11月5日2011/11/06 02:47

 先月は色々あった。その関係上、かなり久々の更新に。大変申し訳ない。謝っても仕方ないんだけどさあ。
 
 本日は、コマンド誌最新号付録ゲーム「第三帝国の興亡」についてである。正直言おう。マップは酷い。めでたく100号を超えたコマンド誌の歴史において、ワースト3に入れていいと思う。ちなみに、過去作であるワースト2(あえて名は伏せるけど)は両方とも後の号に改訂マップが付けられた。コイツもそうして欲しい。
 
 ドコがそんなにヒドいのかって?私も、公式サイトにアップされたマップの画像を見た段階では気がつかなかった。「悪くない」とさえ思った。実際、ぱっと見は悪くない。綺麗かどうかで言えば、綺麗だと言っていい。それは大いに認める。問題は、機能面にある。私は「曖昧なルール」と「曖昧なマップ」は大嫌いである。好きな人間がいるとは思えないけれど、私よりも寛容なのが普通じゃないかとは思う。それゆえ、どんなに見た目が綺麗であっても、機能面において曖昧なトコロがあるマップはちょっと許せない。そんでもって、「第三帝国の興亡」のマップはそーゆー部分が多い。すごく。
 
 このゲームでは、いわゆるフツーの「地形」はほぼ無視されている。アルプス山脈だろーがサハラ砂漠だろーが、全部「平野」だ。そんなマップにおいて、「曖昧な部分」なんて盛り込めるのか?普通はそう思う。私もそう思っていた。ただ、流石に「海」と「陸」の区別は存在し、当然のことながら海岸線が存在する。その海岸線が問題なのだ。
 
 マップに存在する全海岸線について、0.1mm程度の出っ張り(半島とか、小さな島とか)がヘクスサイドに引っかかっていないかどうか、調べる手間を考えて欲しい。幸い私はまだ老眼があまり進んでいないけれど、対戦相手にまで同じ作業を強要し、「ここの海岸線は、このヘクスサイドまたいでますよね?」と確認を取れと言うのか。結構重要そうな場所にも「そーゆー判定を必要とする」海岸線があるってのに。正直やってられない。
 
 そんな豆粒みたいな陸地があったからって、無視すればいいのでは?直感で判断できるでしょ…と、私も言いたかった。けれど、マップをよ~く眺め、ルールブックを熟読し、更に本誌掲載のリプレイを読んだ結果、「このゲームでは、スカゲラク海峡は地続き扱い(フネも通過できるけど)だ」ってコトを発見してしまった以上、直感は全く信用できない。はるか沖に浮かぶ島のごく一部がヘクスサイドに掛かっているだけで、ソコは地続き扱いになるとしか思えない。結果として「なんじゃそりゃ」って移動が可能になる。
 
 スカゲラク海峡を「陸軍が歩いて渡れる」という処理の是非については、後ほど語ろう。そのくせ、ゲームによっては「大河川と同じ扱い」とされるケルチ海峡は、とてもビミョーである。一応私は「海ヘクスサイドではないか」と推測しているけれど、印刷ズレや私の老眼の結果そう思えるだけで、実は地続きかもしれない。それぐらいビミョーだ。ちなみに、海峡で分断されているとするならば、赤軍はココを越える手段が存在しないことになる。史実じゃ、何度かこの方面からセバストポリ包囲陣に反撃してるけどね。
 
 何故こうなったのか?そりゃまあ、海岸線が無駄に緻密だからである。どこぞの地図のデータを丸ごと持ってきて、修正しなかったんじゃないかなあ。悪いけど、わかりやすさを重視して海岸線のデータ修正してくれないと、プレイできないっての。いずれ気になるヘクス&ヘクスサイド全てのリストアップを作成し、コマンド編集部に質問として送りつける予定なので、そうすりゃプレイできるようになるかな。素直に「全海岸線を書き直してくれ」で片付けた方が早いかも。
 
