9月5日 ― 2005/09/05 21:55
昨日の雨はすごかったですねえ。Middle-Earth東京支部例会のおかげで帰宅遅かったから、直撃しちゃいました。電車止まらなくてホントに良かった…
今週は採り上げるべき話題が多い。昨日例会で演じたドジの話とか、大事な諸説の和訳が出た話とか、競馬の話とか。それをさしおいて、本日の話題はこのサイトの話。ついに改革に乗り出す可能性が出てきたので。
改革とは?まあ、平たく言えばここのブログ化である。今までも「そこらのブログには負けん」って姿勢でやってきたつもりだけど、やっぱりコメント機能がないのは気になっていたからね。単なる検討段階から、試用期間に移行することにしました。
ちなみに現在試しているのは、アサブロ。HTML形式でアップできると確認が取れたので。これだとコピペを上手く使えば、今と代わらない形式で編集できる。もちろんネタごとの色分けに対応できる…はず。理論上は。できないようなら容赦なく見捨てる。
現在は試用期間なので、まだこのサイトからのリンクなどは貼らない予定。色々使ってみて「イケる」と判断したならば、移行期間を経て本格運用に入る。そのためのスケジュールなども練っておかないと。
しかし、コメント機能つけたからって利用者はいるんだろうか?ここはある意味「ツッコミすら拒絶してる」ネタの羅列に意義がある。少なくとも私はそう思っている。そうなると大半は「コメントなし」となるわけで…だったら今のままでイイじゃん。
コメントあったらあったで困るかも。論戦は受けて立つのが私だからね。ネタの更新放置して論戦にのめり込んじゃう危険性も…これは、私自身がきちんと意識していれば大丈夫なはずだけど、そこで自制できるような性格してないからねえ。ちょっと危険だと自覚してはおこう。
ま、不満点が大きければ現状のままでいいと思っているし、仮に移行するにしてもしばらく先の話になる(早くて来月)ので、とりあえずは今のままでお楽しみいただければと。また、折に触れ試用レポートなんぞおとどけするかもしれないので、その時はよろしくお願いしますね。
9月6日 ― 2005/09/06 23:50
パニクるな!「銀河ヒッチハイク・ガイド」が還ってきた!ついでに映画化までするんだそうな。なんだって!
というわけで、本日のお題は映画化に伴い復活した「銀河ヒッチハイク・ガイド」について。映画の方は今週末に公開されるので、観に行く予定。その後ネタにしてもいいんだけど、待ちきれない。それぐらい嬉しいんだよ。
「銀河ヒッチハイク・ガイド」はダグラス・アダムスのギャグ小説。元々はラジオドラマだったらしい。あらすじはある意味どーでもいい。要は「英国ジョーク」が好きかどうかが全て。そーゆー作品である。
英国ジョークってのは、おおむね「くっだらねーコトにクソ真面目に取り組む」ところに笑いを見いだしている。ツッコミどころ満載というより、もうどこからどう突っ込んでいいのやら…ってシロモノだ。日本でも「モンティ・パイソン」とか「Mr.ビーン」とかが紹介されてるので、わかる人はわかるでしょ。
私が思うに、英国ジョークってのは好き嫌いが激しい。好きな奴は徹底して好き。そうじゃない奴は理解不能。私は前者である。その神髄とも言うべき作品が、この「銀河ヒッチハイク・ガイド」三部作(ただし5作ある)だ。その昔友人に紹介され、深く深くハマったものです。私のギャグの原点と言っていい。この作品があったからこそ、私は「あっぱれ倶楽部」常連になれたってわけだね。
しかーし!新潮社のバカタレは5作ある三部作のうち3作だけ翻訳し、絶版にしやがった。何考えているんだか。「売れなかったから」と言われればそれまでだけど、何で売れなかったのか私には理解不能だ。いやまあ世の中…より正確には日本には、英国ジョークがわかんない奴が多いってコトか。むう、何故だ。
作者のダグラス・アダムスは2001年にさりげなく夭折(まだ49だとか)し、多分そのおかげで映画化の話が持ち上がり、完成したらしい。さっきも書いたとおり今週末には日本でも公開される。そのおかげで河出文庫から復活したんだろ。ある意味哀しい話だ。けど、モノがモノなのでここはノー天気に喜ぶのが正しい姿でしょ。よくぞ復刊した。偉いぞ!なお英国で放映されたTVドラマのDVDも出るようなので、入手しようと思っている。
とはいえ、問題はまだ片付いてない。今回出版されたのは、第2作「宇宙の果てのレストラン」まで。幻の4作目5作目どころか、3作目の「宇宙クリケット大戦争」すら出ていない。そりゃマズいでしょ。こちとら完訳されるのを20年待ってたんだから、ついでに全部出して欲しい。そうしなかったら、「宇宙で4番めに恐ろしいい詩」を送りつけてやる!
