仕事(だから志願したって話はある)だと思うんだけど、「それでも任せるならやっぱりF男」だと思われたいじゃないですか。即売会レポートの回数重ねてきて、流石にそういう欲が出てきましたね。
 
 実際その欲に見合う仕事が出来ているかどうかはともかく、「やって良かった」と感じることは事実ですね。その最大の理由は「同人ゲーム・同人誌の作り手が喜んでくれるから」です。具体的な宣伝効果がどれだけあるのかはともかく、「ペーパーメディアに紹介される」ってのは嬉しいでしょうからねえ。「紹介してもよろしいでしょうか?」というコチラの挨拶を聞いて、作り手の方々の目がちょっと誇らしげに輝く様を見るのは、まさに「役得」です。ましてアナタ、今回は小林源文先生の「そういう表情」拝めたんですよ!羨ましいでしょ?代わって欲しいでしょ?喜んで変わるので、お願いだからそう言って(苦笑)。
 
 嬉しいこともあるけれど、正直楽な仕事じゃないですよ。特にキツいのは「プレッシャー」ですね。「コマンド誌読者が喜びそうなモノとは」を考えて会場をうろつき回り、あくまでその場だけの話とは言え「コマンド誌を代表して」取材許可をもらっているわけですからね。正直、逃げ出したいくらいです。「オレがコマンド誌にレポート送って、特別マズいコトは無いんじゃ?」って気持ちで始めたことではありますが、今では「本当にオレでイイのかぁ?」って気持ちが強いです。けど、役得考えると辞めたくもない…つーか、始める前にそーゆーコトは気がついてしかるべきじゃ。タイヘンなコトやらかしたなあ。
 
 その他について。今回は「やられた!」って話が多くありました。まずその1。某エロゲーメーカーの某セットを「1つ買ってきてくれ」と頼まれたので行ってみたところ、そのセットにカレンダーが含まれていると判明…何故夏にカレンダー。しかも売れ残りとかそんなんじゃなく、今年の9月から来年の8月までのモノ…そりゃカレンダーマニアにケンカ売ってるのかぁ!ってワケで、自分の分も買っちゃいました。アホだ。
 
 その2。もっと間抜けな話。別の某エロゲメーカーの品を買いに行った(やっぱり依頼品)ところ、事前に渡された品書きに「クリアカレンダー」なる文字が…またか!またなのかぁ!と動揺しつつ確認したところ、どうやら実物はカレンダーじゃなくてポスターの模様。要は誤植だな。だったら用はない…ハズなんだけど、物欲に火が付いて止まりませんでした。私にしては珍しく、単なるクリアポスターを購入。どうしようコレ…カレンダーだらけの私の部屋だと、飾るスペース探すのがタイヘンなんですけど。
 
 その3。これは伏せ字で名前出してやる。ホビージャ○ンブースに行ったところ、「最後尾はアチラ」との指示が。コレは良くある話なんだけど、その最後尾が見あたらない…列自体はすぐ発見したんだけど、ドコが最後尾なのかわからないのだ。列が動き出してやっと最後尾を発見する有様。普通「最後尾」って看板持った奴がいるはずなんだけど…と思ったら、アサッテのトコロに看板隠して立っていやがる。私が並んだ後に最後尾に戻ってきたと思ったら、また看板隠して別の所に行き、何やら指示を出している…最後尾看板持った奴が、他をウロチョロするなぁ!その必要があるんなら、客に看板持たせろ!実戦でそんなコトやらかせば、味方のナパーム弾降ってきてもおかしくないんだぞ。テメーのトコロの紙袋に使っているキャラ「魔法の海兵隊員ぴ○せるまりたん」(外見は萌えキャラだけど中身は海兵隊下士官)にシゴいてもらえ!
 
 その4。今回被害には遭わなかったんだけど、某人気企業が「2日目にして全て完売」なる怪挙を達成。おいおい、人気商品は2日目朝(開始前)の時点で「売り切れ注意報」出てたじゃねえか。元々「たとえ便せんとカレンダーを出したとしても、私個人の目的のみで購入対象とはしない」と決めていたくらい「要注意」扱いしてたけど…もう二度とココの購入依頼が来ませんように。でも、依頼来たら何とかして入手するのが「この世界の仁義」なんだよね。
 
 私個人の買い物?便せんですよ便せん。気力体力使い果たす寸前の状態で「創作(少女)」をうろついていた関係上、ボーっとして山ほど便せんを買ってしまった…こういう状態でコミケをうろつくのは危険です。気がつけば財布の中がカラになり、意味不明なシロモノを山ほど買い込んでいたりします。ご注意を…って、そんな馬鹿はオレだけか(苦笑)。
 
 そうそう、一部で大ウケしている「普通はやらない競馬場巡り」のあんぶる殿ですが、今年も「1年での全競馬場制覇」にチャレンジしているそうです。スゴいなあ。この情熱は見習わないと。JRAはこういう活動に対して何かしら表彰しようって気は起こさないのかね?
 
 「コミケが終わると、夏も終わったって気がする」のがヲタクという生き物。より正確には次回申込書(〆切が滅茶苦茶早い)記入が終わったらだけどね(苦笑)。私はそんなモノ記入する必要は無いけれど、原稿書く必要はある。まだ色々タイヘンなんですよ。トホホ…

8月18日2010/08/19 01:05

 コマンド誌最新号が届いた。今回は私のゲームマーケット2010レポートが掲載されているので、「献本」が来たのだ。ちなみに、a-game(コマンド編集部)ブースのレポートは中黒編集長が、同人ゲームを中心としたその他部分のレポートは私が担当するという構成。まとめて読むと、「体が二つあって良かった…」って気がします。中黒編集長にもそう思っていただければ、嬉しいんだけどな。
 