 何故スカゲラク海峡が地続き扱いなのか?多分、「オトナの事情」が絡んでいるのでは。ココを海峡扱いにすると、ヴェーゼル演習を再現するため独軍の強襲上陸能力を高めに設定せざるを得ない。しかし、そうすると英本土が極めて危ないことに…って事情から、いっそのこと地続きってコトにしちゃえ!となったのではないかと。ただなあ…正直、こんな形でルールを減らそうとするよりは、あえてゼーレーヴェ作戦かヴェーゼル演習に特別ルールを設けた方が「むしろ親切」だったのでは。
 
 なお、このおかげで早くも1つ「独軍の必殺技」を見つけちゃった。迷ったけれど、発表した方が結局は良いような気がしたので、ココで書いちゃおう。作戦としては単純である。ノルウェイ侵攻後、スウェーデンにも侵攻する。そんでもって、スカンジナビア半島に独軍主力を戦略移動させる。「陸続き」扱いなので、制限無く大軍を送り込める。後はフィンランドを通過する形でソ連に侵攻すればいい。なお、あらかじめフィンランドに宣戦布告して大軍を駐留させ(ヘルシンキは陥とさなくても良い)、そこからバルバロッサを行えば、より確実だろう。細部に検討の余地はあるけれど、赤軍側の対応策は「降伏するまでに、独軍に攻撃のダイスを多く振ってもらう方法」に終始している有様。
 
 スカゲラク海峡が地続きではなかったからと言って、この作戦を防げるとは思えない。必要ならば海輸すればいいから。侵攻スケジュールを練るのが多少タイヘンになるだろうけど、だからどーした。「赤軍大崩壊」という戦果のためなら、アフリカに海輸する部隊なんぞ削っても惜しくないに決まっている。かといって、この辺に赤軍の部隊を送ると、移動力に欠ける赤軍だと主戦線に送り込む部隊が減る。ハッキリ言って、地形の縛りが緩いゲームなのにムルマンスクまでマップに収めてある時点でアウトじゃないかな。ルールで禁止できるかどうか、正直疑問。とりあえず「紳士協定」により禁止するってのが私の提唱。他にいい手があるのなら教えて欲しい。
 
 なお、この「スカンジナビア作戦」、ヒト電でも検討した。フィンランド北部はマップ外だけど、ヘルシンキ近辺からレニングラードの裏を取る作戦は実行可能だからね。ただ、移動するだけで燃料を使うあのゲームではさほど有効な手とは思えず、更に赤軍側の対抗策として「戦術的にマトモなソフィン戦争を仕掛け、ヘルシンキまで占領する」ってワザを編み出したので、ほぼ完全に封じられたと思う。その研究の副産物が「戦術の基本はポーランドに、戦略の基本はソフィン戦争にあり」って主張だったりする。
 
 この手を封じれば、後はマトモなゲームになるのか?う~ん…正直、ゼーレーヴェ絡みで何かありそうな気がしている。対仏戦の後スペインに侵攻し、ジブラルタルを陥とす。そうすればイタリア艦隊が大西洋に進出できるので、かなりの「悪さ」ができるのでは。もっとも、この作戦はまだ検討段階なので、最終的に成り立つかどうかわからないけれど。なお、コマンド誌掲載のリプレイではスカパフローとグラスゴーに上陸しているが、グラスゴーではなくマンチェスターに上陸すべきだったと思う。
 
 その他、「検討に値する」怪しげな作戦は山ほどある。ポーランド完全無視とか、トルコ通過とか。正直言って、その中のどれかがスカンジナビア作戦同様に「ゲームをぶっ壊す」可能性が高い…って気がするな。「意地悪な」研究に耐えられるようなゲームじゃないって気がするので。その意味では、研究しちゃ駄目なゲームなのかも知れない。そうしないと、山のような紳士協定を結んだ後でないとプレイできないような。39年シナリオをやる前に「ミュンヘン会談」の必要があると。
 
 正直言って、私は今のところこのゲームをあまり評価していない。確かに、38年シナリオという「興味深い」設定が与えられてはいる。けれど、比較対象となるべき39年シナリオが「マトモに動かない」ようでは、その価値も色あせる。どんな結果が出ても、「それがドイツの運命」だったのか、それとも「単に怪しげな手を使われただけ」なのか、どーやって判断しろと。そんでもって、根幹となるべき39年シナリオには、何かしら穴が存在していそうな気がして仕方がない。既に1つ見つけているし。かといって、ルールでその穴を埋めようとすると、ルールが肥大化してワケわかんなくなった「第三帝国」(AH)みたいなモノになりかねない。アレはアレでいいゲームだったと思うけど、気軽にプレイできるシロモノじゃなかったのは事実なんだよな。
 