というわけで、皆さんも是非買って読んでください。映画の出来は知らないけど、小説の方は「好きな人にはたまらない」はず。
なお、本日のネタはこの作品を私に紹介してくれた、友人のT・K氏に捧げます。君がこの作品に出てくる「宇宙で三番めに恐ろしい詩」を諳んじた時には、心底負けたと思ったものです。本来なら献辞は冒頭に持ってくるモノだけど、やはり最初は「パニクるな」にしたかったので。うんうん。
9月7日 ― 2005/09/08 01:16
日本代表勝ちましたねえ。でも、あれはちょっと…ま、「決定力不足」が解消したんだから良しとするか。
昨日紹介した「銀河ヒッチハイク・ガイド」にそーゆーシーンが出てくる関係上、気になったので書いておくことにしました。本日のお題は「人間を宇宙に放り出すとどうなるのか」。
宇宙空間ってのは過酷なところで、宇宙服なしで放り出されたら色々大変なことになる。特に影響が大きいのは、真空だってことでしょ。そこでまず、人間をいきなり真空に放り出すとどーなるのか検証してみよう。
ある資料によると、2~3分だったら生きているって動物実験結果があるらしい。これはNASAなどが宇宙飛行のために求めたデータなので、SFなんかじゃ結構活用されてる。宇宙服なしで宇宙に飛び出し、何かするって記述は結構多いのだ。映画「2001年宇宙の旅」にもそんなシーンがありましたねえ。
よくある勘違いとして「目玉が飛び出し、血液が蒸発して即死する」ってものがあるけど、これは間違い。これは動物実験で確かめられているし、宇宙船の事故でも「そうはならない」ってことが確認されてる。目玉が飛び出るってのは深海魚を水揚げしたときの様子(確かに目が飛び出る)から言われていることだけど、魚と人間じゃ眼球の構造が少し異なるのでこうならない。血液に関しては、血圧があるおかげで蒸発には至らないらしい。
ここまではいい。実は私も長いこと「3分ほど生きてるし、その間何かできる」と思っていた。ところが、最近になってこれもちょっと怪しいってデータを発見した。結論から言うと、生きてることは生きてるけど、あっさりと気絶してしまうようなのだ。
その根拠となるのは、飛行機事故のデータである。民間旅客機は普通かなり高く飛ぶ。その方が空気抵抗が低くて燃費がいいから。このためもし飛行中に機体に大穴が開くと、猛烈に気圧が低下する。そんな時のため、機体には酸素マスクがあり、飛行直前に使い方教えられる。これは飛行機乗ったことある人ならわかりますね。
この酸素マスク、飛行前の講習で必ず「他人に付ける前に、自分が付けろ」と注意される。よく母親が先に子供につけようとするんだそうな。けど、これはやってはイケナイ。何で?自分が付ける前に気絶しちゃうからだ。一般的なジェット旅客機の場合、30秒以内に着用しないと気絶モノなんだとか。
これは、肺の中の気圧が低下すると速やかに起きちゃうらしい。事実上訓練も不可能だとか。戦闘機乗りなんかはある程度の減圧に耐えるよう訓練されてるけど、それでも肺の中の酸素量が一定以下に落ち込むとどーしよーもないらしい。真空中に放り出されれば肺の中の空気なんて即座に出て行くので、30秒も持たないでしょ。
ちょっと待て。じゃあ息を止めていれば大丈夫なんじゃ?そう考えるのが人情だ。実際1分近く息を止めることは可能だろうし。けど、これも間違い。それどころか、極めて危険だったりする。理由は潜水病だ。潜水病ってのは周囲の気圧が急激に低下すると発生するモノで、ダイバーなら間違いなく注意される。
潜水病のメカニズムはこうだ。急激に気圧が低下すると、血液の中に溶けてる空気(主に窒素)が泡になってしまう。こうなると血流が妨害され、色々と不都合が起きるんだな。真空に放り出されたときに息を止めてると、肺の血管でコレが起きる。その結果肺の酸素を吸収できなくなり、肺の中にいくら空気があっても酸素不足に陥るのだ。ちなみに旧ソ連の宇宙船で空気漏れが起きたとき、直接の死亡原因はコレだったとか。思わず息止めたのかなあ。
NASAあたりがどう結論出してるのかは知らないけど、私が知ってるデータから出せる結論はこうなる。人間が真空中に放り出されると、数秒程度で気絶する。息を止めると多少長持ちするかも知れないけど、代償として潜水病により宇宙船に回収されても死亡する。その後仮死状態で数分間生きているけど、最終的には酸欠で死亡する。
ちなみに、酸欠で速やかに気絶するんだから苦しくはないはず。「息を止めると苦しい」ってのは酸欠で苦しいワケじゃなく、肺の中の二酸化炭素濃度が濃くなるから苦しいのだ。狭い密閉空間に閉じこめられると人間苦しんで死ぬけど、これは酸欠ではなく二酸化炭素中毒を起こすからだそうな。酸欠を起こすと苦しいどころかむしろ気持ちいいってのは、柔道の絞め技で「落ちた」奴が証言している。
宇宙に放り出されると、呼吸以外にも色々と問題が生じるのは間違いない。そのことは考えないとしても、宇宙服なしで宇宙に放り出された人間は、結局なーんの役にもたたないと思われる。うう、つまんねー結論だ。
9月10日 ― 2005/09/11 00:30
本日はここのブログ化について、進捗状況などを報告しましょ。実は色々不満もあるけど、どうやら乗り換えることになりそうなので。
