4月23日 ― 2013/04/24 00:42
28日の行動指針がやっと決まった。あくまで指針なので、実際どう動くのかは当日次第。何の参考にもならないと思うけれど、とりあえずは紹介してみよう。
実はすご~く迷ったんだけど、この日はコミック1(以下「コミ1」)を先に攻めることにした。いやね、ゲームマーケット(以下「ゲムマ」)の方が少しだけ開始時間が早いし、売り切れ警戒度はコッチの方がむしろ上…って話はあるので、色々迷った。けど、結局コミ1には「分身」(私の代わりに買い物してくれる人)を派遣できないから…仮に開始5分でゲムマをひとまず片付け、コミ1に向かったとしても、多分あんまり役に立たない。ちょっとでは済まない出遅れになる。
とはいえ、まさかゲムマの買い物全部を頼むわけにはいかない。金銭面はともかく、重量が問題だ。大阪初売りのブツは基本入手済み(例外あり)にもかかわらず、アホみたいな量になると予想されるからなあ。つーわけで、私が「売り切れ警戒度:高」に分類したいくつかを依頼し、後は自力で何とかするつもり。
つーわけで、それなりに早い時間にゲムマに向かう必要がある。かといって、コミ1を「じっくり」探索する必要もある。スクールカレンダーの層が薄いからだ。あるかどうかはともかく、探しておきたい。即売会の性質上、便せんは期待できないけどな。なお、ゲムマを「じっくり」攻める必要性については、何をか言わんや。知り合いがどれだけいると思っているんだ。
ってことはだ。私の「移動プラン」はこうなる。まずは朝早くからコミ1の入場待機列に並び、開場まで延々と待つ。入場後は行列作りそうなトコロを数カ所攻略。ただし30分~1時間程度で強引に切り上げる。目標は2つかな。3つ陥とせたら自分を褒めていい。その後、可能な限り速やかにゲムマに向かう。できれば午前中のウチにたどり着きたいモノ。おそらくコミケほどの混雑ではないので、可能ではないかな。ここで挨拶もソコソコに飛び回る。いくつかは厳しい戦いも予想されるけれど、何とかなると信じたい。おそらく最もヤバいのは、「できれば消費税抜きで入手したいぞ」コマンド誌最新号。消費税払えば入手できると思うけどな。これ以外は何とかなるのでは?いくつかは予約や依頼を活用しているし。
この後はなるべく早くコミ1に戻る。朝イチは買い物に出掛けていると思われるサークルにも用があるし。ここである程度満足したら、ゲムマに戻って挨拶その他。ゲーム同人の世界じゃ無駄に顔が広いので、山ほど挨拶しないと。多分これが終わった時点でカネか体力か気力が尽きる。飲みに誘われても付き合えるかどうかビミョー。
ハッキリ言って、馬鹿正直に「偵察モードでうろつき回る」なんてやったら時間が足りなくなるし、体力も尽きる。よって、コミ1では「用のある」サークル中心に。ゲムマもそうしたいところだけど、多分偵察するんだろうな。つか、本能としては「アンテナ張りつつ会場内全てを巡回」したくて仕方がない。けど、実行しちゃったら間違いなく倒れる。コミ1は東の4~6ホールブチ抜きだから。コミ1・ゲムマ全巡回は、コミケ全巡回並みに破壊的だ。
この2つに同時参戦する馬鹿は、私の他にも数人いるんじゃないかと思われる。つか、コミ1にいるアナログゲーム系サークル(あるんだよ)の人間がソレやるんじゃないかとは思う。片っ端から襲撃して「何故コッチにいる!」と糾弾して回りたい。それはさておき、いくら何でもココまで「激しい往復」するのは私ぐらいじゃないかと…「体がもう1つ欲しい」理由がわかってもらえたかな?まあ、こーゆー時に「体力の限界」に挑むのが私の趣味なので、いいんだけどさ。
つーわけで、今から相当カリカリしてます。いやもう、こんなコトしてる場合じゃないんだってばさ!コミ1で訪問する予定のサークルのサイト行って、頒布物確認してこないと!早く予定出せ!ゲムマ関連のサイトチェックもあるし…ブツブツ…
4月20日 ― 2013/04/21 02:44
くそう、なにが「ぜひお立ち寄り下さい」だ。コミティアに早朝出撃かましても無意味だと確定(つまり、パロがある。コミティアは創作オンリー)じゃねえか。どーすんだよ。
本日は色々忙しくて簡易更新。つか、28日の行動計画が決まらない…「色々ヤバい」ことは確定なんだけど…まいったね。
4月15日 ― 2013/04/16 01:20
日曜回顧。なんつーか、言いたいコトがいっぱいあるので。飲み会で色々吼えて解消したはずなのに、まだ色々と…ブツブツ…
予定より遅めにノソノソ起きて、まず向かうは池袋。目指すは同人誌即売会サンシャインクリエイション59(以下サンクリ)。ぶらっと回ってめぼしいモノ探し、あまりカネかけずに退散予定…だった。
まあ、スクールカレンダー2点はいい。それこそ「全く無かったら、泣いちゃう」レベルの品だ。入手予定に入れていたティアズマガジン(5/5のコミティア104のカタログ)もいい。けど、カードゲーム1つって何だよ。予定も予想もしてなかった。
実を言えば、2月にもサンクリに参加していて、ここで久々に「同人ゲーム関連の買い物ナシ」を記録した。おそらく2年ぶり。何?それほどでもない?その間に参加した即売会の数は10を軽く越えるんだけど…それはいい。ただ、「前回同様ゲーム系に用はない」と踏んだのは甘かった…私のカタログチェック力は、実は低いんじゃなかろーか。
いわゆる「ド○ニオンクローン」っぽいゲームであり、無理してまで入手する価値があったのかはビミョー。ただ、少しばかり話は聞きたかった。「何かグダグダ言いたい時は、礼儀として買うべし」がモットーである以上、買いましたよ。ええ。なんでも、月1程度集会を開いて自分達で遊んでいるんだとか。流石に活動的だなあ。「何故ゲームマーケットに来ない?」と聞いたら、「やっぱ版権的に…」とか言ってたので、「多分何も言ってこないと思いますよ。」と、アドバイスにならんタワ言を残しておきました。
後になって気がついたんだけど、この会話はかな~りアホウだ。ゲームマーケット春に出展してないと確認済みだってコトになるからね。普通は「ゲームマーケットに出展していないんですか?」って確認から入る。そう言えば、過去にも同じコトやらかしたなあ。何度も。何者だオレ。
買い物終了後は、強い風(ビルのおかげで強化?)で飛ばされそうになりながら、とらのあなの新店舗の位置を確認(立ち寄ってない)しつつJR池袋駅へ。山手線で日暮里に向かい、京成線で東中山へ。そこから歩いて中山競馬場に。それなりに歩くんだけど、荷物は軽めなので体力に問題はない。一生懸命アタマ切り替えつつ、皐月賞観戦を。
個人的な注目はコディーノ。一銭も買うつもりはなかったけど。どこが注目って、その特異なローテーションである。え?朝日FS~弥生賞~皐月賞のドコが「特異なローテーション」だって?普通ならば「王道ローテーション」と言ってもいい。関西馬だと輸送を嫌って多少ヒネることが多いけれど、この馬は関東馬だ。マトモと言ってもいい。普通ならばな。
コディーノは藤澤調教師の馬である。私は師のアタマの中に「皐月賞はレースの名称である」とインプットされているとは思わなかった。ココをパスしてダービー狙いが「基本」であり、むしろNHKマイルCを前哨戦に選ぶ…そう思っていたのに。何急に「マトモなコト」やってんだ?
