8月12日2013/08/13 00:19

 昔々、晴海の夏コミケはマジ「生きたまま堕とされる地獄」だった。建物の中は参加者の汗でモーレツな湿度、外は直射日光が容赦なく降り注ぐ。人波をかきわけなければ一歩も進めず、水分補給手段はない…いや、ホットドリンクだけ残った自販機はあったなあ。それに比べれば、今のコミケなんて天国同然。そう思っていた時期が、私にもありました。
 
 その晴海時代には「コミケ雲」なるものが拝めた。理屈は良くわからないけど、館内で発生した大量の湿気(発生源は言うまでもなく汗)がどうにかなった結果、上の方でモヤができていたのだ。悪夢の象徴の1つであり、思い出しただけで倒れそうになる。
 
 今回のコミケでは、この「コミケ雲」が発生した…かなり大規模に。ビッグサイトは空調が効いているはずだというのに。なんつーか、すさまじいとしか言いようがない。もう二度と見なくて済むと思っていたのに…
 
 コミケ2日目。私に下された指令は「某サークルの同人誌&グッズ入手」。私の上司の話では「良く知らない。だからそんなに混まないんじゃない?」となっていたけど、調査の結果「外周、しかもシャッター前」という、シャレじゃ済まない位置にあると判明。混雑対応のため、ある程度人気があって行列を作るサークルは外周に配置されることが多い。その中でも特にヤバい(行列が長い)と判断されたサークルは、シャッター前に配置され、最初から外に向かって机を構える。「一瞬たりとも行列を館内に入れるな」ということだ。ココに配置される以上、タイミングを間違うと延々並ばされる。フツーの手段だと1時間は覚悟しろ、2時間でも文句言うな…そんな感じ。
 
 とはいえ、一応私はウラワザ使える身分。初っぱなからココを攻めたので、早期攻略に成功。しかし、ウラワザをココで使った関係上、後々の予定はキツめに。覚悟してたけどね。おかげで、原則「本だけアキバで買えるモノは全部アキバに、5日目があるサークルも全部5日目に」回すことに。小物グッズとコピー本(アキバじゃ入手できねえ)を愛好している私にとっては、ちょっとキビシー決断ではある。
 
 これが冬のカレンダーだと、話が少しだけ異なる。カレンダーは「他があるから、いらん」って人間も多く、「本は無くなったけどカレンダーはある」って状態になることも多い。このタイミングを狙って行動すれば、ほとんど並ばずにカレンダーを入手できるのだ。もっともコレはかな~り上級ワザで、私もタイミング逃して入手できなかったコトが何度もある。
 
 実は今回、同じ手段で小物グッズを…と考えてはいた。ただ、夏は体力って問題がある。いくら私でも、流石に夏は機動力が落ちる。夏に毎回同じコト考え、結局実行に移さない(倒れそうになるので移せない)のがパターンだ。今回もやっぱり実行できなかった。ま、そんなもんだ。コミケでの私の計画は、大抵「全部は実行不可能」である。現場の状況に応じて、何かしらボツにすることが前提になっているので。そもそも、全部実行しちゃったらマジ予算オーバーだ。何が実行可能で何が実行不能なのかはその場の状況で変わってくるので、こーゆー計画になっているのさ。
 
 ウラワザを使った「オイシイ時間帯」の優位を活かしにくい以上、並ぶ大手を片っ端から先送りし、中小を中心に…これが2日目朝の時点での決断だった。普通ならこの決断は間違ってないと思う。しかし、今回は後ほど後悔する羽目に陥った。何故か?実はこのプラン、1)館内は屋外より快適である、2)移動距離が増えても、体力と気力で何とかなる、って前提がある。この前提が崩れたのだ。
 
 いくら私が「熱さに弱いが暑さには強い」とはいえ、悪夢のコミケ雲が出るような環境はキツい。そこを長距離高速移動(走るのではなく、速めに歩く)するんだから、体に響くのは当然ってモノだ。気力が少し落ちて疲れが吹き出た時に、「コレだったら大手に並ぶんだった…」と後悔させられた。
 