このサイトで最も重要なのは、「ネタごとの色分け」である。これをブログ上でも実現するためには、要はHTML形式でアップできればいい。具体的手順としては、一太郎で文章書いて色を付け、HTML形式でセーブして、テキスト形式で開いてコピペすることになる。これ自体は特に問題はない。
今現在問題になっているのは、レイアウト関連。スタイルシートと格闘しているんだけど、どーもうまくいかない…「ここがこーなって、ここはこう」ってイメージ通りに仕上がらないのだ。ここは思い切って、専門書入手した方がいいかもしれない。
デフォルトのスタイルじゃ駄目なのか?駄目。ダメダメ。余白は少ないし文字間隔はキツいし…せめて行間だけでも調整した方がいいでしょ。これはアサブロ固有の欠陥と思われる。ここの「オススメブログ」開くとわかるけど、内容はともかくレイアウトはスゴい。可読性ゼロ。ただ、どーせ最初からいじりまくる予定だったので、私は気にしないけど。
ブログ化に伴う変更事項だけど、まずTopページは残す。なくす理由がない。「日記の読み方」も残す。ちょっと古めの過去ログについても、こっちからアクセス可能にしておく。ただし、ブログ側に機能があるから「日記選択」「1週間分」「ジャンル別過去ログ」については廃止する。あと細かい変更として、別のネットワークサイトで試験運用中の企画も公開する。とはいえまだ問題が多いので、公開が遅れる可能性アリ。
移行スケジュールもおおむね決定した。本日から「試験公開」を開始する。その後少しずつTopページに手を加え、10月から完全移行とする。お手数ですが、「お気に入り」などの変更が必要な人は9月中に処理していただければと。
まだブログ化するメリット・デメリットが整理し切れていないんだけど、とりあえずは移行して問題なさそうだ。まだ暫定もいいところだけど、この先少しずつマトモになっていく予定なので、これからもよろしくお願いします。
9月12日 ― 2005/09/12 23:07
さすがに選挙結果について触れよう。正直言うとこのサイトの趣旨と反するので、あまり政治関連の話題はやりたくない。けど、それでもあえて語らなくちゃマズいだろ。
私が大騒ぎしているのは、自民党が勝ったからではない。勝ちすぎたからだ。公明党と併せた与党議席は、何と絶対安定多数。こりゃあいくら何でも、少しマズいだろ。与党には悪いけど、正直言ってちょっと不安である。
絶対安定多数のドコが悪いのか?悪いに決まっている。言ってみれば「非常用停止スイッチ」を壊したようなものだから。そりゃあ自民党は実績ある政党で、普通に考えれば暴走はしないと思う。けど、だからって非常用停止スイッチ壊れるのはどうなのよ。万が一暴走したときの影響考えたら、原発の非常用停止機能が停止したようなものだ。普段通り運転できていれば何の心配もないとしても、フツーは「重大きわまりない故障」だと思うでしょ。
繰り返すようだけど、コレは何も「自民党がどうこう」って話じゃない。自民だろうが民主だろうが共産だろうが、私の怪しげな政治信条と全く同じ主張を掲げる架空の党(当然私は支持する)だろうが、衆院の絶対安定多数ってのは望ましくない。そう言ってるのだ。私は「郵政民営化は急いで回答を出すべき問題じゃない」って信条があるけど、それとこれとは無関係だ。
絶対安定多数ってのはどういうことか。直接的な影響として、次の衆院選までに限定すれば、参議院が機能不全に陥る。法案レベルならば、参議院がどんな議決に終わろうともひっくり返せるからね。郵政民営化に関しては「いいことじゃないか」と思う?何もかもこうってのはちょっとマズくないか?
もっとマズいのは、死票が出やすい小選挙区制で絶対安定多数を確保したってところだ。一応は比例代表制と併用することによって死票を減らしてることになっているけど、「地域を代表する顔」が小選挙区制で選ばれる影響は大きいでしょ。このため、今後の選挙は「与党の絶対安定多数が崩れるかどうか」だけが焦点になるかもしれない。これはかつての自民党VS社会党時代と何ら代わらない。自民党に事実上白紙委任状を与え、結果として政治不信を引き起こしたアノ時代にだ。
自民党が腐敗したら、また政治改革騒動を起こせばいい?正論ではある。けど、自民党の腐敗が大問題と化したのは田中角栄内閣時代。それから政治改革騒動が起きるまで、どれだけの時が経過したとでも?政治ってのは、民衆が「ヤバいんじゃ」と思ったからって即座に方向性が変えられるモノじゃない。それよりは普段からこまめにチェック入れた方が、ずっと話が早いでしょ。絶対安定多数ってのは、このチェック機能が上手く働かなくなることを意味するのだ。
ついでに言うと、コトは今回の選挙だけに留まらない。野党勢力がこれだけ負けると、「自民党にあらずんば政権担当政党にあらず」といった風潮が出てくる可能性がある。野党はもとより、与党であるはずの公明党でさえ発言力が低下しかねない。次回の選挙では自民単独でも絶対安定多数になりかねないし、参院選でも躍進が予想される。参院でも絶対安定多数確保すると、憲法改正が視野に入ります。9条改正どころか、それ以上の暴走も可能だ。