藤澤調教師と言えば「馬優先主義」であり、普段はまあそうしている。けれど、時々そうも言ってられなくなるんだな。有名なのは「年末調整」。他にもワケわからんコトをやらかしている。ひょっとしたらその一環?と思ったのだ。何故そうしなきゃならなかったのかはよくわからん。馬主の圧力かと思ったけれど、今更あつりょくかけてどうこうって厩舎でもあるまい…ってのが、事後の飲み会での有力見解だった。あまりにアヤしかったので、なんかイヤな予感がしてバッサリ斬ってしまった。
とりあえずコディーノについてのみの結論を言うのならば、「ぶつけられて掛かって最後伸びなかった」というジョッキーのコメントが残っている。フツーなら同情するんだけど、藤澤調教師は「中山は狭くてコーナーキツい。オマケに皐月賞だとフルゲートでコーナーに馬が殺到してくる」ってな理由で「だから皐月賞使うのは…」って言ってなかったっけ?その結果ブツけられましたって言われてもなあ。それがイヤなら青葉賞経由でダービー向かえばいいような。とりあえず、今回と同じ戦法を採用するつもりなら、ダービーでもイラナイ気はする。活路を見いだすなら極端な後方待機か?
勝ったのはロゴタイプ。私の本命。その血統から距離不安が囁かれていたけれど、私に言わせればそりゃ違うだろと。親父のローエングリンがマイラーだったのは、アノ「滅茶苦茶な性格」が全ての元凶であって、しかも年を経るごとに多少落ち着くのが普通のトコロ、年を経るごとに悪化していったからだ。ローエングリン当人はともかく、シングスピール様に母カーリングでドコが「マイラー」なんだと。ローエングリンの下についても知りたくないほど良く知っているだけに、小一時間ほど愚痴りたいくらいだ。でもまあ、これだけは言わせてもらいたい。ローエングリン産駒でアノ性格遺伝してないのは、反則だろ。
ついでに言えば、鞍上ミルコってのもまた反則っぽい。つか、皐月賞3勝・歴代最多タイって何だよ。そのくせ、ダービーじゃ騎乗できない。代役は弟クリスチャンの予定…デムーロ1号で朝日FS・2号でスプリングS・また1号に戻って皐月賞、ダービーは2号で挑戦かよ。
他で笑ったのは2着のエピファネイアか。ダービーでの逆転は可能かも知れないけれど、「あの馬体はいかにも距離伸びて良さそう」と主張する専門家(あえて名は秘す)の意見は笑った。言いたいコトはわかる。わかるけれど、シンボリクリスエス産駒は馬体見ちゃイケナイんだよ。絶対騙されるから。しかも、見るポイント知っている専門家ほど騙されるんだよね。私はさほどでもないけれど、被害者は結構…
その後は反省の飲み会をして、遠回りだけど運賃安上がりになる東武野田線経由で帰路に。時間は腐るほどあるので、アタマを再度切り換えてティアズマガジンのチェック…して鼻血吹きそうになった。挨拶回りしなきゃイケナイサークルが山ほど…つか、「コミック1に出ていながら、1週間後にまた出撃」ってサークルはまだいい。色々覚悟してたから。「ゲームマーケットに出ていながら、1週間後にまた出撃」って何だよ(苦笑)。偉すぎるだろ。ついでに言うなら、コミケで毎度おなじみ(思いっきり顔見知り)の競馬系サークル「あんぶる」殿がコミティア初出撃とは…「コミティアは何だかんだ言ってまったりできる即売会だから」と、前日に飲み会の予定入れた私の立場は(笑)。
先日眼鏡フレームのゆがみを直してもらったついでに受けた検眼で「初期老眼ですね」と指摘された私。もう若くない。体力でどうこう…って世代じゃない。けど、なんつーか…アタマじゃわかっていても、つい無茶な予定を入れちゃうんだよね。ま、体力温存して精神に余計な負荷かけるよりはマシなのかもしれないけどさ。
というわけで、なんつーか…疾風怒濤のGWを予感させる今週末となりました。果たしてF男はこれら全てを乗り越え、倒れずに職場に復帰できるのか?財布の中身は如何に?待て次号!(おい)。
4月13日 ― 2013/04/14 00:21
ゾック神社殿の取り置き申し込みはコレでいいのか?このシミュゲのノルウェイは少数生産だと?いかん、予定変更も視野に入れなくては。ついでに言うと、女性主催のサークルはコミック1&コミティアの掛け持ちしないで欲しい。女性はグッズ作るのが好きだから、たった1週間後でも「別のグッズがあるんじゃ…」って疑惑を払拭できないんですけど。特に、カレンダー・便せんを中心とした小物グッズマニアにとっては悪夢だ…
つーわけで早くも狂乱状態。他に案件抱えていることもあり、更新してる精神的余裕ナシ。明日の予想もまだ完了してないし…ブツブツ…
4月7日 ― 2013/04/08 01:58
はあ…色々忙しかった3月がやっと終わった…今週も色々あったんだけど、まだ余裕はある。月替わりの楽しみ(苦しみでもある)、カレンダーめくりも堪能したし。毎月めくるモノは半分以下だというのに、絶対数は壮絶な量だ…
本日の話題は、山ほど仕入れてきた即売会カタログ関連。つか、誰かオレの買い子してくれ。誰も引き受けてくれないとわかっちゃいるけれど、ついそう言いたくなる。ブツブツ…
本日仕入れた即売会カタログは4冊。うち1つ(音系即売会M3)は重複がないからいいけれど、来週のサンシャインクリエイション59は皐月賞と、そんでもってゲームマーケット2013春はコミック1★7と重複…まあ、なんつーか…
現在カタログチェック中だけど、色々忙しいのは間違いなさそう。とりあえず、サンクリ59とコミック1は傾向が似ているので、多数がサンクリを回避している…ちっ、サンクリで入手してコミック1で省略、ってワザが使えねえじゃん。正直お目当てのサークルはほとんど無いんだけど、それでも行く理由はある。スクールカレンダーだ。いくつか「退役」するのに合わせて新作が欲しい。え?「飾る場所がない!」と騒いでいたじゃないかって?それはそれ。これはこれ。
問題はどーやって中山へ移動するか。日暮里経由東中山下車が手っ取り早そうではあるんだけど、それなりに歩くんだよね…体力あるかなあ。ま、何とかなると信じよう。いくら何でもサンクリで「山ほど買いすぎて困った」なんてコトにはならないはず。
問題は何と言っても4/28。私にとって最も重要な即売会はコミケだとしてもだ。それに次ぐポジションの即売会重ねられるのはキツい。幸いにして両方とも会場はビッグサイトであり、掛け持ちしても体力的な問題は生じない。つか、コミケの企業ブース&東館掛け持ちは「いつものこと」であり、移動距離だけ考えたらその程度なのだから。もっとも、過去何度か東館に居を構えるサークルの方に「企業のコレが欲しい?じゃあ私が引き受けますよ。ついでですから。ここから企業ブース行くなんて、カッタるくてやってられませんよね~」なんて発言をした記憶があるけれど。常識人にはお勧めできないとは言っておこう。
体力はこの際いい。問題はやはり売り切れ。ゲームは一般参加者の数が少なめだけど、アシが早い。オールジャンルは持ち込むブツの数は相当量だけど、一般参加者の数が桁違い。ドッチに行っても色々厳しい…もし可能ならば、マジに体がもう1つ欲しい。
ちなみにだ。買い子を雇うとするならば、派遣先はゲームマーケットの方。そりゃそーだ。体力的に楽なのはドッチだと思っているんだ。しかも、かなりの割合が「F男の代理人です」って名乗りさえすれば、必要な新刊だけ出してくれる程度には癒着しているトコロだし。コレに対し、コミック1では品物の指定からしてタイヘンだ。しかも、メインのお目当ては「あると確実に言えないので、指定しようがないモノ」スクールカレンダー。一部混雑サークルだけ「とにかくカレンダーあるはずだから入手してこい。新刊は売り切れていても構わん!」とは言えると思うけれど…