 一応、私の記事の「捕捉」を。記事で紹介しているゲーム印刷所の「萬印堂」のサイトはコチラになります。「勝手にURLを商業誌に紹介するのはどうかと」って理由で掲載しなかったんですけど、まあ私のブログで紹介する分には問題ないでしょ。興味のある方はアクセスしてみて下さい。
 
 さて、本日の本題。コミケレポートの続き?として、「萌えミリとヘタリアの相違点についての仮説」を語ってみようかと。今回のコミケで、「この辺が違うんじゃ」って部分に気がついたので。
 
 諸般の事情…つーより隠しても意味ないから書いちゃうけど、「コマンド誌用レポートのための取材」のため、私は今回「歴史」ってジャンルを丹念に漁ってみた。毎回一応チェックしているんだけど、いつもは「さっと見て回り、気になるモノがあったら細かくチェックする」って姿勢のところ、「最初からじっくりチェックする」って姿勢にしたのだ。そこまでやらなくても「掲載する価値のあるモノ」があれば見つけられると思うけど、見落としの可能性を少しでも減らしたかったので。正直労力の割にあんまり報われないんだけど、それはわかっていたので気にしない。
 
 しかし…というか案の定というか、「コマンド誌読者向き」の品は特別発見できなかった。戦国時代やWWⅡなど、時代や舞台がコマンド向きってモノはそれなりにあるんだけど、み~んな「なんか違う…」って感じた品ばかり。私個人が読んで楽しめるかどうかはさておき、コマンド読者向きかどうかを考えると、そうなっちゃうのだ。
 
 色々忙しかった(取材後は便せん漁りがあったから)ので、その日その場では「なんか違う」だけで片付けていたけれど、後ほど「何故そう感じたのか」を自己分析してみた。まさにコマンド読者向き!ってな小林源文先生の同人誌が入手できたので、それと比較しつつ。そこで出た私なりの結論は、「『歴史』ジャンルの作品は、シチュエーションよりキャラクターの方が重視されているからではないか」ってなものだ。
 
 ものすご~くぶっちゃけて話をすると、「歴史」に置いてある「戦国時代」同人誌って、たとえば上杉景勝と直江兼継が「掛け合い漫才」している…ってな感じの品が多いのだ。ピンだったり色んな組み合わせだったりするんだけど、要は「歴史上の人物という特異なキャラクターを、日常的な風景に置いてみる」ってパターンがすごく多い。「キャラクター重視」なのだ。
 
 それに対し、私が「こういうモノがコマンド読者向きかなあ」と感じた品は、「主役は戦場」ってモノ。形式的な主役は「パットン」「モンティ」だったとしても、そーゆー連中が「戦場であーしたこーした」って部分が重視されている。「シチュエーション重視」ってコトだな。
 
 もちろん、コレはかなり極端に分類するとそうなる…ってもの。コマンド読者向きのモノでも、キャラクターはある程度重視されている。「○○将軍が指揮を執ったから、こうなったんだろうな」って戦いは多いんだし。そこから話を進めて、「もし○○将軍がその時別の戦場に派遣されていたら」って話をするのは、コマンド読者も嫌いじゃないと思う。ロンメルを東部戦線に投入するとかね。けど、要は「結局戦場」なのだ。「後方勤務しているロンメル」「家庭問題で悩むロンメル」、果ては「現代日本で腐女子とデートしているロンメル」なんて心底どーでもいい。けど、「歴史」系同人誌は、どうもそーゆー部分に興味のウエイトがあるような気がする。
 
 何故そうなのか…は、よくわからん。現状では「そーゆーものらしい」としかわかってない。とりあえずの仮説として、「歴史」系同人誌の作り手って女性が多いから、「女性は『職場でバリバリ働く男』(役者や歌手なども含まれる)の姿から、『コイツを夫として家庭に迎え入れたら』なる姿を想像させられるコトが多いから」と考えてはみたんだけど、確証はない。
 
 ただ…この事実から「もしや関連があるんじゃ…」と思ったモノがある。「ヘタリア」に代表される、「腐女子妄想パワーによる、よくわからん擬人化」だ。国家や電車・駅…その他心底よくわからんモノがイケメンに擬人化されているけど、「何故連中がソコまで擬人化にこだわるのか」と、「歴史」系同人誌のありようって、関連があるんじゃないかと思いついた。それは何か?擬人化すれば「そのキャラクターを、本来無関係な、多用なシチュエーションに叩き込む」ことが楽になるのだ。
 
 擬人化しなければ、「家庭生活を送るソ連」「デートする高崎線」なるものを想像するのは難しい。けど、そういったモノが持つキャラクター性を備えた人間(別にイケメンである必要は無いけど、イケメン以外である必然性もない)を想像することは可能だし、そういった人間を多彩な状況に叩き込んでみることは可能だ。要は連中、そーゆーコトがやりたいらしい。対象が何であれ、その「キャラクター」が気に入ったら、それを「様々な状況」(コマンド読者のような存在にとっては大抵がどーでもいい状況)に叩き込まなきゃ、気が済まないようなんだな。
 
 こういう「腐女子妄想パワー型擬人化」と「萌えミリ型擬人化」(あえてこの色)の違いは何か?私が思うに、「可逆性があるかどうか」だと思う。萌えミリ型の場合、「女の子」に変換してしまえば、それが終点だ。そーゆーネーチャンとデートしたり××したい…とは思っても、まさか「P-51Dムスタングとデートしたい」「3号突撃砲と××したい」たあ思わないでしょ?これら兵器の後ろに「みたいな」って言葉をくっつけても。もし本気でそんなコト公言すれば、同性からヘンタイ扱いされるのは間違いない。ところが、「腐女子妄想パワー型」の場合、少なくとも理論的には「可逆性」、つまり「元に戻す」ことが可能だ。連中は「みたいな」つけていいんなら、「中野駅」や「京浜東北線」と結婚しても良いんじゃないかぁ?あ、連中は自分とどうこうより「そういうモノ同士」をくっつける方がずっと好きだから、心底「人間じゃなくてもOK」なのか。
 
