4月2日 ― 2007/04/03 01:22
先週末最大のニュースと言ったら、やはりヴェンジャンスオブレインのドバイシーマクラシック制覇でしょ!嬉しいよ私は。心底嬉しいよ。ついに、ついにこの日が来たんだなあ…感謝感激雨あられである。つーわけで、浮かれまくりでお届けしましょう。
大方の日本人にとっては、「ポップロック負けたんだ、ふ~ん」で終わりそうなこのレース。しかし、多少なりとも香港競馬を知ってる人間にしてみれば、この結果は仰天モノである。だって、香港馬がダービーディスタンスのGⅠを勝ったのだから。香港競馬贔屓の私でさえ、そんなものは見果てぬ夢だと思っていたのに。はっきり言って、日本馬がキングジョージや凱旋門賞勝つより難しいことだと思っていた。
何でそんなに難しいのか?香港馬の質が悪いから…ではない!ことマイル以下に関する限り、香港馬は侮れない。そんなことは日本人でもわかるでしょ。安田記念やスプリンターズSで好走する香港馬なんて、もはや珍しくも何ともない。この路線に関する限り、日本馬と五分の評価ができるはず。
しかしだ。マイル以上となると、途端に層が薄くなる。そりゃそーだ。香港のレースはほとんどが短距離なんだから。日本で言えばダービー・JCにあたるレース(香港ダービーと香港カップ)の距離は2000。これぐらいが限界であり、そこから上は勝負にならない…それが常識ってモノだった。
しかし、私はあえてヴェンジャンズオブレインを「推奨」した。香港競馬の常識は知ってるにもかかわらず。香港馬に2400は厳しいどころの騒ぎじゃない、勝つと予想するのはタダの大馬鹿…ってことをよーく知っていながら、それでもこの馬に期待したのだ。理由?そんなもの1つに決まっている。そーゆーことは全部承知の上で、なおかつ信じる価値のある馬だと思っていたからだ。他に理由なんていらないでしょ。
私の中でのヴェンジャンスオブレインは、無茶苦茶強い馬である。初めて見たのは一昨年の香港カップの時だけど、「ついに原居民様の後継が!」って期待をした。沙田2000なら、全盛期のハーツクライやディープインパクトと好勝負できると思うね。少なくとも、この時2着したプライドよりずーっといい馬だった。
それにしちゃあ、去年はあんまり名前聞いてない?体調不安があったからだよ。香港競馬は9月に始まり6月に終わるので、香港カップはシーズン半ばのレースとなる。にもかかわらず、香港カップの後はまるで出走できず。去年秋にやっと復帰したけど、香港カップでは明らかに万全ではない状態。それで3着するんだからやっぱり強い馬だとは思ったけど、結果が出なかったのは事実だ。
惚れた存在が、実力とは無関係なところで苦しんでいる…これは辛いよ~。実を言えば、去年プライドが活躍するたび、「ヴェンジャンスオブレインの方がずっといい馬なのに…」とひそかに(でもないか)歯ぎしりしてた。特に凱旋門賞でプライドがディープインパクトに先着した時には、「ヴェンジャンスオブレインがマトモなら…」と、血の涙流して悔しがってました。日本人なのに(苦笑)。
しかしまあ、そんな辛いときでも惚れた馬を見捨てないのが私。日本馬ポップロックには悪いけど、ドバイシーマクラシックの出走表にこの馬の名前を見た瞬間、私の予想は決まっていました。ヴェンジャンスオブレインは強い。世界の一流馬と比べても決して遜色ない。そんな私の想いを、きっと形にしてくれるだろう…そう信じることにしました。条件の厳しさは承知の上で。「惚れた馬を追いかける」ってのは、こーゆーことでしょ。本当は「仕事放り出して、ドバイまですっ飛んで行って応援する」ってところまでやらないといけないんだけど(笑)。
冷静に考えて、この馬が勝つ可能性はどれぐらいあったのか?「実はそれなりに高かった」ってのが私の見解。まあ実力評価はさておこう。私の評価は思い入れしまくりだから。まずは格。香港QEⅡC&香港カップ勝ち馬。地元の利があったのは間違いないとはいえ、GⅠ2勝馬である。ブリーダーズCターフ(米国芝の最高峰レース)制覇やら英国ダービーといった煌びやかな実績を持つ馬と比べても、名前負けはしてないはず。次に距離適性。どう考えてもベストは2000。それは認める。けど、「マイルだとちと短い」って馬だ。ならば2400なら何とか我慢できる…と考えるのは、そう的外れではないでしょ。経験不足から割り引く必要は認めるけど。前走勝って復調もしている。「沙田の芝とナドアルシバの芝は連動性が高い」って私の理論が正しければ、馬場適性もある程度信用できる。
香港競馬をちょっと知ってる層がハマった落とし穴の1つが、「目標は4月末のQE2世Cでしょ」ってことだと思う。つまり、本気度が足らないと。海外競馬の予想をする上で、この「本気度」は大事である。これは日本人でもよくわかっているんじゃないかなあ。JCを予想するとき、まず考慮されるものだからね。正直言おう。私もコレは考えた。目標が先にある以上、ここは無茶しないのではと。しかし、ものすげー真剣に熟考した末、最終的に「それはない!」と結論づけた。
理屈はこうだ。一昨年の暮れに香港カップを勝った直後、香港のマスコミが陣営の関係者に「海外遠征の夢」について尋ねている。それに対する解答は、「体調管理が難しいから、国内に専念かなあ」ってものだった。そんな陣営が、ちょっと前まで体調不安抱えていた馬を遠征させてきたのだ。「ダービー使うけど、目標は福島のラジオNIKKEI賞」ってな場合と違い、リスクが大きすぎる。「勝ちに来た」までは言えないかも知れないけど、1つでも上の着順を目指していたと判断した。
私が最後の最後まで捨てきれなかった不安は、「遠征に伴う体調不安」である…これはもうどーしよーもない。陣営がどちらかと言えば弱気なのはわかっているし、経験も不足してる。おまけに、日本にいたんじゃ調教時計も入ってこない。せめて現地にいれば何かわかったかもしれないけど…競馬ってのは相手があってのモノなんだから、海外のレースでもそういう情報流して欲しいんだけどなあ。ま、これは言っても無駄だね。だからこそ私は現地に出掛けるんだから。
レース映像は、JRAのサイトで日本語実況のついたものを見ることができる。いい時代になったモノだ。最後の直線で力強く抜け出してくる姿は、見ていて涙が出てくる。道中折り合いに苦労してる様子を見る限り、やはり経験不足の影響はあったと思う。それでいて最後にあの脚を使えるんだから、やはり力のある馬だってコトでしょ。私の妄想が真実に変わった瞬間は、カイカンの一言ですな。これがあるから競馬は止められない。
香港馬がダービーディスタンスのGⅠで勝利する…これは、あの原居民様が望んで果たせなかった夢である。香港ヴァーズは勝ったことあるけど、この時はGⅠじゃなかったからねえ。結局JCで2着ってのが最高着順。他はチャーミングシティがドバイシーマクラシックで2着ってのがあったなあ。現地で見ていて、思わず応援しました(苦笑)。そんな香港馬の姿を知ってるだけに、今回の勝利は格別ですねえ。「日本馬がどうこう」ってことだけしか興味を持てない人達は、可哀想だと思うくらいだ。
他のレースはさらっと流します。大事なのは日本馬アドマイヤムーンが勝ったデューティーフリーと、ワールドCかな。デューティーフリーのアドマイヤムーンは見事だった。同じ日本馬ダイワメジャーも頑張ったけど、最後は鞍上の差が出たかな。他はともかくドバイ芝コースの経験では、やはりアンカツよりユタカの方が上でしょ。スランプ明けて「手に負えない」絶好調モードみたいだし。
ワールドCについては、ヴァーミリアンとブリッシュラックについて語ろう。まあ勝てないのは仕方ない。ただ、露骨な距離不安のあるブリッシュラックが、そんなものはないヴァーミリアンに先着したってのは…ひょっとすると、「アメリカンダート適性」なるものはブリッシュラックの方が上なのかも。日本で言えば「初のダート」とか「初の芝」みたいに、やってみるまで適性はわからんってことじゃないかなあ。ドバイワールドCやアメリカのダート競馬で日本馬が結果を出そうと思ったら、日本国内にも本格的なアメリカンダートのコースを作るしかないのかも。管理が大変そうだけどね。
ちなみに、ヴェンジャンスオブレインの次走はおそらく香港QE2世C。地元に凱旋である。そして、アドマイヤムーンもここに挑戦する予定だとか…ドバイシーマクラシック馬とドバイデューティーフリー馬が沙田2000で対決である!片や地元の意地が、片や去年暮れに先着した意地がある…うぉっ、超見てえ!けど、今からじゃどう考えてもチケット手配できない…あーくそ、やっぱり大レースは自分で見にいかなきゃ駄目だ。ドバイワールドCデーとか、香港QE2世Cの日に私が日本にいるのは間違ってる!今回は言わないつもりだったけど、やっぱり言いたくなりますね。何でオレはこんなトコロ(日本)なんぞにいるんだぁぁ!