ちなみに、サークルの宣伝も兼ねて「ゲームマーケットで私が用事のあるサークル」を列挙しておこう。半分以上は「買い子がいたとしても、私が自分で何とかする予定」だけどね。118エテルシアWS。戦車戦ゲームは入手できるだけ入手予定。205翠屋本舗。「まどマギオン」は入手済、「リリカリオン」は手出し厳禁のネタなので…だけど、新作(予定含む)のチェックはしておこうかと。210ゾック神社。「あんハン」ベータ版は是非欲しい。304中村誠。大阪で売り切れていたブツが気になる…330水星工房。このネタのゲームはこの際全部集めたい…401マケドニア本舗。現代戦車戦ですか。素晴らしい。402TDF。予約済。403平田晋策著作刊行会。ヤマトか…沖田艦長追悼記念に入手しないと。404このシミュゲがすごい。ノルウェイの印刷は間に合わなかったようなので、本だけあればOKのはず。405さいたまオフライン。当日新刊のみでOK。407i-OGM/BOARDWALK。大阪であれだけ入手したので、流石に何もないと思うけど…408富士塚商店。新作があれば。409同人会ルーデンス・ファベル。これまた新作次第。410八川社。「インパクトベースボール」スペシャルセットは国民栄誉賞記念で長さんか?コレと戦車戦ゲーム。413千葉クラブ。新刊・新作があれば。何かあるんじゃないかな。504波間のかけひき。ダイスフォント集ですか。他の誰が何と言おうと、私は買う。512グループ乾坤一擲。「SHIPS&TACTICS」の新作デッキ。星界軍デッキが…601sukuranburu。「以前コミティアで、ゲームマーケットに出てくれと言った馬鹿の1人です」って挨拶しておかないと。611イッシーサークル。ゲームはまだベータ版か。フォントは追加があれば。あと、大型ブースのa-game。ウォーゲームハンドブック2013は入手しないとね。
なお、これらは「脊髄反射的に」行くと決定しているサークルに過ぎず、この後カタログを隅々までチェックして追加(削除はされない)するトコロを決める。いくつかありそうな雰囲気。コレに加えてコミック1なのだ。破壊的な分量である。ま、いつものことなんだけど。ついでに言うなら、この狂乱の日から数日後にコミティアがある。コレも行く。確定。世の中とはそーゆーものです。うん。
つーわけで、買い子募集中です。報酬は一応コミック1でのお買い物。必要なブツがあるなら、突撃を試みます。流石に「2時間コース」とかはカンベンしてもらいたいけれど。ちなみに何があるのかは、自分でカタログ入手するなりして対応して欲しい。私がココで何を物色するのかは、カレンダー以外は基本軍事機密なので公開できない。しても無意味だし。
正直、「コミケ企業中心買い子」として長年やってきた私としては、他の方に入手を依頼することは「屈辱」である。頼まれたブツは確実に、自分のブツも確実に…が買い子のプライドだからね。ただ、今回はそんなコト言ってられない。コミケよりヒドい。まいった。けど××先生の○○(軍事機密抵触により文言削除)のためには仕方ないよね…どら焼きのため大阪遠征企てた身としてはさ…
3月31日 ― 2013/04/01 01:06
いや、今月はタイヘンだった。仕事は忙しいわ鼻風邪ひく(季節の風物詩だが)わ…色々消耗しました。若くないんだからもう少し計画をキチンと…ブツブツ…
本日の話題は、以前からの宿題系で。「真バルバロッサ」の感想について。以前から色んな意味で気になっていたこのゲーム、先日プレイする機会があったので。いやまあ、他にも語らなきゃイケナイことは多いんだけど、まあ私にも色々ありまして。
「真バルバロッサ」。記念すべき商業版GJ1号の付録ゲーム。デザイナーは鈴木大佐。期待の大きかった作品…ではあったと思う。けど、どうにもいい話を聞かない。私も何となくプレイしそびれて未体験…だったのだけど、先日プレイ機会に恵まれた。なお、正式なタイトルはビミョーに違うのかも知れないけれど、まあ気にするな。
私が担当したのは独軍。対戦相手ははねはね殿。1回プレイして、な~んとなく納得いかなかったので、再度独軍でプレイさせてもらった。いずれ赤軍もプレイしてみようとは思う。思うけれど…正直言おう。「コレジャナイ」感はモーレツに強い。単純に「面白いゲームをプレイしたい」だけって方には、オススメしない。ただ…なんつーか、独特のキョーレツな「味」があるのは事実であり、ある種の学習目的にプレイしてみる価値はあるのかも知れない。
私が楽しめたかどうかで言えば、「ちょっとなあ…」って印象になる。けれど、「何故私はそう感じたのか」を説明するのはやや難しい。プレイ直後に「何でオレはこのゲームを楽しめないんだろ?」って自問自答したくらい。なんつーか…理屈では「ウケる要素をバランス良く組み込んであるので、人気が出て当然」なんだけど、なんかハートに響くモノが無くて人気が出ない「何か」(マンガアニメ小説でも、アイドルや車などでも当てはまる)みたいな感じ。
このゲームの感想として良く出てくるのが「赤軍が守れない」ってもの。これは正しいと言えば正しいんだけど、多少誇張されているかな。あくまで今現在の研究によればだけど、このゲームのモスクワは「一応守りきれる」と考えられている。他の都市は「聞くな」って勢いで陥落するけれど、レニングラードはキチンと研究した手順を踏まないとやっぱり守りきれそう。ロストフが守れるかどうかはビミョーではあるけれど、アソコは41年中に陥落はしている。元々赤軍はボロクソに負けたんだから、「守りきれない」のはある程度仕方ないはず。その範囲を大きく逸脱しているって感じはしない。
ただ…難点その1。独軍が史実で奪取した都市を全部獲得したとするならば、ゲーム上は独軍が勝利する。そんでもって、「勝利条件を満たす」ことだけ目標としてプレイしたならば、独軍は勝つ。赤軍がそれを阻止するのは極めて難しそうだ。
つまり、勝利条件がオカシイのか?一部はそれが原因だと思う。けれど…むしろ大事な問題はソコじゃない。このゲーム、「赤軍が守れる土地」が極めて限定されている。そんでもって、独軍が「赤軍が本気で守っている土地」に踏み込むのは、アホらしくてやってられない。そうだなあ…たとえると、環状線で隣の駅に行くため、あえて反対側に向かう電車に乗る、みたいな「無駄なコトしている」感が漂ってくる。
具体的にはこうなる。モスクワ近辺は赤軍にとって守りやすい土地で、なおかつ守る価値がある。よってとにかく本気で守ってくる。ここに独軍が踏み込むと、ジワジワとしか前進できなくなる。本気で守ってジワジワ前進されるのか…って点はともかく、「そーゆーモノ」なのだ。これに対し、南方旋回すれば無人の野を征くがごとき快進撃が可能で、なおかつ得点対象の都市もたくさん手に出来る。このことはゲーム中にごく簡単に理解可能なので、誰も「モスクワ進撃するか、南方旋回するか」で悩んだりしない。「守れないって噂がある割に、モスクワは守り切れそうとはこれ如何に」と疑問に思っていた私が、ゲーム中に「なるほど」と理解できるんだから、相当ミエミエと言っていい。
要はこのゲーム、「なるようにしかならない」感がモーレツに強い。どれぐらい強いのかというと…最初のプレイは「慎重な前進」を心がけた関係上、多少「うまく突破できてない」感が強かった。けど、その結果として「うわ、やっちゃった、これは勝てない」となったのではなく、「勝てそうではあるけれど、なんか取りこぼし感があるなあ」で終わり。守る赤軍の戦略に幅がなさ過ぎて、独軍の突破が多少うまくいかなくても、赤軍が守ろうとする土地の範囲に大きな差が無い。結果「独軍がたどり着きさえすれば、ソコの赤軍は崩壊する」土地をどれだけ失うか…って問題に過ぎない。
結果がなるようにしかならなくても、過程を楽しめれば…って意見はあると思う。けれど、とりあえず私はあんまり楽しめなかった。このゲームの赤軍は、基本「移動妨害マーカーとして機能するかどうかさえ怪しい」連中である。「進撃できて当たり前」って気がする場所をひたすら進撃するだけじゃ、そんなに楽しくないと思うな。ちなみに、なるようにしかならない以上、勝利条件をいじった所で「運ゲー」になるだけだと思われる。