 本当のところは、正直わからない。私はソコまで腐女子の生態に詳しいワケじゃねえ。ヲタクと腐女子は共通部分が多いけど、違いも山ほどありそうだからなあ。ただ、腐女子連中がものすご~く擬人化が好きで、正直私にはついて行けないレベルに達していることは事実だ。「歴史」系の同人誌作っているような連中は、ソコまで飛び抜けてないけど根っこは同類…って可能性はありそうだな。
 
 ここまで書いて思ったんだけど、腐女子ほど飛び抜けてないってだけで、男でも「キャラクター重視型の歴史好き」っているんじゃないか?私が「コマンド読者向きじゃ無さそう」って理由でハネた同人誌の方が、私が「コマンド読者向きだ」って理由で購入した同人誌より「面白い」って言う男。おそらく…というより確実にいるよなあ。割合はともかく…って、「坂本龍馬に学ぶ経営術」なんて本を好んで読むような奴って、実はそーゆー奴なのでは?ってことは、「歴史好き」ってだけじゃ、コマンド読者に代表されるウォーゲーマーに「近い人種」とは限らないって話に…この話、追加調査が必要な気がしてきたぞ。まさかこんなオチになるとは。

8月21日2010/08/22 01:42

 コミケレポート、第0.9稿なんとか完成。難航する時は難航するんだけど、今回は順調に書けた気がする。これに必要な情報(正式なサークル名や連絡先など)を埋め込み、微調整を施し、最後に誤字脱字などをチェックすれば第1稿完成となるはず。ただ、明日以降見直した結果、大幅な修正(下手すると総ボツ)が入るかも知れない。ただ、現時点でココまで完成した以上、完成が来月以降にずれ込むことは無さそう。〆切にはまだ余裕があるので、焦って完成させる必要は無い。
 
 本日のお題は、大ネタ「ボードウォーゲームを扱った萌えネタは成立するか?」を。原稿が順調だったおかげで時間的・精神的に余裕があるし、ここ数日のネタにいただいたコメントにいいヒントがあった気がするし。馬鹿ネタではありますけど、お付き合い願えればと。なお、あえて挑発的に?この色のネタ扱いします。
 
 ボードウォーゲームを扱った萌えネタなんて、作る必要あるのか?この趣味を「流行らせたいのなら」、答えはイエスじゃないかな。今現在、「売れる」って計算が成り立ちやすいものって、「萌えを取り入れたモノ」だからね。何故萌えにそんな力が?ってのは、興味深いけどここでは割愛。そういう「売らんかな」な姿勢はどうかと…って気持ちもわかるけど、「売れる」というのは「儲かる」だけじゃなく、「その素晴らしさが世に広まる」ことでもあるのだ。過度に卑下するのはどうかと思う。
 
 このネタについては、既にいくつか考察されていたりする。ココとかでね。そこで、あえてまず最初に「そーゆー話の先例」に対する、私の評価を述べておこう。これは、残念ながら「クズ」というものだ。ただし、「F男がつまらない・下らないと思ったから」という理由じゃない。そういう観点とは全く別の理由から、クズと言わざるを得ないのだ。
 
 その理由とは?正直言って、発表形式から判断するに、これらのアイデアを思いついた人間に「実際形にしよう」って意欲がほとんど感じられないから。形にならないモノは、どんなにポテンシャルが高くても売れることはあり得ない。売れることがあり得ない以上、それらに対する評価は、残念ながらクズと言わざるを得ない。「とにかく形にする」ってのは、それぐらい大事なんだよ。
 
 「形になるかどうか」が重要だとするのならば、私がこれから述べるモノも自動的にクズである。それはよーくわかっています。少なくとも現時点の私に「形にするつもり」はゼロだ。ただ、この話が「飲んだ時やブログを書く時など、馬鹿話をする時のネタとしては」面白くて価値があるのは間違いない。そもそも、先例もその程度を狙って発表されたみたいだし。ココで扱うネタも、その程度で問題ないでしょ。
 
 ウォーゲームを扱った萌えネタとしては、具体的にどんなモノが考えられるのか?先人達の考察を踏まえて整理すると、1)ゲーマーの妻・娘を主人公にした、実録っぽい作品、2)女子高生にウォーゲームをやらせる作品、3)ウォーゲームを萌えキャラに擬人化した作品、の3つが有力だろう。変形は無数に考えられるけど、要約すればこの3点のいずれかって話になるんじゃないかな。
 
 この中からあえて選ぶとすればどれか?多分2)だな。単純にそれが今の流行りだから。2)と3)の流行り廃りって昔からあると思うんだけど、今現在の流行はコッチだし、それが変化する兆しは今のところ無い。あえて3)で行って流行りを変えてやる!って意気込むのは悪くないけれど、色んな意味でよりタイヘンなのは覚悟しろって話になりそうだ。
 
 1)はどうかって?これは…実は相当難しいと思う。a-gameの販促物「かわら版」に掲載されている「ゲーマー妻のユーウツ」(たちばないさぎ)という見本があるのは知っている。そいつを応用して面白いモノ・ウケるモノを作るのは、そう難しくないかもしれない。ただし、「分量が少なければ」だ。「評価の対象」にしようと思ったら、せめて月刊の四コママンガ雑誌に4頁ほど、ネタ月産8本をある程度の期間継続する必要がある。コレは結構キツいと思うんだな。ちなみにコレ、「ゲーマー妻のユーウツ」の8倍の分量ってコトになる。
 
 単に「笑いのネタ」ってだけなら、月産8本は何とかなると思う。けど、そこに「ゲーマーの妻・娘ならでは」って制約が(程度はともかく)加わるのだ。コレでかなりキツくなる。不可能ってワケじゃないけど、それが可能な奴を探すのはすご~く大変だと思った方が良い。ネタを公募すればコレはある程度解消できるだろうけど、今度はネタを選ぶセンスってモノが問われる。これまた誰にでも出来るモノじゃねーぞ。ついでに言えば、ネタは「ゲーマーの妻もしくは娘」って立ち位置で練る必要がある。ゲーマー当人じゃありません。ゲーマー当人がこの立ち位置のネタを自在に練れると言うのなら、世に夫婦喧嘩なんて起きません。
 
