7月27日2008/07/28 03:06

 更新可能な日曜である。よって、久しぶりに不定期連載「私がゲーム雑誌に原稿を掲載するための道」について語らないと。実は、まるで進展なかったりするんだけど。
 
 7月初めにグチャグチャ書いてから3週間近くが経過した。にもかかわらず、動きナシ…我ながら怠惰だなと。まあ、色々あったとしておいて下さい。ただ、一応「先週の関西遠征までは、あえて動かない」ようにしてたんだけどね。
 
 関西遠征ではコマンド誌編集の宮永殿と「飲んだ」わけだけど、どちらかと言えばヨタ話に終始して、「私の書く記事」の話はあまりしなかった。向こうがあまり熱心ではないってこともあるんだろうけど、私の方から別の話題ばかり話していたような記憶が…いやまあ、ヨタ話も重要なんだってことでカンベンしてもらいたい。
 
 実は、コレとは全く別に「連載に関する有力アイデアをもらい、色々検討した結果、放棄するに至る」という過程をたどっていたりもする。よって、今回はこの件について語りたい。「何も考えず放棄した」ワケじゃないよ…って言い訳をするためにも(苦笑)。
 
 関西行き新幹線の中で出た話である。私が連載を持つなら、「東部戦線酔いどれ日誌」の続編をやらないかという提唱があった。提唱者はもちろん有楽斎殿。以前コマンド誌にこの表題で「East Front」対戦日誌を連載していた方である。
 
 この提案に対し、その場では特にどうこうって話にはならなかった。移動中に出た話だからねえ。飲み会の席で検討すれば良かったかも知れないけど、それは他の同行者やら迎撃していただいた方々に失礼でしょ。つーわけで、正直あまり深く考えず、「要検討」って付箋貼ってアタマの中にしまっておいたわけだ。
 
 結局この案は深く検討する前に「放棄すべきだ」という結論を出したんだけど、あえて今検討を加えてみよう。私の意見としては、この案は「かなり難しい」となる。East Frontはいいゲームだ。連載記事を書く意義はあるだろう。でも、オリジナルの「東部戦線酔いどれ日誌」がある以上、私に「二番煎じ」じゃない記事を書けるのか?私個人の意見としては「無理じゃない?」なんだけど、この意見には余計な逃げも入っている。よって自己診断はアテにならないとしておこう。
 
 むしろ問題になるのは、「コマンド誌はそんな記事を本当に欲しがっているのか?」かな。以前あった連載の焼き直しみたいなモノを掲載する気があるのか。対象が名作なので、「視点を変えて語ってみる」意義はある。あるけれど、いちいち掲載するほどかどうかは、ちょっと検討が必要じゃないかなあ。少なくとも、軽々しく「そういうモノを求めていたんですよ」などとは言ってこないような。
 
 ただ、それを承知の上であえてチャレンジしてみるのも「1つの手」である。掲載されなかったからって、私が何か不利益被るわけではない。「こういうモノを書いてみようと思うんですが」とコマンド誌にブン投げ、実際掲載されるかどうかは向こうの編集がどう思うか次第…って話はある。私が編集なら、とりあえず「二番煎じねえ…」といったエクスキューズを投げかけ、それでも掲載するだけの価値があるか色々つついて診断してみるんじゃないかな。これに対し、ライターの私は「前任者の推薦」「自分のブログから推測される文章力」「多彩な対戦相手」といった武器?を使って説得にかかるわけだ。
 
 だがしかし、私の中でこの案は正式に放棄された。理由?先が読めなくなったからである。私の「East Front赤軍戦略」に、重要なキズが発見されてしまったのだ。このキズは「私の赤軍戦略を根本から見直す必要がある」ってレベルであり、現状「あと数ヶ月プレイすれば是正される」って手応えがない。こんな半端な状態から「一人前になるまでの道」を連載するのは、正直どうかと。それぐらいだったら、当時の有楽斎殿のように「まあユニットの動かし方はわかる」ってレベルの人間が上達するまでを描いた方がいいだろう。もっとも、コレは本当の二番煎じであり、掲載する意味はより薄くなってしまうだろうけど。
 
