8月30日2011/08/31 01:10

 先日の豪雨により、モニターが水被って絶不調に。他も色々タイヘンだったので、更新が疎かに。まいったね。なお、モニターは一応「復活」したとみなしました。
 
 本当ならば競馬絡みで語ることがあるんだけど、それはもうしばらく封印。本日は、コマンド誌に出した「ハンガリー戦線1944-45」のルールに関する質問の内容と、その回答を細かく解説する。私個人の覚え書きに近いので、あまり深く気にしないように。疑問点は直接コマンド誌に問い合わせて下さい。
 
 記念すべきコマンド誌100号の付録ゲームとなったこのゲームだけど、ルールブックを一読しての感想は、「完成度が低い」。ここで言う完成度とは、ゲームそのものではなくルールブックに関するモノである。多分オリジナルからして完成度が低かったんだろうな。本来ならばそこをクリアしてから出して欲しかったんだけど、それは流石に高望みか。ま、この業界はそんなモノでしょ。
 
 特に気になったのは、機動攻撃(MA。ゲーマーにはオーバーランといった方が通りがいいと思う)とスタック制限の関係。正直、私はオーバーランとかMAって行為のルールが大嫌いである。行為そのものは好きでも嫌いでもないけど、それを説明したルールが嫌いなのだ。大抵の場合、なんか曖昧だから。特に、オーバーランを行う直前にスタック制限のルールを適用するのか、それともしないのか、極めて曖昧な場合が多い。これは、ゲーマー内に「スタック制限は適用しなくてイイ」って派と「スタック制限は適用される」って派の両方がいて、それぞれ自分が信じているモノこそが「常識」だと信じて疑っていないからではないかと思う。両方とも一定の勢力を持っていると推定される以上、常識でも何でもないっての。常に「このゲームでは、スタック制限違反となるようなヘクスからオーバーランをして良い/してはいけない」と明確に書いて欲しいものだ。
 
 その他諸々レアケースを承知の上で明確化を求めた所、いくつかルール改定が入った。フツーのゲーマーにはどーでもいい改訂だとは思うけど、私にとっては「デカい改訂」だ。そこでまあ、改訂のポイントを説明しようと思う。なお、この改訂はまだコマンド誌の公式サイトに掲載されていないけれど、そのうち掲載されると思う。「どーでもいい部分だから、質問してきた馬鹿に返事すれば足りる」ってな内容じゃないので。
 
 まず改訂その1。「あるヘクスにいるスタックが攻撃及びMAを行う場合、スタック制限内のユニットだけが攻撃・MAを行える」ってルールが追加された。ただし、防御の時のように追加損害や退却は存在しない。これは、「スタック制限違反解除したいんだけど、包囲されているので全く移動できないんですけれど」ってな場合のように、全くあり得ない話ではない。「規定がない以上、全ユニットが攻撃していいんだな?」って聞いたら改訂された。
 
 このルール、攻撃の時はあまり重要ではない。直前にある移動フェイズに「スタック制限違反を解消すべく努力しろという義務の規定」があるので、自発的にこういう状態にはなりそうもないから。むしろ重要なのはMAの場合。たとえばだ。増援・補充を登場させるRRWフェイズに、スタック制限違反となる数の独軍装甲をスタックさせる。ルールブックに堂々と「こーゆーコトやっていい」と書いてある行為だ。このスタックが丸ごと動いてMAを行うと宣言したら、どーなるのか?改訂前はフツーに全力攻撃できた気がするけれど、改訂によりそれは出来なくなった。
 
 ここから先は私の解釈。この改訂にもかかわらず、「巨大スタックMA」を宣言できるのか?一応できるんだと思う。MAに攻撃力を使用できないのにMAを行う移動コスト支払わされるので、お得じゃないけれど。ただ、こうしておくと複数回のMAを行う場合、2回目以降は最初のMAで損耗状態になった部隊を「今度はコイツがスタック制限外の部隊ね」と言って外し、「フレッシュな」部隊を使用できるんじゃないかと。そんなコトをする余裕がこのゲームの独軍にあるのかどうかはともかく、一応は「使える小技」かな。
 