何故こうなったのか?う~ん…まあ色々噂は聞いているんだけど、ソコに踏み込むつもりはない。ただ、「誰かがコレでいい、コレがいいと思った」のでは?って気はしている。「明らかに未完成」って感じはしないのだ。細かくマズい点はあるような気はするけれど、そんなものがあるゲームは山ほどある。必要に応じてエラッタ出せばいい。ただ、このゲームのまずさはそーゆー部分じゃない。多分だけど、「これでいいと思っているの?」と聞けば、真顔で「はい」と言い返されそうなタイプの気まずさがあるんだな。
このゲームのドコがどう駄目なのかは、私よりもはねはね殿に聞いた方が手っ取り早いとは思う。ただまあ、私もはねはね殿に話を聞いた結論が「自分でプレイしてみて色々確かめてみた方がいいな」だったんだけど。信用できないとか理解できないとかいう話じゃない。「アレは素晴らしいから体験してみろ」って勧められて実際体験してみたくなる…ってのと性質は似ている。駄目なゲームではあったけれど、体験したことそのものに後悔はない…つーか、「プレイしてみて良かった」とは思う。とりあえず、「私はこーゆーゲームは駄目なんだな」ってことが確認できた。
駄目なゲームはプレイしたくない、って気持ちはわかる。わかるけれど、世の中には「駄目だからこそプレイしてみたい」って人種がいるのは確か。とりあえず私がそう考えている人間で、周囲にも似たような哲学?を持つ人間が多い。そのため、「駄目なゲーム」をプレイする際にあまり不自由は感じない(苦笑)。多分コレは「ものすごい贅沢」なんだろう。良ゲーの相手にさえ不自由するってのがこの世界だからねえ。
だから…結論として、「真バルバロッサ」のプレイはお勧めしない。けど、「それを承知の上であえてやってみる」ってな人間がいるなら、まあ一見の価値はあると言っておこう。それに、ひょっとしたら「素晴らしい」と思う人間がいるかも知れない。いわゆる「ゲームの趣味」は色々あると思うので。ただまあ、なんつーか…
今回、正直言って「ネタとして未消化」ではある。「何故このゲームは駄目なのか」を語るには、私の筆力が思いっきり不足しているんだな。だから、「私じゃ語りきれない何かがあるんだ」ってことを示すだけで終わりにしたい。細かい部分はもっと詳しい人に聞くか、自分で体験してみて下さい。マジに。ああ、もっと筆力が欲しい…「だったら更新サボるな」って声が聞こえてくるけれど(苦笑)。
3月10日 ― 2013/03/10 22:26
諸般の事情により久々の更新になってしまった。色々あったのだけど、主要因は某エロゲを6周したことだ。実は「そーゆーモノ」とは認識してなかったので、つい連続で…最初から「周回重ねてナンボ」だとわかっていたら、対策したんだけどね。20回近く周回を重ねていながら、まだやるべきコトが尽きてない某ゲームみたいに。ブツブツ…ちなみに7周目は「予め慎重に計画しないと達成できそうもない課題」を設定したので、更新する余裕が出来ましたとさ。このゲームに関する感想は基本的に「軍事機密」扱いだけど、これだけは書いておきたい。18歳未満が18禁同人誌作るのはマジやめてくれ。話として面白いけど、笑えなかった…
本日の話題は、色々すっ飛ばしてゲームマーケット大阪レポート。いやまあ、色々言われたので。この世界じゃ無駄に有名だからして。ご心配欠けて申し訳ないです。
細かい理屈はどーでもいい。ゲームマーケット大阪に行かないF男はF男じゃない…ってんで大阪に向かい、例によってウォーゲーム系「だとしておく」ゲーム中心にドッチャリ仕入れてみました。ま、その辺の期待は裏切りませんよ。
とりあえず、袋の中にあるものを取り出しつつ紹介してみよう。帰宅道中に読むモノ読みまくっていたので、ゴチャゴチャになっているし。最初に引っかかったのは、ゲームジャーナル最新号。まだ買ってなかったからなあ。i-OGN/BOARDWALK(以下ボードウォーク)で入手。ちなみに、即売会価格ってコトで消費税分安い。
昔ゲームジャーナルの付録になった謀略級三国志(25号)の第二版にあたる(某)三国志。芸無工房LOSERDOGSの新作だな。カードの追加だけならゲームジャーナルの後の号にあったけれど、今回はかな~り改訂されたようだ。こういう改訂は個人的には歓迎したいかな。「追いかけるのがタイヘン」って言いたくもなるけれど。
山ほどある「宇宙戦艦ヤ○ト」ゲームの1つ、「SPACE BARBARIAN」。大阪南方軍集団…つか、中黒氏デザイン。2199第四章冒頭にちらっとだけ出てきた「ガミラスVS白色彗星帝国」の戦いがテーマ。アレだけでゲーム作るのは、スゴいと褒めるべきなんだろうな。
同じトコロで入手した「AFRICA!」。北アフリカのキャンペーンモノ。諸般の事情…というより「後先考えないロンメルに振り回された」結果、ナゾのシーソーゲームを演じることになり、ゲームにするとちっとも史実通りにならないことで有名なテーマをどう処理しているのか?まあ一応研究してみないとなあ。とりあえず、ルールの割に「重たい」ゲームっぽい。
もう1つ同じトコロで入手したのが、「TANK SHOW!」中黒氏デザインではないらしい。ガ○パン系戦車ゲーム…らしい。ただ勝てばいいワケではなく、カネを稼がないとイケナイようだ。その割にはタイガー戦車が安い(アレは無駄に高級感漂うカネ喰いムシで有名)とか言ってはイケナイ。
ペラ1枚のゲーム「ワールド・タンク・バトルズ:ライト」。一応ガル○ン系ゲームではないらしい。a-game(国際通信社)の無料配布物。それなりには遊べそうだ。
「WE SHALL FIGHT ON THE MARNE」は、WW1マルヌ会戦のゲーム。英語圏の人間とおぼしき人間がデザインした品を、ボードウォークがライセンスしたらしい。どっからどう拾ってきたのか、聞くの忘れた(苦笑)。とりあえず、フツーのウォーゲームっぽい。
DTP…つか、「同人じゃね?」と言いたくなるような出版元の品をやっぱりボードウォークがライセンス?したのが、「POLAND CRUSHED」。39年白作戦のゲーム。よくもまあこのテーマを…何故ライセンスする気になったのかは聞き忘れた(苦笑)。
鈴木氏の個人ウォーゲーム同人誌「The Last Stand」Issue#6を迎えた今回は、豪華3ゲーム付属、更に表紙にイラストが追加、トドメに値下げときたもんだ。付録ゲームはガ島キャンペーンゲーム「An Island too Far」・39年白作戦「Poland Betrayed」・41年バルカン半島戦「Balkan Blitzkrieg」…最初の1つはともかく、後の2つはスゴいテーマだな。余談だけど、私が「ヒストリカル作戦級で同じテーマのモノを同時に複数個入手した」のは、今回が最初だと思う。何故ソレがバルジでも東部戦線でもなく、ポーランド戦なのかは理解に苦しむ。後の2つは詳細不明(外国人のデザインだとはわかる)だけど、ガ島モノは日本人デザイン。説明が丁寧な分ルール量は多いけれど、キチンとまとまっているので理解はしやすい筈…「こんな風にまとめれば、理解しやすくなるのでは」ってなアドバイス送っただけに、責任の一端は私にもあるんだよなあ…
アニメ「ビビッ○レッド・オペレーション」のゲーム「ビビッドドレッドノートオペレーション」。開発ベータ版無料配布。ストップ系(わかりやすく言えば「UN○」ライク)カードゲーム。まあ、こーゆー品も私には必要と言うことで。いつもお世話になりまくりの、イッシーサークルの品。完成版を楽しみに待ってます。
