1月28日2010/01/29 00:55

 iPad、私は「いいじゃん」と思いました。ただまあ、アレを真似した品でもいいんじゃねえかって話はありますね。いずれにせよ実物拝んでから判断したいところだ。アソコの製品は実物拝んでナンボだからなあ。ついでに、日本版は日本語手書き文字認識が欲しいと思う。
 
 本日は、すご~くまとまりの悪いネタを投げっぱなしにします。色々考えてみたんだけど、「いくら考えてもまとまらない」と判断したので。題して、「コンテンツが同人化したらどーなる?」。メインはこの色でサブにこの色を使います。
 
 コンテンツの同人化とは?要は、音楽だの雑誌・単行本などがどんどん「同人誌と似たような理屈で販売される」ようになるのでは…というヨミのこと。ここまで言い切っている奴はあまり見ないけど、似たような主張ならば何度か見た。音楽レーベルや出版社が「信用できない」「いずれ潰れる」って話を展開してゆくと、こんな感じの主張に落ち着くようだ。
 
 創作にとってカネは最重要課題ではないとは思う。けど、重要なのは間違いない。人間、メシ食う必要があるので。カネ持っているからって鋭くなるわけではないけど、貧すれば鈍ずる。それを考えれば「創作物のためのビジネスモデル」ってのは重要だ。にもかかわらず、一部業界ではこれが怪しくなっている…って報道があるのは事実。
 
 崩壊しかかっている代表的業界は音楽かな。とにかく悲惨なコトになっているからねえ。事実上すでに崩壊しているって意見もあるくらい。出版業界も、再販制度が足かせになり始めているって話が流れている。返本率がかなり高くなっているらしいんだよね。「アソコはヤバいらしい」って話は根強く流れている。
 
 ビジネスモデルが怪しくなっている以上、本来ならばそれを転換しなくてはならない。けれど、これは「言うは易し行うは難し」の代表例。特に日本は「コツコツ真面目にあるのが正しい」って思想が強いので、コツコツ真面目に間違ったやり方を続ける傾向が強いような…とりあえず、音楽業界も出版業界も「ヤバいのはわかっていても、やり方を変えることが出来てない」気がするのは事実。
 
 こういった業界が真面目にコツコツと今のやり方をやり続けたあげく、「順当に」ブッ潰れた場合どうなるのか?これは難しい問題だ。ただ、「コンテンツを楽しみたい」「コンテンツを創りたい」って欲求自体が消え去るワケではない以上、新形態の業界が出来上がると予想はできる。ソコまではわかっても、この「新形態」って具体的にどんなモノになるのか?はサッパリわからん。少なくとも私には。
 
 その新形態の候補の1つが、同人モデルである。同人誌よろしく個人もしくは仲間内で作品を創り、ネットなどを利用して直接消費者に届けるってものだ。このビジネスモデルは昔々から存在してきたし、これとは別の「うまいビジネスモデル」が構築されたとしても、残り続ける可能性が高い。ネットとの親和性も高いので、この「昔ながらのビジネスモデル」の改良版がメインストリームになる可能性はありそうだ。
 
 しかし…長年コミケに出入りし、一応はこのビジネスモデルと長くつき合ってきた経験から言わせてもらうと、「本当にそうなっちゃっていいのか?」って不安を感じますね。あくまで漠然とした不安なんだけど。何故そう感じるのか、「本当にそうなっちゃったら、具体的にどんなことになりそうなのか」を語って説明してみよう。
 
 現状の同人モデルは「スケールメリットがまるで活かせない」「扱ってくれる店舗がものすご~く限られる」ってな問題があるので、価格はあまり安くできない。しかし、これらはAmazonだのAppleだのといった「ネット時代の勝ち組」がうまくテコ入れすれば、ある程度までは解決できる気がする。宣伝関連もネット企業+素人のレビューって形である程度解決できそうな。その結果として、「中抜き」が少ない分、従来型の企業が手がけた作品より安くできるような気はする。
 
 しかしだ。こうした「中抜き」ってのは、全部が全部搾取ってワケでもない。特に大きいと思われるのが、宣伝経費だ。先ほど宣伝については「ある程度解決できる」と書いたけど、これはあくまで「オレはこういう品が欲しい。だから探す」という意欲を持った奴が常識的な範囲で努力をすれば必ず見けてくれる…ってレベル(現状の同人誌だと、このレベルからしてかなり怪しい)であって、そこまでする気のないライトな層を取り込むのは難しいと思う。
 