4月6日 ― 2007/04/07 03:09
今週は忙しかった…色んな意味で辛かった。ま、これぐらい良くある話としておこう。来週からはもう少しマトモになるんじゃないかな。
本日の話題は、「名作のリニューアル」といこう。2点ほど「気になる」作品を見かけたので、何となく語りたくなった。
気になる作品その1。村上春樹訳「ロング・グッバイ」。まだ通読してないので、本来なら色々語るのは反則気味ではあるんだけど…その前に、通読すべきかどうかから悩んでいるからなあ。
何で悩んでいるのか?そりゃもう、手元に「以前の定本」である清水俊二訳の「長いお別れ」があるからだ。ざっと読んだ限りでは「清水訳の勝ち」としか思えないのに、新訳を通読する価値はあるのか?この辺ちょっと悩ましい。
作品については、自分で調べてみてください。いわゆる「ハードボイルド」って分野のバイブルの1つであり、情報は山のようにあるはず。私も好きな作品です。私がライムを好むようになったキッカケは、間違いなくこの作品でしょ。作品に出てくるギムレット(ライム+ジンをシェイク。ちなみにステアーだとジンライム)じゃなくてライムサワーってところが「しょせん日本人」なんだけどさ。
何で新訳を出したのかについては、訳者自ら後書きで語ってます。清水訳は原文からの省略が多いこと、それと「さすがに古くなった」ってのが主な理由かな。ま、言わんとすることはわかる。多いに賛同できると言ってもいいくらいだ。
ただ…拾い読みの段階では、なんか落ち着かなかった。主な理由は「清水訳に慣れ親しみすぎてる」だとは思うけど。なにせ好きなシーン、好きな台詞は今でも時々拾い読みしてるからねえ。特に好きなのは…いや、コレを語るとネタバレになる。
強いて言うなら、ちょっとばかり大人しいかな…って気がする。普通なら気にならない程度だとは思うけど、作品が作品だけに…「タフでなければ、生きてゆけない。やさしくなければ、生きてる資格がない」(同じ作者の「プレイバック」より)はずなのに、なんかタフじゃなくても生きてゆけるような…そりゃマズいでしょ。
省略が多い。訳語が古い。そういった欠点があるとしても、清水訳は偉大だ。そんなことはわかりきっていたけど、改めて比較すると際だつような気がしますね。まあこれは私個人が拾い読みしての感想なので、別の意見も大いにあるんだろうけど。そんなものに真っ向勝負を挑んだ村上春樹氏の度胸は買うけど、私はそれ以上の評価はできないような…ま、作品評価ってのは非情なものよ。
これとは別に気になったのは、「銀河英雄伝説」の文庫。創元社から最近出た。何故。徳間の作品のはずなのに。徳間書店の経営が何かとヤバいってのは知ってたけど、こんなものを他の出版社から出すとは…何がどうなった結果なのかは知らないけど、スゴいと思うな。
「長いお別れ」も「銀英伝」も、良い作品である。それだけに、「新訳」だの「出版元変更」といった多少奇妙な扱いを受けているのを見ると、「なんだかなあ」って思いますな。どんなに良い作品と言えども、世間から忘れられないように何かしら仕掛けるべきであり、ちゃんと活用してこその「著作権」だって気がするのは確かなんだけど…仕掛け方が間違ってるとまでは言わないけど、なんかヘンだと思うのは私だけ?
この問題は、踏み込むと「著作権延長問題」だの「メディアミックスによる話題作り」だの「海賊版・同人誌をどう評価すべきか」だのといった問題が絡んでくる。「正しい作品の活用とは」なんて、商業的にも法律的にも頭の痛い問題じゃないかな。もちろん、「作り手と受け手」って問題に限定して考えても。アタマを空っぽにして「面白ければそれで良し」って態度を押し通すのも悪くないけど、たまには小難しいことを考えてみてもいいのでは。
しかし…本来ならば、「ネタになりそう」だけで両方とも手にとって無意味に比較し、もっとワケわからん説をがなり立てるのが私である。けど、今はその元気がない。仕事のこともあるし、「新雑誌お試しキャンペーン」がまだ継続中だってのもあるかな。つーわけで、本日は珍しくオチなし。なんかキレが悪いぜ…
4月8日 ― 2007/04/09 00:46
本日は土曜の回顧。久々にマルチ「戦国大名」やったので。やはり面白いゲームである。ルールのことは思い出すのもイヤだけど(笑)。
今回プレイしたのは、7人。もう1人欲しかったけど、仕方ない。シナリオにしても良かったんだけど、あえてフリーセットアップで。30城30金10兵力、武将6人中3人って条件とした。ま、比較的「易しい」設定である。これなら序盤伸び悩んでどうこう…ってことはあまりない。
初期配置。私は3番手。越中と上野を押さえられたのを受け、私が選んだ本拠地は播磨。実は後で「ヌルかったのでは」と指摘を受けた。実を言えばそうなんだけど、まあ理由はある。この日のプレイは「軽め」のメンバーであり、いわゆる「名人戦」ではない。滅亡を覚悟の上でガッツリ仕掛ける…ってプレイをするのは、ちょっと抵抗があった。かといって、ただ生存してるだけってのもちょっとイヤ。その辺のバランスを考えた場合、播磨ってのは悪い国じゃないからね。大和でも良かったんだけど、あそこは「一向一揆滅亡」の可能性が…播磨近辺も高いけど、辺境で生き残れる可能性はコッチの方が高い。
武将の質はヒドかった。6人引いて、全員戦闘能力2以下。威信も3が最高。内政は4が1人いたけど、残りは全部2以下。「今日は駄目だ」ってなところかな。なお、事情は最後までさほど変化せず。悪い流れを掴んでる自覚があったとはいえ、もう少し何とかならんものかね。「しばらく悪運続き」って天啓かも。ブツブツ…
他のプレイヤーは、位置をイメージしやすいよう「史実でその辺にいた大名家」で示そう。7人の内訳は、東から上杉・北条・朝倉・織田・三好・宇喜多(私)・毛利。東側にもう1人欲しいところだけど、武田(っぽい位置)は苦しいよね。
波乱はゲーム序盤から。下総・上総の中立勢力が、何故か上杉に味方する。里見家登場か?ただ、上杉もコレを利して一気に…ってほどは国内平定が進まない(ある意味当然)。火種を残すよりは、カネか領土保障と引き替えに城を撤去するのも手だったとは思う。しかし、上杉は突っ張る。
中盤、上杉は痛恨の「大名死亡」。部下の裏切りで越後を失う。これで東のパワーバランスが崩れる。実は、こうなると東のプレイヤーが有利なんだよね。このゲーム、勝とうと思ったら東国をやる方がいい。国1つ辺りの国力が大きいので、動き始めるとあっという間に大国が出来上がるのだ。その代わり滅亡させられやすいんだけど。本当を言えば国の分割やら国力を見直すべきなんだけど、今更そんな改善を述べても仕方ない。
これにより大国化したのは、北条。朝倉は国内平定に手間取っていたので、越後をかすめ取っただけ。これに対し北条は南関東の完全制圧及び東海進出を確実なものとしていた。それに対して残る国がどう動くか…って盛り上がりを見せていたんだけど、結論から言えば織田が北条に臣従してゲーム終了。レポートする立場としては「ちょっとショボい」終わり方となった。