国際通信社JWCの「ドイツ戦車軍団」。消費税分くらい安いのでココで入手。何故か?ドイツ戦車軍団が全く出てこない「コンパス作戦」が追加された(苦笑)。ある意味このゲームのために入手。戦友の遺作だからね…
ロボット設計&対戦ゲーム「ロボコマ」ってのもa-gameで扱っていた。制作は英雄開発事業団。特別モデルとなったアニメ作品があるワケじゃない…と思う。こーゆー品もまた「この趣味」普及の役に立つ…のかは、よくわからん。立つんじゃないかなとはしておく。
宇宙艦隊戦カードゲーム「Ships & Tactics~艦隊決戦~」(フェニックスキャンペーン)の追加カードも入手。白色彗星帝国と自由惑星同盟軍…ヒューベ○オンVSメダ○ーサはかなりシュールでいい。他にも愉快な艦隊が色々追加される予定らしい。素晴らしい。
KEY商会のゲーム「ガンヘッドvsエアロボット」。ロボ戦闘ゲーム。好きだなオレも。追加された機体がレッドショルダーカスタムってのがサイコー。何のことかわからん奴はクメ○に行って地獄見てこい。
最後は富士塚商会の「戦車道物語」。清々しいくらいド真正面からの、ガルパンゲーム。こーゆーゲームは「客層が違うので、この世界の普及には役に立たない」という意見があるけれど、それはそれ。他の誰が何を言おうとも、私はこーゆー路線を支持していきたい。それがヲタクの心意気。
他にも野球ゲーム(最新版はとっくの昔に入手済み)があったりと、まあ「遠征しただけの甲斐はあった」と言えるかな。当然のことではあるんだけどね。
全体的な傾向として、コンポーネント面が充実したゲームが増えたと思う。色々理由はあるんだろうけれど、「もっとコンポーネントに気を遣おうぜ!その価値はあると思うぞ」と繰り返し述べてきた私としては、とても嬉しいね。
しかし、私の戦いは終わらない。来月末には地獄の「ゲームマーケット春とコミック1のバッティング」が待っている…うう、コレはマジ地獄だ。カンベンしてくれ。まあ、考えると頭痛くなるので、今は入手したゲームを眺めてキビシー現実を忘れていたい。
最後に、会場で合流し一緒に飯を食い、「この業界の将来について」ワケわかんないおしゃべりをしまくったtakoba39714殿とぐち~ず殿に感謝を捧げつつ、落ちなく終わろうと思う。流石に疲れているので、落ち着けてる余裕がない…
1月26日 ― 2013/01/27 02:42
本日は、不真面目な題材の真面目な話題。「河○智美手ブラ事件」について。勘違いしている人は結構多そうなので、一応解説しておこうかと。何故か手元に解説資料があるし。なお、名前をボカしたのは、スパムコメント対策です。他意はございません。
某アイドルグループの一員(一応卒業予定らしいが)の写真集。本来ならばあんまり興味はない。出版する権利を年末の競馬予想で勝ち取ったらしいので、覚えていたけれど。だから、先週スポーツ新聞で出た「表紙予定写真」も軽く流した。痛恨の極み。一応は「表現の自由に五月蠅い人間」だというのに…
問題の写真を含むから…と、某ヤング層向けコミック誌が発売自粛、写真集も表紙差し替え、更に発行元が警察で事情徴収、あげく発売中止…と、かなりの大騒ぎになった。某アイドルグループは「滅茶苦茶な勝ち組」であり、コトがマスコミ内部に留まっているならば絶対バッシングされない(叩いたら干されるから)ような、「ビッグな」存在だ。とはいえ、お上には勝てない。当たり前だけど。
実は今回の件、「表現規制に興味を持つ人間」にとってはかなり重要な話である。「児ポ法の適用範囲は、18禁表現と無関係である」ことが改めて確認されたからだ。理屈としてそうなるってのはとっくの昔に知られていたんだけど、事件化して報道され、「この範囲はやっぱりヤバいんだな」と示された意味は、決して小さくない。特に実務に携わる人間にとっては、「この程度はもうヤバい」という実例が示されたのは、一応有り難いはずだ。実際問題としては色々アタマ痛いわけだけど。
わかる人間には上記の説明でわかるだろうけれど、そんな人間ばかりじゃないだろうから、ある程度説明しよう。「表現の自由」は憲法にも規定された権利ではあるけれど、無制限に追求させてはマズいと考えられている。わかりやすいのは今回のような「エロ絡み」だろうけど、他にも著作権やプライバシーの侵害に関する法律なども「表現の自由に対する規制」に分類される。そのため、この辺の法律が適切なのか議論する…なんて話になると、「表現の自由」の話も出てくる。
閑話休題。表現規制の代表格として知られる「エロ絡み」は、従来2つの法律で規制されていた。わいせつ物頒布等の罪を規定した「刑法175条」と、「青少年保護育成条例」である。この2つ、対象が似ているだけに混同されやすいけれど、区別は重要なので注意。
まずは刑法。この法律で「ダメ」とされたら、1)頒布(販売・配布など)しちゃダメ、2)閲覧(立ち読みなど)させちゃダメ、3)売るつもりで所持するのもダメ、になる。全ての年齢層に対し。過去の有名な事件はコレに該当するかどうかが問われたモノ。昔はともかく、今は適用範囲が緩くなった。
この法律、現状とりあえずは単純に「ヘアはOK、その下にあるモノバッチリはダメ」と考えれば良い…とされている。比較的わかりやすい基準かな。なお、男女を問わずダメなので注意。情報量の関係から男性は「わかっている」コトが多く、「男性が作ったモノ」「男性向けのモノ」は意図的なモノを除いて問題になりにくい(もちろん、スレスレを狙ってアウトって件は山ほどあるんだけどな)のに対し、女性が女性向けに作る場合、「18禁なら何描いてもいい」とカン違いしている奴がいるようだ。まあ、サオは描きやすいからねえ…
なお、この法律の話になると、「芸術性があるかどうか」って話が出てくる。ごく簡単に言えば、「芸術性がある」のなら、ある程度お目こぼしが期待できる…ってワケだ。しかし、今現在の基準だと、さほど意味がないようだ。そもそも、日本では「芸術性があれば何でも許可」ではない、とされている。芸術性があっても駄目なモノは駄目、って説が主流だ。その上「芸術性が無くてもOK」ってラインが緩和されたので、「芸術性があるからセーフ」ってゾーンがほぼ存在しなくなってきている。また、そもそもこの考えは「写真がエロに使えないほど印刷技術が低かった」時代、すなわちわいせつ物=文章か絵画、って時代の産物なので、画質の良い動画を個人的に所有できるような昨今では、重要性が低くなった。法律に関する専門的な話をする場合は重要だけど、それは「今ある基準は適切か否か」を論じる段階の話であって、「ドコまでがセーフなの?」を論じる場合はあまり意味がない。
次に、青少年育成条例について。実は、国の法律に「18禁かどうか」を定めたモノはない。それらは全部都道府県の条例によって決められたモノだ。それが「青少年育成条例」。条例だけあって都道府県ごとにビミョーに内容が異なる。ただ、大抵「ウチの県民相手に頒布したらアウト」なんて内容になっているので、結局最も厳しいと考えられている条例に従うしかないと考えられている。ちなみに、条例無いに細かい規定が無く、それゆえ担当者の裁量次第で幅広くアウトとされかねない東京の条例が「最も厳しい」と考えられているようだ。同人誌の世界では一応「東京基準=日本全国基準」とされている。もっとも、ある意味一番怖ろしいのは長野県。該当する条例がない。理屈から言えば「やりたい放題」なんだけど、実際問題としては別方向からガチガチの規制をかけてくるんだろうなあ…と考えられている。こういう規制は「ドコまでがセーフ」って規定でもあるので、無ければ無いで困るものなのだ。
