9月8日2013/09/08 21:31

 五輪、東京に来るか…正直、私はあんまり歓迎できない。ヲタクだから。五輪が来ることそのものは歓迎かも知れないけれど、コミケに影響が及びそうなのが…「ビッグサイトでコミケが開催できる見込みが立たない」となっていた前回の計画とは異なるようだけど、何かしら影響はありそうだ。何があろうとも戦えるだけの心構えはあるけれど、ミョーな変更は好ましくない。どうなることやら。
 
 本日は久々にヲタクネタ以外から。以前から宿題扱いしていた、「低温核融合」について。なんつーか、語るのは色んな意味で危険なネタって気はするけれど、それでもあえて語っちゃう。炎上で済めばいいけど、まさか消されないだろうな私…
 
 そもそも核融合とは?については省略する。高卒程度の物理学知識があれば、知っているはずなので。基本的には、水素(「フツーの」水素及びその同位体)の原子核を無理矢理くっつけてエネルギーを取り出す。今のところ、地上で「確実に」再現可能なのは重水素や三重水素を用いたモノ。再現と言っても、水爆として爆発させるだけなんだが。
 
 核融合エネルギーを平和利用する研究は色々あるんだけど、どうもうまくいってないらしい。そもそも、「点火」するために原爆使って…とかいうシロモノだからなあ。実用化の目処が立てば速やかに普及しそうではあるけれど、今のところその目処は立ってない。とりあえず、今世紀中に核融合発電所が登場するかどうかはビミョーとしておこう。
 
 低温核融合とは、高温高圧を無理矢理達成しなくても核融合反応は起きるのでは?ってな話である。とりあえずの手法はこうなる。まず、重水(フツーの水素ではなく重水素が酸素と結び付いた水)を水槽に入れる。この水槽にパラジウムって元素を使った電極を入れ、重水を電気分解する。こうするとパラジウムに水素原子(重水素であっても同じ)が大量に吸収される。その結果、重水素の原子核が核融合を起こすほど接近し、核融合反応が起きる…んじゃないかな、ってモノ。
 
 高温高圧を利用しなくても核融合。素晴らしい。これでエネルギー問題は…と言いたいトコロだけど、問題がある。現在のところ、キチンと再現可能な形で、実用可能なほど大きなエネルギーを、安定して取り出すことに成功した、という証拠はない。「成功した」って報告は山ほどあるらしいけど、どいつもこいつも噂・デマの領域を出ない。最有力な仮説は「そんなことできやしない」だ。ま、あくまで仮説なので、間違っている可能性は否定しないけど。
 
 コトが「モノになるかどうかビミョーな研究」に留まっているのであれば、別にどうと言うことはない。そーゆー意味で「怪しげな研究」なるものは山ほどあり、希に役に立つモノが出てくる。真面目にコツコツと基礎研究している分には、「そーゆー無駄なことすんな」って話にはならないと思う。けど…成功した場合の利益がどう考えても馬鹿でかいだけに、そんな話じゃなくなっているんだな。
 
 今のところ、重水ってのはものすごく高額だ。「同じ重さの金より高い」とされている。サンデーサイレンスの血とドッチが高いのかは知らないけど(笑)。けれど、これは単に「需要がないから高い」って話。ありふれているって意味ではものすごくありふれている。なにせ、水道ヒネって出てくる水の1%程度は重水だからだ。
 
 え?そんな貴重なモノが?抽出して儲けるから方法教えろ…と言われてもなあ。いわゆる「重水」ってのは、「重水の割合が一定以上のモノ」を指す。要はフツーの水から重水「だけ」抽出しないと意味がない。その手間暇は無茶苦茶かかる。だから高い。けれど、これは量産効果である程度安くできる。しかし、現状ソレが期待できるほどの需要はない。実験レベルでどうこうってモノを除くと、原子炉の一種である重水炉(原爆の材料を作りやすい…ってんで白眼視されている)もしくは水爆の材料ぐらいか?
 
 ある程度手間暇掛かるとはいえ、基本的には単なる水(海水でも良い)を加工すれば手に入るブツを使って効率良くエネルギーが作り出せる…となれば、政治的な話も含めてとてつもなく大きい。それだけに、かな~りキナ臭い話がまとわりつく。そもそも、この話が出た当初から「再現してみるから実験データよこせ」→「勝手に真似されたら大損害だからイヤ」とかいう話があったようだし。
 
 ついでに言えば、こんなモノを実用化されたら、今現在エネルギー資源を押さえている国家・企業は確実に困る。手間暇掛かるとはいえ、基本的には単なる水をどうこうって話だから。おそらくだけど、「そーゆー勢力に目を付けられると困るから、実験データは隠している」とか、「どこぞの勢力が都合悪い真実を隠蔽しているから、上手くいかないことになっている」なんてコトを信じている輩もいるんじゃないかと思われる。
 