 他にもグチャグチャ書きたいことがあったりするけれど、とりとめがないし、まとまりも悪いので、とりあえずココまでとさせてもらおう。つーか、色々書こうとして断念し…の繰り返しで更新が遅れたので。とりあえず私の「現時点での最終結論」はこうだ。「第三帝国の興亡」やるくらいなら、「ヒトラー電撃戦」やろうぜ。コッチの方が面白いと思うので。

11月12日2011/11/13 00:07

 なんか忙しい…更新するヒマがなかなか作れない。一応それなりの時間をかけないと更新なんてできやしないんだよね。まいったまいった。
 
 本日の話題は、カレンダー。来年のカレンダーを購入する季節が到来したからね。カレンダーマニアの私としては、ある意味とても楽しい季節である。それはいい。いいんだけど…
 
 ハッキリ言おう。豊作すぎて既に飽和状態。発売時期の関係上、予定の品は半分も購入していないのに、既に「どーすんだおい」って状態。しかも、日を経るごとに「買わなきゃ!」って品が増えてゆくんですけど。なんでだ。
 
 そうなった原因の1つが、秋華賞。「菊花賞の日に馬券買ってカレンダー買おうとすると、馬券的に縁起が悪い」ってんで秋華賞の日に「水道橋で馬券買って、秋葉原でカレンダー購入」って計画を実行したんですよ。アヴェンチュラの単勝握りしめて。ついでに、府中牝馬Sのイタリアンレッドも単勝勝負した。夏だけの馬じゃなさそうだ…って思ったから。
 
 競馬系の人間なら、結果はご存じですよね。的中しました。それなりに儲かりました。当然、気が大きくなりました。その結果…天下に名高い秋葉原アニメイトの店員が「コレ全部ですか?」と確認するのは、珍しいと思う。
 
 これだけならば、まあ許容範囲だ。後は予定の品だけ買えば…って、止まるワケがない。だいたいだなあ、まだ「卓上タイプの週末集約型・商業版」入手できてないんですけど。同人で1つ入手できた(コレはコレで重要)けど、商業版でも1つ欲しい。毎年1つは入手していたんだけどなあ。まだ発売予定の品はいっぱいあるからいいんだけど…って、まだ買うつもりかオレ。
 
 しかもだ。他にも「予定外の攻撃」が。某エロゲーソフトメーカーが通販限定で「カレンダーが必ず入った福袋」なんて出すし、何故かPSPで大量の時間を費やさないと聴けないメディア中心に音楽配信している某社が「コミケ進出!カレンダー売るよ!」などと言い出すし…エロゲーメーカーの品は「一応検討中」だけど、検討内容は「クレジットカードで支払うか、それとも安全を考慮して郵便振り込みにするか」である。
 
 同人方面?実はコミティアでは「不作気味」だった。開催時期が例年より多少早めだったからだと思う。とはいえ、M.Wolverine先生のサークルで「コミケではカレンダー出す」って確認取って喜んでいたりするんだけど。オマケに、来年1月も間違いなくこみっく☆トレジャーに行く。そこでまたカレンダー買ってくる。「1月に買うのはどうかと」と言いつつ。去年そうしたんだから間違いない。飾るスペース見つけるためすご~く苦労したけれど、それじゃ障害にならないのは間違いない。コミケ?聞くな。とりあえず、「予定通りに収まったケースは過去1度たりともない」とだけ言っておく。
 
 そのくせ、予定の品はちっとも入手できてない…元々コミケで入手予定の品が大半だから、当たり前なんだけど。他にも「発売される限り入手してやる」って宣言出している品がいくつかあって、これまた発売時期の関係でまだ入手できてない。たま~にサイズ変更とかやらかすから、早く実物見たいんだけどなあ。
 
