12月15日 ― 2010/12/16 00:00
香港へ行ってきた。報告事項は山ほどあるので、2つに分割する。本日は土曜編として、買ってきた謎のシロモノに関して。色はコレです。
以前から興味はあった「香港のメイド喫茶」。今回は足を踏み入れてみました。建物まではすぐたどり着くんだけど、そこから異様にわかりにくいルートを経てやっとたどり着くのは、愛嬌ってものか。スペースは日本の感覚からするとかなり狭く、おかげで「メイド」の数も少ない。「実はメイド喫茶って、大箱向きなのね」ってことが確認できた。
ここで見かけたのが、「G ZONE」とかいう、現地の電源ゲーム雑誌。同行者もゲームはする(つーか…以下略)ので、2人してパラパラと読んで笑っていたところ、「気になるモノ」の存在が発覚した。それが今回の主題「香港唯一のエロゲー雑誌」H ZONEである。当然探して買いました(おい)。
この雑誌、「日本成年向美少女遊戯動漫」と堂々と書いてある。要は日本のエロゲーを紹介する雑誌だな。しかも月刊。香港では「日本製のエロゲーをプレイする馬鹿」が、月刊誌が成立するほどいることになる…一部のバカのためだとしても、コレは素直に凄い。日本のウォーゲーム業界のほうがよほど…(以下略)。
お値段はHK$30.-。日本円にして350円弱。頁数は100弱と薄いけど、A4フルカラーでオマケ(両面印刷の萌え絵下敷き)付き。更に、ポスターとして使用できる?A3折り込みの頁が16頁ある。加えて広告は極めて少ない。フィギュア紹介の頁にフィギュア扱っている店の広告があったけど、これは「その店がこの頁を担当しているから」だろう。それも含めて考えれば、「値段考えれば、それなりのボリュームである」と評したい。
内容は…どちらかと言えば、少数のゲームを頁多めに割いて紹介している。扱っているモノはアレかもしれないけど、私は「やけに真面目な作りだなあ」と感じたかな。取り上げているゲームの基準は、よくわからん。一応「有名メーカー優先」じゃねえかと思うのだけど。
フルカラーだけあって、画像系は充実していると思う。メーカーのサイトから引っ張ってきただけだと思うけど。その意味では、要は「日本のメーカー公式サイトの翻訳雑誌」に過ぎないと言えなくもない。単純にヲタク系エロ画像がどうこう…って話をするならば、日本人がこの雑誌を買う意味は薄そうだ。ただ、香港同人作家のエロイラストという、ちょっとレア度の高いイラストもあった。もっとも、この雑誌のための書き下ろしとは限らないので、pixivで検索すればすぐ見つかるかもしれないけど。
特筆すべきは、制作サイドの人間へのインタビュー記事が豊富なこと。声優へのインタビューまである。どこでどーやってインタビューしたんだ?色々手段は思いつくけどさあ。どこぞの雑誌記事の勝手な翻訳ってのが一番簡単ではあるけど、ネット使ったとか、日本在住のライター(いても不思議はない)使ったって可能性はある。
エロゲー以外のネタとしては、アキバ関連ニュースがあったり、pixivのエロイラストが紹介してあったり、エロフィギュアの頁があったりする。声優ネタがあるのは、要は「音声はそのまんま」でプレイしているからか?エロゲーメインに「ヲタク向け文化」を手広く扱っているってトコロか。ボーカロイドや「東方」(エロではない同人ソフト。現在かなりウケてる)の頁もあった。
スゴいなと思ったのは、かな文字の使用率。香港の雑誌にしては異様に高い。かな文字ゼロの頁の方が珍しいくらいだ。しかも、「キチンとした」かな文字。広東語文化圏である香港の場合、かな文字はいわゆる「外字」で処理されているのが普通ではないかと思うのだけど、そんな感じがしない。何らかの形で和文フォント(かな文字だけだと思うけど)を突っ込んだPCで作業しているようだ。文字の間隔(組み・詰め)は甘いと思うけど、日本のワープロも一般にクソ甘いことを考えれば、合格点はあげてもいいかな。ただまあ、誤字脱字のたぐいは見つけた。マダマダニホンゴヘタクソネ。
なお、この雑誌を隅々まで細かく読んでみたところ、東京都青少年育成条例改正案について心配するニュース(と思われる)が載っていた。外国のヲタクにとっても「重要な」ニュースってコトだね。気持ちは大いにわかるけど、何の役にも立たないと思われるのが哀しい…その一方で、最近の日中間の緊張を受けて出てきた日本人の悪口「日本鬼子」をパロったエロ画像の紹介なんぞもしている。こんなトコロに一応とはいえ政治ネタ出すなんて、作り手は地味にインテリじゃないか?どっかで本格的に日本文化を学んだ結果、こんなコトやっているのだと思われる。
なお、こんな雑誌が存在している以上、どっかで「最新の日本製エロゲー」を扱っている店があるんだと思われる。それなりにハードルの高い「P2Pソフト使った違法ダウンロード」だけでどうこうって話なら、こんな雑誌が一般流通するとは思いにくいので。しかし、結構しつこく探したけれど見つからなかった…ちと古い作品で、パッケの文字が繁体漢字(おそらく台湾から入荷)ってのは見たけど。多分探し方が甘かっただけじゃないかなあ。いくつか確認したいことがあったので、とても残念だ。
私の個人的意見としては、ものすごく頑張っている雑誌だと思う。そりゃあね、本家本元であるこの日本において、この雑誌を和訳しただけって雑誌は厳しそうだ。たとえ値段が\300.-でも、プラスαがないと売れないと思うな。けど、ソレは当たり前の話でしょ。遠い異国の地で作られていることを考えれば、かなり良心的な内容じゃないかと。「上から言われたからやってます」とか「売れればソレでイイ」といった感じはほとんどしない。ものすげ~制約がある中で、「それでも良いモノが作りたい!」といった熱意が感じられる。この情熱は大いに評価したいかな。方向性についてはともかく(苦笑)。
こんな雑誌を作るような馬鹿がいるってことは、私にとっては嬉しい話ですね。だって「オレより馬鹿な奴がいるんだ」と確認できるから(笑)。香港で著作権的に怪しげなカレンダー(当然祝日は向こうのモノ)買い、戻ってきたら連日コミケ情報チェックでカリカリしている私だけど、連中に比べたらまだまだ甘い。精進が必要ですな!(何の)
コメント
_ vannessabehymer.blog.fc2.com ― 2017/08/10 18:42
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