 この辺、私はそのキツさの一端を知っている。曲がりなりにも「競馬お笑い投稿コーナー・あっぱれ倶楽部」なるものの常連に数えられた男だし。「あっぱれ倶楽部」の怖ろしいところは、実質これ以外に「競馬お笑い投稿コーナー」なるものが長続きした例がないってトコロにある。ウォーゲーマーより遙かに多くの愛好者がいる競馬でだよ?そんなモノを成立させちゃうくらい、あのコーナーの選者と常連筋は「ブッ飛んで」いた。その辺はコーナーが無くなった今でも付き合いが続いている(この時点で相当ヘン)だけに、良く知っている。ウォーゲーム業界(に限らないけど)がそんな人材を用意できるとは…。なお、私は常連と言っても格下であり、選者及び常連トップクラスには「かなわん」ってレベルですから。ソコ、突っ込まないように。特に「最終得点トップだった」人。私はしょせん「1600万下」までの男なんだから。
 
 女子高生にウォーゲームをやらせる作品って、成立するのか?するんじゃない?実はそれなりにマンガ・アニメに向いたテーマじゃないかと思うくらいだ。「どこが!」とツッコまれそうなので、以下細かく考察してみることにしよう。
 
 まず重要なこと。ボードウォーゲームはドマイナーな趣味ではあるけれど、だからといってマンガ・アニメ・ラノベなどなど…に向かないって話にはならない。「マイナーだから駄目」だって言うのなら、アメフトや囲碁もやっぱり駄目って話になる。これらはウォーゲームほどマイナーじゃないとしても、「ウケるマンガの題材になる」ほどじゃねえと判断されていた。マンガ・アニメを尊ぶ層に限定して考えれば、これらよりむしろ知名度高いんじゃないかぁ?更に、「主人公にドマイナーなこと・他人に理解されにくいことをやらせる」ってのは、作品が持つ魅力にさえなり得る。スポ根系野球マンガでさえ、主人公の「本気で甲子園目指す奴がオレしかいない!」って苦悩を描いている例は多い。
 
 プレイ風景が見栄えしない?これは巨大な間違いだと思う。確かに、「ユニットをチマチマ動かして、戦闘比を計算して、ダイス振って…」ってな行為を馬鹿正直に描いたら、地味だとは思う。しかし、それを言い出したら麻雀だって地味だ。要は「やっていることそのものが地味かどうか」より「派手な演出を盛り込む余地があるのか」の方が重要ってコトだね。そんでもって、ウォーゲームはその余地が大いにある。これは断言してイイ。
 
 何故断言できるのか?そりゃもう、好例があるから。ゲームジャーナルに掲載されている、松田大秀先生のリプレイマンガという。あれは戦闘解決を「戦車が突撃し、歩兵が守る」ってシーンに置き換えていることにより「見栄えを良くしている」わけだけれど、それを応用するのは簡単じゃないか?ゲーマー以外にも知名度の高いモノを例に出すことも可能だな。いわゆる「大戦略」系のゲームの、戦闘アニメシーン。この手の手法を応用すれば、マンガにせよアニメにせよ、血湧き肉躍る戦闘シーン入れ放題だ。これのドコが地味だって?ウォーゲームは将棋などと違って「具象的」なので、この手の置き換えはものすごく楽だ。
 
 話作りって点ではどうか?これは、「頭脳競技の1つである」ことはプラスが多いと思われる。勝負事を描く方が、そうじゃないモノを描くより話作りは楽でしょ。それに加えて、頭脳競技なので「老若男女かまわず対戦させて違和感がない」って利点もある。外国人と戦わせても良いな。これはあくまで「それを描きたければ」そうすりゃいいって話であり、別にひたすら仲間内で戦い続けても、女子高生の大会みたいなモノで戦わせても話は成立する。某麻雀アニメ最大の嘘は「大会が開かれるほど、麻雀知っている女子高生がいる」って点だ。この点について大嘘をついても問題ないって証明された以上、ウォーゲームだって何とかなりそうなモノだ。
 
 こうして見ると、ウォーゲームってのはマンガ・アニメ等の題材として決して駄目駄目な素材じゃないって話になる。もちろん、実際面白くなるかどうかはテーマの素材だけじゃ決められない(むしろそれ以外の方がよほど重要)ので、実際面白い作品が出来るかどうかは知ったコトじゃないけど。ならば、何故今までウォーゲームを扱った漫画・アニメは存在しなかったのか?題材として悪くないというのなら過去に例があってもおかしくない、でも実際にはそんなものが存在しない以上、やっぱり題材として駄目駄目なのでは?
 
 私が思うに、過去に例がない理由は「ウォーゲームがマイナーだから」だと思う。これは素材の持つポテンシャルの話じゃない。マンガ・アニメなどの作り手がウォーゲームを良く知らない。良く知らない以上、正直言ってマンガ・アニメの題材に選ぶなどという勝負はしにくい。誰もそういうモノにチャレンジしようと思わない以上、形になることはない。形になることがない以上、そのアイデアの価値はゼロだ。「とにかく形にする」ってのは、それぐらい大事なんだよ。さっき書いたとおり。素材の持つポテンシャルが高かろうが低かろうが、「形にしてみよう」ってチャレンジャーがいない以上、どーしよーもない。ポテンシャルが高いと挑戦する奴が増え、低いと減るのは事実だけど、挑戦者がいないからってそのジャンルのポテンシャルが低いって証明にはならない。
 