 あと、某魔法少女アニメの品もまだ発売されてないようですね。発売されてないんだよね?即瞬殺して入手できてないワケじゃないよね?「瞬殺したカレンダーがあるかもしれないから香港に行く」なんてコトはやらなくていいんだよね?うう、なんか不安になってきた。
 
 更に問題なのは、今年は「祝日配置がオカシイ」カレンダーを入手できるかどうか、現時点では全くわかってない。欲しいんだけど、色々問題があってだねえ。最大の問題は「マトモな手段で入手しようと思ったら、すごく高い」ことかなあ。いくら円高とは言え、ホテル代とメシ代を考えると…まあ、馬券代は「主催団体が負担」してくれるはずだけどな!
 
 何故カレンダーなのか?とか、そんなに買ってどうする?とか聞かれることがあるけれど、そーゆー生き物なんだから仕方ない。単なるポスターじゃ「面白く」ないんだよ。無機質で機能優先の「日付部分」があるから面白いんだよ。誰かにわかってもらいたくてやってるコトじゃないので、とて~も説明しにくい。まあ、時々暴走して熱く語ったりするけれど。
 
 この「飽和した」カレンダーがどうなるのかは、よくわからん。全部飾るのは間違いない。「飾らない」って選択肢はない。けれど、既に「飾るためのスペース」が枯渇してきているのは確か。天井は確かに空いているけれど、実はもう「コレは天井に張ったら良さそうだ」って品(通年カレンダー)を確保済み…どーしましょ。
 
 この秋は馬券が好調である。秋天も当たったし。コレは当然嬉しいんだけど、その儲けの全て…どころか、明らかにそれ以上のカネが「予定外のカレンダー」に消えていくんだな。なんか盛大に間違っている気がするんだけど、まあいつものことだから気にしないコトに…できなくなってきているんですけど、どうしよう…

9月17日2011/11/17 23:51

 昨日、「第三帝国の興亡」をはねはね殿とプレイした。その結果は…正直言おう。マップ以外も駄目だ。テストしたのかコレ。
 
 駄目な理由はたった1つ。東部戦線がモロすぎる。「正攻法」で攻めただけで崩壊する。後は必死になって部隊生産し、逐次投入・各個撃破されるだけ。これじゃどーしよーもない。「何か手はないのか」と検討した結果が、他をなげうってでも英軍!をソ連に投入し、何とか守るしかない…って時点で「ヘン」だ。
 
 そりゃあね、検証したのが私とはねはね殿という、「怪しげな作戦を練るのは嫌いじゃない」って人間だ。事実、仏の守り方において「仏からベルギーに宣戦布告し、アルデンヌに進駐する」って手を真剣に検討してたし。けど、東部戦線はそーゆー問題じゃない。フツーにプレイすれば大抵崩壊する。ダイス目の振れ幅が大きいゲームなので、運次第じゃ助かるかも知れないけれど。
 
 確かに私もはねはね殿も、この世界じゃ古株に属する。まして、はねはね殿は腕達者の1人として数えて良いレベルだ。我々がアッサリ実行できたからって、その領域に達してない人間から見ればそう簡単には…ってな意見があるかも知れない。大丈夫。この世界の基本をある程度知っていれば、じっくり考えるだけで「東部戦線を崩壊させる方法」わかります。目安としては「日露戦争」(EP/CMJ)を楽しくプレイできるってレベルかな。
 
 何でそうなるのかも、ある程度わかっている。バルバロッサ作戦発動前、赤軍は大半が独ソ国境に「なってない配置」で張り付いている。ルールでそう指定されているのだから仕方ない。コレは明らかに「バルバロッサ作戦開始当時の大戦果」を再現するための演出だ。そりゃまあ、ある程度ならソレもアリだと思う。そーゆー「演出」がないと、私がヒトラー電撃戦で提唱したように「引き籠もって守れ!」って話になっちゃうからね。
 
 ただ、それで赤軍の大半が消え去るというのは、どうかと。8~9割消えるんですよ?しかも、この時点で活用できる赤軍の生産拠点は、モスクワを含む全てが「いきなり独軍の攻撃範囲」なのだ。拠点防御しようが戦線張ろうが、出てきた瞬間に撃破されてしまう。コレじゃ駄目だ!ってのは明白だと思うな。なんかが間違っている。
 