 なお、「すでに移動済みのスタック制限一杯の友軍部隊がいるヘクスに部隊を新たに侵入させ、そこからMAして良いか」って疑問に関しては、「スタック制限内のユニットだけがMAを行うのであれば、問題なくできる」となった。そのMAで敵軍部隊を排除して前進を継続できるかどうかを問わず。これを使えば、実質的には「移動フェイズに故意にスタック制限違反のスタックを形成する」ことが可能である。形式的にはあくまで「移動する権利が強制的に失われたことによる現象」なので、任意の行動ではない点に注意。何の得があるのか不明なので、だからどーしたレベルの話ではあるけれど。
 
 あと、細かい明確化として「ユニットを動かす権利が与えられた場合、それを使ってスタック制限違反を解除する義務が生じる」とされた。これはあくまで「ユニットを動かす権利が与えられたならば」であり、その権利を獲得する義務まではない。どーゆーことか?つまりこーゆーことだ。スタック制限違反のスタックが戦闘後前進もしくは突破前進できるようになった場合、必ずそれを使ってスタック制限を解除するようにしなくてはならない。ただし、「必ず戦闘して、戦闘後前進できる機会を獲得すべく努力しろ」ってトコロまでは求めていない。あくまで戦闘参加は任意。後続突破の場合もコレに同じ。もっとも、ほぼあり得ない(一応理屈ではあり得る)けれどな。後続突破が可能な位置に制限に違反しているスタックがある場合、そのスタックの部隊を後続突破に指定する義務はないけれど、指定したらスタック制限を解除するよう部隊を動かす必要がある。
 
 なおこの解除義務、可能ならばとにかく最優先でそうする必要があるようだ。ということは、MA可能なユニットを含む制限違反のスタックは、MAを使ってスタック制限違反を解除する必要がある。比率問わず…どころか、「わざとバラバラにMAして戦闘比を下げ、ユニットを壊滅させることによりスタック制限違反を解除できるならば、そうする必要がある」くらい。この場合、「どう移動させるか」って部分に任意性が失われ、「とにかくスタック制限違反を解除しろ」って方向で移動を計画する義務が生じるのだと思われる。そこが「スタックオーバーMAしたら動けなくなっちゃいました。スタック制限違反だけど仕方ないよね」って場合との違いなのだろう。つまり、突破前進・後続突破を使ってMA可能な部隊を含むスタック制限違反のスタックをうまく包囲してやれば、相手は勝手に自殺してくれる。どんなに低い確率でも「MAかけまくって相手を除去し、そのヘクスへ移動することによりスタック制限違反を解除する」ことに失敗する可能性があるのなら、「確実に成功する自殺」が優先される。ただまあ、ある程度自殺した時点でスタック制限以内に収まるはずなので、ソコまで凶悪な手段ではない。
 
 更に細かい改訂。後続突破を行う場合、必ず突破前進が生じた防御側全滅ヘクスを通過しなければならないとあるけれど、これは間違い。「通過」じゃなくて「侵入」すればソレで足りる。後方にいる部隊を前線近くに持っていきたい場合、地味に重要かもね。あと、後続突破を行った部隊は「戦闘に参加した」とみなされると明確化された。そうしないと「連続して後続突破」ってな行為が可能になるので、妥当ではないかと。
 
 最後に、すげー重要な改訂を。ルールブックには、砲兵の攻撃参加の要件が抜け落ちています。「隣接してない場所を攻撃できそうなルールが何1つ無いのに、本誌掲載の例じゃ離れた場所を攻撃してる!どーなってるんだ!」と吼えたら改訂されました。当然だ当然。「いずれかの友軍ユニットとスタックしている、または隣接している砲兵は、その友軍ユニットが関与する戦闘(攻撃/防御どちらでも)に、砲兵戦闘力を加算する事ができます」と付け加えられた。「射程が2ヘクス」ってワケじゃないので注意。ついでに言うと、単純に「隣接しているユニットに戦闘力を加算できる」ってワケでもない。そう解釈すると、「砲兵と隣接しているヘクスにいる1戦力の部隊と、砲兵に隣接していないヘクスにいる9戦力の部隊が合同で攻撃する場合」、砲兵の攻撃力は1しか加算できないことになる。加算対象はあくまで「スタックまたは隣接しているユニットが関与している戦闘」なので、この場合10戦力まで加算できるはずだ。
 
 ルールの穴は、いつまで経っても無くならない。無くそうと日夜努力しているハズなんだけど、記念すべきコマンド誌100号の付録ゲームでコレだもんなあ…この雑誌が200号を迎えることが出来るかどうかは流石に断言できないけれど、その暁にはキチンとしたルールブックに仕上げてもらいたいものだ。まったくもう…