 「形にならないから価値がない」って現状を変える手段は、たった1つ。誰かがとにかく形にしてみる。それしかない。マンガ・アニメの作り手にウォーゲームの「題材としての魅力」を知ってもらう、あるいはウォーゲーマーがそーゆーモノを形にしてみる…これらが楽な作業なのかどうかは、私は知らない。経験がないので、判断するため必要な知識がない。ただまあ、ウォーゲームを知っている「マンガ・アニメ等の作り手」って実はゼロじゃないって話があり、そういう方々がチャレンジする意欲を持っていなそうに見える現状では、「難しいコトなんだろうな」と判断するしかないような気はするね。
 
 だから…実は「ウォーゲームを扱った萌えネタ」について語るのであれば、「それがウケるかどうか」を論じる価値は(飲み会やブログ用の話題として以外)無い。「そういうモノを思いついたのなら、何故形にしない?」を問うべきだと思う。大抵は「形にする価値がない=実は当人がそんなに面白いモノだと思っていない」か、「形にする能力がない=必要な知識・経験・地位・技量などがない」のどちらかに落ち着くと思うけどね。ただ、前者はともかく後者は本当に「克服不能」なのか?必要な知識・経験・地位・技量を持った人間を本気で口説くことなら可能かも知れないではないか。「とにかく形にするため動く」というのは、そういう地道な行動の積み重ねも含まれるような気はするね。
 
 1年ちょっと前の私は「コマンド誌に同人ゲームレビューがあるのなら、コミケレポートがあってもいいのに」と考えた。ハッキリ言ってアホネタのつもりだった。特にコマンド誌編集部は関西なので、コミケに人を出すのは容易じゃないとわかっていたし。ただ、ここで「そんなコトを思いついたのなら、何故F男当人が形にしない?」と考えてしまったのが…色々考えたんだけど、結局「私じゃ駄目」って理由が見つからなかった。結果、今の私は即売会のレポートを書いている。ある意味つまらん仕事なので「マンガ・アニメの題材をどうこう」って話と比較は出来ないかも知れないけど、それでも、「何故形にしない?」って問いかけの重要性はわかってもらえるのでは。
 
 ここまで言った以上、私がこのネタを形にしない理由も言っておくべきだろう。私は創作方面の才能が乏しいので、一番重要な「魅力的なキャラ作り」ができそうもない。ある作品が売れるかどうかって、結局はコレが一番重要だと思うんだよな。そもそも、売れる萌えキャラで一番重要な要素は「ルックス」、つまり絵が魅力的がどうかであり、画力なんぞ皆無に等しい私にそれを要求されても困る。絵師は別に用意するとしても、「売れそうな絵師と組む」ため必要な要素(代表は絵師との人脈)があるワケじゃない。ラノベだったら絵は後付でいいって話はあるけれど、絵以外の点でも「魅力的なキャラ作り」ができる自信はない…つーか、できない自信がある。
 
 実のところ、この手のネタを考えた方々に「そのネタって、単なる笑い話に終わらせるだけじゃもったいないかもしれないから、もう少し真面目に考えてみては?確かに、その可能性は低いけどさあ」と提唱するのが、私に出来る最大限の「形にするための努力」じゃないかと…うう、いくら何でも地道すぎる。そんな「どーでもいいコト」しかできないんだったら、黙っていた方が良かったかも…

8月23日2010/08/24 01:07

 原稿は99%完成したんだけど、もう少し手を加えたい気がするので、少しだけ寝かせることに。〆切に余裕があるのはいいね。
 
 アタマの中が原稿モードなので、原稿関連の話。「同人ゲームの取り上げ方はコレで良いのか?」としよう。なんか自分自身の否定になりそうだけど、そーゆーことも臆せず考えて行かなきゃイケナイと思うんだ。
 
 自画自賛かも知れないけれど、「即売会レポーター」なるものが存在している意義は、一応あると思う。「コマンド編集部が喜ぶに決まっている」さいたまゲーム通信を編集部に直接紹介できたわけだし、最新号掲載のゲームマーケット2010レポートも、私が他の部分をグチャグチャ書くことによって、中黒編集長の文章に「余裕」が生まれているみたいだし。「レポーターを派遣し、同人ゲーム・同人誌を物色させ、簡単なレポートを書かせる」ことは、同人ゲームの紹介に一定の役割を果たしているような気はする。
 
 ただ、その影?で「他の形式の同人ゲーム紹介が姿を消した」ことも事実。この辺、編集部側に色々事情があったのかもしれないけれど、私にはその辺はサッパリわかりません。必ずしも「即売会レポートを書かせる」のが、最適な方法とは限らない。そこで、一応私の方から「コレで良いのか?」を考えてみようかと。
 
 そもそも、私のコミケレポートは「オマケ」のつもりだった。コマンド誌には当時「同人ゲームCross Review」ってコーナーがあり、公募したゲームに数人がレビューを加える…って方式で同人ゲームを紹介していた。ただ、私はこのコーナーにちょっとした不満があった。発表元に関するデータが「連絡先」しかないので、即売会で実物見てから買いたくても、どーすりゃいいのかわかりにくかったのだ。買うかどうかもわからんのに、いきなり作り手に連絡するのはどうよ…って気持ちがあったんだな。
 
 その辺を補完する手段として私がふと思いついたのが、「即売会レポート」である。編集部の人間か何かを派遣して、軽くレポートさせる。そんなものが囲み記事にでも付属していれば、少なくとも私は便利だ…そう考えた。即売会に出入りするゲーマーって私だけじゃないから、「おお、コレは便利」と思うのは私だけじゃないはず。でも、コマンド編集部って関西だから、コミケに誰か派遣するのは楽じゃない。実に勿体ない話だ…ってのが出発点だ。気がつけば私自身がソレを書き、しかもメインに昇格してたけど。
 
 「同人ゲームCross Review」とは別に、コマンド誌には「魅惑のインディーズゲーム」ってコーナーがあった。多分、「同人ゲームCross Review」に代わるモノとして考えていたんだろうな。1人のライターが1つの同人ゲームをガッツリ1頁使って紹介するってモノだ。私が「同志であると同時にライバルだ。負けないようにしなくちゃ!」と思っていたら、最近姿を見ない。
 
