9月30日 ― 2009/10/01 01:42
本日は、昨日のネタの続き。ふと気になったコトが出来たので。なお、いくら考えても私じゃ結論は出せそうにないので、基本的には「不思議だね」で終わりにします。
昨日タイのギャルゲーを論じた際、「日本だと高校生が主人公なのに、何故タイは大学生が主役?」という疑問を採り上げた。しかし!よ~く考えてみると、「何故日本では高校生が主人公」なんでしょ?今まで「そーゆーものだ」で片付けていたけど、これはこれで疑問ではないかと。
あくまで「基本的には」だけど、こういうゲームの主人公(マンガやラノベの主人公などもそうだけど)は「読者が感情移入できそうな対象」が選ばれる。自分とあまりにかけ離れた存在が何やらかそうとも、「へー」で片付けられちゃう可能性があるからね。そんでもって、「感情移入しやすいかどうか」を考えた場合、主要な購買層と似たような年齢に設定すると有利だと思われる。理屈の上ではね。
タイの場合、おそらくは「主要購買層が大学生ぐらい」なのではと思われる。向こうの経済力考えればPCなんて贅沢品だから、「大学に行くだけの経済的余裕がある人間」が、「大学生になった時に入手できる」ものではないかと。あのゲームの主人公が何故大学生なのかは特定できていないけど、「大学生にした方が皆が感情移入しやすい」と考えても別に不思議ではない。
この理屈を当てはめると、日本は高校生が…ってことはないと思う。少なくともエロが入っている場合、絶対主流ではない。18禁なんだから。いいトシしたオッサンのことは無視するとしても、まあやっぱり大学生~社会人なりたてぐらいが「主要購買層」ではないかと。あくまで推定だけど。にもかかわらず、ギャルゲーの舞台は高校ってコトが多い。エロ入りですら高校の割合は多い。つまり、日本のゲームは「主要購買層と年齢層を合わせる」って理屈から決定されたモノではなさそうだ。なお、「統計的データを出せ」と言わないように。あくまで「私の印象」だ。
日本のギャルゲーは、あえて「主要購買層と離れた年齢の主人公」を設定している。ということは、より感情移入しやすいように年齢を変更すれば売れるモノが…って話には絶対ならない。数は少ないけど、そーゆーモノはある。そんでもって、「ものすごく売れている」ワケでもない。私はこの世界にそんなに詳しくはないけど、「売れた・流行っている」と評判のゲームはある程度把握しているからね。
ということはだ。日本のギャルゲーを購入している奴は、こーゆーゲームをプレイする時には「自分と近い年齢層」より「より若い高校生」の方が感情移入しやすい…と思われる。これは珍しいとまで言わないけど、ちょっと注目に値するかもね。
何故そうなのか?これはわかるような気がするんだけど、だからって言葉にするのは難しいような気がするなあ。とりあえずで言えば、「中学生だとまだガキ、大学生だともうオトナ」なので、あーゆーゲームで扱う「異性との付き合い」とはそぐわないから…じゃないかとは思う。実態は別として、日本において大学生って「あーゆーゲームで扱うには、色んな意味でスレてる」のではと。あくまで推測ではあるんだけどね。少なくとも、「そーゆーゲームを趣味としている奴」は、オッサン含めてそう考えているのでは。別に私だけが「女子高生に怪しげな幻想抱いている」とは思えないので(苦笑)。
しかしだ。この理屈が成立するなら、タイではどーなんだ?って話になる。日本では、大学生にもなってギャルゲーで扱っているような「ウブなおつきあい」してようものなら笑いものになりかねないけど、タイじゃ違うのかね?ああいう男女関係は生物学的年齢だけじゃなく、社会的文化的な影響も大きいだろうから、そうであっても不思議でも何でもないけど。
それにだ。タイのギャルゲーは「タイ独自の文化」として生じたワケではなく、ドコをどう考えても「日本の文化的影響」を山ほど受けた結果として制作されたのだと思われる。日本製のゲーム・日本のマンガその他の大半が「ああいう青臭い恋愛は高校生が似合う」って文脈である以上、素直にソレを模倣しても不思議ではない。それとも、連中は日本のマンガを「何で高校生ばかりが主人公なのか?」と疑問に思っていたのだろうか?これはなかなか面白い。
「当たり前のこと」を疑うのは難しい。だから、そのキッカケとして「それが当たり前じゃないモノ」と比較してみるのは有意義だ。ギャルゲーでさえ例外ではない。私もついさっきまで「ギャルゲーは高校生が主人公」が当たり前だと思い、「何故そうなのか」なんて考えもしなかった。こういう「面白い疑問」が見つかるから、「異文化との比較」は面白い。競馬でさんざんソレを学習させられた(もちろん共通点も多い)私だけど、ギャルゲーに当てはめる日が来るとは思わなかったなあ。
なおこの話、単体としては「だからどーした」で終わりだけど、ゲーム業界にとっては「地味に大切な指摘」かもね。ゲームやマンガも立派な「輸出の対象」だからして。昨今では、何をどう輸出先にローカライズするとウケるのか…は無視できないでしょ。時々「日本のゲームの主人公は、何故ガキばかり?」って指摘する外国人がいるけど、これって地味に重要な指摘なのかも知れない。
そーゆー意味では、やはりこの「タイのギャルゲー」をプレイしてみて良かったと思う。色んな意味で意義深かった。やはりここは「何故主人公が大学生なのか」をより詳しく知るため、日本語の製品版が出たら購入する価値があるな。決して「三つ編みのガキは攻略対象なのか知りたい」とか、「体験版ではまるで出てこなかった、ピンク髪の娘の位置づけが気になる」とか、果ては「ツンデレメガネと妹(血が繋がっているかどーか、小一時間ほど議論する価値あり)のどちらを取るべきか、体験版だけじゃ決められなかった」とかいった理由では…
コメント
_ 田村 ― 2009/10/01 20:37
_ F男 ― 2009/10/01 23:54
業務連絡有り難うございます。11月ですか…うーん、実はツラいかも。一応検討してみますけど。
_ 風間祐一 ― 2009/10/01 23:58
単に、ヒロインが17、8歳だから、主人公が高校生じゃないのかな?
