3月3日 ― 2009/03/03 23:26
奇数月は二ヶ月めくりのカレンダーもめくるので、部屋が文字通り一変する。うむうむ。やっぱりカレンダーはいい…つーわけで、本日の話題は連載企画「カレンダー自作プロジェクト」について。
前回は「とりあえず、ミリタリーカレンダーでいこう」ってトコロで話が終わった。そこで今回は、具体的な絵柄…の前に、基本レイアウトをどーすんのか語ろう。実は、コレが決まらないと、具体的絵柄もへったくれもないので。
カレンダーのレイアウトなんて、ほぼ決まっている…と思うのは間違い。バリエーションはかなり豊富だ。今までもいくつか紹介してきたと思うけど、今回は「自作する」って観点を交えて改めて語ってみたい。
まず重要なのは、「めくる単位」かな。カレンダーってのは、考えようによっては「フルカラー写真/イラスト集」でもある。つまり、枚数が増えればそれだけ写真がイラストを用意する必要がある。日めくりだと365枚も用意する必要があるわけだ。同人レベルで何とかなる仕事じゃないでしょ。
現実的に「同人で作成可能なモノ」となると、月めくり・2月めくり・3月めくり・4月めくり・半年めくり・通年といったデザインが候補となる。それぞれ画像が12枚・6枚・4枚・3枚・2枚・1枚必要なわけだ。これと日付部分のレイアウトを組み合わせ、より具体的な基本デザインを選ぶことになる。
日付部分のレイアウトなんて、悩まなくて…と思うのは、カネ出してカレンダー買った経験のない人。販売しているカレンダーってのは、「イラスト・写真集」って意味合いがより強化される。そのため、日付部分の実用性を落として目立たなくしてあるモノが多くなる。私の部屋にも「日付は横1段にズラっと並べただけで、日曜だけ目立つようにしてある」ってデザインの品は置いてあるのだ。これは私の好みではないけれど、「日付部分のバリエーションを増やす」ため、常に導入している。
他に気にする部分として、「綴じ方」がある。無料配布モノにありがちな、一番上を金具で挟んで綴じ、過ぎた月は切り取って捨てるものにするのか、リング状のもので綴じ、切らなくてもめくれるようにするのか、真ん中を平綴じにするのか…などなど、結構バリエーションはあるんだよ。
あと、比較的答えを出しやすいモノとして、「紙の形とサイズ」がある。A3・B4といった「一般的な形状」のものばかりとは限らないからね。ただ、そういう「特殊な形の紙」は、値段が高い。同人で売ることを考えたら、卓上サイズにでもしない限りコスト面で割高になる。
「自分で作って売る」って縛りがなければ、この際どんなレイアウトの品でも妄想できる。実を言えば、それはそれで自由度高すぎてむしろ面白くないので、あえて「自分で作って売る」って足かせはめているんだから。それを意識してどんなレイアウトにするかと問われれば、答えは比較的簡単に出る。「2月めくりで上を綴じる」ものしかない。他はちょっと無理がある。
何故そうなるのかって?一番大事なのは、「イラスト/写真の枚数」だ。私は自前でコレを用意できない。具体的にどんな形になるのかはともかく、外注することになる。その際、「どういう注文なら応じてくれそうなのか」を考える必要があるんだな。
枚数が少ないモノ(代表はもちろん通年)の場合、カネ取れないほどチャチなものにするか、あるいはデッカい画像を用意する必要がある。この「デカい画像」を発注するのは、結構大変じゃないかなあ。比較的問題の単純な写真の場合でさえ「引き延ばしを考慮して画素数を増やす」必要が出てくるし、イラストだと更に問題は大きい。あんまり知られていないようだけど、「デッカい1枚絵」ってのは、単に「ちっちゃく書いた奴を拡大すればいい」ってことにならないのがフツーだからね。「デッカい絵はちょっと…」と敬遠される可能性がある。
かといって、月めくりでは「写真またはフルカラーイラストを12枚」発注することになる。フルカラーイラスト12枚って、用意するのはかなりタイヘンでしょ。許可を得て「どこかに発表されたモノの使い回し」をするとしてもだ。写真でも「同じネタは使えない」ので、結構制限は受ける。
このように、枚数と大きさのバランスなどを考えると、「ちょっと大きめの画像を6枚」ってのが用意しやすい(自作するにしても外注するにしても)ものになる。それを承知の上で「あえて別のレイアウトに挑戦する」意義は見いだせないかなあ。私は画像を安定供給できる環境にいるワケじゃないので。
2月めくりとなると、中綴じ(カレンダーの真ん中を綴じるもの。コンパクトに折りたたんだ状態にしやすいので、雑誌付録などに多い)だとバランスが悪くなる。まさか画像の真ん中に折り目持ってくるワケにはいかない(不可能じゃないけど、ズレないで綴じるのが難しい)し、「上半分が画像・下半分が日付部分」とすると、2月タイプだと日付のレイアウトが難しくなる。正直、バランスが悪くなってしまうのだ。私はそもそも、この手の「中綴じタイプ」はバランス悪いデザインだと思っていたりする(でもバリエーション増やすため…)ので、なおさらだ。