 結果として、現在同人ゲーム紹介手段として「生き残って」いるのは、私の即売会レポート。コレがドコまで続くのかはよくわからないけど、とりあえず夏のコミケ分は今執筆中だし、多分冬のコミケも私がこの形式で原稿書くんじゃないかなあ。それ以降は未定としか言いようがないけれど、とりあえず私の側に「いらんと意思表示されない限りは送り続ける」つもりがあり、今のところコマンド編集部側が「いらん」と言って来る気配はないから、賭けろと言われたらしばらく続く方に賭けた方が無難かも。
 
 何故これだけが「生き残った」のか?とりあえず、「同人ゲームCross Review」との比較だけ考えれば、何となくわかる。あのコーナー、レビュアーは基本的に「編集部の人間」だった。編集部側の負担はそれなりに大きかったんじゃないかなあ。それに対し、私の即売会レポートは基本ライターにお任せ。いや、実は編集部側にお任せしている作業もあったりするんだけど、多分負担はコッチの方が小さい。「編集部員の作業効率」を考えたら、「コッチでいいじゃん!」となったのでは。その分私が苦労しているって話はあるけれど、どーせ「放置しててもコミケに行く奴」なのだ。私自身が「とりあえずコレでいい」と納得している以上、無問題だ。
 
 そういう内輪的な理屈を抜きにして、純粋に「同人ゲームを取り上げる方法として」考えた場合の優劣はどうなるのか?うーん…難しいところだ。実を言えば、私自身「単なるレポートで、同人ゲームの魅力って伝わるかなあ」と思うことがある。できることなら、ガッツリ紹介したいんだけどな…と、常々思っていたりするのだ。このブログとかでね。
 
 それが実現しないのは何故か?これは…結局のトコロ「私が怠けているから」に行き着くんだろうけど、正直言ってそう楽じゃないのよね。まず、同人ゲームってどうしてもコンポーネントが貧弱だ。見た目はまだイイ。ユニット自作がタイヘンなのよ。「抜き打ち」が当たり前の商業ゲームと一緒には出来ない。
 
 もう1つ問題になるのが、対戦相手。ウォーゲームの場合、「双方が持っていて、初めて対戦が成立する」って例は多い。ルールが複雑だからねえ。私は「インストしてくれるのなら、持ってないゲームでもプレイしますよ」ってスタイルだけど、「それはちょっと自信ない」って方も少なくない。その上ゲームのテーマその他に興味を持っている相手を見つけなきゃイケナイんだから、「相手してやる」って方を見つけるのはタイヘンだ。
 
 なが~い目で見れば、これらは決して解決不能じゃない。「いずれ訪れるかも知れないそういう機会のために」同人ゲームを買うのは、アリだと思う。実際私は「そーゆー理屈で」前々から同人ゲーム買っていたんだし。ただ、これはつまり、「初プレイした時には、そのゲームは入手不能になっていました」って状態を覚悟しろって話になっちゃう。単に買ったゲームを楽しむって観点からは、これでいい。けど、「同人ゲームを紹介する」って観点からは、コレじゃマズい。
 
 商業誌に掲載するって前提なら、原稿料ってモノもらえるんだから、「仕事」と割り切って…って話は一応ある。対戦相手のこと考えなければ。対戦相手にも「仕事と割り切ってくれ」って言うの?そりゃまあ、「おごりって形で原稿料の一部を還元します」とすりゃあ、引き受けてくれる方いるかもしれないけどさあ。その辺は人望とか人脈とかが思いっきり絡む話になるから、結構難しい話になると思うなあ。正直、私の人望では、「どうにかなります」と安請け合いする気にはなれない。この辺が解決しない限り、商業誌掲載は難しいでしょ。そうなると原稿料もらえないって話になるので、「仕事」扱いするのは無茶だ。
 
 そりゃあね、理屈から言えば、「多少負担が増えても、いい記事を書くためならば…」って話はある。でも、それは「負担に見合うだけの向上が見込めるなら」って話だ。いくら「形式としてのポテンシャル」が高かったとしても、ライターの負担が大きすぎてそのポテンシャルを上手く引き出せなかったとしたら、安定して一定のポテンシャルを引き出せる記事に劣るってコトになる。それやこれやを考えた結果、「総合的なコストパフォーマンスが良い」と判断されたのが、私の即売会レポートなのかなって気はする。確証はないけど。
 
 とりあえず、「今現在の私個人にできること」に話を限定するならば、即売会レポート以外の何かを期待されても困る。他の手段についても多少考えたことがあるけれど、実際問題として考えたらいくつか障害があり、それを排除する方法が見あたらない。だから、アイデアとちょっとした努力次第で、私が今やっているコトより「同人ゲームを紹介する、良い手段」があるかもしれないってのは否定しないし、それを思いついて実行できるって方がいるのなら、喜んで同人ゲームの紹介をお任せする。何かしらありそうなモノなんだけど、実行となるとタイヘンじゃないかって気がするけどね。
 
 もっとも、私の場合は「他に何かあるのでは」と考えるヒマがあったら、今やっているコトに磨きを掛けた方がいいんだろう。つーか、こんな現実逃避してて良いのか?今現在手がけている原稿が「なんかちょっとシックリ来ない」って状態だってのに。ただ、こーゆー状態って、原稿に向き合っていたから解決するって問題でもないんだよね…

8月26日2010/08/26 23:50

 アタマの中が原稿絡みでこの色モード。本日はあえて挑発的なネタにチャレンジ。題して、「女性に配慮したウォーゲームが欲しい」。思いっきり物議を醸し出しそうなネタだな。
 