個性不明の主人公への感情移入よりヒロインへの萌えの方がこの手のゲームでは重要なのでは?
個性不明の主人公への感情移入よりヒロインへの萌えの方がこの手のゲームでは重要なのでは?
_ F男 ― 2009/10/02 19:39
あくまで私の意見ですが、生物学的には大きな差がないと思うので、「女子高生」と「女子大生」に対する萌えがどうこう…というのは、やはり社会・文化の影響だと思うんですよ。そこで、「何故女子高生だと萌えて、女子大生だと萌えないのか」みたいな問いが出てくるわけです。
また、主人公は一見どーでもいいように見えて、多彩な属性を持つヒロイン達を「結びつける」存在ですから、その立ち位置に注目すると面白いと思います。
紹介したタイのギャルゲーは、正直「日本の高校をタイの大学に置き換えただけ」に近く、「大学らしさ」はあまり出てこないのですが、それだけに「何で大学生なんだ」「逆に、何で日本だと高校なんだ」って疑問が生じたわけです。
私は正直違和感なくプレイできたんですけど、もし日本製の「主人公大学生、攻略対象も大学生基本」というゲームがあったとした場合、どう感じるか…を考えたら、「違和感の無さはむしろ違和感あり」だと思います。
まあ、こーゆー部分を気にするあたり、私の業が深いのは間違いないでしょう(苦笑)。
また、主人公は一見どーでもいいように見えて、多彩な属性を持つヒロイン達を「結びつける」存在ですから、その立ち位置に注目すると面白いと思います。
紹介したタイのギャルゲーは、正直「日本の高校をタイの大学に置き換えただけ」に近く、「大学らしさ」はあまり出てこないのですが、それだけに「何で大学生なんだ」「逆に、何で日本だと高校なんだ」って疑問が生じたわけです。
私は正直違和感なくプレイできたんですけど、もし日本製の「主人公大学生、攻略対象も大学生基本」というゲームがあったとした場合、どう感じるか…を考えたら、「違和感の無さはむしろ違和感あり」だと思います。
まあ、こーゆー部分を気にするあたり、私の業が深いのは間違いないでしょう(苦笑)。
_ takoba39714 ― 2009/10/02 21:29
そういえば、日本のアニメのキャラってすごく設定年齢が低いです。
アムロの15歳はともかく、キシリアさんはあれで24歳らしいです。古代進はたしか18歳でした。なんだかそうしないと視聴率とれないみたいな暗黙のルールがあるらしい。
それも日本の文化でしょうか。
アムロの15歳はともかく、キシリアさんはあれで24歳らしいです。古代進はたしか18歳でした。なんだかそうしないと視聴率とれないみたいな暗黙のルールがあるらしい。
それも日本の文化でしょうか。
_ F男 ― 2009/10/02 23:36
一般向けアニメのキャラがやたら若いのは、「ギャルゲーの主人公が高校生なワケ」と共通する部分・しない部分が色々混ざった結果だとは思うのですが、やはり「日本のアニメの文化」なんだと思います。
なんでそうなったのかは、私ごときに手に負える問題じゃないとは思うのですけど、「アニメ・漫画は子供のモノ」という意識だの、「そんなものを見るのは止めなさい」と止める立場の親が、自分と似たような年齢の登場人物を見てどう思うかだの、果ては「全共闘がグダグダな結果に終わった結果、大学生には青臭さを期待しにくくなった」だの、色んなモノが絡んでいるのではと思っています。
もしこの理由をキチンと究明できたら、それだけで「一流のヲタク文化研究家」になれると思います。誰かチャレンジしてくれませんかね?(苦笑)
なんでそうなったのかは、私ごときに手に負える問題じゃないとは思うのですけど、「アニメ・漫画は子供のモノ」という意識だの、「そんなものを見るのは止めなさい」と止める立場の親が、自分と似たような年齢の登場人物を見てどう思うかだの、果ては「全共闘がグダグダな結果に終わった結果、大学生には青臭さを期待しにくくなった」だの、色んなモノが絡んでいるのではと思っています。
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_ Foot Complaints ― 2017/07/31 13:20
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コミックワールド・ソウルの11月の開催日程が発表されました。14・15日です。
毎年、12月の開催日程は冬コミとかぶっているので、カレンダー目当てで行くとすれば11月か年明け1月になります。可及的速やかな決断を。