5月22日2011/05/23 01:37

 本日の話題は、昨日プレイした「日露大戦」関連で。お試しプレイをする機会があったので。
 
 「日露大戦」は、国際通信社から出る予定の「ウォーゲームハンドブック2011」に付くゲーム。テーマは日露戦争。システム的には、フツーのウォーゲームにカードプレイが付属しているってモノ。とりあえず「No Retreat!」に近いと思う。この辺はコマンド誌公式ブログに掲載されているので、まあ語っても問題はないかと。
 
 最初の対戦相手はDASREICH殿。公式テストプレイヤーの1人。とりあえず露軍を担当し、アッサリ敗北。ただ、これは「技量の差」「このゲームの経験の差」だけが主な敗因ではなかった。ハッキリ言って、運が悪かった。
 
 運のせいにするなって?言いたいコトはわかる。でも、ウォーゲームの技量ってモノの1つに「運のコントロール」があることも事実ではないかと。ダイス目だろーがカードだろーが、「手痛い結果」を喰らうなんて良くある話。それ自体は運に依存する問題だ。けれど、上級者は多少の不運では揺らぎようがなく、反対に幸運に恵まれた際には一気に戦果を拡大できるだけの体制を築いてから、運に身をゆだねる。ゲームの展開も良くわからんのに、不運という隙を見せてしまって、それでDASREICH殿に勝てるとでも?
 
 問題はその後だ。私はあろうことか「こういう形で負けてラッキーだった」などと考えていた。運が悪かったから負けただけだ、オレは悪くない…と考えたからではない。この不運のおかげで「まずこうならないようにプレイしなくちゃ駄目なんだな」って問題点がハッキリしたからだ。序盤の露軍が抱えている問題点がドコにあり、それを解決するためどんな考え方が必要なのか…これを浮き彫りにするような形で不運が炸裂し、そこをDASREICH日本軍に突かれて負けた。ならば、次からはその問題点をなるべく解決するように努力すればいい。
 
 その問題点とは?発売前のゲームだけにあまり細かいことは書けないけれど、ある意味では「日露戦争」(EP/CMJ)と共通する問題だから、少しだけ書いてしまおう。「部隊不足」である。部隊が揃わないから、戦線の形が整わない。当然、その隙を突いて日本軍が攻撃してきて、部隊が減る。そうなるとまた部隊が不足して…「日露戦争」における、露軍の典型的負けパターンだ。こうならないためにどーすりゃいいのか…というより、「ルールを改変する」以外にこうならない方法って何かあるのか?ってのが「日露戦争」だ。ちなみに、MMP(米国のゲーム会社。「日露戦争」をライセンス生産した)が出した版では大規模なルール改変が行われ、増援の展開が早くなった。そのためとりあえず「日本軍圧倒的有利」から「一応露軍有利」ってなバランスになったのでは?と言われている。あのゲームの猛者連がそう断言しておられるのを聞いたことがある。
 
 日露戦争における序盤の露軍は、とにかく部隊を揃えないとお話にならない…そうじゃない「日露戦争をテーマにしたゲーム」ってあるのか?とりあえず「日露戦争」をプレイすれば、誰だってすぐ理解できる。問題は「そのためにどーすりゃいいのか」だ。漫然と部隊集めて漫然と前線に送るだけじゃ、各個撃破される。それを防ぐために必要なのは、計画的な戦線の構築である。そのためには具体的に何をどうする必要があるのか?こういったことが最初のプレイでハッキリしたのだ。負けて当然の初プレイでここまでわかったのだから、「ラッキー」と思うのは当然じゃないか?
 
 しかし…その後3回ほど相手を変えて戦った感想は、「やはり何か間違っていたかも知れない」というもの。自分が考えたような展開になってくれないのだ。何がどう違うのかは…ちょっと書かない方が良さそうだなあ。ここは多分「デザイナーが考えた罠」に関連する部分だと思うので。
 
 もっとも、「何か違う」最大の理由は、私自身のアホな性格にある。少しだけ書くと、つい「遠大なる目標」目指して無茶をやってしまうのだ。もっと手堅くプレイしなきゃ駄目だろ!と思いつつ、美味しそうなエサを見つけると誘惑に負けてパクっと…日露戦争どころかその後の史実も知ってる私としては、「タンネンベルグを忘れたのか!41年冬期反攻・第3次ハリコフ戦の悲劇を繰り返すな!」と自省しようと思うんだけど、ついつい「ウラー!」と叫んで突撃しちゃうんですよ…まあ、ある意味露助らしいんだけどね(苦笑)。
 
 なお、諸般の事情はあるんだけど、4回もプレイしていながら、日本軍を1度もやっていない。そのため、「まだよくわかっていない」部分が大量にあるような気がする。ただまあ、仮に「あまり経験のない方相手にインストプレイ」するのなら、露軍を担当するのが一般的だと思うので、とりあえずインストしてくれと言われても対応できるのかなと。とはいえ、もし本当にインストやるなら、色んな意味で「凶暴な露軍」は止めた方が良いような…あの無茶な反撃を「普通のプレイ」だと思われたら困る。実際、最後は大逆襲喰らって負けた(元々内心恐れていたんだけど、一生懸命誤魔化していた)からなあ。「こう戦っちゃイケナイ」って見本を示してどーすんだ。
 
 とりあえず、最後はゲームを褒めて締めよう。全体の雰囲気は「日露戦争」に近いけれど、1)移動力が小さいので、移動可能範囲を把握しやすい、2)面倒なルールは基本的にカードに落とし込んである、という点からより初心者向きで、それでいながら1)「日露戦争」並みに作戦のグランドデザインが問われる、2)多彩な展開への対応力が問われる、という意味ではベテランでも楽しめる…という好ゲームじゃないかと思います。運・不運の要素が大きめなのは確かだけど、ここに罠がありましてね。ベテランでも数回プレイしないと「このゲームにおける不運とは何か」がわかりにくいんじゃないかなあ。そこを勘違いしたままプレイすると、ロクなことにならないような。私は幸運にも最初のプレイでそいつに遭遇したので、「大事なツボの1つ」は把握できた気がする。もっとも、それだけで勝てるほど甘いゲームじゃない。
 
 このゲームが初売りされる予定のゲームマーケット2011(春)は6/12(日)。カタログをチェックしたところ、ウォーゲーム系サークルも数多く出展しているようだ。同人ウォーゲーム&それを扱っている即売会を盛り上げよう!てな目的で取材して原稿書いている私としては、とても嬉しい。ウォーゲームに興味がある方(ベテランから初心者まで)なら、訪れる価値はあると思います。私も取材と称して会場を飛び回っているはずなので、できれば会場でお会いしたいですね。できればそこで「日露大戦」なんぞプレイ…したいけれど、そんな余裕あるかオレ?いつものよーにテンパって会場内かけずり回っているような…