 女性がウォーゲームなんてするのか?この世界に参入する女性なんて「特殊な例外」だけって気がする以上、女性向けゲームなんて不要なのでは?そういう話はあると思う。けど、私が「女性向けのウォーゲームが…」と言っているのは、実はその手前の話。ふとしたことから、「ゲームを挟んだ対面にウォーゲーム初心者の女性がいて、私が少し引きつった笑顔浮かべている」って局面に遭遇しちゃうかも…ってコトに気がついてしまったのだ。その状況を乗りきろうと思ったら、真ん中にあるゲームは「多少なりとも女性向け」の方が心強いでしょ。
 
 そんな局面、遭遇するワケが…と思った方、残念ながら少し考えが古いです。コマンド誌最新号に、中黒編集長のゲームマーケット2010のレポートが載っています。これによると、コマンド誌は今後このイベントに「可能な限り参加」していきたいそうです。私は、この意思表示をもって、ウォーゲーム界は「女性にゲームを普及させるかどうか言い争う時代」から「遭遇しちゃった女性にどう対処するか、真剣に考えなきゃイケナイ時代」に変化したんだと思っています。
 
 何故そんな話に?あのね、ゲームマーケットって、別にウォーゲームだけのイベントじゃない…どころか、メインは「そうじゃないボードゲームやカードゲームなど」(以後単に「ボードゲーム」と表記)のイベントだ。そんでもって、ボードゲームする女性って、数は少ないけどいるんだよ。実際会場で姿は見た。コマンドいちねんせい殿のように、「明らかに仕事の奴」とは別に。そんな場所で「初心者ホイホイ」仕掛けようとしている以上、何かの間違いで女性が引っかかる可能性は無視できない。
 
 よく考えてみて欲しい。彼氏だか大学のゲームサークルの先輩だか知らないけれど、とにかく男性(複数の場合アリ)のケツにくっついて会場に来る女性って、いても不思議はないのだ。そのツレがa-gameのブースでウォーゲームをプレイすることは無いだなんて、断言できるのか?もしこんな状況が訪れると、a-gameのブースのすぐ側に「手持ち無沙汰そうにしている女性」なる物体が出現する。そういう物体に対し、「初心者ホイホイ○号」担当していて、たまたま対戦相手がはけた奴がどう対応すると思う?「女性だから」で無視できるか?義理というか礼儀というか…って理由で「どうです?試しにやってみませんか?」って声掛けざるを得ないでしょ。内心「頼むから断ってくれ~!」って思っていてもだ。
 
 そこで素直に「いえ、私は…」と言ってくれればいい。押しに弱いとか1人っきりになるのはイヤだとかいった理由により、「じゃあ、私も…」なんて返事されたらどうする?まさかそこで「いや、あくまで礼儀として誘っただけなので、引き受けられると困るんですけど」なんて言えるワケがねえ。仕方なしに相手することになる。そうやって相手にした以上、内心で「つまらん時間だったぜ、ケッ!」と毒づかれるよりは、せめて「いいヒマ潰しにはなった」と思ってもらいたくないか?そのためのアシストをゲームに求めて、何が悪い。
 
 正直言って、実際こんな状況が発生する可能性はあまり高くない。ゲームマーケットの参加者は、やはり男性率が高い。レポートに記述がない以上、やはり前回女性は来なかったようだ。でも、「杞憂だ」で片付けられるホド低くもないと思うんですが。これを杞憂と呼ぶのならば、ピンゾロで攻撃側全滅が出てゲームが台無しになるとわかっているから、攻撃しないで自重する…ってプレイヤーも嗤われるべきじゃないかと。
 
 その時はその時、フツーに男性が来た時と同じように対処すればいいだけの話。それは正論かも知れないけれど、現場の人間に対してあまりに冷たくないか?迎撃側はかなりの確率で男性だ。男性相手なら「相手の性別問わず使える接客テクニック」に加え、「同性にのみ通用する接客テクニック」も使える。女性相手の場合、後者は使えない。それで相手に楽しい時間を過ごしてもらえと?言っておくけど、「繁華街限定で使える異性用テクニック」が使えるワケじゃないんだぞ。東部戦線の将兵に「当たり所が良ければKVだって撃破できるんだから、対戦車砲なんてドアノッカーがあればいい」と言えと?
 
 そりゃあね、「女性向けウォーゲームが欲しい」なんて要求だったら、「そりゃ行き過ぎだ」と言われても仕方ない。私はソコまで言ってない。「配慮してくれ」と言っているのだ。基本はああいう会場でウケそうな、男性の「ボードゲームは詳しいけどウォーゲームは良く知らない」人間向けの商品でいい。ただ、その枠の中でいくつかゲームを選び、「次のゲームマーケットでは、どのゲームを売ろうかな」って話になった時、その中から最も女性向けっぽいモノを選んでくれ…って話だ。これだけでかなり違うと思うぞ。
 
 でも、具体的にどうすりゃいいのかわかんない以上、どーしよーもないじゃないか…それは事実だ。けど、「わかんない」と「対処しなくていい」は違う。わかんないなりに対処しなくちゃイケナイ時なんて、良くある話じゃないか。リサーチする、怪しげな推論を立ててみる…その他、やれることはあるはず。まだちょっと先の話だけど、「来年のゲームマーケット開催日」までに何かしら手を打とうとする価値はあるはずだ。
 
 それでも、この問題に関してはグチャグチャ言われそうな気はする。そういう「観念論」につき合いたくはないので、あえて私から「来年のゲームマーケットで発売する、ウォーゲームハンドブック2011(仮)に付属させて欲しいゲーム」、つまり「私の考える、多少なりとも女性を意識したゲーム」を提唱しちゃおう。「F-16ファイティングファルコン」。その昔エポックの「シミュレーションゲーム入門2」に収録された空戦ゲームだ。
 
 コレのドコが「女性に配慮したゲーム」なのか?以前Webをうろついている時に発見した話に「どうも女性は集団戦闘を好まないらしい」って話があった。某ファンタジー・SF系の女性マンガ雑誌に掲載された某作品で集団戦闘の話を長々続けたところ、その期間は人気が落ちたんだと。
 
