7月2日 ― 2009/07/03 00:56
7月である。カレンダーめくりは流石に忙しかった。まあ、それが醍醐味なんだから仕方ないけど。
ネタに入る前に、緊急連絡を1つ。「ウォーゲーム日本史」エラッタ(公式のモノが発表中)に、訂正が入った模様。私が言及した「同盟国の支配地域から移動する際には、兵1を残さなくて良い」が再度訂正され、兵1を残す義務が生じるようです。なんかヘンと思うかも知れないけど、ルールに従えばこーゆー義務があり、ルール訂正は行われないようです。
本日のネタは、いくつかのエロゲーメーカーが外国からのアクセスを遮断している件について。どーでもいい話と言えばどーでもいい話なんだけど…
ネタがネタなので、18歳未満のアクセスも考慮し、あえてドコとは書かない。某エロゲーメーカーが自社Webサイトに対し、外国からのアクセスを遮断した。理由は、「そーゆー圧力があったから」となるのかね。
いわゆるエロ規制については、このところまた五月蠅く言われている。ヲタク歴の長い私にしてみれば「またか」ってなもんだけど。その「口実」は毎回手を変え品を変え…って感じではあるんだけど、今回はどうやら「外圧」が大きな理由らしい。
エロに外圧とは…事情知らない人間は「?」かもしれないけれど、自国のこと棚に上げて色々言って来る国があるんだよ。余計なお世話だと言いたいところではあるんだけど、まあ何と言うか…外圧には弱い国だからなあ。そこで、「外国から圧力受けにくくするため」海外アクセスを遮断したわけだ。これで何かが解決するとはカケラも思わないけど。
これ自体は「ふ~ん」で済む問題だ。けど、どうも海外でアクセス遮断された外国人が「オレ達を排斥するのか!」と怒っているらしい。その騒ぎが伝えられて、日本でも話題になった。「外国人を怒らせないため」やったことで怒られるとは…ただまあ、外国人にも色々いるわけで。
このアクセス制限、理屈の上では私も被害者予備軍である。海外旅行の際にそーゆーサイトにアクセスできなくなったので。私が強いこだわりを持つ「キングジョージ」は夏のコミケ前に英国で開催されるレースなので、シャレじゃ済まない。旅行中に「何を売るのか」発表された場合、向こうでサイトにかじりついても「アクセス禁止」じゃあねえ。
ただまあ、エロゲーメーカーにしてみれば、「他にどーしろと」って話だろうな。そもそも、日本国内で売ることしか想定してないのは確実、当然のように日本語サイトしかない。よほどヒマで馬鹿か、あるいはある種の悪意(一般には善意扱いされるだろうけど)がある連中しかアクセスしそうもないサイトだからなあ。むしろ今まで放置していたことの方が意外かも。
この問題については、「単なるコストカットじゃね?」って意見も出ているんだけど、違うと思う。「やってみたらコストカットになりました」って可能性はあるけど、ソコまで深く考えてサイトの設定やってないと思う。そもそも、特別な時(新製品発表直前とか、コミケ前とか)でもない限り、アクセス数なんてたかが知れてる存在に過ぎないんだから。いわゆる「IT系企業」のサイトと一緒には出来ない。宣伝とアフターサービスにちょっと便利だから…って理由で開設され、深く考えず運用されているだけでしょ。
そもそも、エロゲーメーカーってのは「弱小だらけ」である。大手もあることはあるけれど、大半は吹けば飛ぶような企業規模。ハッキリ言って、家内制手工業の世界である。ボードウォーゲーム業界よりは景気良さそうだけど…って話だ。そんな存在が「海外からケチ付けられそうだ」となった時、他にどんな対応が出来ると?
エロゲーメーカーって、実は案外「親切」である。「エロゲー愛好家」はそれなりにいそうだけど、メーカー数も結構あるので、自然と「1社辺りの客数」はあまり多くない。そんな業界で「客をぞんざいに扱った」なんて評判が流れるのは、思いっきり損だからね。限界は低いけど、一応ファンサービスなるモノにはソコソコ気を遣っているトコロが多い。まあ、先日復活した某ソフトは「サービスしすぎだ、オカシーだろ!」ってレベルだったけど。
そーゆー連中の意識からして、「海外からのアクセス禁止」ってのは、特別理由がなければ実行しない行為だと思う。「海外からのアクセスなんて知るか、面倒だからアクセス禁止にしてやれ」とは、考えてないんじゃない?そーゆー方面で「邪悪なこと」考えるような人種じゃないのだ。別方面で「邪悪」なのは大いに認めるけど。
エロって、全体的に見れば「いくら叩いても滅びない存在」ではある。けど、決してメジャーになることはない。更に、「会社単位」「人単位」で見た場合、実はかなり弱い。どっか滅んでも代わりに何かしら現れるから「いくら叩いても消えないように見える」だけで、実際は叩かれるとボコボコ倒れてゆく。そんな存在なのよ。色んな意味でリスクは大きい業界だと思うな。リターンがどれくらいかはともかく。
そんな事情を多少は知っているから、私は「海外からのアクセス禁止も、仕方ないんだろうな」とは思う。ただまあ、実際アクセス禁止された連中が騒ぐのも、何となくわかる。日本のエロゲーって「ものすげー独特」な存在だからなあ。日本以外で作っている「類似品」なんて…えーと、確かタイで「エロ無しのギャルゲー」が確認されたのかな?他も丹念に探せばあるのかも知れないけれど、正直「探す気になれない」レベル。あんなモノにハマってしまった海外の馬鹿が「オレ達に売らないつもりかぁ!」と騒ぐ気持ちもわかる。ついでに言えば、サイトにアクセスしてパッチ(修正プログラム。ウォーゲームで言えばエラッタ)当てないとプレイできないことも多いシロモノだからなあ。私が海外生活してたら、騒ぐと思う。
とはいえ、騒いでもどーしよーもないのは事実。今海外で騒いでいる連中の力なんて、日本に「エロ垂れ流しとはどーゆーコトだ!」と圧力かけてくる連中と比べたら、ゴミ程度でしかないから。でなけりゃ、そもそもこんな圧力が日本に来ない。ヲタクの数が多く、それなりに抵抗力が高いはずの日本でさえ「何を言っても聞いてもらえない」のが現状だってのに、海外の連中に何が期待でき、何が出来ると?日本人が「規制に弱い」ことを差し引いて考えてすら、その程度の連中でしょ。気持ちはむしろ有り難い。できれば連帯して戦いたい。けど、規制派がそれを遮断しようと動いている以上、見捨てる以外に手がない。
規制なんてモノは「強化されればされるほど都合が良い」人間が必ずいて、そーゆー連中が機会と口実見つけ次第ドンドン強化したがっている。そこに上手く歯止めをかけないと、行き着く先は恐怖政治だ。でも、だからって「正面切って戦うべき」とは言い難いんだよな。どーしても「反対した方が得するはずの人間」の足並みが揃わないので。コミケが幕張メッセから「叩き出された」経緯を考えれば、エロゲーがある程度規制に屈するのも当然なんだよね。
この問題に関しては、私は事実を伝えてボヤく程度の支援しか行えない。いやまあ、コミケに行けば何らかの「活動」やっていそうなので、それに協力する(署名程度だけどな)とは思うけど。ただ、これだけは言っておこうと思う。「自分が好きなモノ」のためだけにしか戦えない奴は、結局負け続けるだけだぞと。エロの次の規制に引っかかりたくなかったら、ある程度エロも支援して下さいよ。これでも歴史と伝統があり、理論武装もかなりされていて、「勝ち目が見いだせる」戦いなんだから。
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