 ライトな層に取り入るのが難しいと、どんどんマニア化する。その結果、ライトな層は「ついて行けない」状態に陥る…ってパターンが多い。必ずそうなるってワケでもないんだろうけど、まあ「覚悟はしておけ」って話だ。好みの細分化が指摘されている昨今、こうなったとしてもネット企業側はそう困らないんじゃなかろーか。人間、何かしら「こだわりを持つ分野」はあるのだからして。
 
 これはつまり「マニア限定」ってなモノがうじゃうじゃ~っと存在する…って話になる。音楽の場合だと、どのアーチストについても「ファンクラブに入会するほど好きになるか、全く聴かないか」の二択を強いられるというわけだ。「ちょっと試しに聴いてみる」なんてのは許されるとしても、「ライトに楽しむ」なんて行動は、下手すると全く支持されない。
 
 ライトにとはいえ楽しんでいる(カネ払っている)んだから、歓迎されるんじゃ…という意見は正しい。正しいんだけど、だからってマニアが抱くライトへの憎悪(大抵は理不尽である)を無くせるとは思えない。私もどちらかと言えばマニアックな人間だけに、マニアの言い分もわかるけどね。ライトな層って、マニアから見ると「オイシイ所だけ持って行こうとしている」ように見えるのよ。ライトな層が「数の論理」で押し切れる時代(現状はこの段階である)ならともかく、「マニアこそが主流」って時代だと、この理屈は通用しない怖れがある。
 
 考えても見て欲しい。どんな創作者であっても、常に「貴方の好みにジャストフィット」する作品を出し続けるワケじゃない。少しばかりハズしたなあ…ってコトは良くある話だ。ライトな層ってのは、そう思ったら「じゃあ買わない」って選択肢を取る。しかし、マニアはそんなことできるとは限らない…どころか、「大ハズシされたけど、買う」って行動を取りかねない。理由は簡単。そこでマニアが見捨ててしまうと、創作活動が停止しかねないからだ。「オレが買わないと、この同人誌は次が出ないかも」って恐怖を抱いている奴は結構いたりするんだよ。
 
 実際問題、少数のコアなマニアが中心になって支えている「業界」ってのは、ある程度は「ハズされても許す」って度量がないとあっさり潰れて無くなる。自転車操業がつまづいたら、それまでだからなあ。更に、1回でも売り上げが思わしくないと、「本業が忙しくなった」「家族が増えた」「体調が悪くなった」「リストが入手できなくなった」なんて苦境に遭遇した際、あっさり引退されちゃう可能性が高まる。そーゆー苦難を一緒になって乗り越え、強固なコミュニティーを築いているトコロに乗り込んで、「オイシイ所取り」してどうこう…って人間が、歓迎されるとでも?「理屈として歓迎しなくちゃイケナイってわかっていても、感情がそれを許さない」と言われたら、ある意味どーしよーもない。
 
 かといって、ライト層の言い分もわかる。「たかが趣味なのに、何でソコまでやらなきゃイケナイんだ」と言われたら、返す言葉がない。でも、「同人モデルが基本」って世の中になったら、この理屈は多分通用しなくなる。「趣味なんだからソコまでやれ」がむしろ当然になるから。そんでもって、「ソコまでやる気がないモノについては、見向きもしない」のが当然…となるんじゃないかなあ。
 
 このような「マニアックが当たり前の世界」が居心地良いのかどうかは、私には何とも。私はこういう世界に慣れ親しんでいるおかげで、抵抗感はない。けれど、それと「それでいいと思っているのか」は別問題だ。マニアックな世界故の問題点ってモノを何度も見てきているからなあ。今現在崩壊しつつある「音楽レーベルや出版社などが強力なコントロール権を持つ、ライトな層を引きつけてナンボの世界」が魅力的とは言わないけど、それに変わって到来するのがこういう時代だとしたら、それはそれでアタマが痛いような気はするね。
 