 余談だけど、この「バルバロッサ作戦を喰らうと、赤軍の大半が消え去る」って話は、「ヒトラー電撃戦」が出た当初にも問題となった。独軍側が電撃戦のルールに慣れてくると、突破口をいくつも作られ、いずれ包囲されてボコスカにされる。正直言って、私は「独軍必勝じゃん。駄目なゲームだ」とさえ思っていた。「引き籠もり戦略」に気がつくまでは。ちなみに、ヒト電の独軍は引き籠もった赤軍の戦線にさえ穴を空ける力がある。そんな相手に最前線で抵抗って、そりゃあ無茶苦茶だ。
 
 その無茶苦茶をルールで要求される「第三帝国の興亡」が守りきれないのも、当然である。最初のプレイで喰らった瞬間、「あ、コレはダメだ」と気がついた。念のため私が攻撃してみた所、やっぱり駄目だった。とにかくお話にならない。しかもだ。ポーランドやフランスは戦線が狭いので、ダイス目の偏り次第でトンデモない事態に陥り、独軍の攻撃が失敗しうる。それに対し、東部戦線は広大なので、多少悪い目が出ても取り返す手段がある。これでどーやって守れと。
 
 何故こんなコトがまかり通っているのか?テスト不足かな。つーか、キチンとテストしろよ。こんな明白な問題に気がつかないなんて、テストの内に入らないぞ。ゲームの中身を論じる以前のレベル。商品として完成してない。先週のエ女杯のレーヴディソールの方が、よほど調整されていたぜ…クソ負けぶっこいたけど。
 
 今号のコマンド誌は、前号に引き続いて「3桁突入ご祝儀モード」のようだ。それだけに、色々忙しかったんだろう。けど、コレはない。駄目なりに完成しているのなら、まだ許せる。けど、未完成品を掴まされたら、そりゃあ怒りますよ。同人だったら「頑張って完成までつき合うぜ!」って気分になるのが私だけど、商業作品でコレはどうなのよ。そーゆー手間を省いてくれるのが、商業作品の利点じゃねーのか。
 
 まあ、他にも言いたいコトは山ほどあるんだけど、ただの愚痴にしかなりそうもないので、あえて黙っていよう。ここで言いたいことは1つ。評価の対象として扱える程度でいいから、完成させてくれ。以上。

11月29日2011/11/30 00:42

 先週末は「濃い」週末だった。色々あったので。各方面に感謝を捧げつつ、どう濃かったのかを振り返ってみようかと。
 
 まず土曜。昼頃やっと起きて、向かったのは浅草。翌日も浅草に用事があるんだけど、「それじゃ慌ただしい」ってんで、この日も浅草に。日曜にお世話になる東京都立産業貿易センター台東館を通り過ぎ、そのまま馬道通りをずんずん進んでゆく。向かった先は、小さな洋食店。そう、久々に大木洋食店に顔を出したのさ。
 
 競馬系の友人知人なら説明不要だと思うけど、そうじゃない方のため説明を。ここに住んでおられた故松浦謙助さんは、昔々「競馬報知」(後にファンファーレ)に連載を持っていて、その関係で私も親しくさせていただいたのだ。そしてこの松浦さん、立川談志家元と親しくなさっていたので、これは挨拶しておかなくては…ってワケである。
 
 私自身は家元と親しかったワケではない。そんな畏れおおい。ただまあ、ご長男の慎太郎さんは多分私の顔覚えていると思う…って程度。それじゃ根津の家元宅に押しかけるワケにはいかない。当たり前だ。その代わりってワケじゃないけれど、松浦さんに「今度家元がそちらに顔出すと思いますので…」って報告をしにいった。ただそれだけ。
 