こうなったのは、何も自民党のせいじゃない。自民党にしてみれば「一議席でも多く」確保するため努力するのが当然だし、「勝ちすぎはマズいよな」などと傲慢なこと考えられても困る。まず責めるべきはだらしなかった民主党でしょ。これじゃあ一昔前の社会党と同等、いやそれ以下かも知れない。
悪いのは民主党だけじゃないかもしれない。普通なら、勝ちすぎにはある程度の歯止めがかかる。「暴走されても困るよな」って意見が重みを持つからね。けど、今回こんな声は影響力を持たなかった。そんな声自体が無くなったからか、選挙制度上反映しにくかったのかは不明。この答えは次の参院選まで出ないんじゃないかな。
もしこれが選挙制度上のモノだとすると、ある意味極めてマズい状況に突入しちゃったかも知れない。小選挙区制ってのは政権交代が起こりやすい。コレは事実だ。けど、一度ある政党が圧勝すると、野党全てが「弱小勢力」扱いされ、支配的状況が固定される危険があるのだ。小選挙区制ってのは、「弱小政党に票が流れなくてキビシイ選挙制度だから、政権交代が起こりやすい」って仕組みだからね。
何事も行き過ぎってのは害が多い。自民党が日本の政党で一番マトモだと仮定してさえ、今回の圧勝は正直不安である。まあ、日本国民の上から下に至るまで「マトモな野党とは」って問題に向き合ってなかった代償なのかもね。その結果に苦しむのもまた日本国民なんだから、仕方ないと諦めろってことかねえ。
戦前とは色々状況が異なるのは事実だけど、ある組織(戦前は軍部、今は自民党)に対し、暴走しても文句が言いにくい状況を与えたのは間違いない。これは直ちに自民党が暴走することを意味しない(そこまでバカじゃないと信じたいし、そう信じる根拠もある)けど、将来はどうなるかわからない。今回の結果はこれでいいとしても、ずっとこのままでいいのかは全くの別問題だ。
今回の自民圧勝は、長い目で見たら「イヤな方向」へ少しだけ踏み出しちゃったというのが私の意見だ。だからって日本が悪くなるとは限らないけど、じゃあどこでどうやって踏みとどまるのか、少し考えた方がイイと思う。こういう「少しだけ悪い」ことの積み重ねを甘く見ない方がいいのでは。これは野党支持者だけじゃなく、自民支持者にも言えることだと思うぞ。「それはそれ、これはこれ」と言えなくなってからじゃ、遅いんだから。
9月14日 ― 2005/09/15 00:59
献辞。S氏へ。生物学ネタを「もっとやれ」と推奨して下さるのは、貴方くらいです。私の知識なんていーかげんもいいところですが、及ぶ限りは応えていきたいなと。
宿題はとっとと片付けよう。本日のお題はリクエストにお答えして「スズメバチ」。色々と興味深い生き物だけど、とりあえずは広く浅く紹介していきましょう。本格的にやったら滅茶苦茶な分量になる。
スズメバチの仲間ってのは、実質昆虫界最強の存在である。毒針があるので単体としても相当強力な上、集団戦法を使ってくるからね。哺乳類のような大きな生き物でさえも、滅多に手出しをしない。身にまとう警戒色は伊達ではない。
とはいえ、クマぐらいになると「非常時には巣を襲う」らしい。蜂の巣ってのはタンパク質満載した「オシシイ」獲物だからね。直接襲ってるところが確認されたワケじゃないようだけど、ある実験結果から推定されてる。スズメバチってのは、クマと似た色のモノが近寄ってくると攻撃的になるのだ。黒い髪の毛ってのはクマと誤解されやすい。茶髪じゃない日本人は要注意だね。
スズメバチの針ってのは、ミツバチと違って再利用可能である。ミツバチと違って獲物取るときにも使うわけだから、当然と言えば当然かな。おまけにアゴも強力。さらに性質は凶暴で、巣に近寄ると見境無く攻撃してくる。ある意味嫌われるのも仕方ない生き物だ。
スズメバチの毒針ってどれぐらい威力があるのか?かなり厄介である。特にヤバいのはタンパク質分解毒があることかな。このおかげで皮膚だの筋肉だのが溶けてしまうのだ。量としては大したことがないので死ぬことはないだろうけど、傷が長持ちしちゃう。アンモニアつければ大丈夫…なんて甘い認識は持たない方がいい。
とはいえ、フツーならば人間が死ぬことはない。致死性があるってワケじゃないので、相当大量に注入されても大丈夫だと思う。ただ、激しい痛みによるショックは強烈なので、心臓ヤワだと心停止しかねない。また過去にも蜂に刺された経験があると、アレルギー反応起こして危険なことがある。アナフィキラシーって奴だね。「蜂に刺されて死亡」ってのは、このどちらかに該当する。毒蛇に比べれば生命の危険は低いだろうけど、やはり危険なことに代わりはない。
野生じゃケンカ売る馬鹿があまりいないので、スズメバチの仲間は猛烈に気が強い。あまり人間を恐れず、人間の近くに平然と巣を作る。もちろん近寄ってくれば追い払うだけ。これが人間に恐れられる理由の1つだね。ただ、害虫のたぐいを片っ端から捕らえて食っちゃうので、付き合い方を間違えなければ役に立つ存在でもある。それと、一部で食べてる「蜂の子」ってのはクロスズメバチの幼虫のこと。こんあものまで食うとは、人間って食い意地張ってますなあ。
スズメバチを最も嫌ってるのは、養蜂家の人である。スズメバチから見たミツバチは「ご馳走」以外の何者でもないからね。特に被害甚大なのはオオスズメバチ。他のスズメバチはせいぜい「巣から出た奴を片っ端から捕まえる」ぐらいだけど、こいつはミツバチの巣に襲撃かけるからね。この襲撃は、まずオオスズメバチの勝利で終わる。襲撃と言うよりは虐殺に近い。