青少年育成条例の基準は「複雑」の一言に尽きる。各都道府県ごとの違いについては「最も厳しいモノをクリアするしかない」で片付けるにしても、「その基準だとドコまでがセーフなの?」はかなり曖昧だ。少なくとも、現状では「同人誌基準」と「商業誌基準」が存在すると考えて良い。より厳しいのは同人誌基準。エロエロの同人誌は山ほどあるけれど、そのほとんど全て、私の知る限りでは全てが18禁。全年齢向け同人誌のエロの限界は極めて低い。それに対し、全年齢購入可能な雑誌にもかな~りエロいのが堂々と存在する。コッチの基準は正直よくわからん。何故そうなのかは色々推測できるけれど、面倒なので割愛。流石に商業誌の方は「やり過ぎ批判」が出ている。
商業誌区分のワケわからなさは、ある意味想像を絶する。現状では「真性18禁」「実質18禁」「スレスレだけど18禁じゃない」の3つが存在するらしい。真性18禁のモノは、扱っている場所があんまり無い。アダルトビデオ店ならいくつか扱っていると思う。問題は実質18禁。実を言えば、コンビニの「立ち読みできないようにしてあるコーナー」に置いてあるエロい本・雑誌は、全て「全年齢許可」作品である…タテマエとして。「そうじゃなきゃコンビニには置きません」って自主規制があるらしいのだ。ハッキリ言って真性18禁のモノと見分けが付かない。区別がわからん。その上更に「そーゆーコーナーに置いてない」エロいモノも山ほどあって、これまた区別が付きにくい。基準を明確にするとイロイロ角が立つので、あえてイー加減にしているんじゃないかとは思う。ちなみに、同人誌基準だと全部18禁。それどころか、「猥褻物かもしれないので頒布停止」まである。カゲキかどうかだけ問題にするのならば、同人誌なんて全く役に立たない。ソコは誤解しないように。
あと、青少年育成条例は規制対象が「視覚的なモノ」限定だと明記されている(私が実際確認できたのは東京だけ)関係上、小説はどんなにエロくてもこの法律で規制されることはない。挿絵は対象になるので注意する必要はあるけれど。小説を規制したら谷崎潤一郎とか吉行淳之介とかも「規制対象だ」となって、図書館(学校図書館含む)が大騒ぎすることになるからなあ…
この条例に「芸術性」が問われるかどうかは、何とも。東京都の答弁では「どうも問いたいらしい」、すなわち、芸術性のあるモノだったら不問にしますよ…と言いたいらしいんだけど、「ソレのあるなしはどーやって判断するんだ」って部分が極めて曖昧。少なくとも前都知事は「オレ様判断」で問題ないと思っていたらしい。そうとしか思えない発言を連発してた。ちなみに、条文に「芸術性があれば認める」なんて文言はない。私は「規制したら反発くらいそうなモノはセーフ扱いにする言い訳」に過ぎず、ハナっから誰もそんなモノの有無を問題にして取り締まるつもりはないと判断している。
この他に「業界自主規制」とか「コンシューマー機のメーカーチェック」といった規制も存在するけれど、法として重要なのは上記2つだった。そこに比較的最近(と言っても15年以上前だけど)加わったのが、児童ポルノ規制法、略称「児ポ法」である。
古くからある2つの法律は、保護対象が「購入者」だというタテマエになっている。わいせつなモノを見せられちゃって、なんて可哀想…という趣旨になっているのだ。そーゆーモノを見て喜ぶような残念な存在になっちゃ駄目ですよ、ってワケだね。コレに対し、児ポ法は「モデルになってしまった児童」の人権を保護することが目的だ。要は「エロいモノ(画像が代表だけど、文章系も該当するだろう)に実在する児童を出すな」ってな内容になっている。
たま~に誤解している奴がいるんだけど、現状では規制対象は「実在する児童が登場するモノ」になっている。実在しない「創作上の児童」については、人権が存在していない(当たり前だ)ので保護する必要がない、とされている。その辺も規制して「ロリコン絶滅推進法案」にしようって動きもあることはあるけれど、今のところはそうなっていない。
法案が通って施行されたのはかなり前だけど、その頃からずっと「この法律は適用範囲が広くてヤバい」って話はされていた。いわゆる「18禁表現」に該当しなくても、この法律に引っかかって摘発されることもありそうだ…って心配はされていたのだ。しかし、今までは「アウト」とされたモノのほぼ全てが「18禁のモノを扱っている業者」だった。優先して取り締まるべきなのはドッチなのかを考えたら、そうなるのは不思議じゃない。それゆえ、実務上は「18禁のシロモノに児童を出した時のみ」規制されるのでは?って見解もあったことは事実。制限速度を10㎞弱オーバーしたら法律違反だけど、よほど特殊な場合を除きスルーされる。それと同じようなモノじゃないか?というわけだ。
しかし、今回の画像は違う。私個人の見解としては、確かにエロいことはエロい。けど、商業誌より厳しいはずの同人誌基準で考えても、「18禁」にする価値はない程度。児童が絡んでいない限り、何も問題にならないはず。つまり、「児童絡みの18禁に手を出さない限りは大丈夫」って説は間違っていたことになる。どしぇ~。私は「18禁じゃないからって安心できない」派ではあったけれど、当たったからってちっとも嬉しくない。
一応よりお堅い話をしておくと、警察もおそらくアレが「クロだ」とは断言できないはず。警察が考えるクロってのは「裁判で有罪に持って行ける」レベルを指すからね。裁判所の判断が示された訳じゃない以上、そこはまだ何とも言えない。今回の画像にしても、出版元を検挙したとしても、有罪に持って行けるかどうかはビミョー。有罪に出来る可能性は高いけれど、出版元も全力で抵抗してくるだろうから、裁判所に「憲法の精神から考えると、児ポ法はやり過ぎだ」と判断されて無罪になる可能性がある。出版元にしてみれば、仮に有罪になったとしても、「児ポ法は憲法違反じゃないかも知れないけれど、やり過ぎってコトに代わりはないんじゃね?」って話が盛り上がったあげく法改正に持って行けるかもしれないので、大金使って最高裁まで争う意義はあるでしょ。
ただ、これは大手出版社だから出来ること。個人~同人レベルでは、「逮捕に値する」(有罪とイコールじゃない。有罪確定は裁判後の話。)ってだけで「人生アウト」レベル。そんな危険な橋は渡れない。中小出版社なら「アウト覚悟でスレスレ追求しないと会社が危ないんじゃ!」って姿勢も考え得るのかも知れないけれど、ソレでメシ食ってるワケでもない個人・同人が似たような覚悟決めちゃうのは、ちょっとオススメできない。そのため、「とにかく児童には注意しろ」としか言いようがない。
児童に注意すると言っても、どのレベルの話なのか。う~ん…私の推測で良ければ述べよう。子供の写真、特に男の子は基本疑ってかかれ。一般人の常識で「健全なモノだと信じて疑わない」レベルのモノすら危ない。これは、「ヘンタイのターゲットになるのは女の子限定」ってな思い込みの方が間違っているとしか言いようがない。あと、「古い写真集は疑え」ってのも重要かな。男の子の扱いがいい加減でも問題にならなかった時代の産物だと、フツーの水着写真集レベルですら「問題画像」が入っている可能性がある。いわゆる「エロいモノ」に手を出してるわけじゃないから大丈夫…ってな思い込みは危険だと認識すべきだな。少なくとも今回、私はその観点からは完全にスルーした。
こんな基準についての知識は、無くても大丈夫。同人誌作っているワケじゃないし…って考えるのはいい。昔なら。ネット時代となり、個人の情報発信力が格段に強化された昨今、「全く関心がない」のはどうかと思うぞ。少なくとも「知らなかった」が通用するとは思えない。とりあえず、自分の子供の写真をネットにアップする際は注意した方がイイと思う。「自分の子供なんだから、人権侵害の意図があるわけ無いだろ!」って言い訳は、おそらく通用しない。「自分の子供を虐待する親」という痛ましい話は結構ある。ついでに言うなら、虐待の意図がゼロだったとしても、ヘンタイに目を付けられたり、イジメの理由にされたり…といったリスクがあることも忘れないように。そーゆーモノから児童を守る、ってのが「こんな法律が施行された理由」なんだから。私はあくまで「法律による規制」に反対しているのであって、児童の人権を保護する必要性を無視するつもりはない。