 同人モデルが基本になったからと言って、私が今書いたような状況になると決まったワケではない。「ライトな層」ってのは数が多いだけに、「そーゆー連中にいかに売り込むか」って課題に挑戦する価値はある。ただ、ライトな層ってのは忠誠心が低く移り気で、そのくせコスト意識だけは高い。私だって「こだわりの薄いジャンル」(食とか)に関してはそーゆー行動を取っている。広告宣伝費を正当化しにくいこのビジネスモデルにおいて、そんな連中をどう惹き付けるのかは、難しい問題だって気がするな。
 
 とりあえず、音楽業界がヤバい、出版もきな臭い、新聞はもう駄目だ、TVも苦しい…という最近の状況で、「大金抜き取って広告宣伝費に回し、ライトな層にアピールする」ことによって成立しているビジネスモデルが岐路を迎えているのは間違いない。ネット広告って、実は結構「コアな層への確実なアピール」の方が得意なんだよな…ソッチの方が効率良いのは確かだし。こういう時代が本当に来るのか、来ないんだとしたらどーゆー時代が来るのか、本当にこんな時代になっちゃったらどーするのか、皆様も少し考えてみては如何ですかね?つーか、考えて聞かせて下さい。私だけじゃ、「この程度」までしか考えがまとまらなかったんですよ…ブツブツ…

1月30日2010/01/31 00:12

 まずは業務連絡?から。あっぱーの方、私もしくは「私じゃない、男性の大貴族」に連絡を下さい。これが何のことかわからない方には、用のない話です。もう連絡が届いている方もいらっしゃると思うけど。
 
 本日のお題は、お堅い時事ネタでいこう。ここにしては珍しいって?安心して下さい。ヒネリは効きまくっています題して、「来年のJALカレンダーはどーなる」だ。ね?JALネタとは「お堅い時事ネタ」でしょ?…って、石投げないように(苦笑)。
 
 きっかけは、某新聞の投書欄。JALの株主(もう過去形なのかな?)からのもので、JALがあんなことになっちまったのを嘆きつつ、これからも応援していきたいと思う…って趣旨で話をまとめている。こーゆー趣旨の投書は、他の新聞でも掲載されたんでないかな。
 
 そこで私が気になったのは、「JALのカレンダーも今年限り…」って趣旨の部分。今までは株主ってコトで送られてきたんだけど、来年のカレンダー配布シーズン(今年年末)にはおそらく株主じゃなくなっているので、送られてこないんだろうなぁ、寂しいなって話だ。…いやまあ、言いたいコトはわかる。わかるけど、カレンダーマニアとしては「それで片付けて良いのか」大いに気になった。そこでまあ、JALカレンダーがどーなるのか、少し考えてみたい。
 
 世間一般の人間は、カレンダーなんてものは「黙っていても入手できる」モノだと考えている。せいぜいが「会社に送られてくるモノの争奪戦に勝つ」ことを考えるぐらい。世の中なんてそんなものだ。しかし、カレンダーってのはそーやって入手できるモノが全てではない。カネ出して買うのがデフォって奴もいる。私のように「コミケという生き地獄に踏み込み、そこでカネ出して買ってくる」なんて突き抜けた馬鹿は少数派だろうけど。
 
 突き抜けた馬鹿の目から見た場合、JALカレンダーがどーなるのかは興味深い。そりゃあ、「株主だから」って理由で黙って送られるコトは無くなりそうなものだ。でも、「何をやっても入手できない」のか、それとも「頑張れば入手できるのか」は気になる。ここには大きな違いがあると思うんだな。
 
 JALは来年のカレンダーを作るか?現時点ではわからん。多分誰にも。リストラに伴う経費削減は幅広く行われるだろうけど、それがカレンダーに及ぶかどうかなんて些事が、現時点で決定しているとは思えない。出すにせよ止めるにせよ、決めるまでのタイムリミットはまだ先の話だし。
 
 タイヘンなんだから、カレンダーなんて作らない…とは言い難い。一応JALは「一般消費者と直接向き合う企業」だから、広告・宣伝って形の営業活動が重要になる。取引先なら、JALの営業がカレンダー担いでこなかったとしても「大変だから」でわかってくれるとしても、これは一般消費者という移り気な存在に通用する理屈じゃない。
 