養蜂家が使っているミツバチってのは、実は外来種である。こいつらはオオスズメバチに全く抵抗できない。野生状態じゃ繁殖できねえって言われるほど脆い。それに対し、日本にいる野生のミツバチはオオスズメバチに対して抵抗能力がある。そりゃあタイマンだと全く勝ち目はないけど、工夫された集団戦法を駆使することにより、かなり戦えるのだ。ところがこいつら、オオスズメバチがいない環境ではセイヨウミツバチに勝てない。ここにビミョーなバランスが形成されているんだな。生存競争ってのは面白いものである。
ハチのたぐいが社会生活を営んでいるのは何故か?これはまだ謎も多いんだけど、染色体の構造が影響してるんじゃねえかって説が有力。人間を含む「よくある生き物」ってのは、染色体を2本だけ持っている。X染色体とY染色体って奴だね。これに対し、ハチのたぐいは最大4本の染色体がある。ここに社会生活の秘密があるのでは?ってことだね。
こういう生き物は、オスには染色体が2本だけ、メスには染色体が4本ある。そして無性生殖でオスが生まれ、有性生殖でメスが生まれる。複雑だねえ。この結果、「遺伝子の共通度」で考えれば自分の子供より姉妹の方が「血が濃い」という性質がある。遺伝子レベルで考えた場合、子供育てるより妹育てた方が繁栄するってコトだね。これは「利己的な遺伝子」って考えの基礎となっている。
最後に、スズメハチの進化について語ろう。その昔、ハチの仲間は植物の幹だの葉だのに卵を産む草食動物だった。それが「肉食の方が効率がいい」ってんでアオムシだの何だのに卵を産む寄生バチが誕生し、そこから獲物捕まえて貯蔵しておくカリバチが生じた。これが社会性を身につけてスズメバチのたぐいになったんだな。ちなみに、そこから進化して再び草食に転じたのがミツバチじゃねえかって言われている。比較的新しい生き物で、社会性のあるハチが生じたのは恐竜絶滅後らしい。ただ、昆虫ってのは進化が猛烈に早く、化石にもなりにくいので進化体系は謎だらけ。これからの研究が望まれますね。
スズメバチってのは、「身近にいる危険な生物」である。死に至ることはさすがに希だけど、人間相手にシャレじゃ済まない危害を与えうる存在だ。これはスズメバチが「優秀な戦闘機械」だという証拠だね。興味深いし学ぶことも多いけど、観察は慎重に。
9月17日 ― 2005/09/18 02:16
本日のお題は、外国人馬主問題とします。私とかなり意見の異なるコラムなんぞを読んでしまったので。
結論から言おう。私は外国人馬主容認派である。主な理由が「馬主なんてどーでもいいから」であることは否定しない。けど、色んな意味で日本競馬に利が多いと思うんだな。セリの活性化になるだろうし、外国人馬主ならではの見解ってのも聞ける。何かにつけ「外圧」がないと変わろうとしないのが日本人社会。そこに外圧を導入するのは、プラスが多いと思う。
こんな見解を持つ私だけに、国会がJRAに「外国人馬主認めるな」って圧力かけやがったのは大反対である。しかも、「法律や制度はともかく、裁量効かせて落とせ」って圧力である。そういう不透明な裁量行政が何を生んだのか、わかってねーだろ!日本の国会議員って連中のレベルが知れる。行政改革についてもう一度ちゃんと勉強してこい!
「認めるな」と言われたのは、厳密には外国人馬主ではない。ダーレイジャパンの代表者、高橋氏である。この人を認めるとダーレイジャパンを馬主として認めることになり、間接的に外国人馬主が誕生すると。まあ確かに。ダーレイジャパンってのは、ドバイの殿下の手先だからねえ。
ただでさえ外国人馬主容認派の私。おまけに排除しようとしてるのが殿下。これで怒らなきゃ私じゃねえ。誰が何と言おうとも、私は殿下の支持者である。世界中の競馬関係者全てをひっくるめて、一番尊敬してる。趣味の1つに海外競馬観戦がある以上、当然だろ。目の前で何度もゴドルフィンブルー(殿下の馬の勝負服)が走っているんだから。神のごとく尊敬してると言ってもいい。
何で国会議員がこんなコトにクビ突っ込んだのか?馬主側の圧力…というより、社台ファーム(日本最大の競走馬生産牧場)からの圧力じゃないかと。単に日本最大というだけでなく、もはや対抗相手すら存在しない大牧場だ。殿下の日本進出で一番の不利益を被る組織だろう。国会からの圧力だけでなく、社台と関係の深いコラムニストが「今回の措置の正当性」を訴えてるので、おそらくこの推測は間違ってない。
私は基本的に「強い奴が勝って何が悪い、弱いのは罪だ」って考えの持ち主なので、社台の肥大化にはさほど抵抗はない。世間には激烈な「社台嫌い」が存在するんだけどね。でも、「健全な競争」を維持するため、ライバルになるような組織があって欲しいとは思う。健全な競争が確保できないと、全体が腐ってくるからね。
しかし、もはや日本で社台に対抗できる組織は存在しない。シンボリやメジロといった、本来なら対抗組織になるはずの牧場でさえ、今や軍門に下ったも同然。それはいい。社台ほどの活躍が出来なかったんだから仕方ない。けど、やはり何か対抗組織は必要だ…そう考えた場合、外国人の殿下に頼るのはそんなに悪いことなのか?