 実はこの話が盛り上がったのは、私が学生の時代。もう相当昔だ。その後この研究は否定された…と思っていたんだけど、実は今でも生き延びているらしい。私の個人的見解としては「モノになる技術とは思えない」んだけど、そう思ってない、それを認められない人間が少なからずいるらしい。何故?ってなあ。多分だけど、「この技術はモノにならない、クズである」と認めちゃうわけにいかないって立場の人間がいるんじゃ…
 
 こんな話をしたのは何故か。それは、この技術はF男認定「現代魔法」第2弾だからである。第1弾は「高温超伝導」。これも相当怪しげなトコロがあった技術だからなあ。ただ、コッチは色々あったあげく「キチンとした科学」になり、色々実用化している。もうかなり前の話になってしまったけど、Mustattackメンテ要員飲み会の席で高温超伝導の話が(統計の話絡みで)出て、そのついでに私がこの低温核融合の話を出した、という流れがある。
 
 ちなみに、その時私は「まるで成果はないはず」と言ったし、そう信じていたけれど、実は一応成果は出ているらしい。再現可能な形で「核融合が起きていると考えない限り、説明しにくい物質」が検出されてる…って説はあるようだ。ただまあ、正直真偽のほどは何とも。なにせ「権威のある科学専門誌」のいくつかは、この実験に関する論文を受け付けない。「再現されちゃ困る」とかいうフザケた報告が山ほど寄せられることに腹を立てたあげく、「とりあえず全部嘘っぱちと見なす」ことにしたようだ。その態度を改めたって話は聞かないので、信用度もその程度と考えて良いんだと思う。
 
 ちなみにだ。日本はどうやらこの分野の研究はかなり熱心にやって「いる」らしい。詳細は不明だけど。とりあえず、過去熱心にやって「いた」ことは確認されている。その昔、通産省が「モノになりそうだから、研究しろ。補助金は出す」ってなこと言っちゃったんだよね。文部省でも科学技術庁(当時はまだ分離していたはず)でもなく。確か「現代用語の基礎知識」だと記憶しているんだけど、冒頭で特集組んで、「我が国の研究は進んでいる。いずれ実用化したら…」って夢物語(妄想とも言う)を語った年があった。いつだかは忘れたけど。記憶が正しければだけど、日本を代表する企業(あえて名は伏せる)が研究しているってアピールしてましたね。
 
 そんなアホなことにカネ使っている企業がある?その研究費って、元を正せば消費者が支払った金。しかも税金絡んでいる可能性も高いよなあ…と憤る必要は無いだろう。成果が出てないのは間違いないので、会社の経営に深刻な影響を与えるような金額が投入されてるとは思えない。いくら何でもソコまで日本の経営者は馬鹿じゃない…と思いたい。せいぜい「大金突っ込んだあげく、クズだったと認めるのはイヤなので、面子を守れる程度に研究は続ける」って程度だったら、まあ「モノになるのはいつの日か」って研究と同列に論じても良いような。そもそも、一応まだ「完全なクズ」と証明されたワケじゃない。
 
 普通なら、この話の教訓とは…みたいな意見を付け加えて、話の〆とする。けど、この話については、あえてそうしない。生臭すぎて色々危険なレベルだし、簡単に結論出して良い話じゃ無さそうだから。私はこの技術はクズだと信じているけれど、それは私が科学知識のない馬鹿だからであって、「石油メジャー」だの「原子力村」だのといった、既存エネルギーの覇権を握っている連中に騙されているからに過ぎないから…って可能性もある。とりあえずはそーゆーことにしておきたい。
 
 しかしだねえ。ラノベなんかじゃもてはやされている「現代魔法」だけど、実在してしかもこんなモノとは…私個人としては面白いけどね。現代のマッドサイエンティストが研究しそうなモノとして、生体改造・不老不死・超能力・超エネルギーなんてモノが考えられるけど、その1つとして「低温核融合」を研究するマッドな学者が登場しても面白いとは思う。ものすごく生臭いのを承知の上であれば。誰かそーゆー作品書かないかね?(おい)

コメント

_ へなちょこ ― 2013/09/10 01:34


 ども。久しぶり。
 いつ飲みに行きましょうか?

 ともかくオリンピック。
 私も、来やがりまつかそうでつか。ぶぶ漬け喰ってけ。と思っているのだが。

 ネトウヨがね、「グダグダ言うならコリアはボイコットすれば?」とか言っ
ている模様だが、いっそ神国もボイコットしてはどうかな。
 かつてないオリンピックになることだけは間違いないと思う。

 まぁ開催国の特権で開会式という名の初音ミクのコンサートはやりましょう。
 競技は全てボイコット。別に金メダルとか無くても誰も困らないもん。

 汚淋微憑なぞ、所詮マイナースポーツの博覧会である。
 サッカー・テニス・ゴルフ・バレーボール・陸上・競輪等々、人気スポーツ
は普通は単独で汚淋微憑と同等以上の権威ある国際大会があるからね。

 汚淋微憑みたいな下痢止めな、もとい下らない大会に限らず、欧州発の権威
を有難がるのはそろそろ止められないものかね。
 ノーベル賞なんかも欧州発の権威だよね。選考基準その他が非公開の賞って
どんな価値があるのやら。

 F男さんの好きなイグ・ノーベル賞の方が、純粋な知的好奇心に対する栄誉
ある賞って感じがしますわな。映画賞だとゴーデンラズベリー賞とかね。
 選考基準が不透明ながらも権威ある賞ってピュリッツァー賞くらいじゃね?

