7月27日2009/07/27 22:02

 なんか疲れが取れない…理由はわからないけど、ものすごく消耗しました。流石に不自然だと思う(夏バテか?)けど、一番の理由は「それだけ消耗したから」だろうな。つーわけで、消耗の原因となった「新・戦国大名」プレイの様子などを。
 
 何だかんだ言って初プレイになったこのゲーム。メンバーは私に加え、DASREICH殿、庭猟師殿、ますやま殿の4人。諸般の事情により5人プレイにはならなかった。
 
 プレイの感想は一言で言って「疲れた」に尽きる。面白いけど、滅茶苦茶消耗するゲームである。なにせ「運の要素が小さい」ので、基本的に先読みできちゃう。おまけにラッキーで伸びることもアンラッキーでヘコむ奴もいないので、他のプレイヤーとの差が広げにくい。結果として「常に他のプレイヤーに微差で競っている」って感じになる。これは精神的にキツい。
 
 初プレイなので「セリ」の感覚が掴めないのも、疲労に輪をかけた。このゲームは各プレイヤー同数が与えられる「天運」を使用し、「どの順番でプレイするのか」をセリにかけるんだけど、感覚がわからないので「どれだけ突っ込んでいいのか」がわからん。私はあえて「天運徹底温存策」に出たんだけど、それでも疲れました。
 
 私が本国にしたのは、加賀・越前・若狭。近江(南)・伊勢に庭猟師殿、美濃・信濃(南)・飛騨にますやま殿、武蔵・上野にDASREICH殿が陣取った。4人プレイでの初期配置としては、「こんな感じ」じゃないかと。もちろん、細かい違いはいくらでも考えられるけど。
 
 みんな初プレイだったので、「中立勢力の成敗」は結構手間取った。まあそんなものでしょ。その中立勢力成敗が一段落し、「さてこれから激突か」となった第3ターンに、カード「一向一揆」が登場する…こいつが大暴れした(そうなるようルールが設定されている)関係上、このターンはみんな揃って「一向一揆を退治し、ついでに他人に一向一揆を押しつける」ってなプレイに終始。
 
 さて、最後の特別ラウンド。ここまで天運を温存しまくっていた私は、これをどう使ってやろうかと思っていたんだけど、ここで「楽市楽座」なる、結構強力なカードがオープンされる。色々悩んだ末、「ココまで来たら天運はなるべく使わない、勝利得点として勘定する」コトに決め、ある意味最悪の「1番手」プレイヤーに。これを利用して「楽市楽座」を入手し、とりあえず逃げ切りを狙ってみた。
 
 この特別ラウンド、普通のターンと異なり「原則として、誰かが連続して行動することがない」関係上、いつも以上にド派手に動きにくい。相手の隙を探る重苦しい展開の中、私は「一応トップ」って得点を確保した段階で第3アクション(事実上最後の行動)を終える。領土はさほど広くないし山城(重要な土地)も占領してないけど、内政が充実している上に天運をほとんど消費してないので、この位置を確保できたのだ。後は最終合戦フェイズに、越中にある一向一揆を踏みつぶすだけ。
 
 2番手のプレイヤーはDASREICH殿。カード「時は今」を持っているので、この時点で「2手番+合戦のみ1手番」を残している。しかし、私が最後の行動で「連続して2エリアを完全奪取」する可能性を消していたので、この時点でDASREICH殿の勝利は消えていた。越中にある私の運勢を蹴散らすのは可能だとしても、同時に一向一揆は消せない。これを残せば越中は部分支配に留まる。手番を使って一向一揆も踏みつぶせば、加賀を完全支配する夢は消える。甲信・東海のますやま領は国力が小さいので、ここを可能な限り切り取っても1位にはなれない。「1位でなければ意味がない」と、DASREICH殿は動かなかった。
 
 3番手はますやま殿。私の読みによると、彼は「冒険覚悟で庭猟師殿の土地を奪いに行き、勝った」場合のみ勝ちがあり、それに失敗すれば、私が勝利できるんじゃ…となっていた。流石に「他人の行動」なので、自信はなかったけど。ますやま殿もそれはわかっていたようで、色々考えている。ただ、最終的に「それでは勝ち目がない」ことが発覚し、仕方なしに「自分の手番が終了した時点でのトップ」を確保すべく、私の支配する近江(北)に突っ込んできた。
 