そりゃあね、怪しげな外国組織が横紙破り要求してるってんなら「認めない」のが正しいでしょ。でも、今回は殿下だよ?競馬に対する情熱は世界一。人格・品格は言うに及ばず。その殿下が「このやり方だったら認めてもらえるのでは」と最大限の配慮をして、しかも馬主規定の緩い地方競馬で実績作っている。これのどこに反対する理由があるのか、私に教えて欲しい。「外国人ってだけで気に入らない」とか、「ライバルが登場するのはイヤだ」といった、子供じみた腐った理由以外見いだせないんだけど。
そもそも殿下を認めるのがマズいってんなら、今頃英国競馬はマズいことになりまくっているはずだ。英国競馬における殿下の影響力は相当なモノだから。JRAがどのツラ下げて英国競馬を批判できると?確かに英国じゃクールモアとゴドルフィンが絶大な影響力を持ち、弱小生産者は対抗しにくい状況にあるかもしれない。けど、社台ファームが日本でやってることって、これと似たようなモノじゃねえのか。
ある意味一番ムカつくのが、「外国勢力に日本競馬を支配されていいのか」って見解である。そりゃあゴドルフィンはシャレにならん大金持ちで、日本競馬界にある程度の地位を保つのは確実。けど、安易に支配されちゃうほど日本馬って弱いのか?そんなこたあねーだろ!世界相手に挑戦して結果出しているんだよ?セリに外国人バイヤーが参加して、わざわざ輸送費払って馬持ち帰る世の中なんだよ?過小評価もいいところだ。
JRAは「真の国際化」を目指していると自称している。けど、正直言って真の国際化って何なのか、真面目に考えているようには見えない。なんかいいところだけ取ろうとして、結局何も手に出来ない道を歩んでいるような…外国人馬主1つ認められなくて、何が真の国際化だ。とりあえず、「身内」の都合だけ考えるのはやめた方がいいと思うぞ。真剣に。それが勝負事の本質なんだから。
9月20日 ― 2005/09/20 23:51
私のVリーグは終わった…最終戦まで消化して、2勝2敗1分け。星取勘定はともかく、得失点で大幅マイナス。決勝進出の望みは絶たれたと言っていいだろう。
栗山支部長との戦いは熾烈を極めたが、結果として僅差ながら私の勝利。決勝進出の望みを繋いだ。しかし、最終戦の増山氏との決戦で、「考え得る限り最悪」の負けを喫した。これが痛かった。
敗因については色々ある。特に作戦面が大きいと思うな。「地中海で伊艦隊は出てこない」という想定を崩された場合についても想定していたけど、練り込みが足らなかったから。「こんな手を使ってくるのは、決勝トーナメントから」という甘い読みがあったのだ。一応裏付けのある読みなんだけど、実際やられちゃったんだから無意味な根拠である。コレは仕方ない。
このようにあっさり片付けたのは、他にちょっと書きたいことがあるから。増山氏との戦いの最中、何故か「コレは勝てない!」という感覚に取り付かれたのだ。こういう予感は何度も経験してるけど、ちょっと珍しい現象なんだよね。
この予感に取り付かれたのは、表の初期。まだ優劣定かでない段階だ。もちろん口に出したりしない。油断するような甘い相手じゃない以上、相手を調子づかせるだけだ。悔しいので対戦後も黙っていた。負けたことそのものより、こんな弱気な予感に捕らわれたこと自体が悔しいんだよね。本日語るのは、まあ少しは冷静になったからだ。
この予感、いわゆる「弱気の虫」とか「負け惜しみ」とは少し違う。いや本質的には同じことなのかもしれないんだけど、私の中では一応区別されてる。無意識のうちに敗因を嗅ぎつけたってことじゃねえかと思うんだけど、実際のところは自分でもよくわからない。年に1回あるかないかって現象なので、ちゃんと自己分析できてないのだ。
この予感が襲ってくるタイミングは、完全に予測不能である。一応「ある程度真剣に勝負してる時にしか襲ってこない」ってのがあるけど、馬券買っていれば自動的に真剣勝負なので予測の意味がない。競馬場だろうがウインズだろうが、GIウイークだろうが気楽に馬券買っていようが、とにかく襲ってくるときは襲ってくる。ある種不思議な感覚だね。「負け続けてるので勝てる気がしない」っておなじみの感覚(苦笑)とは完全に別なのだ。
こういう予感に取り付かれたら、本当に何をやっても駄目である。過去に何度も試したから、よーくわかっている。競馬ならば「馬券買わずに逃げ出す」って手が使える(何度も使った)けど、ゲームの公式戦でこれは使えないだろ。まさか「今日はサイの目悪いって確信がある」で試合中止するわけにもいかないだろうし。これは「相手がある勝負」の数少ない欠陥かもしれないね。まあ、「負けるとわかっていて戦う」なんてのは良くある話だし、負けるとわかったからってゲーム自体がつまらないワケじゃない(悔しいのは確かだけど)ので、大きく気にするワケじゃないけど。