 久々に食べたとんかつ定食は美味かった。私が「ドコの王侯貴族が相手でも、胸張って勧めてやる」と公言している店は世界に3つあるけど、そのうちの1つがここ。もっとも、日本の洋食なるものが舌に合えばの話ではあるけどね。色々不義理を働いていた私だけれど、温かく迎えてもらえ、松浦さんに長々と挨拶してきた。まあ、松浦さんのことだから、「今度家元が…」ってな話を聞いたら、「バーカ、あいつは地獄行きだからコッチになんて来ねえよ」ってニコニコ笑って言いそうだけど…
 
 そーやってちょっとしんみりした時間を過ごした後、アタマを切り換えて秋葉原にカレンダーを買いに。「予定の品」が発売されているはずだったので。ヘンにアタマ切り替わっていないと、かえって衝動買いしちゃうからなあ。ついでってワケじゃないけど、「Battleship Girl」2巻を購入。オビの推薦者が「台湾行政院新聞局局長」ってのは笑える。
 
 日曜。体調万全。戦闘準備完了。いざ浅草に。まずはゲームマーケット2011秋に突撃である。「仕事」じゃなくなったからって、私がこのイベントに参加しないなんてコトは許されないでしょ!誰が何と言おうと、私自身が許さない。なにせウォーゲーム系のサークルはほとんど全てが「私の顔知っている」ってレベルだし。
 
 まずは客の入り具合から。回を経るごとに増えていると思う。流石に身動きとれないってレベルじゃないけれど、手狭な感じを受けたくらい。次の東京開催では会場が少し拡大されるらしいので、それに期待ってトコロかな。
 
 今回の戦果。今回のイチ押しは、サークル名・頒布先不明(申し訳ない)の「MONOEYE」かな。ガンダムのモビルスーツ空戦(正確には宇宙戦)モノ。マップを使用するのではなく、机の上などでカード大のユニットを「動かして」、定規(付属しているモノ)で距離計って動かす…ってシロモノ。ウォーゲームよりもミニチュアゲームに近いんじゃないかな。
 
 覚えるのは簡単そうでも使いこなすのは難しそうなルール、カード式プロット、アバウトな距離感…と、ハッキリ言って人を選ぶゲームだと思う。そのくせ版権モノ。ガンダムマニアからは「難しい」と敬遠され、こういうゲームを厭わない層からは「しょせん版権モノ」と馬鹿にされてもおかしくない。ただ、私はあえてそーゆーゲームを出してくれたことを高く評価したい。こういう「尖った」ものを出せるってのが、同人の良い所なんだから。おまけにこのゲーム、多分「立体ユニット」との親和性が高い。すげー広い机使って、ガンプラ使って遊んだら燃えそうだ。くそう、ギャン(私は好き)はないのかギャンは!ニュータイプが滅茶苦茶有利なこのゲームで、ガンダムに乗ったアムロ相手に格闘戦にもちこんで斬られるのは「タロンでラプター墜とす」に匹敵するほど難しい気はするけれど、それに挑戦するのが漢だろ(笑)。久々に「ルール読んでいるだけでドキドキしたゲーム」である。わかる奴はわかってくれると思うな。
 
 もう1つ感心したのは、ETERSIA WORKSの「Under the MAD」。冷戦期を扱った2~4人用ゲーム。「Twilight Struggle」「Cold War」といった偉大な先例(どちらも私は好き)がある中、どう冷戦を表現するのか?重要なのは、このゲームは「自陣営同士の抗争」に焦点を当てていること。だからこその4人プレイ(これが標準)なのだ。米国で言えば、片方が共和党でもう片方が民主党ということか。そのため、時に米ソは対立ではなく、協調路線を歩むことになる。自陣営の敵を出し抜くため。この辺は面白い。これまた「典型的ウォーゲーマー」向けとは言い難いけど、そんなのは知ったコトではない。
 
 あと、「労作である」と評価したいのが、八川社のインパクトベースボール選手カード、西本幸雄追悼記念1953年オリオンズ。西本さんがお亡くなりになったという報道が流れてからの時間を考えれば、本当に頭が下がります。諸般の事情により「追悼」って言葉に弱くなっていただけに、心にしみました…
 
