6月27日 ― 2008/06/28 03:55
先週のココはものすげー反響があった。日曜にやった「POGオフ会」なる、どう考えても競馬仲間の集まりに顔出した時でさえ「なんかスゴいことになってますねえ」なんてツッコまれたくらいだ。ゲーム系ブログでは紹介されまくっているみたいだし…
その1つである、サンセットゲーム主催古角殿のブログ「ウォーゲーム武芸帳」(リンクあります)に、ここが「ゲーム雑誌の『質』を論じていて、『質』が高くなれば売上が伸びるだろう、という話になった」って話題を展開していた…って話が紹介されていた。よって、本日はこの点を論じてみよう。
まずは細かい話から。先週ココで話題とされていたのは、あくまで「読者であるゲーマーの、雑誌に対する満足度」であって、直接的に売り上げ云々って話題ではない。自分で丹念に読み返して確かめた。普通に考えれば「読者の満足度向上~売上増」って流れになるんだろうけど、正直ソレはあまり期待できないってのが私の意見。
いや、実際問題を考えたら、雑誌の満足度が上がれば売上げも増えると思う。「雑誌は毎号買ってない」ってなゲーマーは結構いるので。こういう層が毎回買うようになれば、それなりに売上げは伸びる。それは間違いない。だから、ココの話題が売上げと無関係ってコトはない。
でも、業界の層の薄さを考えたら、限界はかなーり低いところにあると推測される。「カネで才能とやる気を買う」というマトモな手段で雑誌の満足度を上げようと考えたら、結局ペイしない程度じゃないかなあ。この点については、先週の「シャレじゃ済まないツッコミ」を入れて下さった方々の主張を参照していただきたい。。
それにだ。今のゲーム雑誌は、体裁上「ゲーム付き雑誌」ではあるけど、実質は「雑誌付きゲーム」である。主役は明らかにゲーム。付録ゲームが面白そうなら記事がどうであれみんな買うし、興味がないテーマだったり「つまらなそうだ」って話になれば買わない。私は記事目当てって側面が強い(昔からの習慣と個人的嗜好により)けど、これは例外じゃないかなあ。
そうやって考えてゆくと、結局「ゲーム雑誌の記事の満足度なんて、売上げとほとんど無関係」ではないかって話になる。確かに、我々ゲーマー側も「ゲームだけドンと与えられただけ」では、色々戸惑うことが多い。そこを多少フォローするため雑誌が付いているけど、しょせんその程度の役割。まあ、箸休めみたいな役割を果たす程度に整っていさえすれば、本来文句が出る筋合いのモノではない気がして仕方がない。
ゲームが主役で雑誌記事はオマケに過ぎないんなら、「手をかける」べきなのはどちらか。言うまでもない。それどころか、経費面で足を引っ張らないよう「安上がりに」仕上げるのがむしろ正しい。結果として雑誌記事はつまらなくなるけど、だからどーした。そこにカネかけるくらいなら、マップかユニットにカネかける方がよほど正解でしょ。
実を言えば、これはこれで正しい姿勢である。主役はあくまでゲームなのだ。我々はゲーマーなのだから。雑誌記事を充実させたとしても、「それで歴史群像に対抗できるのか」って問題が生じる。この答えは単純明快。対抗不能。だってゲームなどという「余計なモノ」がついているから、内容が同じだったら値段の差で負ける。歴史群像の大多数の読者にとっては、ゲームなんて邪魔なだけだから。売上期待値が低い以上、経費もかけられないから、結果として内容はよりチープでツマランものになる。ならざるを得ない。じゃあ、ゲームなんてつけなければ…商売のことを考えたら、これが正解だ。でも、ゲーマーはそれだと困る。
そもそもだ。「比較的メジャーな戦史の記事」ってのは、ある意味ゲーム雑誌に載ってる意味がこの上なく低い。そりゃあ読者の大半(私も含む)はそういう記事が好きだ。でも、それをゲーム雑誌上で読む意味はない。そんなものは戦史専門の雑誌だけでなく、プラモデル雑誌やミリタリーメカ系の雑誌にさえ掲載されているのだ。この中でどこが一番安い原稿料しか払えないのかを考えれば、良い記事が回ってくるワケがない。期待する方が間違っている。八百屋で魚、赤軍に華麗な機動防御を期待するようなモノ。いくら需要があっても、原稿の供給がなければ取引は成立しない。そしてゲーマーの需要なんて、供給に値しない程度だと、原稿料が証明している。
じゃあどうすればいいのか?うーん…難しいよね。ゲーム制作にかかる経費のこと考えたら、「ゲームが付いてる」ってのはやはり負担だ。よって、内容をどう充実させてもゲーマー以外の人間が手に取ってくれるモノが出来るとは思えない。ならば、ゲームつけるのをやめて…って路線に走るか?それだとゲーム界のためにはならない。「みんなで歴史群像買えばいい」って言ってるのと同じだ。売上のこと考えたら、「シミュレイションゲーム」って枠組みはハンデでしかない。その程度なのよ、この業界は。
結局のトコロ、出来ることと言えば、「現在ゲーマーである人間に、雑誌をよりコンスタントに買ってもらえるよう努力する」だけではないかと。こうしたところで売上が劇的に増えるとはカケラも思わないけど、地道にやってくしかないんじゃないかなあ。そのためには…まあ、とにかく悩む前に原稿書けってことですね。これまた他に手があるとも思えないし。
ただ、だからって何でオレが…他にもっと「いい書き手」いるんじゃないかなあ。同人誌編集者としての私から見たら、書き手としての私なんて「使えねえ」で終わりだってのに…ブツブツ…
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