私の場合、ごくごく希ながらこの逆もある。とにかく負ける気がしないって状態だ。こんな時は必ず勝つ…ってわけでもない(苦笑)けど、普段とは何か違うのは確か。私はコレを「神が降ってきた」と表現してる。もっとも、この状態はいいことずくめではない。こんな時はとにかく色んな意味でタガが外れるので、勝ち負けとは別のところで「ヤバいことやらかす」危険度が増すのだ。単に私がアホなだけって話はあるけど。
他人の話などを分析すると、たまーに「こんな状態」になったんだろうなって臭いを感じるときがある。この現象は勝負の世界だと「たまにあること」じゃねえかと思われる。けど、きちんとしたデータが揃ってるワケじゃないんだよね。完全に心の問題なので、怪しげな推測以上のことはわかんないし。こういう「意味不明な予感」の正体を探るってのは、私の「見果てぬ野望」の1つだったりする。だって、「勝てる気がしない」って感じてる奴を見つけられたら、オイシイじゃないか(笑)。
この予感、敗因というわけではない。それはまた別にあり、一応冒頭で触れたとおりだ。にもかかわらず、逆らう気がしないってのも確か。単なる言い訳と言われても反論不能だけど、まあわかる人にはわかってもらえる状態じゃないかな。このサイトを見てる人は勝負師が多い(ゲーマーと馬券師は勝負師だ)ので、たまにはこういうコトについて考えてみてはいかが。わかったことがあったら教えてくれると有り難いかな。
9月23日 ― 2005/09/24 02:15
うーん、何だかなあ。色々と忙しい。自分でも自分の予定って奴がよくわからん。困ったモノだ。
本日のお題は、「星の王子さま」翻訳について。ざっとだけど比較してみたので、簡単な研究発表をしておこうかと。なお、さすがに原文及び英訳(出版はこちらが先)には当たってないので、ちゃんとした研究とは言えません。悪しからず。
今年で独占翻訳権が消滅したってんで、なんか山のように翻訳された「星の王子さま」。いい作品だとは思うけど、こんなにたくさん翻訳が出るってのはどーゆーこと?まあ何かしら「大人の事情」があるんでしょ。それを探るのも興味深いんだけど、ココではパス。
この本、ちょっと前までは岩波少年文庫版のみが存在していた。岩波少年文庫ってのは「ホビットの冒険」「はてしない物語」「ドリトル先生もの」など、大人が読んでも楽しめる作品が多い。ただ、この世には「子供向け」ってだけでバカにして読まない奴が多いため、あえて大人向けとして出版すればウケるかも…と考えて翻訳が相次いだのでは。
私が初めて「星の王子さま」を読んだのは、高校時代かなあ。「ホビットの冒険」を読んだついでに手を出したと記憶してる。この本、強いて言うなら中高生が一番「面白さがわかりにくい」年代のような気がするけど、読んじゃったんだから仕方ない。でも面白かったし、その後も何度か読み返した。読んだことないのはもったいないので、何でもイイから読むべし。
最近出た新訳だけど、目を通したのは集英社・宝島社・中央公論社の3つ。他にもあるらしいんだけどね。私が大宮の街で探して引っかからなかったことを考えると、ちょっと入手しにくいのかも知れない。集英社は文庫版もあり、入手しやすさでは一番か。
まずは題名。ほとんどが「星の王子さま」という従来の題名を踏襲している中、今回読めなかったみすず書房版が「小さな王子さま」としている。これについては、あえて「星の王子さま」に軍配をあげたい。日本人がイメージする「王子」ってのは、自動的に滅茶苦茶若いので、いちいち「小さな」を付ける意味が薄いと思うので。
王子さまって言われてどんな人をイメージするか?平均的日本人なら、とにかく若い人をイメージする。独身なのはほぼ間違いないし、20代以上をイメージすることは希じゃないかと。しかし、現実の「プリンス」ってのはもっと年上でもおかしくない。英国の王子はいい年のオッサンだし、日本の皇太子殿下も既婚・子持ちである。日本には王様がいない(天皇家はあくまで天皇)ので、王子さま=童話などに出てくる存在、だからね。
内容にいこう。集英社版はかなり歯切れが良く、元気がいい印象を受ける。正直言って違和感を覚えるほど。これはこれで悪くないのかも知れないけど、なんか大事なことが落ちてしまっている気が…宝島社版は少し表現が固め。あえて難しい言葉をためらわずに使用している気がする。大人向けなんだからこれでいいのかもしれない。中央公論社版も似たような傾向がある。まあ単純に「好みの差」だとは思うけど。
私の意見を言わせてもらうと、オススメできないのは宝島社版。宝島社版だけ女性の訳なんだけど、これが思いっきり裏目に出てる気がする。「星の王子さま」って作品は、正直言って女性には理解しにくい部分があると思う。「男の子」って生き物だった時期が存在しないからね。そこをきちんとふまえて翻訳すればいいんだろうけど、正直その自覚が足らないような。この作品で、男の子の「女の子ってのはわからん」ってボヤキがきちんと描けてない(ニュアンスがヘン)ってのは致命的でしょ。