 典型的ウォーゲーマー向けの作品?「保元の乱」「平治の乱」はどうだ。同人会ルーデンス・ファベルの作品。まず、この戦いをテーマにしたゲームを作ったところを大いに褒めたい。名前は知られているけれど、「どんな戦いだったのか」は知られてない戦いだからなあ。ユニットを見る限り、兵力的には平清盛に代表される伊勢平氏勢が圧倒的で、反平氏方は苦戦を強いられそうだけど、元々対照的な戦いじゃない(どちらも破壊活動を行えばいい反乱側VSそれを止める鎮圧側だから)から、これでいいのかも。
 
 Axis and Alliedの卓で頒布されたいた、TBGの「関ヶ原1332」も典型的ウォーゲームだな。ちなみに、この1332は皇紀。一般には「壬申の乱」の方が通りがいいかな。初期に行われた、居間の関ヶ原付近での戦いを扱ったモノ。これまたテーマを褒めたい作品。量の大海人軍が質の朝廷軍を突破できるか…って戦い。ポイントトゥポイントのマップを使い、手軽にプレイできそうなトコロも好感を持った。
 
 もっとフツーのウォーゲームはないのかって?そー言えば、さいたまオフラインの「SLGamer」新作の付録ゲームがエル・アラメインの戦いだったなあ(苦笑)。いや、モノ自体は相変わらずいいと思う。単にここのゲームはもはや「定番」だと思うので、あえてネタとして投げやりに紹介しただけ。むしろこの「ゲーム付き同人誌」で特筆すべきは、同人誌の記事の方ではないかと。以前からかなり充実した内容ではあったけれど、ここに来てライターのバラエティーが増え、より面白くなったような。良くも悪くも、そーゆー部分に目を付けて褒めるのが私だからして。
 
 今回は「戦術作戦級」といった感じのゲームが2つあった。そのうちの1つが「オデッサの戦い」。頒布元は私にとって新顔の富士家商会。オデッサって地名は当然知っているけど、いつの戦いだ?どうやらガンダムでは無さそうだけど…と思ったら、ルーマニア軍対赤軍の戦いだった。ゲーム自体の評価は現時点ではさておき、面白いなと思ったのはルールブック。異様なまでに簡素。ただ、ざっと読んだ時点では機能している様子。「ルールブックはしつこいぐらい丁寧に書け!」と常日頃から主張している私だけど、こーゆーのもアリかなと感じたくらいだ。ただ、私の執拗なルールチェックをくぐり抜けられるのかはまだわからん。精査してマズい部分に文句を言うのが、私の「愛」だ。
 
 もう1つはTic-Tac-Toeの「タラワの戦い」…なんだけど、私は既に入手済みなので、新版との差分だけ受け取った。このサークルは私が「ゲームマーケットかコミケに出るんだ!その方が売り上げも増えるし、ゲーマーのためにもなるんだ!」とさんざん吼えたトコロだけに、正直売り上げは大いに気になった。とりあえず注目度は高かったようなので、私としても嬉しい。ある意味、こーゆーサークルの後押しこそが「私の役割」って気がするな。なにしろ私がこのゲームを最初に「見た」時は、マップだけしか無かっただけに…しかも、コミティアという「ゲームとは無縁そうな即売会」での話だからなあ。
 
 実を言えば今回、私が過去に「入手済み」で、なおかつ「ゲームマーケットに来なさい!」と文句を言ったゲームが4つもあった…「タラワの戦い」と、さいたまオフラインで委託頒布されていた「天正少年遣欧使節団」は(言い訳できないので)ともかく、残る2つを見た時には「まさかと思うけど、オレが吼えたから?」とか考えちゃいました…違うよね?元々予定していたんだよね?誰かそうだと言ってくれ…ちなみにモノは翠屋本舗「まど☆マギオン」と、染井吉野ゲームズで委託頒布されていた「ふるさとカードゲームご当地大戦」。それぞれ私が入手したのはこみっく☆トレジャーとコミティア…
 
 ちなみに、今回「魔法少女まどか☆マギカ」のゲームは3つあった様子。多いけど、こみトレの5つって記録は抜けなかった。う~む。なお、うち1つは既に入手済みで1つは売り切れ。残る1つ?当然入手しました。はい。
 