 最後の手番は庭猟師殿。単にますやま殿の支配する尾張に進入しさえすれば、それだけで(合戦するまでもなく)勝利が確定する。それはますやま殿もわかっちゃいたんだけど、これを防ごうとすると私の勝利が確定する。要は「ドッチを勝たせるか」って話だったのは事実だけど、それならば「儚いながらもトップって地位が占められる」方を選択するよね。「どちらにしても負け」なら、私もそうすると思う。つーか、ますやま殿が伊勢取ってうんぬん…って行動の正否については私も一緒に考えた(そうすれば、「合戦に勝てばますやま殿の、負ければ私の勝利」となりそうだった)けど同じ結論に達したので、文句はない。
 
 こう書くと庭猟師殿の勝利は「タナボタ」っぽく感じるだろうけど、最後の特別ラウンドは「派手なことがやりにくい」ので、最後の最後だけ書くとそうなってしまうだけ。ますやま殿に伊勢侵入を諦めさせるに至った「下準備」(実はかなり前から準備していた)が勝負を分けたのだ。というか、このゲームは「とにかく地道な動き」の積み重ねで勢力を拡大してゆくゲームなので、「勝敗を分けた華麗な動き」なんてものは、ほとんどの場合見いだせないと思われる。それゆえ、こういう「ミニリプレイ」を書くのはタイヘンじゃないかなあ(苦笑)。
 
 私もせめて「庭猟師殿が最終手番で大いに悩む」ってなトコロに話を持ってゆきたかったんだけど、その前のますやま殿が悩むところまでが限界だった。もっとも、DASREICH殿が「せめて1つでも順位を上げる」ってポリシーで行動(そうするプレイヤーの数だけ考えればむしろ一般的か?ちなみに私はDASREICH殿同様、「1位以外はみんな負け」と考えるけど)していれば、トップはあり得なかったわけだけど。やはり特別ラウンドで第1手番ってのは難しい。でも、手番を後にすべくセリに天運つぎ込んでいたら「そもそも勝利得点が足らない」って状態に陥った可能性が高いので、真の敗因は別のトコロにあるんだと思われる。
 
 ちなみに、プレイ時間は結構かかった。慣れてないからだと思われるけど、正直「3時間で終わる」かどうかはビミョー。「先読み」する必要があるので、みんな考えるから。2回目のプレイはかなりサクサク進んだ感じがしたけど、それでも「1時間半で2ターンまで終了」って感じ。あの後はみんなかな~り考え込んだと思われる。
 
 このゲーム、面白いかと聞かれれば面白いと思う。でも、「軽いノリでプレイできるのか」と聞かれたら、「違う」と言わざるを得ない。ナリは小さくてもタフで気力が必要なゲームじゃないかなあ。バランス重視でドカンとド派手にゲームが動かない関係上、「地道な努力の積み重ね」が要求されるから。その点、昔の「戦国大名」の方が気楽と言えば気楽にプレイできた気がする。あれは「誰かに降りかかった不幸を利用して、どーんと拡大する」ことができたからねえ。まあ、「決着が付くのに時間がかかる」ゲームなので、トータルの消耗度は「戦国大名」の方が上かも知れないけれど。
 
 あえて批判を述べさせてもらうとするならば、「カタルシスに欠ける」ところが気になるかな。最初から最後まで「地道な努力の積み重ね」なので、「ドーンと拡大して爽快感に浸る」なんて瞬間があんまりない。おまけに武将のキャラが弱い(これはみんな言っていた)ので、「有能家臣団」抱えて喜ぶ…って楽しみも薄い。「重苦しいマルチゲーム」の代表格「ディプロマシー」でさえ、「誰かを滅ぼす」という暗いカタルシスがあったのに対し、このゲームは「いちいちトドメを刺しに行って余計な隙作るよりは、隙を消すようなプレイが勝る」上にターン数制限がきついので、まあ「滅びる・滅ぼす」なんてレベルの話は滅多に起きそうもない。そんなこんなのおかげで、「勝って嬉しい」ゲームと言うよりは、「勝ってほっとする」タイプのゲームになっている気がする。
 
 というわけで、「新・戦国大名」は、タフなゲームにトコトン付き合う気力がある奴が、じっくり腰を据えて取り組む分にはオススメできます。「戦国大名」と違ってターン数は少ないので、「気力はともかく、体力が…」なんてプレイヤーでも大丈夫です。間違っても「初心者勧誘」なんかに使っちゃ駄目でしょう。強いて言うなら、「タフなドイツゲーム」をプレイできる技量・気力がある奴なら誘ってもいいかな。「ウォーゲーム日本史」編集部が何と言おうと、私は「そーゆーゲームだ」と思います。
 
 しかし…そーゆーゲームのハズなのにこれだけ疲れが残るってコトは、私も体力衰えたってことなのかね。ターン数少ない「新・戦国大名」でコレってことは、「戦国大名」はプレイできない体になっちゃったのかもね。まいったな。