2月めくり上綴じタイプのカレンダーなんて、ある意味一番平凡である。ただまあ、「自分で作って売る」ことを考えた場合、あんまり冒険しにくいのも事実。まして「画像は外注予定」じゃあね。どーせ計画だけで実現などしないとわかっていても、非現実的な話にするのはかえってツマラナイわけで。
かくして「大きめの画像を6枚」使用すると決めて、やっとこさ「じゃあ、具体的絵柄はどうなる?」って話が出来るのだ。つーわけで、次回(また来月)こそ、具体的絵柄の話になる予定です。誰も楽しみにはしてないと思うけど、お約束なので「お楽しみに!」って言葉で〆ておきます(苦笑)。
コメント
_ へなちょこ ― 2009/03/15 01:45
_ F男 ― 2009/03/17 00:44
この企画、「売ること」が大前提ですからね。それを前提とすると、色々と「自動的に決まってくる」ものも多いんですよ。
あと、希少なモノは「使ってもらえそうもない」とありますが、同人で売るのだから、むしろアリでしょ。一般性と希少性のバランスをどう取るのかが大切な世界ですから。
日付部分は、実は先に絵柄を決めないと決まりません。バランスの問題ってモノがありますから。ドッチの方が融通が利くのかを考えれば、まず絵柄関連を決め、その後日付部分を決めるのが「正しい」カレンダーのデザイン手法だと思われます。
あと、希少なモノは「使ってもらえそうもない」とありますが、同人で売るのだから、むしろアリでしょ。一般性と希少性のバランスをどう取るのかが大切な世界ですから。
日付部分は、実は先に絵柄を決めないと決まりません。バランスの問題ってモノがありますから。ドッチの方が融通が利くのかを考えれば、まず絵柄関連を決め、その後日付部分を決めるのが「正しい」カレンダーのデザイン手法だと思われます。
_ Foot Pain ― 2017/07/30 14:58
Thanks for the auspicious writeup. It in fact used to be a amusement account it.
Glance complex to more brought agreeable from you! However, how can we communicate?
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3/14は残念だった。一緒に観戦出来なかったことも、試合結果も。
さて、カレンダーネタ。 流石に喰いつき悪いね。 ここを見ている人で、カレンダーに一家言を持っている人は、あまり沢山はいないようだ。
ミリタリー物のカレンダーね。 日付とかのレイアウトはよく分からない。
ポスター部分について。
自衛隊の装備とかの写真は、商業的にやっている所があるから、F男さん謹製カレンダーはブッキングを避ける方向で作成するのかな?
日付とかのレイアウトで勝負するのは、お勧め出来ない。 F男さんが満足するレイアウトは、多分大概の人には使いにくい。
なわけで、外国軍の現在の装備で勝負するか?
イスラエル軍装備物のカレンダーとか、存在はするだろうが、殆ど日本国内には出回っていないから希少では有るけど、写真やイラストも調達しにくそうだ。
作成出来たとして、有償配布するのはかなり難しそう。 無償配布した場合にも、あまり使って頂けそうに無い。
過去の装備とかでやってみます?
100年か150年位前までなら、写真、それ以前ならイラストだね。
太平洋戦争物なら写真とかも割合豊富にあるだろうし、少し見込みがあるかも。
日付欄に、主だった艦船の竣工とか起工とか沈没とかをなるべく詳細に書き込んで。
雑誌の1ページを頂き無償配布するならば、別に1年で無くとも、3ヶ月とか半年とかでもいいんじゃない?
や、てかF男さん謹製カレンダーが、ポスター部分からアプローチするのは普通すぎて詰まらん。 他とは一線を画すアプローチをせねば。 日付部分を詳細に記載する方向は、一案である。 とある戦争を1年に見立てて、(3ヶ月とかでも良いが)宣戦布告~終戦までを日付欄に詳細に書き込んで行っては如何か?
むー。何でこのネタ、2004年に思いつかないんだ。 表紙の2004年12月はナポレオンの戴冠200年。 最終月だけでも12月2日にめくらせる仕様にして、アウステルリッツの戦い200年の12月のポスター部分だけは、写真でもイラストでもなく、下記の文章である。
兵士たちよ、私は諸君に満足している。
諸君は、アウステルリッツの戦いにおいて、私が諸君の勇敢にかけた期待を裏切らなかった。諸君は諸君の軍旗を不滅の栄光によって飾った。ロシア皇帝とオーストリア皇帝の指揮する10万の軍は、4時間足らずして、分断され四散させられた。諸君の砲火を免れた者も湖に溺れて死んだ。ロシアの親衛隊の40本の軍旗、120門の大砲、20人の将軍、3万以上の捕虜が、永久に栄光に輝くこの日の戦果である。諸君にはもはや恐れるべき敵はいない。
兵士たちよ、我々の祖国の幸福と繁栄のために必要なことがなされたときには、私は諸君をフランスへ帰すであろう。国民は諸君の帰還を喜ぶであろう。そして諸君は、「アウステルリッツの戦いに加わっていた」と言いさえすれば、こういう答えを受けるであろう。「ああ、この人は勇士だ!」と。