 んー。何で権威の輸出が欧州のビジネスモデルだって判らないのかなぁ。
 神国が目指すは神国発の権威の創出である。具体案は何も無いけど。
 ツールド神奈川とか相模原映画祭とか東林間グランプリとかだと、全部パク
リだな。

 お、ひとつ思いついた。コミケである。(私は行かないけどね)

 『コミケ』を世界中で商標登録して、各国で似たようなイベントを開催させ、
十分市場が育ったところで神国主導で『コミケ』を開催。
 この場合、神国がやることはアップル社とかディズニー社のようにブランド
管理である。
 ブランド管理で莫大な利益を上げることが出来る事はすでに両社が証明して
いる。
 『コミケ』がそこまで大きく育つかは未知数だけれども。
 神国のブランド管理能力には大いに不安があるけれども。

 凡そ宗教を除きiphoneは最強のビジネスモデルだな。
 iphoneを販売する。
 iphoneでの通信量に応じて課金する。
 iphoneのために音楽・映像・電子書籍をapp storeで販売する。
 1台の端末で3重に課金している。素晴らしい。

 私はapple社は傲慢で閉鎖的な会社だと思っているのでネガティブなイメージ
しか持っていないが、ビジネスモデルの見事さは素直に賞賛する。
 さらに素晴らしいのは、apple社とSteve Jobs氏が良好なイメージを持たれて
いる事だね。
 Steve Jobs氏個人は勿論、Steve Jobs氏存命中はapple社は社会福祉活動や、
慈善活動を一切していないあたり、彼ほど金儲け以外の事に興味を示さない経
営者も珍しかろうに、金の亡者とは思われていない。(私は思っているよ)
 見栄を張らないところはいっそ清清しいけどね。

 iphoneを販売する。
  →携帯電話会社・携帯電話機販売会社の仕事。
 iphoneでの通信量に応じて課金する。
  →携帯電話会社の費用でインフラ整備。
   携帯電話会社の費用でapple社と通信量共有化システム作成・運用。
 iphoneのために音楽・映像・電子書籍をapp storeで販売する。
  →音楽家・映画監督・作家の知財をレコード会社・映画会社・出版社が世に
  送り出す。

 他社の投資でapple社が儲かる仕組みだな。凄え。
 これもapple社、iphoneが魅力的なものであるという幻想・権威の賜物である。
 真に魅力的なのは音楽・映像・電子書籍等々のコンテンツだし、iphoneが最良
のアクセスツールとは限らない。ってか携帯性以外はPC等に比べればむしろ貧
弱なデバイスだ。携帯性にしてもandroidと同等だし。

 iOSを公開すれば他社でもiphoneを作れるし、公開していない現状でも各社が
スマートフォン作っている。apple社の技術が他社と比べて高いとは言えない。
 つまり、iphoneが優れているのはブランド力であって、ブランド力はapple社の
技術に依らずブランド管理力に依っている。

 ブランド管理力こそが利益の源泉で、権威の域に高める事で大きな利益を生む
のだから、汚淋微憑なぞの欧州発の権威を買うことがいかに愚かしいか判るね。

 どうやって権威を生み出すかが問題だけれど、権威を生むのに天才は必要ない。
 Steve Jobs氏の様に、金儲けするのだと振れ無い意思と、スタッフのアイデア
を見抜く才、スタッフのアイデアを自分の功績にして怨まれないカリスマが有れ
ば良いのだ。

 どれか一つでも持っていれば一廉の人物と言えるし、3つも揃えば天才かもね。
 とはいえ一人で3つ持っている必要など無く、どれか一つを持っている個人が
何名かいれば良い。だから天才は必要ない。

 いささか以上に脱線したけれど、汚淋微憑イラネってことで。

_ クリスマス・ピポ ― 2013/09/10 22:34

低温核融合!随分と懐かしい名前が出て来ましたね。
先陣争いのドタバタ騒ぎも覚えていますが、それ以上に衝撃的だったのが第1報を伝えたNHKのTV画面に登場した
「低温核融合が実用化された社会」のイラスト。
自家用車のエンジンや、電子炊飯器サイズの家庭用発電機が普及している未来が描かれており、50~60年代に小松崎茂が描いた未来予想図も、〇ラエモンも遥かに及ばぬ近未来図に腰が抜けました。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://fohpl.asablo.jp/blog/2013/09/08/6975981/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。