 しかも、館内はものすげー人の群れ。ここをかきわけながら移動しなきゃならない。ここで私の特徴「歩くのは比較的速い」がかえって裏目に出た。私は色んな理由から走るのは遅いけど、歩く速度はそれなりに速い。あくまで「それなり」レベルであり、山歩きを趣味にしているような人間には負けるけど。そのため、遅く歩かされると「ひっかかってイラつく」のだ。自分のペースで歩けないとイライラするんだよ。そんな馬にいくら突っ込んでいくら負けたか…この精神的疲労も馬鹿にならなかった。
 
 そりゃあね、晴海時代はもっとスゴかった。今回スゴかったとネットで話題になっているようだけど、それでも晴海時代に比べればまだ楽。ビッグサイト時代になり、晴海時代よりも過酷な移動距離をほっつき歩いている私が言うんだから間違いない。けれど、「ビックサイトを地獄に変える」ためには、晴海の何倍のエネルギーが必要なんだよ…と考えると、気が遠くなりますね。
 
 3日目。私の主戦場、ゲーム(電源不要)の日。でもオープニングは企業。初日に逃したシャ○ト攻略だ。気象その他の関係から「無理しなくていい、パスして構わない」とは言われていたけれど、ソレは私のプライドが許さない。企業攻略を後回しにすることも考えたけど、「開始前の時間」をより有効に使えるのはコチラだと判断した。
 
 時間や売り切れ対策に関しては、この判断は間違っていなかった。問題は、頼まれたブツがやたらデカかったこと。重いんですけど。なんでアソコは辞書サイズのブツを出すかなあ。有り難いと言えなくもないけど、単に編集能力が低いだけじゃね?って気がしてきた…
 
 とはいえ、そこはゲーム(電源不要)の日。荷物預かってくれるサークル様がいる。人間関係の構築は大事なんだよ。ゲームをしこたま、更に辞書サイズのブツを抱えて途方に暮れる私を見かねて、荷物整理までしてもらった。私は友人知人のたぐいに恵まれていると、本気で思います。
 
 3日間を通しての感想。今回は色々と想定外のコトが多かった。紙袋は崩壊するわ、過ごしやすいはずの館内がサウナと化すとか。でも、最も想定外だったのはスマホの不調。と言っても、壊れたワケじゃない。汗でシャツが湿ったので、タッチパネルがシャツに反応して誤動作するんだよ。あげく勝手に「間違い電話」までかけやがった(すいません)。大きな実害はなかったと思うけどね。ただまあ、スマホカタログはキチンと機能してくれました。開催中にメインとして使用したのは、最も使い慣れてるiカタロム。少しでも慣れているものを使うのが無難という判断だ。世の中にはわずかな向上を求めて物事をコチョコチョ変えるのが好きって人種がいるけれど、私は「慣れ」重視だなあ。
 
 スマホと言えば、コミケ期間中はかな~り通信状況は悪かったです。私がどうこうと言うより、周囲に機能しなくて大騒ぎしている奴が山ほど…ハイテク兵器が便利なのはわかるけど、頼り過ぎちゃいけませんね。とはいえ、コミケ参加歴20年以上になる私だけど、今でも自分の計画やら見通しやら状況判断の甘さに不満が残るレベルでしかない。「一人前の戦士」を育てる手間暇考えたら、そこら辺の小僧がある程度戦えるようになるハイテク兵器は偉大だと思う。
 
 今は連日の緊張感が中途半端に解け、疲れているのに眠くないって状態。明日以降がちょっと心配。予定入れているのに。でも、まだ戦いは終わらない。週末は「コミケ4日目」コミティアが控えているし、「コミケ5日目」こみトレも近い。頑張って気合い入れ直さないとね!「アホだ」と言われるのは承知の上だ!