こうなった理由は、まあプレイ時間である。ド派手な「最終抗争」仕掛けるには、時間足らなかったからねえ。あと、「名人戦」じゃなかったって影響もあるでしょ。「とりあえずは顔合わせ」みたいな意味合いを含んでいたので、気合いMaxってワケにはなかなか…
私?正直国力はヘコんだ。後で取り返す目処はあったんだけど、その前にゲームエンドだったからねえ。1位の北条を直接叩けない以上、突っ張るよりは金を温存した方が役に立つし。個人的には可もなく不可もなく、ってプレイかな。地味にツキがなかった以上、無理仕掛けする価値がなかった。
戦国大名は運の要素が大きい以上、「じっくり待って、流れが来たら勝負する」ってのが基本となる。そこであえて強引に仕掛けて…って選択肢もあるけど、この日は流れが来てないどころか、細かいながらも逆流だったからなあ。実は仕掛けるタイミングはあったけど、結局は息切れしたと思われる。外交の裏付けも資金の蓄積もないのに、ただ「チャンスである」で仕掛けて押し切れるような国情じゃなかった。気分次第ではやっても良かったけど。
ただまあ、1点だけ「気合いを入れて」考えた局面がある。三好・毛利の承諾(消極的だけど)が得られ、織田が対北条を考えて余裕無しと判断したので、山城に「目立たない規模で」侵攻をかけたところ、織田と同盟中の北条が妨害に来たのだ。最初、意図がよくわからなかった。「大儀」による勝ち逃げ狙いか?でも、それにはまだ早いはず…
ここで突っ張っても良かった。野戦で排除してしまえば、包囲が成立しなくなっても調略で部分支配は確保できる。ただ、ここで突っ張りすぎると、「織田の目が北条に向き、金を使い果たした時点で織田侵攻をかける」って西側の同意が注目されすぎる…コレを嫌って本格侵攻しなかったぐらいなんだから。ここは大人しく引くことにした。
問題はその後の調略フェイズ。北条が自分のものにするのかと思ったら、織田がカネ置いている。ありゃ何だ?私の支配を防ぐための援助金?それとも北条から割譲許可もらってる?この辺の意図とその後の展開を考えるのに、ちょっと時間を使った。
実を言えば、山城の支配自体はどーでもいい。仮に獲られたとしても、最後に獲り返せばいい話だ。問題は2つ。北条に支配させるべきか、織田に支配させるべきか。北条は本気なのか、ブラフなのか。
私の順番は「織田の後・北条の前」という、ビミョーな順番だった。織田の金を推理すれば山城は確保できるかも知れないし、北条が金をつぎ込めば失う。ただ、あえて突っ張って北条に金使わせるのも有力な手。有利不利がどうこうと言うより、「面白い状況」なんで深く考えてみました。
状況を整理するとこうなる。山城にあるのは、中立5城、北条の5城+兵1+戦闘力3の武将、織田の金。私の手元には20金。この金を全部使った場合、部分支配が取れるかどうかはビミョー。ただ、何もしなければ北条の支配。妨害するだけだったら5金程度が効率がよい。さて、皆さんだったらどうします?
結論から言えば、「状況先送りのため何もしない」という、最もヌルい手を打ちました。ここで突っ張らなくても、後の外交交渉で北条の意図は見抜けると踏んだので。フタを開けてみると、織田が置いたのは6金。山城の支配は織田のものに。なるほどねえ。
この結論を受けて、北条をつついて意思確認。最初から山城を織田に渡すつもりだったのか、織田が「あそこはうちの支配ってコトにして下さいよ」と突っ張った結果なのか、確認しておいた方が楽なので。そこで「話が違うじゃないですか。天子様を護衛したいって言うから、アナタに譲ったんですよ!」と抗議してみた。当然北条は「いや、これでいい」と突っ張るけど、その口ぶりからは「予定の行動」っぽい。ふ~ん。
コレを受けて、私の外交方針は決まった。北条がどう考えてるかは知らないけど、織田はいずれ北条叩きに出る。1位になろうと思ったらそうするしかない。これは朝倉も協力・援助・黙認のいずれかとなり、北条の味方はしない。少なくともそうなるようコッチから交渉する。そうなると、下手に突っ張って織田を苦しめるより、しばらく頭を下げて大人しくしておき、北条が弱り切ったところで「織田、デカくなりすぎ」という「織田が悪い」って方向で外交すれば、少なくとも失った土地は帰ってきそう。
難点は、これをやると毛利がこっちに向けて動き出すこと。これはある程度仕方ない。できればコレを口実に三好の協力を得たいところだ…なんて考えていたところ、ゲームエンドになった。実を言えば、ゲームはこの意図に近い感じで動いていた。北条がついに上杉を滅亡させるべく「最終戦争」を開始し、「金が足りない」と織田に泣きついてきたのがゲームエンドの直接的な契機なのだから。
織田に対し、我々が吹き込んだのは1つ。ここで北条に金を渡すようでは、ゲームは終わったも同然。いずれ北条が勝つ。だから、そんな半端な真似はイケナイ。時間が時間なので、突っ張って最終決戦に持ち込むか、臣従してゲームを終わらせろと。結果は「そろそろ飲みに行くか」で北条勝利となった。
この結論、実は北条も不満はあると思う。すっきり勝った気がしないと思うので。「勝ったのは北条ではなく、酒である」と言われても不思議ないのでは(苦笑)。ただまあ、マルチでは良くある話だ。ガチンコでやろうと思ったら、プレイヤーの温度を上げることから開始しないとイケナイからね。今回の準備期間だと、それは難しいでしょ。
善し悪しについては色々意見があるような気もするけど、まずは「楽しかったので良しとする」ってところでないかい?昨今の事情を考えると、マルチは立ち上げるのが難しい。その場その場の楽しさを追求するだけでなく、色んな意味で「場の育成」ってものも考えないと。その昔はこの辺を考えないプレイによって、解散に追い込まれたサークルもあるって噂があるぐらいなんだから。
とはいえ、私がヘコんだのは事実。これはいかんねえ。次はもっと頑張らないと…というより、競馬シーズンなのにツキの流れも体調も悪い方がムカつく。本日は腰痛悪化により外出控えてPATで馬券買ってるし…おまけに取りガミですよ。あーあ、お払いでもしてもらった方がいいのかな?
4月9日 ― 2007/04/10 02:37
アスコットが私を呼んでる…「ホレホレ、また大金置いていってもらいましょうかね、ウヒヒ」と笑ってる…でも、でもぉ~!
本日発売の競馬ブックによると、ヴェンジャンスオブレイン陣営にキングジョージ挑戦ってプランが持ち上がっているそうな。普通の人なら「はあ、そうですか」で終わりだけど、私は普通じゃない。多分私も行くことになりそうだ…つーより、「けど、金もヒマもない」なんて書こうモノなら、間違いなくツッコまれる。いやまあ、そーなんだけどさあ!