 このマンガ雑誌、いわゆる「バトル」は多い。そーゆーモノに何故か良く引っかかる私は、しばらくこの雑誌が「女性向け」だと知らずに(オカシイなとは思っていたけど)読んでいたくらいだ。好き嫌いはあるだろうけれど、結構「燃える」雑誌である。にもかかわらず、集団戦闘はあまり好まれなかったのだ。ボードゲームをプレイする女性は「バトルは好む」層と似た嗜好を持っていそうだから、「それでも集団戦闘はあまり好まないのでは」って仮説を立てる意義はあると思う。
 
 じゃあ、「女性はウォーゲーム駄目」ってことじゃん!と言うのは簡単だ。多分、その通りなのかも知れない。ただ、それだけで片付けていいのならば、「陸戦作戦級も一応プレイするけれど、好きなのは海戦とか空戦とか空母戦」って公言しておられる方もウォーゲーマー失格なのか?それに、別に私は女性をウォーゲーマーにしようと思っているわけじゃねえ。ちょっと試しにやってみて、まあいいヒマ潰しにはなったな…と思ってくれれば、ソレでイイ。
 
 バトルは好むけど、集団戦闘はイヤ。つまり、一騎打ちっぽい戦いを扱ったモノ…と考えてゆくと、空戦戦術級は該当すると思われる。こういうゲームはルールが複雑になりがちだけど、「F-16」はかな~り簡単なルール。レクチャーされながらであれば、ゲーム初心者でも「飛ばせる」と思う。実はメインターゲットである、古参ウォーゲーマーが喜ぶかどうかだけど…懐かしさもあって、結構ウケるんじゃ?少なくとも私は欲しい。複数機動かすと相当難しくなるので、「簡単すぎる」ってコトもない。
 
 これだけじゃ弱い?そこで秘密兵器。「ウォーゲームハンドブック2011(仮)」に、「イケメンパイロットによるルールレクチャーマンガ」を載せる。「そういう画力がある奴」使って。後は相手の妄想力で「私が操るこの機体には、イケメンが乗っている」と思ってもらえれば。この程度だったら「萌えだのイケメンだのはいらん」と公言しているゲーマーの方々も、お目こぼししてくれるんじゃないかと。エースパイロットはイケメンでOKってのは、「エリア88」が証明しているじゃないか!
 
 真面目な話、ゲームマーケット2010で発表された「ウォーゲームハンドブック2010」の付録が「初心者向けではあるけれど、硬派な作戦級ゲーム」だった以上、次の作品はもう少し変化球っぽいジャンルで勝負しても良いんじゃないかとは思う。必要ならば増刷して持ってゆけばいいので、「本格派は古い方、変化球なら新しい方」って売り方をしても悪くないと思うんだけどな。いいタマが無いのならともかく、「F-16」ならモノとして悪くないし、初心者にもやさしい。「とにかく再版してくれ!」って声があるゲームなんだから、こういう機会を利用して再版するのは悪くないと思う。女性向けうんぬんを別にしても、有力候補じゃないか?
 
 本来ならば、「女性向けっぽいのでは」なんて理屈は隠して、しれっとそれ以外の理由で「F-16ファイティングファルコンはどうでしょう」と売り込むのが、「大人」のやり口なのかも知れない。ただ、実際こんな感じの思考過程を経てこのゲームを思い出したのだ。その辺を書いちゃうのが私って生物なのさ。理屈はともかく、いいゲームだと思うけど、どうだろう。え?「今更ボード空戦ゲームなんて古い」「フライトシムに勝てるワケがない」だって?いやそれは…この後の弁護は空戦ゲーム愛好家の方々にパス!(おい)
 
 我々はボードウォー「シミュレーション」ゲーマーである。シミュレートの大切さは良く知っているはずだ。だから、女性を誘うべしとかソレは無駄だとかいった議論をする前に、「女性相手にウォーゲームをする羽目に陥ったら」をシミュレートしてみてもいいのでは?「そんな姿は全く想像できない」と言うのなら、それは「この場合限定で」女性像に欠落があると考えて良い。ボードゲームを好む女性、バトルを好む女性は確実にいる。そんな存在を知らなかったからと言って、社会人として問題があるワケじゃない…どころか、健全な証だと思う。でも、この議論を進める上では、そんな方の意見は価値が薄い。他のタイプの女性をいくら知っていても、「当てはまらない存在の話をしているだけ」ってコトに代わりはないのだから。まあ、逆に「どんなゲームでも喜々としてプレイしている姿しか思い浮かばない」なんて方も、役に立たないと思うけど…
 
 ゲームマーケット参加が成功に終わったことにより、「ウォーゲーム普及問題」は今までより1歩先に進んだような気がする。今までの「どんな層が有望なのかさえ良くわかっていなかった」という状態から、「少なくともボードゲームを好む層は、普及先としてある程度有望である」と証明されたのだから。それに伴い、今まで議論されてきた問題のうちいくつかは、問いかけの内容を変更するべきだと思われる。いわゆる「女性問題」に関しては、従来の「女性への普及は可能性があるのか?」といった抽象的問題から、「目の前に、『面白いかどうか試してやろうじゃない』という女性があらわれた!コマンド:たたかう・にげる・まほう…」に移行させるべきじゃないかなあ。少なくとも私はそうしてもらいたいですね。ゲームマーケットに参加していそうなだけに、私の個別利害が絡むので。
 
 ただまあ、正直言えば、私はゲームマーケットでは「取材」に忙しい可能性が高く、ソレが終わったら競馬場へすっ飛んでゆく可能性も高い(開催時期の問題で。前回は日本ダービーと重なりやがったからなあ…)関係上、「初心者ホイホイ要員」は担当しなくて済みそうなんだよな。良かった良かった…って、こんなオチかよ。