 このキズを発見したのは、関西遠征時に有楽斎殿と「East Front」の対戦を行った時である。諸般の事情からあえて関西でも「いつもできる」対戦をやったのだ。ここで私は、「自分の戦略を根本から見直さなければ駄目」と結論を出した。根本からどころか、多分イチからやり直す必要がある。たとえて言うなら、「仮免のまま半年が過ぎ、もう一度やり直し」ってな状態である。
 
 ドコがマズかったのかって?うーん…説明が難しいんだけど、いわゆる「思考の袋小路」に入り込んじゃったんだよね。具体的には「ロストフの守り方がよくわからない」って状態であり、他人(対戦相手含む)が見たら、別に大きなハマリには見えないと思う。でも、私にしてみれば結構大きな問題だ。なにせ、「司令部の配置」という、このゲームで最も重要な部分に「巨大な問題がある」コトを発見しちゃったのだから。
 
 詳しい人のために詳細に語ると、こうなる。私は「司令部が撃破されるのを防ぐため、南方の司令部は早期にモスクワ近辺に疎開させる」べきだと思っていた。南方は時間稼ぎに徹し、なるべく独軍に手間を掛けさせつつ失点を防げばそれで良しとしていた。この戦略に根本的な欠陥が発見されたのだ。これに対する対処方法は2つ。1つは、時間稼ぎなんて考えない。南方は最初から何もかも中央に引き抜き、移動だけで都市・資源を占領されてかまわないと割り切る。もう1つは司令部をより長く南方に留め、より効果的に時間を稼ぐ。いずれにせよ、私の赤軍戦略を根本から見直さないと実行できない。
 
 問題とその対処方法がわかっているのなら、とにかくその方向に進むしかない…ってのはわかる。だから、「East Front」をプレイすること自体に問題はない。自分なりの苦悩を盤上にぶつけてみれば良いだけの話だ。ただ、おそらく改善には時間がかかる。下手すれば数年近く堂々巡りしかねない。「何度もプレイしてるけど、どうも進歩が見られない」って状態が延々続くようでは、雑誌記事としては問題があるでしょ。
 
 人間の成長ってのは、「時間と手間を掛ければそれに比例して伸びる」なんてモノじゃない。急成長する時期・停滞する時期がある方が普通だ。それは仕方ない。ただ、停滞期のコトは語っても面白い話になりにくい。自分が「壁にぶつかり、おそらく停滞期に入った」って手応えがある状態なのに、「自分の成長を語る連載」なんてできるワケがない。おそらく、今の私は一番「東部戦線酔いどれ日記の続編を書いてはイケナイ」人間だ。停滞期に入るのが確実なので、あまり参考にならないモノしか書けないから。
 
 私がライターを職業としているのなら、「それでも何とかする」のが正しいのかも知れない。とにかく原稿書かないとメシが食えないのだから。しかし、現状私はライターを職業としているわけではない。名前が売れているワケでもないから、「停滞して苦悩している様」という、本質的にあまり面白くない話でも読んでもらえるとは思えない。さらに、私自身そういう「つまらない話を面白く読んでもらう」なんてコトが成功するだけの文章力があるとは、とてもとても…最後の部分は私の努力目標であり、このブログの存在理由である「ついて行けない話を面白く読ませる」と似ているだけに、「今の自分のその力はない」のは、よーくわかっている。
 
 というわけで、ライターとしては大先輩からアイデアをいただいたにもかかわらず、このネタはボツと決定したわけだ。いやまあ、「それでもやれ!」と言われたのならそうするけど、まあソコまで非情なこと言ってくることはないでしょ。正直、「East Front」ネタは私自身も言われる前から軽く検討していただけに、「無理だ」って結論は痛い。痛いけど、「良いモノ」を書くためには仕方ないんじゃないかな。誰だってダブルファイヤー12発+シングルファイヤー4発が見えてるシングルディフェンスの土地で粘ろうとは考えないわけで。「戦略的後退」ってことで許して下さいよ~。