そりゃあ私は「原居民様が行くかも知れない」だけで、バーデンバーデンまですっ飛んでいくようなバカタレである。多少なりとも応援してる馬が、よりによってキングジョージに挑戦するってなったら、そりゃもう行くしかないでしょ。あの競馬場には山のような借りがあるんだし。
ただし…正直、いくら何でもフクザツだねえ。キングジョージは、日本馬にとっても「見果てぬ大目標」の1つ。そのうち勝つ日が来ると信じてはいるけど、現時点でまだ勝ってないのは事実。香港競馬贔屓の私ではあるけど、それでも「香港に先を越される」のは納得いかない気がする。
かと言って、「勝てるわけがない」のかと聞かれたら…「ナドアルシバで勝ったからって、アスコットじゃ通用しない」とか、「レイルリンクは強い」なんて理屈を認めるのなら、私は去年アスコットに行ってない。ハーツクライに夢を託せるのなら、ヴェンジャンスオブレインに妄想を抱く権利はあるんじゃないかなあ。
そりゃあね、キングジョージを勝つのがどれだけ難しいことなのか、私は一応知っている。2度も行って、壁の厚さを見せつけられているんだから。「チャンと走れるかどうか」さえ不安を感じるコース、ヤバいどころじゃない相手関係…現時点で「ヴェンジャンスオブレインは勝てるのか」と聞かれたら、「多分無理だ」と即答するしかない。
しかしだ。だったら応援に行かなくていいのかと聞かれると…理屈から言えば、出走する以上は勝ち目がある。そして、そんなことが起きてしまったとき、私がその場にいなくて良いのか。「香港馬に先を越される」のは死ぬほど悔しいけど、だからこそ私の目の前で決めて欲しい。日本なんぞにいて、「いやあ、ビックリ」なんて他人事みたいなコメント出すのは、イヤどころの話じゃない。この悔しさは、多分ヴェンジャンスオブレインに大金賭けて、思いっきり大声で「やった~!有り難う!」とアスコット競馬場で叫んでやっと晴らせるものだろう。
私は日本馬を知っている。香港馬も知っている。さらに、アスコット競馬場も知っている。そこから導かれる結論は、「キングジョージで日本馬が勝つのは難しい。ましてや香港馬に至っては」である。アタマで考えてどうこうではなく、魂にそう刻み込まれている。私が言うところの「勝つのは多分無理」って言葉は、他の誰が語るより多少重い意味があるんじゃないか。本気でそう思います。
けれど、だからって諦めてはいけない。「勝てそうだから」と応援するなんて、誰にだってできることである。相手が強くて条件が厳しく、とても勝てそうもないにもかかわらず、それでも応援できなくちゃ。しかも、大金張り込んで。レース前には逃げ出したくなって脚が震え、レース後には悔しさのあまり血の涙を流す。海外で日本馬を応援するっていうのは、結局そーゆーことだと思う。
香港馬に先にキングジョージ勝たれたら、日本人としてはやはり悔しい。そう思うのが自然であろう。けど、私の「悔しい」って言葉は、日本でも有数の重さじゃないかと。だってそうでしょ。「日本馬がキングジョージ制覇した暁に、自分がその場にいないなんて耐えられない」なんて公言してる奴が他に何人いる?それに加えて、香港競馬も思い入れ込めて観ていなくちゃいけないんだから。悪いけど、合田直弘氏や鈴木淑子嬢(日本有数の海外競馬ウオッチャー…つーか、それが仕事)に譲るつもりはないね。
だから私には、万が一ヴェンジャンスオブレインがキングジョージを制覇したとき、日本を代表して「おめでとう、先を越されて悔しいよ」と伝える権利というか義務というかがあるんじゃないかなあ。こういう負けは、きちんと真正面から受け入れてナンボだと思うし。それだけに、ちゃんとその場で言わないとね。
強いて言うなら、モンジューの血を引く有力馬がいないのが寂しいかなあ。「アスコット競馬場でモンジューにリベンジする」ってのは、私の大切な悲願だからね。個人的な見解としては、モンジューの血を引く強い馬を破ってこそ、真に「キングジョージを勝った」と胸を張れるような。いやまあ、レイルリンク(去年の凱旋門勝馬。おそらく出走して人気になる)も相当ヤバい相手だとは思うけど。
しかしだなあ。何だかんだ言っても、香港馬応援のために英国まですっ飛んでいく日本人ってのはヘンだろ(苦笑)。香港から応援に行く奴だって、どれくらいいるのかわかんないのに。まあ、香港馬応援のため豪州まで行った日本人知ってるけど。こんな馬鹿が複数人いるってことは、やっぱり日本って「海外競馬観戦先進国」なんでしょうね。何かが多いに間違ってるとは思うけど(笑)。
4月12日 ― 2007/04/13 03:06
「本日のお題は、育成ゲームの大御所『プリンセスメーカー5』としよう。先日やっと1人目の育成が終わったので。なお、特別ゲストとして執事にツッコミ役を努めてもらうことにした。形式が特別なので、色の使い方が普段とは少し違う。ご注意を。」
「どうも。執事です。ご主人様、お嬢様の育成、お疲れ様でした。」
「うむ。今回は特に苦労した。ネット上やゲームレビューでも話題になってるように、今回はゲーム時間かかるからな。これはこれで悪くないのだが。」
「どの辺が時間かかるんですか?期間が長すぎるとか?」
「期間は小5~高3の8年だから、あんなもんだ。もう1年欲しいぐらいだ。問題は、週末のルーチンワークに結構時間を取られることだな。この辺に工夫の余地があるのは事実ではないかと。つまらん買い物は執事にやらせることができるとか。」
「え~!何でボクが…」
「言いたいことはわかるが、このゲームは買い物に行く時間を作るだけで色々計画を練る必要があるんだ。もうちょっとサクサク進むような工夫があったからって、バチは当たらないでしょ。バランスの問題だな。それと…」
「まあまあ。ゲーム批判はさておき、お嬢様に対する感想はいかがでした?」
「髪の毛とっ散らかってるのは趣味じゃないな。」
「いきなりそれですか。そういう絵なんだから、仕方ないじゃないですか。」
「馬鹿者。ヲタクならばそーゆーこだわりは当然である!街ゆくネーチャンがチャパツじゃねえってだけで香港を好む私だぞ。やはりパツ金天パーより、黒のストレートでしょ。とはいえ、他に不満はない。やはりこのシリーズはこの絵でなくてはな。」
「だからそういうことではなくて、お嬢様の育ち具合についてはどうだったのですか?」
「数値の伸び具合は相変わらずバランスが良いと思う。簡単すぎると面白くないし、難しすぎるとゲームとしてどうか、ってことになるからな。」
「あのですねえ…ひょっとして、ご自分の育成っぷりを語りたくないとか?」
「阿呆、それは最後のお楽しみでしょ。シリーズ初心者のためにゲームの説明をしようという私の心がわからんのか。」
「はいはい。でも、そろそろお嬢様のことを語ってくださいよ。」
「うむ。マイナスも大きいがプラスも大きいので、トータルで75点というところか。最初の1人としては上出来である。」
「良かったあ。失格とか言われたらどうしようかと思いましたよ。」
「不出来な娘もいいものだけどな。某アニメのお人形ヒロインは最初から最後までとにかく生物としての出来が悪いが、そこがまた…」
「他のゲームのことはいいじゃないですか。良かったのはどの辺なんです?」
「うむ。最初にこちらが設定した目標である『玉子様の確認』に成功したことだ。」
「玉子様??それは一体何ですか?」
「私の造語で、『王子様っぽいもの』だ。より具体的には『ドコをどう見ても王子様だが、とりあえず違うと主張してる』『本当は王子様ではないけど、とりあえずそう見える』のいずれかを満たす奴を指す。」
「はあ…そんな奴がいるんですか。」
「ちょっとネタバレだが、このシリーズにそーゆー奴がいるのはお約束だ。とりあえず『いる』とだけ語る分には問題ないでしょ。とはいえ、実際確認したときにはカンドーしたが。」
「そんなものですか…」
「一応が付くとはいえ、コイツの捕獲が最終目標だからな。私はウラ目標とされる『紫の上プラン』は好かん。」
