6月24日 ― 2018/06/25 01:18
色々あって放置していたんだけど、4GAMERのサイトでウォーゲームの歴史をザックリ語る、なんて記事を見かけたので、反省して更新。もっとも、今回の記事は単なる言い訳の羅列になると思う。悪しからず。
先日、某ゲーム会のアフターで、「ウォーゲームの古いアーカイブをどう残すか」ってな話題になった。文化として後世の人間のため残しておかないと、段々失われていくだろう…ってな話だ。まあ、そりゃそーだ。
ただまあ、コレは時間と手間が掛かる割に実りが少ない。「文化の保全」ってのはそーゆーモノだ。ぶっちゃけ、伊達と酔狂のカタマリだけでどこまで突っ走れるのか次第って気はする。その場では酔っていたので景気良いこといった気もするけれど、実行するのは勇気がいるかなあ。寂しい話かも知れないけれど。
そりゃあね、過去の記憶から色々とたぐることは出来る。けれども、細部を詰めるのはすごーくタイヘンだ。しかも、ただ集めりゃイイってモノじゃない。「どの範囲までが対象になるのか」で定義論争が発生するのは避けがたい。議論すればまとまらないし、誰かの独断と偏見で決めるとしても、いちいち判断を仰ぐのはタイヘンだろう。単なるリストを作るだけでも激しい頭痛を引き起こすような気がする。
まあ、まずは国際通信社・GJ・サンセットの「完璧リスト」作りから入るんだろうな。ある程度は完成しているはずだし。ただ、「レキシモンシリーズ」は入るのか否か?同人時代のGJはどーする?サンセットのゲーム群の線引きは?なんて話がどうまとまるのかは、私には良くわからん。でもまあ、イザとなれば責任者と直接会話してどうこうできる分だけ、話は早いはずだ。
ホビージャパンと翔企画は…多分、隔月刊時代の「タクテクス」全部・新シミュレイター全部くらいは何とかなる。必要ならば記事リストをネットにアップすることは出来るんじゃないかな。出版したゲームについても、ブツがあるかどうかはともかくリストは作れそう。「モンスターメーカーシリーズどうするの?」「APBAとザ☆ビッグプロ野球は含むよね?」みたいな論争はあるだろうけど。ただ、ホビージャパンが出した「訳付き輸入ゲーム」全リストってわかるかな?明らかにウォーゲームじゃないものが山ほどあったことは覚えている。それらの扱いは?あと、多分ホビージャパンを語ろうと思ったら、テーブルトークRPG絡みの話をどこまで集めるかって話が出てくる。ハードなSFウォーシミュレイションゲームの1つとして「第五次辺境戦争」を語る必要はあるとして、それをトラベラー絡みの記事抜きで語れとでも?まあこの辺は「全部集めて保存してしまえ!」で済むとは思うけど。なお、雑誌ホビージャパン時代のウォーゲーム関連記事は、おそらく何とかなる。国会図書館で。旧シミュレイターは…頑張れとしか言い様がない。今なら頑張れば何とかなるんじゃないか?
色々と怪しいのがツクダとバンダイ。ツクダの「オペレーション」全部あたりは「何とかなりそう」って話を聞いたことがある。けど、アレが出なくなってから後にもゲーム出ているんだよね。この両社の出した「ウォーゲーム完全リスト」は欲しいんだけど、集まるかなあ。なお、「クァークス」「コズミックエンカウンター」「司政官」「スペースコブラ」の扱いは誰かに任せる。
アドテクノスは…再版されているモノも多いし、何とかなりそうではあるかな。ヘンなゲームの扱いに困るだろうけど。クソ面倒なコマンドコントロールが印象的な「日米経済戦争」(タイトルうろ覚え)とかね。
あえて後回しにしたエポック。EWEシリーズがあるからだ。アレはどーなのよ。完全リストって入手できるのか?ついでに言うと、デザイナーが誰だとか現在の版権がどうなってるとか、調べられるのだろうか?下手すると「失われた文化」だな。なお、コレに比べれば「作者が健康なウチに誰か再版作業を進めて欲しいぞ」超人ロックがどうこうって話は些細な問題である。アレは原作知らなくても面白いと思うんだけどなあ。アークライトあたりが作業やってくれないかなあ。
大日本絵画の「ゲームグラフィックス」についても語る必要はあるだろう。ウォーゲーマーに必要な記事はおそらく存在しない…と思うんだけど、いつ何が必要になるのかわかったもんじゃない。流石に「ウォーロック」(出版元ドコだっけ?)はいらないよね?余談だけど、ゲームブックは同人としては今でも生き残っている文化です。
飲み会の席で私が「おそらくは失われた文化」だと主張し、特に異論が出なかったのが喜屋通商(だと思ったけど、自信ない)が訳したゲームのリスト。何を訳して何を訳さなかったのか、リストが残っているとも思えない。記憶している奴もいないのでは。
