4月8日 ― 2009/04/09 02:01
多少迷ったけど、覚え書きも兼ねて書いちゃおう。心底「誰が得するんだ」ってゲームのネタを見つけてしまいました。ハッキリ言って、完成させるのもためらわれるほど「需要があるとは思えない」ものです。とりあえずの仮題は「ペーパーオーナーゲームのゲーム」。この色について行ける人には説明が楽だけど、あえて基本の色はこちらで。
ペーパーオーナーゲームとは?以前説明したことがあるかも知れないけれど、要は「仲間内だけの約束事として、何頭かの競走馬を所有したことにして、その成績を競う」ってゲーム。その大半は「新馬戦の始まる時期から日本ダービーまでの約1年」を期間としている。競馬の世界じゃ結構メジャーな遊びであり、競馬雑誌を読んでいるって人ならまず知っている。
何でこんなモノのゲームを?いやね、本当はこんなネタでゲーム作るつもりはなかった。中黒コマンド誌編集長の「誰得」シリーズに刺激を受け、なんかオレでも作れるゲームってないかなあ…と考えているうちに、ふと「ドラフトさせるゲームって面白いのでは?」などと思いついてしまったのだ。
ドラフトの面白さは、プロ野球ファンならある程度わかってもらえると思う。贔屓の球団がいい選手を指名できるかどうか、ドキドキしたことがきっとあるはずだ。これをうまく取り込めば、その時点で「そこそこ楽しめる」ゲームになるはず。これが出発点だった。
そこでまあ、最初は野球で考えてみたんだけど、これが難しい。ドラフトさせること自体は簡単でも、「その後チャンと活躍したのか」を判定するのが難しくて…単純に「新人王を獲得したら勝ち」ってのは、何か違うでしょ。かといって軽々しく「球界を代表する名選手になりました」ってのも…ここで色々悩んでいるうちに、「ペーパーオーナーゲームなら話が早そうだ」などと思ってしまったのが、運の尽き。何と、あっさり「基本部分」が完成してしまいました。
どんなゲームなのか、思い切って簡単に書いてしまおう。パクられたって気にしない。むしろ、「本当に発売までこぎ着けられるというのなら、パクってくれ」ってなもんだ。基本はカードゲーム。ドラフトの対象になるのは、当然子馬。「基本ルール」では、性別などは考慮しない。基本となる「子馬カード」(大きいカード)に、「種牡馬カード」(以下「種牡馬」)と「繁殖牝馬・牧場カード」(以下「繁殖」)を乗せたものをドラフトにかけてゆく。
各カードの裏にはそれぞれ数値が書いてあり、基本的にはその合計が高ければ「良い馬」だとする。ゲームの肝となるのは、子馬カードの裏の数値は全く予測できないけど、「種牡馬」と「繁殖」はある程度数値が予想できるようにしておく。たとえば「クズは少ないけど、上はあまり期待できない」とか、「大半はクズだけど、当たれば大きい」とか。これにより、各プレイヤーは「能力の優劣がある程度予想できるけど、実際どうなのかは獲得してみるまでわからない」って状態になるわけだ。
基本ゲームについては、単にこれだけ。「上級ゲーム」になると、「各種資料やネットに流れる情報」のルールが加わったり、性別による出走レースの違いやデビュー時期が遅い・早いって概念をふまえ、「いくら稼いだか」を判定したり…といったルールが加わる。流石にそこまで紹介するのは、誌面が足らないので割愛。
このゲーム、本当に面白いのか?うーん…私の経験から言って、「ドラフト会議」ってのはそれだけで楽しい。さらに、他人と競合してまで獲得した馬が全く走らなかったり、あまり期待せずに下位で獲った馬が走ったりしても、それはそれで楽しい。「予想できる部分」と「予想できない部分」のバランスを上手くとることに成功すれば、そこそこ遊べるゲームにはなると思う。おそらくは「運の要素が大きい、運のしゲー」になっちゃうと思うけど、実を言えばPOGってそういう側面も強い(「安定して好成績」は考えられても、「毎回1位」は考えにくい)ものなので、大きな問題ではないと思う。
制作のため必要なデータ収集も、おそらく問題はない。私個人が自由に利用できるデータだけで「POGっぽくするには」どんな数値を付ければよいのか…って参考データは山ほど集まるし、それで足らなければ友人知人に土下座して頼み込めばいい。私は実際POGをやっているので、この辺がネックになることは考えにくい。
難点は2つ。1つは、私のセンス。基礎データは収集可能でも、それをどうゲームって形に落とし込むかは、センスや経験が問われるからねえ。私はゲームデザインの経験がないので、その辺は自信がない。とはいえ、何事にも「初めて」はつきものだから、大きな問題ではないと思うけど。
しかし…1番の問題は、何と言っても「こんなゲーム、誰の得になるのか」でしょ(苦笑)。実際POGをやっている層に売るのか?そんな連中がカードゲームなんてプレイするとはとても思えないんですが。そんでもって、カードゲームを楽しむ層はおそらく「POG?何ソレ?」状態だろう。はっきり言って、どんなに面白いゲームを作ったとしても、評価してもらえるとは思えない。売るとすればコミケだろうけど、「ゲーム(電源不要)」で売ろうが、「スポーツ・ギャンブル」で売ろうが、結局あまり売れないと思われる。
つーわけで、現時点では「結構細かい部分までアイデアを完成させちゃったけど、正直形にする価値があるとは思えない」状態。実際制作するとなれば結構手間がかかるので、発売するアテもないのに着手する気には…せめてテストプレイその他必要な作業の協力者がいればともかく、現状ソコまで頼める人間は思いつかない。競馬関連の友人知人はあくまで「競馬の人」だからして。よって、おそらくは未来永劫、少なくともしば~らくお蔵入りすることになる。
とまあ、結局は「お蔵入り=役に立たない」企画について語るだけになってしまったけど、「何かをドラフトさせる」ゲームって立派に成り立つんじゃないかと思う。案外プレイ時間は長いと思う(ドラフトってタイヘンなんだよ)けど。私は「ドイツゲーム」(ちょっと高度なファミリーゲーム。ドイツで盛んなのでこの名がある)にはそこまで詳しくないので、ひょっとしたすでにそーゆーゲームがあるのかもしれないけれど…いつかいいネタ発見して、そういうゲームに取り組んでみたい気もする。ただ、「ペーパーオーナーゲームのゲーム」は駄目だろうなあ…どう考えても売れそうもない(苦笑)。
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