「すいませんご主人様、その『紫の上プラン』ってのは…」
「一応これまたネタバレになるので、あえて細かく語らぬコトにしよう。気になるのなら『源氏物語』を読め。」
「はあ、そうですか。で、残念ながらマイナスだったのは…」
「それがなあ。『玉子様捕獲』どころか、他も含めて彼氏の捕獲に失敗してしまったのだ。」
「それは重大な失敗ですねえ…(『捕獲』に突っ込むのは止めておこう)」
「表面的な数値は良かったのだがなあ。結果として性格面が悪かったのが…」
「あの…性格、悪かったんですか?」
「うむ。『おせっかいで清廉潔白で神経質、甘ったれで破天荒、八方美人で打算的、トドメに自惚れてる』ときたもんだ。最初のプレイなので、この辺の調整に失敗した。」
「そりゃまたスゴい性格ですねえ…」
「言葉ほど悪い状態ではないんだが、調整は結構大変だぞ。いくつかは隠しパラメーターを調整する必要もあるしな。」
「しかしですねえ。そうやって数値で管理できちゃうのも味気ないって言うか…」
「言いたいことはわかるが、ゲームとはそんなもんだ。ただ言っておくが、『いかにもウチの娘』ってところもちゃんとあるぞ。」
「へえ、それはどの辺です?」
「趣味だな。『頭を使うこと、勝負事』が好きだそうな。ギャンブラーになれるぞ。」
「あ、あのですねえ…」
「仕方ないだろ。特別な攻略目標を設けず、『我が家の教育方針』に従うとこうなるのだ。さすがはゲーム内とはいえ我が娘。ついでに言えば文系人間だし、運動音痴だし、音楽にも五月蠅く育ててみた。」
「親の趣味がうかがえますねえ…」
「別に意識したワケではないんだけどなあ。音楽は初期に『ピアノ教室は面白くない』などとヌカすので、『馬鹿者!そんなものはバイエル(代表的練習曲)卒業してから語れ!』と激昂して通わせ続けただけだし。」
「そこでバイエルがすらっと出てくるのが、ご主人様ですねえ…」
「社会的常識でしょ。ま、戦闘に役立つってのも理由の1つだけどな。」
「戦闘と言えば、今回は異世界への冒険があるんですよね。」
「このシリーズはやはりコレがある方が萌える…もとい、燃えるな。」
「でも、運動音痴で大丈夫だったんですか?」
「初期は苦戦したぞ。ただ、魔法覚えてからは楽勝だった。鍛えまくったからな。我が家の教育方針として『バカと根性無しは許さん』ってのがあるので、必然的に魔法は強くなるのだ。」
「確かに強かったですねえ。おかげでボクの出番が…(娘が負けると執事が助ける)」
「執事が目立ってどうする。だいたいだなあ。お前には言いたいことが山ほどあるんだ。『2』の時といい、アニメ『ぷちぷりユーシィ』の時といい…良い機会だから、ここで『正しい執事の道』をみっちり説明してやろうか?」
「勘弁して下さいよぉ…時間も時間だし、そろそろ〆に入られた方が…」
「そうだな。長いことこのシリーズをやっているけど、やはり独特の面白さがある。あんまり思い通りにいかないところがいいのだ。それで不出来な娘が出来上がったとしても、そこがまた可愛いってもの。手間がかかる点も文句を言ったけど、それもまた良い点だと思う。元々多少苦労してナンボだと割り切れる人向けのゲームだからな。その意味ではプレイヤーを思いっきり選ぶけど、それだけに好きな奴にはたまらないでしょ。つーわけで、苦労してみたい人はプレイしてみて下さい。」
「ご主人様らしい〆ですねえ。それでは私はこの辺で失礼させて…」
「待て。お前はまだ仕事があるだろ。これからセーブデーターさらって玉子様捕獲に再チャレンジするんだから。それに娘2号の育成も近日中に開始予定だし。本当はこんなところで油売ってるヒマなんてどこにもないぞ。働け!」
「トホホ、人使いが荒いなあ。勘弁して下さいよ~」
4月13日 ― 2007/04/14 04:44
PC系というより、IT系の話題。音楽配信ビジネスについて思うところを書いてみたいかなと。まあ、ビッグニュースもあったことだし。
音楽配信ビジネス最大手のAppleが、いわゆるコピーフリーの楽曲を扱うことにしたそうな。この辺の経緯はIT系のサイトを参照して欲しい。多少お値段上がるけど音質は良くするそうなので、消費者にとっては歓迎ってコトになるかな。
実のところ、私は音楽配信は全く利用してない。PCでの音楽再生にはiTunes使っている(確かに使い勝手がいい)けど、ダウンロードは利用してない。理由は特にないんだけどね。強いて言うなら、一般性なんてカケラもないモノばかり聴いてるからかなあ。
さらに加えて、私は音楽をPCでしか聴かない。iPodに代表される「携帯再生機」持ってないし、携帯で音楽は聴かない。よって、コピーフリーの恩恵なんてまるでない。音質についてはウルサイ方に分類されそうだけど、まあ限界は低い。正直言って、このニュースは「直接的にはどーでもいい」ってことになる。
それでも、やはりこのニュースは歓迎したいってことになるかな。いわゆる「コピーガード」は好きになれないので。話が「違法コピーを防ぐ」うんぬんに留まっているのならこの際いい。それとは別の部分でやたら使い勝手が悪くなるのだ。ましてや音質が悪くなるなんて話まである。カネ払うのは仕方ないとしても、それ以外の負担を要求されるのはかなり納得がいかない。
その意味では、これでやっと正常化へと向かい始めたって気がするのは確か。いやあ、めでたいめでたい…と言いたいところだけど、まだ問題はあるんだよね。実はこのニュース、今のところ日本じゃほぼ無関係なんだもの。
Appleは「コピーフリーにしないのはウチの都合じゃねえ、レコード会社側の都合だ」と主張している。実際には恩恵受けてるハズだけど。このため、Appleが何をどう主張しようと、レコード会社側の承諾がないとコピーフリーって話にはならない。「コピーフリーOK」って言い出したのはあくまで米国の会社(大手で世界的に影響力あるけど)なので、今のところ日本の楽曲は無関係なのだ。
日本でもそのうち…と言いたいところではあるけど、その辺どうなるのかはよくわからん。日本には凶悪な「抵抗勢力」が存在するからだ。それは何かって?携帯電話会社である。音楽配信ビジネスって枠組みで考えた場合、思いっきりライバル関係になるからねえ。
そりゃあね、今のところ直接的にはバッティングしない。携帯電話用のサービスは携帯電話を介してしか受けられないから。「PCの世界で何が起きようと、携帯には携帯の理屈がある」で済む話だ。けど、この図式はかなり危ういものである。iPodの機能が付いた携帯端末iPhoneってものの登場がわかっているだけに。
iPhoneに代表される「スマートフォン」(高度な機能付きの携帯端末)ってのは、実のところ日本の携帯電話キャリアにとっては都合が悪い存在である。ビジネスモデルを粉砕される可能性があるからだ。何でそうなるのかって?これは、携帯電話の理屈をPCにあてはめて考えるとわかりやすい。
今の携帯電話キャリアは、自社の端末で使えるソフトに関しては独占供給してるようなものだ。Windowsを買ったら、自動的にブラウザはIE、メールはOutlook、ワープロはWordで表計算はExcel…ってなものである。これがいかにオイシイのか、わかる人にはわかるでしょ。スマートフォンはなまじ高機能なだけに、この図式を崩壊させかねない。
もう1つ見逃せないのが、買い換え需要を激減させかねないことである。今の携帯電話はソフト=本体である。新しく導入されたサービスの大半は、新しい端末買わないと利用できない。けど、スマートフォンの場合はソフトウェアアップデートだけで対応できる局面が増えるはず。これまた携帯キャリアにはあんまり都合良くない。買い換え頻度が減れば、「本体価格安くして通信料金を上げる」って今の図式に重大な疑問が付くからねえ。