 カレンダーなんて、一般消費者にアピールするのか?それは良く知らない。私は広告宣伝の専門家でも何でもないのだから。ただ、これだけは言える。今現在、JALのカレンダーを「一般消費者の目に付く位置に飾っている」トコロは、それなりにありそうなものだ。旅行代理店にカレンダーは必需品だからして。コレを全部とっぱらうと、ソレはソレでマズいことになりかねない。「目の前に行く、確実に客になりうる存在」にアピールする機会が奪われるのだから。ゼニゲバ広告代理店が「そーゆー小物じゃあ、コッチの取り分少ないんだよね」と考えて何を言ってこようと、TVCMを削ってまで出す価値があるかも知れないくらいだ。
 
 もし、新生JAL経営陣が「自社カレンダーって、やっぱり必要だ」と考えれば、しめたもの。一般消費者がソレを入手する機会はゼロじゃないと思われる。つまらんデザインだと使ってもらえなくなり、作る意味がなくなるから、それなりに凝ったモノを作るしかない。画像部分(おそらくは飛行機もしくはFAの写真)撮影にそこそこのカネをかける以上、多く刷って単価を安くすることが視野に入る。ということは、空港の売店などで有料販売されるかもしれないのだ。
 
 カレンダー入手のため、イチイチ空港へ行くのは面倒だって?じゃあ通販を利用すればいい。飛行機の中に「お土産通販カタログ」置いてあるなんてのは、良くある話。この先の話はともかく、現時点でJALの飛行機内にカタログが置いてあるのは間違いない。コレが生き残るのかどうかはよくわからないけど、今後も継続する可能性はある。今時のコトだから「ネットに対応してない」とは考えにくい。電話で注文できるかも知れないくらいだ。JALがカレンダーを出して有料販売するのなら、ココで取り扱う可能性は高い。後はググるなり、JALへ電話してみる(たらい回しは覚悟の上で)なりすれば、注文方法が見つかると思うな。
 
 もちろん、JALが自社カレンダーを廃止する可能性は低くないし、作ったとしても「関係者以外入手不能」って可能性は多少ある。作ったからには、努力次第で一般人も入手できるようにすると思うけどね。それやこれやを含めて考えても、現時点で「努力すれば来年のJALカレンダーが入手できる可能性」は、五分五分ってトコロでないかと。賭けろと言われたら、私は入手できる方に張るかなあ。新しいJAL経営陣って、コスト削減より顧客獲得に力入れそうな気がするので。
 
 何?「そこまでして入手するモノなのか」って?それは個人の主観だな。とりあえず、私の在住地からだと「コミケへ行って、コミケ限定発売のヲタクカレンダーを買う」ことと、「羽田空港売店でのみ売っているカレンダーを買う」にかかる経費・手間は似たり寄ったり…いや、コミケの方が販売期間が限られるし売り切れの怖れが高い分「タイヘン」だな。カタログ買う必要もあるし。飛行機眺めながら茶を飲むついでと考えれば、「そのためだけに空港まで行くのはアホらしい」とは思わない。私はJALカレンダーにソコまで思い入れはないから、実行しないけど。
 
 たかがカレンダー、と言うのは簡単だ。けど、考えてみて欲しい。カレンダーってのは、それなりに宣伝効果がある。JALがあんなことになっちゃったコトに対し「残念だ」と思い、会社が再生される日を信じて応援していきたいって気持ちが強くあるのだとしたら、「知恵を絞って手間を掛け、おまけにちょっとばかりのカネ出してJALカレンダーを入手して飾ってJALの宣伝を手伝う」コトをサボってどーする。個別に見たらささやかではあっても、皆がそうすれば強烈なパワーになる。あの会社はそう言うモノを無視して、政治家やら官僚やらといったお偉いさんの言うことばっかり聞いてきた結果、今の惨状を迎えたんじゃないのかね。
 
 今のJALは、来年のカレンダーを出せる余力があるかどうかもわからない。出すとしても、それなりの経営努力が必要だろう。「カレンダー作る金があるのなら、オレの雇用を保障しろ!」って言ってくる奴がいそうだしなあ。それを承知の上で言いたい。JALはカレンダーを出すよう努力して欲しいし、「JALカレンダーが欲しい」と思う人間は、それを入手する努力をしてみようって気になって欲しい。その程度のことが上手く回らない会社では、再生なんて難しいんじゃないのか。カレンダーマニアとしては、他人事ながら気になるわけですよ。ハッキリ言ってどーでもいい話ではあるけれどね(苦笑)。