 あと、BOARDWALK/i-OGMで扱っていた同人ゲーム「オットー&ハーマン」も紹介しておこう。ジャンルとしては「燃え系ボードゲーム」かな。元ゲームはキャット&チョコレートってモノ。次々遭遇する厄介事(大抵赤軍絡み)を、与えられた補給物資(「こんなんでどーしろと」って品含む)を使って「どう解決したのか」を考えて発表して…ってゲーム。最初の手番は「一番最近に、小林源文先生のマンガを読んだ人」で、もし誰もいなければ「ゲームを片付けて本屋さんに向かうこと」だそうな…何故コミケかコミティアじゃないのかは聞きたいところだ。(注:小林先生の最近の活動は同人が主体)
 
 なお、これらとは別に通年カレンダーが2つほど増えていたような気がするけど、気にしないコトとする。時期的にもっとあっても不思議はなかっただけに、助かったというのが本音(苦笑)。
 
 とりあえずはこんなトコロ…え?メーカー系?国際通信社の目玉は「独ソ戦ソリティア」の先行発売。「信玄上洛」ってソリティアゲームも出していたけれど、公式ブログでは一言も触れてない(popの写真はあったけど、説明何も無し)上、何故か提示していた価格表に掲載されない(思わずツッコんだ)という不遇な扱いっぷりだったから、目玉じゃないんだろ(苦笑)。
 
 とまあひととおりゲームを仕入れた後は、府中へ向かう。ジャパンカップがあるからね。私がこのレースを生観戦しないなんてコトは許されないでしょ!誰が何と言おうと、私自身が許さない。JCはそーゆーレースだし、おまけにヴィクトワールピサも出走するし。
 
 その上、今回は競馬仲間のしあとりかる殿が上京なさる。東北在住で、大地震の時にモロに被災された方。「大丈夫なのか!誰か連絡受けてないか!」と大騒ぎしたからなあ。実際、1つ間違えば津波にのみ込まれていたそうな。そんな方だけに、元気な姿を拝見した時には少し涙が…本当に、よくぞご無事で。
 
 馬券?私は「力一杯」ヴィクトワールピサの単勝。流石に厳しいとは思ったけれど、そこで買うのを止めるようじゃ駄目ですね。間違って勝ったら倒れちゃいます(笑)。負けたのは悔しいけれど、それが勝負ってモノだ。ただまあ、「私がゲーム系即売会との掛け持ちをすると、この馬は3着」ってジンクスが敗れたのはもったいない。
 
 買ったブエナビスタは見事の一言。ただ、むしろ感心したのはトーセンジョーダンの方か。最後ヘロヘロだったのに、2着死守したからなあ。「秋天レコード勝ちの反動が…」と言われていたけれど、よく頑張ったと思う。けれど、いかにも府中向きって雰囲気のある馬だけに、中山で行われる有馬記念では買いにくいかな。
 
 その後は新宿で飲み会。開始が6時と「競馬系飲み会にしては」遅かったので、「ゼロ次会で飲んでくる奴が出るだろ」とか笑っていたら、府中にある喫茶店に立ち寄るっていうツアー予定が元々組まれていた。何故喫茶店?そりゃまあ、我々の競馬仲間が店長だから。何故店長。なんかすごいな。
 
 その後は飲みながら馬鹿話。元々「あっぱー」とかいうギャグ系競馬投稿コーナー常連筋の集団なので、競馬絡みのアホ話は尽きない。今回集まった皆に比べれば、私なんて可愛いモノよ…すいません、つまらん見栄張りました(笑)。あまりに話が長引いたので、しあとりかる殿が「帰りの新幹線に間に合わないかも」って心配が…駅までの道案内が必要だろ、ってんで私が一緒にダッシュ。それはいいんだけど、私は最後までアルコールを注文し続けていたので、ダッシュしたら軽く目眩が。いやあ、オレも衰えたなあ…って、多分コレは年齢のせいじゃない。
 
 というわけで、とてつもなく濃い週末でした。しかし、なんで「絶対外せない用事」がバッティングするかなあ。今年はそーゆー年なのか?ま、来年のこの時期も同じコトやっていそうだけど、気にしないコトとしよう。