他の点についてはさておき、音楽配信に関しては携帯キャリアは極めてマズい位置にある。携帯に特化して物事を考えてきたので、比べられると勝てないのだ。だってそうでしょ。いわゆる「着うた」は、携帯電話でしか利用できない。ということは、何をどう頑張っても音質には限界ありまくり。iPodの音と直接比べる分には互角と仮定しても、ちょっとカネかけたスピーカー付けたPCで再生できるかどうかで思いっきり差が付く。ましてやCDに焼いてド高級オーディオで再生された日には…
そりゃあね、大抵の人間にとっては「高級オーディオで再生できるかどうか」より、「携帯電話で再生できるか」の方が重要だ。けど、「何でも再生できる」と「携帯電話だけ」って比較をされたらアウトである。いくら「最近の若者は耳が腐ってる」とはいえ、それぐらいの分別はあると思うぞ。
つーわけで、携帯キャリアは既得権益を守るため、色々働きかけることになる。着うた市場が大打撃を受けるのはレコード会社側も困るから、「コピーフリーは良くない」って意見を受け入れる意味はあることだし。将来を考えれば間違った結論だとは思うけど、その辺冷静な判断が下せるようなら、意味不明なコピーガードを採用することはなかったはず。連中の考えるコトなんて、しょせんそんなものよ。
とはいえ、一応希望はある。「音楽は携帯で聴けばいい」って考えは、レコード会社にとって好ましくない。レコードの売り上げが減るから…ではない。「音質なんてどーでもいい」って概念を認めるのと同義語だからだ。ビジネス面を無視しても、これは認めたくないでしょ。自らの存在意義に関わるからねえ。それゆえに、携帯市場は無視できないけど、最優先にはしたくないでしょ。
私にとっては、音楽配信ビジネスそのものはどーでもいい。利用してないんだから。私の敵は「音楽は携帯で聴けばいい」という、音質軽視の考え方である。今でさえバカ高い高級オーディオの需要が減ってしまったら、さらに値段が上がるではないか。「良い音が聞きたい」って概念は、広まってくれた方がずっと有り難い。そういう観点で考えた場合、「コピーフリー」の方が都合がいいのでは。少なくとも私はそう思う。
4月14日 ― 2007/04/15 01:05
昨日に続いてちと堅い話題。著作権違反ってものについて述べる。私はこの問題に詳しいってワケじゃないんだけど、それでも語っておきたくなった。よって、内容は薄くなります。悪しからず。
何でこんなコトを書く気になったのか。昨日のネタに対するツッコミが原因である。言いたいことはわかるけど、実は直接関係がない。しかし、この手のカン違いはむしろ当然のことではないかと。ブログやら何やらで間違ったこと述べてる奴は多いからなあ。私も多いに勘違いしてるハズだから、偉そうなことは言えないんだけどね。
まずは昨日のネタのフォローから。ダウンロードできる楽曲がコピーフリーかどうかは、著作権と直接関係ありません。著作権はやかましい法律ではあるけど、問題にしてるのは「コピーされたモノの使い道」であって、「コピーそのもの」は禁止していないのだから。
よーく考えて欲しい。コピーそのものが駄目なら、「小説などをノートに書き写す」とか、「雑誌をコピーして整理しておく」ってコトも法律違反になる。著作権は大原則として、「私的複製」は禁じてない。ここからして勘違いしてる人は多いんじゃないかなあ。
じゃあ、法律違反になるのはどんな時?私的ではない複製、つまり商用利用した時だ。「コピーしたモノを売る」ってのが典型例だね。もちろん、タダで配ればいいってワケではない。何にせよタダで配る以上は別の何かで利益になってるわけであり、その時点で私的複製とはみなされないと考えていい。
とまあ、ココまでは私にも言える。しかし、「もっと詳しく、具体的に教えてくれ」と言われると困ってしまう。複製物の利用方法なんて山ほどあり、どれがセーフでどれがアウトかきちんと断言するなんて無理だ。少なくとも私に答えられる問題じゃないね。
じゃあ、誰なら答えられる?知的財産(著作権や商標権など)の法律の専門家。以上終わり。他は誰に聞いても無駄な可能性が高い。作家だの編集者だのといった「著作権で食ってる人々」は、まあ一般人と比べれば多少はこの問題に詳しいはず。けど、程度問題で言えば「だからどーした」レベルではないかな。なお、知的財産関連以外を専門としてる法律家も似たり寄ったり。
良い例がある。某ブログで多少著作権に詳しそうな人間(おそらくそーゆー職業なんだろ)が、「小学校で配布してるプリントなんて、著作権違反のかたまりだ」などと発言していた。これ、おそらく大間違いである。教育機関が教育目的に配布するのなら、原則として著作権違反にはならない。他の目的で配ったらヤバいものでも、堂々と配れる。それだけに、「ドコまでが教育目的か」ってのが問題になるんだけど。
著作権法違反の難しいところは、実はこの点である。セーフとアウトの境界が曖昧で、一般常識では判断しがたいのだ。明確にしようと思ったら、極論である「コピーOK、どう使っても良し」か、「とにかくコピー不可」しかない。どちらも有害で間違っていることなんだけど。
音楽の場合で考えよう。ごく普通のCDを買いました。これをMDに落として通勤途中に聞いてます。これは著作権違反でも何でもない。認められている「私的複製」の一環である。ところが、ダウンロードした音楽の場合は?Appleの場合を例に挙げよう。iTunesで音楽ダウンロードしました。iPodで通勤途中に聞いてます。これはOK。だけど、このダウンロードした音楽を、iPod以外のMP3プレイヤー(MSのZuneなど)では聞けません。そもそも落とせないようにしてあります。これが「コピーガード」である。
私的複製ってのは、「やって良い」となっている。けど、「禁じちゃイケナイ」とは一言も言ってない。諸般の事情により禁じてるモノもある。けど、「原則としてやって良いことだろ」って言われることも多い。Appleの場合、「何でiPodはOKで他は駄目なんだ」ってツッコミが入った。こりゃあ独占禁止法に引っかかるんじゃねえかと。
そこでAppleのトップであるジョブズが言ったのは、こうだ。iPod以外で再生できるようにするのは簡単だ。けど、コピーガードを「他のプレイヤーでも利用できるように」するのは問題ではないかと。そうなると秘密が緩くなるので外そうとする馬鹿が山のように現れ、そのうち安全じゃなくなる。そうなったら別のコピーガードが造られ…ってイタチゴッコになり、そのうち使い勝手に影響が出る。
そこで提案したのが「コピーガードなんてやめちまえ」である。そもそも、コピーガード付けたのはウチの都合じゃねえと。iTunesでダウンロードした音楽を他のプレイヤーで聴きたい?ああどうぞ、御勝手に。ウチは気にしないぞと。それを受けてレコード会社(EMI)が「じゃあ、コピーフリーの楽曲売ります」となったわけだ。
この件そのものの感想は、「さすが」である。「iTunesから曲買うのなら、iPodじゃなきゃ駄目」って地位を惜しげもなく放棄してるわけで。発言当初は「すぐできる対策じゃなくて、無茶な理想掲げて誤魔化してるだけ」なんて意見もあったけど、思いっきり本気だったんだなあ。この辺、「Appleのハード&ソフトは世界一」と確信してる会社だけのことはある。
複製の違法使用は大問題だ。そりゃあ認める。しかし、だからって複製そのものを禁じるべきかどうかは別問題。この辺を混同してる人は少なくないでしょ。特に日本人はこの辺の意識が甘いというか何というか…ドコまでが自分の権利で、ドコからが違法行為なのか曖昧なまま、「ホントは駄目なんだけど、みんなやってるから」で片付ける国民だからなあ。法律の専門家になれとは言わないけど、「私的複製や教育目的の複製はOK」ぐらい覚えておいて損はないと思う。そこから先?とりあえず私に聞くな。いくら私の仕事の1つに「○○先生(知的財産の専門家)、こーゆーことやって大丈夫ですか?」って確認することがあってもだ。
4月16日 ― 2007/04/16 23:21
