6月5日 ― 2008/06/06 01:56
悩んだ末、本日のネタは「ヤングサンデー休刊」としよう。いやまあ、他にもネタが溜まっちゃって困ってはいるんだけど。ネタが無い時は、いくらアタマ振り絞っても出てこないってのに…ブツブツ…
出版業界は全体的に不況が続いているようだ。よって、雑誌の休刊自体は驚くべきコトではない。哀しい話ではあるけどね。それを考えれば、むしろ問題になるのは「何でヤングサンデーなのか」でしょ。そこのところを私なりに分析してみよう。なお、私は業界裏話に疎いので、その方面は(仮に何か知っていても)触れないよう努力する。
ヤングサンデーは、小学館が発行しているヤング系週刊漫画雑誌。毎週木曜発行。とりあえず、ドラマ化された作品がいくつかある。アニメ化はあったかなあ…忘れた(苦笑)。ま、それなりにメジャーな雑誌と言っていい。なにせコンビニに普遍的に置いてある。
ヤング系のマンガ雑誌ってのは、主な対象年齢は中学生以上、メインは大学生ぐらい。対象性別はモロ男性。なにせこの系列の雑誌は、表紙の大半が水着のねーちゃん。ヤングサンデーも同様。エロ描写も多い。「本番行為シーン」すら普遍的に見かける。ある意味表現規制の限界に挑戦してる存在である。
ヤングコミック誌ってのは、結構種類が多い。週刊がヤングマガジン(ヤンマガ)・ヤングジャンプ(ヤンジャン)・ヤングサンデー(ヤンサン)の3つ。隔週でヤングキング・ヤングチャンピオン・ヤングアニマル・ヤングガンガンがある。他に月刊で「この系列に入れて良いのでは?」って雑誌がいくつかあるけど、私が中身確認してないモノも含まれるので割愛する。
この手の雑誌の特徴は、まずグラビアページか。必ずあるからなあ。これを足がかりに芸能界進出って例もあったはず。漫画の傾向としては、エロと格闘が充実ってトコロか?ヲタク度の高い奴より、むしろ低めの奴に焦点が合っている感じ。なお、「ヤンキー」の方々も重要なターゲットのようだ。特にヤンマガとヤングキングは「ヤンキー系」でくくってもいいくらい。
このヤング漫画誌の中で、ヤングサンデーがどういう位置づけにあったかと言えば…苦戦はしてたのかぁ?言われてみると、週刊3誌の中では少しだけマイナー感があった気がする。コンビニに置いてはあるんだけど、扱ってる数が少な目だった気が…ただ、木曜ってのは週刊漫画雑誌だけでヤンジャン・モーニング・ヤンサン・少年チャンピオンがあり、さらに週刊新潮と週刊文春が…という「雑誌激戦区」なので、単なる気のせいかもしれないんだけど。
むしろ気になったのは、「掲載作品の傾向」かなあ。あくまで比率の問題だけど、ヤング漫画誌にしては「社会派の作品」が多めの気が。言ってみれば「ちょっとお堅い」のだ。コミックスの売り上げがどうとか、ドラマの原作としてどうとか言うのなら話は別だけど、ヤング向けの雑誌として考えたら、「どうなのよ!」って気がするね。
あと、グラビアページにも問題があったかもしれない。私はこのジャンルには疎いので、断言は出来ないんだけど。「元ミスヤンジャン」「元ミスヤンマガ」ってネーチャンの話は聞いたことがあるような気がするんだけど、「元ミスヤンサン」って聞いたことがないような…更に、「他の雑誌でも普遍的に出てくるモデルの登場率及びその扱い」がどーだの、「カメラマンの質」がこーだのといった話をすると、そういう結論が出てくるのかもね。私にはよくわからない世界だけど。
ただまあ、雑誌として大きく見劣りしたのかと言われると…一読して「コレじゃ苦しそうだなあ」と感じた月刊ジャンプやコミックヨシモトとは話が違う気がする。むしろ、「総合的な雑誌整理の流れに巻き込まれた」結果ではないかと思われる。ヤンサンが悪いと言うよりは、他も含めた全体を見直した結果、しわ寄せにされただけじゃないかなあ。
小学館ってのは、とにかく漫画雑誌を数多く抱えている。「サンデー系列」と「ビッグコミック系列」があるってのは、ヲタク度低くても知っていそうなモノだ。その辺を含めて考えた場合、「ヤング誌のはずなのに、ヤング以外にウケが良かった」のではないかと推測されるヤンサンは、整理・解体してしまった方が資産の有効利用が出来ると思われたのでは。現時点で詳細は知らないけど、「主な連載作品は掲載誌を移すし、新雑誌も出す」みたいだし。
こういう形の「雑誌廃刊」(私は「休刊」って欺瞞は嫌いだ)は…正直、私は好きになれない。ある意味前向きな解散であり、「良い作品」が巻き込まれて読めなくなるわけでもなさそう。そう考えれば、「読者の被害は少なく、痛みの少ない雑誌廃刊」って気がするのは確か。でもねえ。要は「雑誌自体にダメ出しが出たわけでもないのに、廃刊にされた」わけで…私は、いわゆる「大人の事情」は嫌いなんだよ。
こういう「大人の事情」で廃刊する雑誌が出るってコトは、多分「出版業界の不況」が深刻だからではないかな。普通に考えれば「駄目な雑誌は潰す、いい雑誌はそのまま」ってなるはずだけど、「全体が悪いから、さほど悪くなくても潰して、その資産を他に流用する」ってことでしょ?私は経営論とかよく知らないけれど、なんか「攻めの発想」ではなく、「守りの発想」って気がして仕方がない。天下の小学館がこういう発想をするってコトは、やはりマンガ界全体がヤバいのでは…
まあ、コトの真相はともかく、ヤンサンが無くなることは決定した。ついでに言えば女性向け雑誌も1つ消滅するようだけど、こちらは読んだことがない。本当ならコッチについても語るべきだった気がするけど。とりあえず、「今後漫画界がどーなるのか」は、注目が必要でしょ。なにせ週刊漫画雑誌が1つ消滅だ。これはかなりデカい話だからねえ…
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