ちなみにこの児ポ法、「児童絡みのエロいモノは単純所持規制しよう!」って動きがあった。単純所持規制とは、とにかく持っていればアウトってこと。日本だと麻薬とか銃器とかがそーゆー規制をされているくらい。確か民主党が政権を取るちょっと前くらいにそーゆー提案がされ、一応「やり過ぎだ」で無くなった。さらに、この児ポ法をより強化したようなモノを東京都が条例にしようとして、猛反発喰らって譲歩した内容になった。この時も単純所持を規制しようって動きがあった。
まあ、この手の規制をしたくなる気持ちもわかるけれど、基本やり過ぎだろってのが私の意見。この手の規制にはどこかで歯止めを掛けないと、「暴走したあげく誰も得しなくなる」からなあ。私はエロ規制が多少厳しくなっても「問題は少ない」人間だと思うけれど、この分野で踏みとどまらないと次は…って危惧は持っている。「悪い戦争を賛美する奴は規制しよう」なんて言い出しかねないからなあ。とにかく戦争反対な人間が主張するだけならともかく、「正しい戦争はやりたい人間」も主張してきそうなだけに。
1月15日 ― 2013/01/16 01:44
やっちまいました。カレンダー戦線が完全崩壊しました。去年より数が増えているはずです。まいった。流石に参った。
おいおい、「今年は抑える」つもりじゃなかったのか?うん。去年末までは。もっと具体的に言うと、コミケまでは。こみっく☆トレジャーで暴発しました。去年も暴発したのに、学習してませんでした。
いやね、ある程度の暴発なら「織り込み済み」だ。ただ、今年は色々と「聞いてねえ」って事態が発生したおかげで…エース格が通販(私の感覚では「不確かな入手手段」)になったとか、売り切れの腹いせが必要だったとか、とにかく鬱憤が溜まりそうな年だったんだよ。それを必死に押さえ込んでいたんだけど、大阪で制御不能レベルに陥った。
この際だから思いっきり愚痴ろう。タダの愚痴につき合いたくない人は、この先読む必要ナシ。まず、オーガストカレンダー通販入手の件。先月愚痴ったけれど、これは精神的に痛手を受けた。けど、この時点ではまだ「予備を限界まで投入」程度で済んでいた。問題はむしろE☆2ってトコロから出た「アーティストカレンダー」の方が大きい。予約せずに放置していた関係上、3種類あるうち、最も欲しかったモノが入手できなかったのだ。そこでまあ、腹いせに残る2つを両方とも…思えば、この時点から色々怪しかった。なお、ドレが「本命」なのかは、軍事機密に抵触するので内緒(笑)。
コミケでの惨状は全面的に私が悪いワケだけど、そこで落ち込んでばかりいられない。何かしら腹いせは必要だ…ってんで、カレンダーの数は予定より増えた。増えただけならいい。おいニトロ○ラス、A1カレンダー(だと思う)って何だよ。「リト○ス」で有名なK○yもサイズ変更しやがったし…それやこれやで、正月のカレンダー配置は色々タイヘンだった。この時点で「数は減ったけれど、面積は増えた」とかいう状態に陥っていた。そりゃまあ、卓上減らして壁掛け増やせばそうなるんだけどさあ。あと、A3サイズが減ってB2サイズが増えた。
もう1つ惨いのは、エロカレンダー(苦笑)。目立たない卓上ならアリかな…と思って手を出したら、壁掛けタイプだった。まさか「下さい」と言っておきながら、キャンセルはねーだろ。仕方がないので、おそらく最も目立たない位置、つまり天井に貼った。天井に貼ったカレンダーを「めくる」必要があるんですけど。けど、マニアの意地として、入手したカレンダーを「使わない」って選択肢はない。
とまあ、コミケ以前でも色々あったのは認める。けれど、それは正月に悪戦苦闘して全部飾り終え、「終わった」はずなのだ。確かに、こみトレに行った理由の1つがカレンダーである。それは大いに認める。一応建前上は「電源不要ゲームの動向を観察する」だけどな。なんかテーブルゲーム系が減った気がするんだけど、これはゲームマーケット大阪の開催と関連があるのかも。とか言いつつ、「インペリウム本」という必要なモノは確保できた。正直、こーゆー活動を支援するためなら、関西に飛んでいく程度なら無問題である。
閑話休題。一応予定に入れていたとはいえ、カレンダー購入は思いっきり控えるつもりだった。正直、まだ余裕があった卓上カレンダー「だけ」のつもりだったのだ。けれど…ハッキリ言って、アタマ抱えたくなる程度に増えた。特に壁掛けカレンダーが増殖したのが…
最大の元凶は、「アーティストカレンダー」である。よりによって、ド本命が売っていやがった。聞いてない。何のために「香港のヲタクショップ全部回って探してこい!」って指令を思いとどまり、腹いせに残る2点を全部入手したのやら。他にも「無料配布です。お願いですから持って行って下さい」という売り言葉?につられて手に取った品が…いくら「チャンと顔がありやがる」って時点で疑問符付きまくりとはいえ、ミスカトニック大学超心理学博士課程卒業(自称)した人間としては、ニャル子さんはスルーできんだろ。
他に同人でも壁掛けタイプ数点。卓上カレンダーも予定以上に買い込んだ。これは…正直言おう。余計な情をかけちまった。「ここで売れ残ったら、全部不良在庫扱いなんだよな…」と考えてしまったのだ。カレンダーって定番アイテムなんだけど、案外継続して出しているサークルは少ない。不良在庫率がやたら高いからだ。それを考え出すとやってられないので、情はかけないようにしていたんだけど…今思い返してみると、ニャル子さんに情をかけた時点で、ストッパーが壊れたようだ。つまり、私はよりによってニャル子さんのおかげでSANチェックに失敗し、「カレンダー購入しなければ」という強迫観念に取り憑かれたと(笑)。
幸か不幸か予定外のカネ使いまくったので、スゴスゴと日曜のうちに帰宅。そうしてなければ雪で足止め喰らった可能性が高かったので、一応正解ではあった。月曜はカレンダーと格闘し、なんとか無理矢理全部飾った。正月より時間掛かったかもしれない。色々とタイヘンだったんだよホントに。
ちなみに、これでもまだ不満は結構ある。「欲しかったのに、入手できなかった品」は色々あったので。ただ、全部入手したら破産モノなので、こんなモノだとは思うけれど。ま、これで3月まではある程度落ち着くことが出来る。3月になると「スクールカレンダーの入手」に大騒ぎするんだけどな!それがマニアってものです。ニャル子さん以前に、SANチェック失敗しまくりだなオレ。
1月4日 ― 2013/01/05 05:16
旧年中の宿題が残っているので、そいつを片付けておこう。本日のネタは、昨年末に発売されたコマンドマガジンの「魁!コマンド士官学校」について。私の立ち位置ってモノがあるので、流石に一言言っておこうかと。
コマンドマガジンは「雑誌付きゲーム」だと思っている方が多く、雑誌記事がどれだけ読まれているのかは未知数。そこで、簡単に内容説明をしておこう。中級程度の実力を持つ読者を対象に、「作戦の立て方」を紹介するものだ。一応「研究のコツ」を紹介するものであり、個別具体的な作戦研究ではない…んだけど、「具体例」として簡単な作戦研究も触れている。つか、「透けて見える裏側」の話をすると、まず最初に作戦研究のネタがあり、そこから一般法則っぽいモノを引き出しているんだと思う。連載なんだから妥当な手法かな。私だったらもっと抽象的な話に終止すると思うけれど、それだとどう頑張っても読み切りか、かなり頑張っても短期集中連載にしかならないので。