とりあえず評価しがたい皐月賞。一応、私なりの回顧をしてみよう。多数ネタではあるけど、ダービーの勝ち負けがかかっているだけに…
私の予想はこう。今回、とりあえず逃げたい馬が多い。結果としてスローペースにはならないだろう。後は「前が残る馬場」なのか「差し馬が届く馬場」なのか見抜けばOK…のはずだった。
逃げたのはまずサンツェッペリン。しかし、スローに落とそうとしてヴィクトリーにハナを奪われる。この辺の融通のなさが松岡君だねえ。ま、逃げ馬の中ではこいつが一番「ハナに立つ必要がない」馬かなと思っていたけど。しかし、モチがいない。おい、どーした。
ペースはちょいと速め。これは前の馬は苦しいなあ…と思っていた。4角回ったときの手応えは、「ある程度粘れそうだけど、何かに捕まりそう」な感じ。そんでもってオレの馬が外から差してきてだなあ…と思っていた。
よくわからんのは、ここから。サンツェッペリンに交わされたはずのヴィクトリーが、何故か蘇って差し返す。そこからさらにサンツェッペリンが詰め寄るけど、また蘇る。そうこうしてるにもかかわらず、差し馬がやってこない。やっとこさフサイチホウオーが詰め寄ってきたと思ったら、差しきる前にゴール。あ、あれ…
勝ったヴィクトリーは強かった…ヘンなところが。上級条件で逃げ馬が勝つときは、多少なりとも華麗さが伴うことが多い。目標にされるので、「ダラっと流れてそのままゴール」って形になりにくいから。けど、今回は結果としてそうなった。並の馬にできる芸当じゃないんだけど、何かがオカシイ。
私が思うに、これはサンツェッペリンと熾烈な叩き合いをしてたのが原因ではないかと。交わされかけてまた差し返すあたり、勝負根性はかなりなモノだと思う。けど、逃げ馬のこういう勝負根性は「とにかく他の馬と関係ない」局面で発揮されることが多いんだけどなあ。熾烈な最下位争いとか。「こいつにだけは負けるか!」って争い続けてたら、なんか他の全てにも勝っちゃいました…ってことじゃないかなあ。
この見解を裏付けるのが、鞍上だったカツハルのコメント。「まさか勝ってるとは思いませんでした」だもんね。GI139連敗を脱出したってのに、おそらく実感ゼロって態度だし。勝つと思わなかった…ってのはよくあるけど、「勝ってると思わなかった」は違うだろ。相変わらず周りが見えてないジョッキーだなあ(笑)。
それじゃあ、有力馬がドジ踏んだのか?うーん、おそらく。特にフサイチホウオーのアンカツは悔いが残ったのでは。イメージ通りに馬が動いてくれなかったんじゃないかってフシはあった。それと、「今日の馬場なら強引に外回しても届く」ってイメージがあったような。9Rでこーゆー勝ち方してるからね。
ただ…この時勝ったのはブレーヴハートなんだよね。ローエングリンの弟だからか、素質はあるけど競馬がド下手。色んな意味で参考にならんだろ…まあ名手アンカツが騙されたくらいだから、元POとしてこの馬をよーく知ってるはずの私が「今日の馬場なら外が届くな」と騙されても不思議はない…ってことにしておいてくれ…
アドマイヤオーラはいいところなし。いや4着なんだから頑張ってはいるんだけど、あれじゃあフサイチホウオー逆転なんて無理でしょ…って内容だった。馬の力がどうこうってのもあるけど、「武豊の確変状態はもう終了?」って印象があった。武豊は基本的に「ハマりが深いけど、好調も長い」ジョッキーだと思っていたのになあ。誰かが目押し間違ったのか?
さて、この結果を受けてダービーをどう考えるかだけど…難解だねえ。「フサイチホウオーが勝手にズッコけただけ」と解釈するなら、まあフサイチホウオーが勝つ。その可能性は高い。けど、2月の府中では、なんかやたら前残りが多かった印象が…その馬場が変わっていないのなら、ヴィクトリーは引き続き要注意ってことになる。どんなものかねえ。私の見解では、一気に交わされたらアウトじゃねえかと思うんだけど。そうされないためには、ある程度覚悟を決めて乗る必要があると思われるんだけど、あの鞍上にそんなものあったっけ?この辺が、過去に皐月賞を逃げ切った馬と異なるような気がしてならないんですが。
他に候補として考えられそうなのは、一応サンツェッペリン。おそらくだけど、ハマった時は強いと思う。けど、オガイジアンの肌にテンビーでしょ、なんか突如コントロール不能になってどっかいっちゃいそうな気が…能力とは別のところで買いにくいです。それと、見限れないのはドリームジャーニー。この馬の大きさ(競走馬にしては小さい)を考えたら、モマれやすい皐月賞より広々とした府中向きだと思う。けど、だからって勝ちきれるかどうかは…能力はあるけど、やっぱり力を出しにくい馬じゃないかなあ。
しかしまあ、ダービー買いにくいってことは、それだけ当てた喜びも大きいってコトだと思う。だからって買い散らかしているようじゃイケナイんだけど。とりあえずズバっと当てるよう、無い知恵絞りますかねえ。しっかし、いまさらブレーヴハートに騙されるとは…ブツブツ…
4月21日 ― 2007/04/22 02:13
木曜に諸般の事情から、完成目前のネタ総ボツ。金曜は何故か疲れて更新前に爆睡…いかんねえ。肉体的精神的にスランプだ。こんな時は軽いネタで誤魔化しますかねえ。
実は何気にずっと継続していた「新雑誌を読んでみよう」キャンペーンだけど、一応今月末をもって区切りをつけることにした。約2ヶ月続いたことになる。普通は1ヶ月程度で終息するから、ちょっと長めと言えるかも。
長期間続いた理由は、「境界線ゆえ次号も試そう」ってなった雑誌があるから。実のところ、「エース」系列はココに組み込まれた。結果としては…惜しくも脱落する見込み。これは「つまらんから」ではない。グッと来なかったのは事実だけど、悪くはなかった。しかしだなあ。発売日が悪かった。月末はすでに購読してる雑誌が山のようにあるので、いちいち増やす気にならなかった…
それに対し、「ガンガン」も「悪くないなあ」程度だったけど、発売日が手薄な時期だった関係で購読継続決定。特にどの作品がどうこうってワケじゃないんだけど。ま、良くある話としておこう。
4コマものはズブズブとハマりかけたけど、最終的には「立ち読みで我慢できる」と判断した。ふう、やれやれ。ただし、単行本を買い始めるのは決定的。これはこれで始末に負えない。なお、例外として「まんがタイムきららキャラット」(タイトル長いぞ)だけは購読することに。立ち読みできないってのもあるけど、これが一番…(以下略)。
あと、「コミックハイ!」も購読決定。雑誌のカラーがどうこうではなく、単純に「贔屓の作家」が多かったので。こういう「萌え路線」の雑誌については色々語りたいことも多いんだけど、その辺はまた別の機会に。
少女漫画系では…内心恐れていたとおり、やはり「Flowers」はスルーできなかった。やっぱり「ろまんが」面白いんだもの。謎の馬型生命体「まくまく」が主人公だった「うまんが」を改題したものだけど、相変わらずまくまくがブッ飛ばしまくっている。難点を挙げるとするならば、まくまくが芦毛じゃないことかな…って、誰もわからん話だな。
他に数点「態度保留」の雑誌があるけど、まあ今回の成果はこんなもの。期間の割に追加が少なくて助かった。ただ…「単行本でカンベンしてやる」って作品を導入した関係上増えなかっただけって話はある。私は基本的には「雑誌で最新話を読まないと気になっちゃう」人なんだけど、全部ソレを押し通すのは無理が出てきた。にもかかわらず結局購読雑誌が増えるあたり、私もビョーキだねえ。
本当はもう少し「読んでみた感想」をここで語りたかったんだけど、そんな余裕はドコにもなかった。ここで語るためにはじっくり読み込む必要があるけど、既存のモノに加えて新雑誌でしょ、ざっと読むだけで手一杯になってしまった…精神的肉体的に調子良いときならともかく、仕事の関係でストレス貯め込んでる時期だったからなあ。これはこれでいいストレス解消になったけど、次はヒマをもてあましてるような時期にやりたいもんだ。
