4月25日2008/04/26 01:56

 ぐぁ!「ヒトラー電撃戦」のルールが大改訂 された!おかげで本日のネタが全部吹っ飛んだ。せっかく「奇手奇策検討第二 弾」をお届けする予定だったのに…全部練り直し。やられたなあ。
 
 まずはコマンドのサイトでも発表された、超 重要な訂正をここでも紹介しておきましょう。地図上の、一般戦略ポイントと 国家戦略ポイントが入れ替わりました。先日私が冗談半分に「逆じゃねーの か」と言ったことが、ホントになっちゃいました…どーすんだおい。影響でか すぎだ。
 
 確かに、ルール読んで「本当か?」って思う 部分が山ほどあったのは事実。そこを色々と質問したところ、なんかルールが 大改訂されちゃいました。業界の狭さと反応の早さ(おそらくフツーの読者は まだロクにプレイしてない)を考えれば、多分私の質問がキッカケなんだろな …悪いのは私じゃないけど、なんか罪悪感感じるほどだ。
 
 ただまあ、このタイミングで大訂正が入った のは、決して悪いことではないと思う。皆が間違ったルールでプレイして、 「なんかオカシイ」って悪評が流れるのを、ギリギリ阻止できたはずなので。 つーか、発売前に気づけよなあ…ルールチェック甘いよ!結局SS版「戦国大 名」から怪しげなルールを駆逐できなかった私(私だけのせいじゃないけど、 私に少なからぬ責任があるのは事実)ごときに指摘できるような「怪しげな部 分」放置してんじゃねえ!
 
 しかし、実を言えばまだ油断は出来ない。こ の訂正のおかげで、「ロンドン占領はやるだけ損」といった、オカシな部分は ほぼ無くなった気がする。しかし、「これでゲームバランス取れているのか」 については、正直未知数だ。ルール改訂も視野に入れる必要がある気がする ね。アタマで戦略練ってる段階では「結構マトモに動きそうな」ゲームなの で、「どうもバランスが悪い」となったら、改訂版を用意する価値があるんじ ゃないかな。この辺は実際対人プレイなんぞやってみて、色々追究する必要が ありそうだ。
 
 なお、改訂方法にも簡単なアイデアがある。 「どうにもこうにもバランスが悪い」となったら、国家戦略ポイントの一部を 一般戦略ポイントに書き換えてしまえばいい。中東の一部とソ連国内の一部を 書き換えるだけで、かなり違うと思うけどな。これだけで何とかなるほど甘く はないかもしれないけど、下手にグチャグチャとルールをいじるよりマシって 気がする。とりあえず、「バランス悪い」で片付けるのではなく、そういう訂 正をすることを視野に入れつつプレイしてみることをオススメしたい。「原爆 級のルール訂正」のきっかけを作った身としては、これぐらい提案しないと…
 
 一応、現時点での「奇手奇策」についても触 れておこう。まず「ポーランド放置策」だけど、さほど効率が良くないと判明 した。ポーランド片付けてから仏に向かうと、攻撃にボーナスが付くので。た だ、それを承知の上で仏に突っ込む作戦があるのも事実。さらに「ポーランド 永久放置」という極論戦略については、「損が大きい」ってことになりそう。 理屈はこうだ。旧ルールではソ連の土地を占領しても「相手の増援を減らす効 果すらない」状態だったのに対し、ルール改訂により絶大な効果が出るように なった。ならば、「どーせ相手の増援に変化がないのなら、無理矢理進撃して きたところにバックハンドブロー」ではなく、自分から攻め込む方がいい。
 
 西側連合国としては、1つ面白い作戦があ る。ルール侵攻策だ。初っぱなにベルギーに宣戦布告して、アルデンヌ経由で ルールを攻める。独軍が油断して何も手を打たなければ、ルールは確実に占領 できる。これは決して小さくない戦果だ。「独軍に対応を強いる」ってだけで もそれなりに意味がある(1補給ポイントを使って部隊を動かし、さらにベル リンの空軍を1つ防御用に温存しておく必要があると思われる)ので、是非覚 えておいて欲しい作戦だね。なお、ルール防衛に戦力を割きすぎているような ら、「ザール占領」や「シュトゥットガルト経由ミュンヘン攻略」って作戦が 成立するかも。
 