というわけで、私のオススメはやはり岩波少年文庫版。コレじゃ駄目って理由が何1つ見いだせない。子供向けだから難しい言葉が使えないってハンデがあるのは確かだけど、そもそもそういう表現は可能な限り排除するべき作品でしょ。各社版とも「上回ってる」場所があるのは事実だけど、総合的に見るとはっきり負けてるかな。正直言って、思った以上に差があった。
私に言わせると、そもそも企画段階からして「敗北」が決定づけられているような気がする。岩波少年文庫版を「子供向けだから」って理由だけで手に取らないような奴は、「星の王子さま」を読んでもちゃんと理解できない。それはつまり、ゾウを飲み込んだウワバミの絵を見て、「これは帽子だ」とヌカすような輩ってことだから。そんな連中に向けて翻訳しようって魂胆がある以上、どこか「大事なところが落ちた」ものになっちゃうのは当然のことじゃないかな。
まあこれはあくまで私の感想であり、あくまで当てはまるのは私に対してだけじゃないかと思われる。じゃあココを読んでいる皆様にとってどうなのかは、自ら読んで判断してもらいたい。結局の所それ以外に判断材料があるとは思えないので。
9月26日 ― 2005/09/27 00:02
ディープインパクトの三冠は決まった…昨日この馬が勝ったからではない。本番で逆転を期待できる候補がいないことが判明したからだ。私が思うに、シックスセンスやローゼンクロイツでは逆転は難しいと思う。こいつらが2着3着じゃあねえ。
こういう思いは私だけのモノじゃないようだ。ストーミーカフェだのマチカネキララだのがやけに人気になっていたのは、単勝党が「未知の魅力」を優先したからだと思われる。本番での逆転に賭けたのか、前哨戦なら何とかなると読んだのかは別として。競馬には配当ってものがある関係上、あんまり人気になるのも考えものだからねえ。このままでは単勝配当元返しって恐怖まである。
ディープインパクトに関する限り、正直菊花賞は「勝って当然」だと思われる。そりゃあ馬券は買うけど、あんまり突っ込みたくないなあ。こいつ地味に「意味不明な馬をヒモに連れて来る」傾向があるので、配当の割に手広く買わないと当たらないような気が…本質的に単勝党の私にとって、ちょっと買いにくい。むしろその後のJC・有馬記念(どっちかは出走するだろ)でどう買うか見極めるのが主目的になりそうだ。
というわけで、私の関心は今週末。サイレントウイットネス様が再来日してくれたからねえ。今回の目標はスプリンターズS。安田記念と同程度に走れば、距離適性から見ていただいたも同然。安田記念で「貸した」金を返してもらうチャンスである!遠征の不利・休み明けって悪条件を考えれば、本来「楽勝」とは言えない。けど、そこで泣きを入れないのが名馬ってモノでしょ。信じてます。
相手は極めて悩ましい。同じく香港から来日したケープオブグットホープは、去年このレースの3着馬で、今期グローバルスプリントチャレンジ優勝が決定してる馬。フツーに考えるならかなりの大物である。地元ならともかく、遠征先ならサイレントウイットネス様逆転があるってか。迎え撃つ日本馬もデュランダル・アドマイヤマックス・カルストンライトオなどかなりの好メンバー。「地元の意地」を考えれば、簡単には負けられないだろう。
何がいけないのかはともかく、最近日本には大物外国馬が出走してくれない。欧州だの米国だのに負けるのはともかく、はっきり言って香港にすら劣るような。これで「国際的地位向上を目指す」とは片腹痛い。しかし、このスプリンターズSに関しては話が別。香港馬2頭だけで「世界のトップクラス」だからなあ。JC・JCDに来日する外国馬のスケールが、この2頭に勝るとはとても思えない…スプリント戦限定なら、今年世界で一番面白いレースじゃなかろーか。いやマジに。
ディープインパクトの三冠チャレンジは私も楽しみだけど、そういう「わかりやすい」レースばかりじゃなく、今週のスプリンターズSみたいなレースも注目してもらいたいね。その昔と違って今はインターネット時代。外国馬=ワケわからん、って図式は古いでしょ。こういうレースをきちんと評価できてこそ、真の意味での国際化だと思う。いやあ、早くも週末が楽しみだ。
最後に余談。どこぞの雑誌でディープインパクトの三冠を「サードインパクト」などとヌカしていた。てことはそれを阻止せんとする他の馬、アドマイヤジャパンとかシックスセンスなんかはネルフ(「エヴァンゲリオン」参照)の一員ってことか…頼りないのも当然って気がしてきた(笑)。結局あいつらサードインパクト阻止に失敗してるんだよな…
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