ただまあ、このキャンペーンをやったおかげで「温存中のネタ」ができたことも事実。まとまりが悪いので今のところ放置してあるけど、そのうちワケわからんことを語り出すと思われる。世間はおろか、自分に対してまでもタイムリー性を放棄してネタを放出するのがココってことでしょ。つーわけで、皆さん覚悟して下さい(何をだ)。
4月23日 ― 2007/04/24 04:27
日曜にコマンドマガジン最新号の付録「ドイツ装甲軍団」マーケットガーデンとスモレンスクをプレイ。良く出来たゲームである。つーわけで、その辺を中心に。
この日初っぱなにプレイしたのは、昔懐かし「ドイツ装甲師団長」(アドテクノス)。作戦級っぽいルールの戦術ゲームである。ZOCで囲んで相手を除去ってルールなのに、諸般の事情により戦線張る余裕がない…ってゲーム。その昔軽くプレイしただけだったなので、ルールは相当忘れていた。けど、結構面白かった記憶がある。実際、プレイしてみて楽しかった。
プレイしたシナリオは「赤軍が守る街に独軍が攻めかかる」ってもの。我が赤軍は、ある程度食い込まれるのを承知の上で部隊を集中し、機会を見て反撃に出る(赤軍は相手の除去が得点)ことにする。司令部の指揮範囲から外れるとロクなことにならないゲームなので、そうするしかないって話があるけど。独軍は主力を集中させて街に突入してきたけど、おかげでこちらも兵力を分散させずに済んだ。最後は殴り合いの末独軍がまさかの攻撃失敗、そこでできた穴に反撃加えて私が勝利した。
次にプレイしたのは、マーケットガーデン。先日ブツクサと「このままでは良くならない…」と文句言ったのは、実はこのゲーム。しかし、発売されたバージョンではかなり面白くなっていた。さすがである。
どの辺が良くなったのか?実を言えば、加えられたのは微調整の範囲だと思う。ルールの本質は何も変わってなかったから。しかし、勝利条件と増援スケジュールを見直したことにより、ちゃんと面白くなっていた。勝利条件は私もブツクサ言ったように、旧版は「うまくいっても多少失敗しても、獲得できる点にさほど変化がない」って状態から、ちゃんと「うまくいけば勝ち、失敗すれば負け」となるよう根本的な見直しがされていた。また、増援スケジュールをいじることにより、「必殺技発動は早い場合に限る」って状態から「むしろ遅い方が勝る」って状態に。これでゲームがグッと締まった。
こういう細部調整を見ると、「かなわんなあ」って思いますね。私がテスト版を見た感想は「どうすれば良くなるのか、見当も付かない」って状態だったんだけど、しっかり手直しされていました。私なんぞとは問題解決のためのアイデア量が違うってコトかな。それと、こういう問題点を明確にするためのテストプレイの重要性ってモノも教えられましたね。
ちなみに私がプレイしたのは連合軍。対戦相手はよりによって鹿内氏。さんざテストプレイしていた、このゲームの権威の1人。案の定負けました。敗因は…空挺部隊の使い方かなあ。2ターンに使えって指令が来たので、南方の要塞地帯付近で使ってここの独軍を一掃してみた。これはいい。しかし、降下地点に甘いところがあり、結局要塞に有力な独軍を送り込まれてしまったのだ。そこで矛先を転じて北側で突破を狙い、ある程度成功したんだけど勝ちきれず。うーむ、もっとちゃんと研究する必要があるなあ。
最後にプレイしたのは、スモレンスク。私は初プレイなので、とりあえず独軍をプレイしてみた。基本がわかってる同士(最近はそんな奴しかいない)だと、攻撃側の方が気楽だし。しかし…最初に出てくる部隊の数が少ないので、「どこに行って何すればいいのか」よくわからん。うーむ。まいった。
とりあえず部隊が増えてきたところで、大目標であるスモレンスク(街の名前)に向かってみた。重要性の割には手薄に見えたので。この攻撃は成功し、スモレンスクを占領して敵の部隊を拘束(脱出すると赤軍の点になる)することに成功。だけど、多分これだけじゃあゲームに勝てない。次は何すればいいんだ?
ここで落ち着いてマップ全体を見直してみる。このゲームの赤軍は結構強い。ある程度集結してると、苦労の割に進めないのは確実。てことは、手薄なところを崩したい。赤軍はスモレンスク東部に反撃用の兵力が集結してる。ココに突っ込むのは論外。それと南方にもかなり兵力がいる。序盤から兵力を多めに送り込んでいたので、「後で攻めよう」と無視していたツケが…
この時点でかなり負けた気分になっていたけど、やっと手薄なところを見つけた。南東方向である。ここはよく見たら「移動力はあるけど戦力はさほどでもない」部隊がいるぐらい。こちらの主力をぶつければ崩せる。しかも、好都合なことにイェルニヤ(コレも街の名前)というオイシイ得点源もある。赤軍は快速部隊が不足している(元々そういう軍隊だ)ので、別方面から救援を送り込んでも間に合わないはず…つーわけで、この方面へ進撃し、サクッとイェルニヤを占領して勝利した。
このゲームもかなり面白い。独軍は色々できるようでいて、実はさほど戦力がない。あれもこれも…と手を広げすぎると、自滅すると思われる。その代わり移動力が山ほどあるので、敵の手薄なところを的確に攻撃できる。この利点を上手く使わなくてはいけない。赤軍は結構戦力があり、重点防御したところでは独軍と五分に渡り合える。しかし移動力がないので、柔軟な対応が苦手。どこにどれだけ兵力を送り込むのか考えないと、各個撃破されてしまう。その辺のバランスが良くとれている。
実のところ、私の勝因は「さっきドイツ装甲師団長をプレイしたから」だったりする。「包囲されたら不利」なルールなのに、きちんとした戦線を張らずに戦うのが有利…って部分が共通してるんだよね。一般に赤軍の移動力は少ないので、独軍は「側面を気にせずに」突っ走り続けることができる。その辺の感覚を思い出した後のプレイだったので、的確に相手の弱点を突くことができたんでないかなあ。実は独軍、最後までまともな戦線できなかったし。
赤軍のプレイも悪くはなかった。序盤南方に大兵力を送り込んだのは、正解だったと思う。独軍がマトモに相手してたら時間の無駄になったと思われるし、最終的に街2つを守り抜いたのだから。むしろ問題は、スモレンスク周辺に兵力を送りすぎたことじゃないかと。ここは強力な反攻を行いやすいし、成功すれば点を稼ぎやすいのは確か。でも、今回は多少兵力が余っていたような。その兵力がイェルニヤ周辺にいたら、こっちは勝てなかったでしょ。
実は反省点も山ほどあるプレイではあったけど、「鈍重な赤軍を振り回して」攻撃しまくった末の勝利というのは実に良かった。まさに「電撃戦」っぽく戦えた気がして。私にしては珍しく「華麗に」勝てたんでないかな。得点的には僅差ではあったけど。
ただ…次はもう少し研究してからプレイしたいな。得点では僅差だったことを考えると、下手すると「気持ちよく勝っているようで、実は負けてる」可能性があったわけで。もう少し先の展開を読みながら戦えるようにならないといかん。ただこのゲーム、展開が多彩になるようなルールなので、結論はなかなか見えないと思う。そこがまたいいところかな。実にトーナメント向きのゲームだと思う。ってことは、やっぱちゃんと研究しないと(笑)。
研究しがいのあるゲームってのは、実はなかなかない。面倒なゲームだと研究が進まないし、逆に単純すぎてあっさり結論が出るのも困る。世の中には「面倒なので研究しにくいけど、実はあっさり結論が見つかっちゃう」ゲームが多いんだよね…ってのはさておき、良いゲームを研究するのは楽しいよ。「マーケットガーデン」「スモレンスク」は両方とも研究しがいのあるゲームじゃないかな。つーわけで、私得意の「怪しげな研究」始めますか。ワケわからん作戦を研究するのが、私の大事な持ち味だからね(笑)。
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