 逆に成立しそうもないのが、伊侵攻案。この ゲームの伊は、実はやる気まんまんである。なにせ降伏条件はかなりキビシー し、仮に無理してそれを達成しても、あっさり再度参戦してくるのだ。色んな 意味で「成り立たない」気がする。ミラノ占領だけでも意味があるのは事実だ けど、コッチにそんな戦力を割くよりは、「仏の独本土侵攻」だの「ノルウェ イ作戦」に賭けた方が効率が良いような。
 
 なお、伊はやる気まんまんなので、実は「独 の伊侵攻」が成立しないんじゃねえかって話がある。狙いとしては「役立たず の伊を踏みつぶし、南仏からパリを狙う」ことにあるんだけど、とにかく効率 が悪すぎる。おかげで仏は伊との国境はまるで心配する必要がない。勇敢なる 伊に感謝だな(笑)。
 
 赤軍の早期宣戦布告案だけど、これまた効率 が悪い。赤軍が独またはルーマニアになだれ込むと、独は「総力戦」カードを 使って増援を呼べるようになる。こうなると事実上生産力がかなり向上するの で、多少の戦果ではマイナスの方がデッカイ。正直言って、ルーマニア占領だ けでは損になるような…そんなコトしてるヒマがあるんなら、部隊を後方に逃 がす方が勝るのでは。
 
 この手のゲームの定番「ゼーレーヴェ」だけ ど、上陸はかなり難しそうな雰囲気。どうも「ロンドンの航空部隊を壊滅させ ない限り、イングランドに上陸は出来ない」ようなのだ。そのために必要な空 軍の数考えると、ちょっと効率は良くないなあ。それだったらアフリカ経由で 中東になだれ込む方が良さそうな。ただ、バルバロッサのスケジュールに悪影 響与えてまで英国をいじめる必要があるのかは、まだよくわからん。
 
 とまあ、色々考えてゆくと、実は「史実通り の作戦をなぞる」ことがお互いにとって効率良い戦略では?って気がしてく る。細部は色々悩む余地があるけどね。ただこれは「双方が適切な備えをして いれば」の話なので、隙を見つけたら色々試してみる価値はあるだろう。
 
 本来ならばそろそろ「マップとルールブック だけ眺めて大雑把な作戦だけ考える」段階が過ぎ、ユニット切ってソロプレ イ」って段階に進むはずだったんだけど、ルール改訂のおかげでもう少し「大 枠を練る」必要がありそうだ。どんなゲームでもまず大枠を練り、その後ユニ ット動かして細部を詰める…ってのが「私の作戦研究」だからね。ましてやこ れは自由度大きめの戦略級ゲーム。細部に気を取られるのではなく、「どの国 をどのタイミングで攻めて…」ってな方針を考えるのは、重要じゃないかな。 つーか、そーゆー作業に徹していた関係上、戦略ポイントの位置づけがすごー く気になり、それがルール改訂に繋がったわけなんだけど…
 
 しかし何だねえ。なんか久々に私が「ゲーム 界に多大なる影響を与えた」気がする。コマンドマガジン80号記念として選ば れたビッグゲームの、ルール大改定の引き金を引いちゃったんだから、「ささ やかなこと」とは言えないでしょ。この業界は狭いから、「良くある話」って 気がするのも事実だけどね。基本的にはヘタレだけど、年期だけはそこそこあ るからなあ。「亀の甲より年の功」ってことかな。ま、ここまで影響を与えち ゃった以上、このゲームのことはもう少しキチンと追究しておかないと。そう でなければ、全国のゲーマーに申し訳が立たない…ただ、これだけは言ってお こう。コマンド編集部は、私が上洛した暁には、ビール1杯ぐらいならおごっ てくれてもいいんじゃない?発売日考えれば、GW前にこの訂正出せたのはデ ッカイんだからさあ!