同人に関しては…えーとね、多分コミケカタログは初回分から閲覧可能だと思う。「米澤コレクション」があるからね。そこから存在を割り出すことはできると思う。つーか、「ゲーム(電源不要)ジャンルのサークル分析」してる同人誌なるものがこの世にあって、私の家を漁ればサークル数とザックリしたジャンル区分を第1回から最新に至るまでまとめたものがあるはずだ。ココの活動を支えてずーっとこの同人誌作らせるため、毎回新刊買っているんだから間違いない。似たようなコトをゲムマで行うことは可能でないかな。ただ、それ以外となるとどーしよーもないとは思うけど。
つーか、同人を語ろうなんて考えたら、大学のサークルの会報をどーするって話が出てくる。まさか天下布武帝国の業績を抜きに「戦国大名」語るわけにもいくまい。同じ飲み会で某氏がアドテクの「戦国合戦絵巻」を、「武将要素のない戦国時代ゲーム」という珍しい存在だと語っていたけれど、「戦国時代=武将のキャラゲー」って図式がいつどんな形で成立したのか?を語る上で「戦国大名エクスパンションキット」は外せないだろう。なにせこの当時、PC・コンシューマーゲームが扱えるパラメーターは「ボードゲーム以下」であることが普通だったのだ。そのデザイナーである中澤氏を語る上で、「天下布武帝国」(確か日大の文理)抜きってワケにいくまい。まあ、消滅したサークルが多数ある上、現存してても過去の業績を後生大事に抱えているとも思えない以上、大半は「失われた文化」だろうね。
ちなみにだ。私のコレクションの中には大量の同人ゲームその他があるはずだけど、全く整理されてねえ(苦笑)。ま、同人なんてそんなモンだ。昔の知人宅でゲームのついでに「嵐を呼べ!」「ダミーカウンター」といった同人誌を掘り出して読んだことが懐かしい。文字通り「掘ると出てくる」有様だった。アレはおそらく「失われた」んだろうな…そして、おそらくは私のコレクションも「大半が未整理のまま」ある日失われるんだろうなぁ。
文化保全なんてものは、なんつーか…すごーくタイヘンなんだよね。ウォーゲームに当てはまるかどうかはビミョーだけど、私が遭遇した例を紹介しよう。法律家は「紙の本」が大好きである。今の法律がどうこうってだけじゃなく、昔はどうだったのかを知ることが大切だから。なので、法律関係の雑誌は古いモノから全部集めたがる。大学その他ならば尚更。最悪でも引き取り手はいくらでも居るってんで、寄贈されたモノは必死に場所確保して貯め込む。そんでもって、「欠落している号」のリストを着けて保管する。ここまではいい。
諸般の事情により、私は寄贈された雑誌の欠落号リスト作っていた。そんでもって、新たに寄贈されたブツにより欠落が埋められるかどうかを調べていた。けれど、欠落は埋まらない。仕方ないこと…と思っていたんだけど、ある時気がついた。何かオカシイ。雑誌の号数から判断すると確かに欠落している。けれど、発売日から判断すると欠落しているようには見えないのだ。っってことは臨時号?でも、臨時号が出るってコトは「大事な事件」の判例が出たってとこになるわけで、ソレを入手しないなんて事があるか?「そーゆー号だけはある」って方がむしろ自然じゃね?何かを見落としているような気がする…ってんで色々調べた所、別雑誌扱いで保存していたブツが形式的には「その雑誌の別冊」扱いとしてナンバリングされていたことが判明した。欠落扱いしていた号はほとんどがコレ。つまり、私が気づくまでずっと「ありもしない欠落」を求めてリストの突き合わせを行っていたことになる。
問題は、こんな間抜けなことをやらかしていたのが某法科大学院の研究支援部門だということにある。図書館部門とも連携しているので、そこの司書(いたはずである)も誰も気がつかずにリストをもてあそんでいたわけだ。下手すると大学の図書館でさえ同じバカやらかしていた可能性が高い。ぶっちゃけ、「専門家が寄ってたかってありもしない欠落を追い求めていた」と言っていい。そりゃあ実害はあんまりないよ。下っ端が無駄な作業強いられたぐらいで。けど、法律の世界でコレだよ?ましてやゲームの世界で「あるはずなのに存在しない」のか「あるはずないので存在しない」のか、見分けるのが楽だとでも?不在の証明が「悪魔の証明」と呼ばれているのは伊達じゃない。
まあ、つーわけで滅茶苦茶タイヘンな作業になると思う。労力掛かるし神経使うし。けどまあ、できれば誰かがやった方が良いんだろうな。はあ。文化を守るってのは、そーゆー地道な作業を文句言わずやれる忍耐力の賜だと思います。わかっていてもなかなか出来ないから、世の文化はどんどん失われていくんだろうな。残す価値があるかどうかは全く別にして。
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