作者のDASREICH殿は思いっきり知り合いであり、ツッコミたければ遠慮無く当人にツッコめば良い。そんな事情もあり、いちいち私がブログでどうこう…って必要は無いと思っていた。108号掲載の記事を見るまでは。この号の副題は「デザイナーを倒す」とある。そんでもって、ものすごく乱暴に要約すると、デザイナーズノートを読み、そこに書いてあるデザイナーの意図の裏をかく、すなわちデザイナーの想定しない展開の中に良い作戦が眠っていることがある…と説いている。
正直、言わんとすることはよくわかる。たとえばだ。デザイナーが「機動が重要なゲーム」と発言していたとする。ならば、機動力を最大限活かすようなプレイを…と考えるのも重要だけど、敵の機動力を押さえ込むことも重要だ。その結果、お互い睨め合ったまま全く動かない展開になることもある。実例を出すと、私が研究した「太平洋空母決戦」がモロに該当する。出た当初は「どう使えばよいかわからない」と言われた、空母のエリア移動。研究してみたらやっぱり重要だった。ただ、現時点での最終結論は「敵空母の足止めを行うため、睨み合え」であり、やっぱりエリア移動なんかしない。「しない」だけであって、重要なコトは間違いないんだけどね。
けれどだ。私個人の意見としては、「デザイナーが想定してない展開」を「推奨」するような趣旨の記事は、どうかと思う。何故か?その考え方は「良い作戦」だけではなく、もっとヤバいモノを見つける手段でもあるからだ。それは、「必勝法」である。
作戦研究って必勝法を見つけるためにやるんじゃないの?まあ確かに。けれど、ここで私が言う「必勝法」は、そーゆーモノじゃない。どちらかの陣営がそれを行うと「必ず」勝ち、相手はわかっていても「全く」阻止できない…そーゆー、真の意味での必勝法である。そりゃあね、ゲームによっては「○○側が勝つ。引き分けすら考えにくい。」なんてモノもあるのは確か。けれど、過程は色々あるのでまあ楽しむことは出来る。必勝法はこの過程すら固定する。ゲームという枠内での話なら、通常は「あってはならないモノ」として認識されているはずだ。対人対戦の経験が極端に少ないか、あるいはかな~りねじくれた精神構造の持ち主でもない限り、この意見には同意してもらえると思う。「必勝法」を何度も喰らってくれるのは、PC・コンシューマーぐらいだ。
必勝法の具体例ねえ。雑誌に掲載された中で最も強烈なのは、「太平洋艦隊」のパルミラ攻略作戦かな。第1ターンに狙う作戦は多少「無茶している」感があって、必勝法と言うよりは作戦研究の範囲かも…って気もするけれど、第2ターンに行うモノは「どーしよーもないです」ってな雰囲気で、必勝法色が強い。確か勝利条件の改定とセットで紹介されたし、再版されたものは対策となるルール改定を採用したはず。ただ、専門的すぎて細かい内容は覚えてない。
細部まで覚えているモノとなると、新シミュレイター1号掲載の「第三帝国必勝法」かな。ある種のハメ手で、独・伊に加え仏・ソが「手を組む」ことにより、英米プレイヤー以外の全てが「勝利」を達成する…ってもの。単純に勝利を達成することが目的ならば、こうするべき。そうしないのは、第三帝国が「実はロールプレイングゲームだから」とかいう苦しい?結論を出していた記憶がある。これなんかまさに「デザイナーの想定していない展開」だな。
私は「ルールブック原理主義」を採用していて、「とにかくルールブックに従え」と考えている。それじゃマズいコトが発生するのなら、ルールブックを訂正する必要があるのだと。でまあ、実際色々あるので文句つけまくっているんだけど。そんな私にとって、必勝法ってのは「見たくないけど探しているモノ」筆頭である。もしそんなモノが見つかれば、速攻でルールブックを訂正させるべく文句を言う。だから、「必勝法探し」は熱心にやっている。使うためではない。潰すためだ。こういう方向で努力する馬鹿が誰かしらいないと、「必勝法を使って勝って喜ぶ」という残念な奴を誕生させることになりかねない。それは、個人的にはイヤなので。だから、「必勝法を発見したら、ルール改定の必要を大声でがなり立てる」って覚悟というか習慣というか…を持ってない人間(普通の奴は持ってない)に対し、「必勝法を発見するための手法」を勧めることに繋がりかねない内容はどうよ…と思うんだな。
なお、必勝法うんぬんは私個人の事情というか嗜好というか…に基づいた文句だとしてもだ。「デザイナーが想定してない展開を作戦と呼ぶべきか」は、正直微妙な問題ではないかと思う。デザイナーが想定してない展開とは、デザイナーが責任を取れない展開であるとも言える。そんな展開がボロボロ出てくるようでは困るのは確かだけど、それは「作戦」うんぬんではなく、「ゲーム批評」の範疇に属する問題じゃないかと。作戦研究も批評の1形態、という説もあるけれど、批評は批判糾弾に繋がりかねないだけに、多少慎重な扱いを必要とする…ってのが一般的な意見じゃないかな。
あくまで私個人の見解としては、ルール改定の必要があると判断されるようなモノは「作戦研究」ではない。それ以前の問題である。結果的にそうなることもあるだろうけど、その場合は「作戦研究の結論はナシ。その範囲を超えちゃう結論が出たから」とする。まあ私の場合、「ルール改定」に対する興味の方が大きいので、それはそれで「大事な研究成果」なんだけど。実は今回の記事、最終的にルール改定に踏み込んでいるので、私に言わせると作戦研究じゃない。ルール改定に熱心な人間としてみれば、「それを作戦研究と呼んでくれるな」と感じる次第です。
そんな違いは大したことがない?言いたいコトはわかる。遙か昔は私もそう考えていたから。何故今の考えに至ったのかは、色々あって語りきれない。そこでたとえ話をしてお茶を濁そう。私は作戦研究というモノを「舗装された道路を通るようなモノ」だと考えている。クルマというものは舗装された道路しか通れないモノではないし、道路の全てが舗装されているわけではない。舗装されてるけど道路じゃない、道路だけど舗装されてない、道路じゃなくて舗装もされてないけれど、車の通行は可能…そんな場合はいくらでも考えられる。けど、ナビゲーターが舗装されてない道路を「通れ」と指示してきたらどうなる?まあ大抵は大丈夫と言いたいトコロだけれど、「遠回りでも、舗装された道だけ紹介してくれよ」と思う人間もいっぱいいるのでは。ルール改定に繋がるような作戦研究は、私に言わせると「最低でも舗装されてない道路。下手するとクルマ通れるけれど道じゃない。」ようなモノ。対応可能ならともかく、私なら一般論として通行は推奨しない。記事を書いたDASREICH殿が通行可能なのはわかっているからいい。けど、この記事の対象は「その辺が怪しい」読者じゃないの?
しかもだ。道路ならば、被害を被るのはその道に突っ込んできた当人だ。ゲームの場合、迷惑するのは大抵周囲の人間である。「ホンモノの必勝法」を「作戦研究上の必勝法」と固く信じ込み、ドヤ顔しながら使ってきた場合どーしろと。指摘しないのは論外だけど、指摘したらしたで問題は山積み。気まずいのは間違いないし、やり方を間違うと「クレーマー」扱いされかねないし、笑って受け入れてくれたとしても、その後その対戦相手がキチンとプレイできる見込みはない(精神的動揺で崩れるから)し…
つーわけで、私の最終結論。作戦研究は基本的に「デザイナーの想定の範囲内」で行いましょう。たまにそれを外れた所に「掘り出し物」があるけれど、それを狙うのは「良く似た別の何か」を見抜くことができ、なおかつ対処方法がわかっている場合に限りましょう。もっと具体的に言うと、ソロプレイメインで対戦なんて年数回…って人は注意しましょう。ソロ専門ならともかく、貴重な対戦相手に逃げられかねません。そーゆー方が「どうしても研究が独りよがりになりがちなんだよな。キチンとした作戦研究のやり方ってどうするの?」ってな理由から読みそうな記事だけに、なおさらです。
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