5月15日2012/05/16 00:29

 ゲームマーケット(春)アフターレポート。同人ゲームそのものについては、「前回の記事である程度紹介済み」とみなし、それ以外を中心にお届けします。
 
 やや寝坊気味だったため、会場到着は遅め。おかげで買い逃したモノが結構…やはり供給量に問題が生じやすい同人ゲームはタイヘンだ。皆様も注意して下さい。次回以降はマジに「非常手段」を考慮した方が良いかも。
 
 実のところ、いわゆる「サークルチケット」を入手することは不可能ではないと思う。ただ、やはりそんなモノをもらってしまうと、仁義というか何と言うか…で「お仕事」しないワケにはいかない。くれた方が「いいですよ」と言って下さってもだ。これがコミケだと「最前線で弾よけにして下さい!」と申し出て、実際最前線への突撃を命じられ…って形で役に立てるけれど、ゲームマーケットではどうなのかねえ?逆に、あまり酷使されてもそれはそれで困る。「体験卓の管理お願い」などと言われても、対応できるかどうか自信ないし…ただ、今後は贅沢言ってられない気がしてきたのも事実。どこぞで馬車馬のように働くか、自前のサークル(半分ダミー)でも用意するかぁ?
 
 入場は少し奇妙な方法で。まず6階(入場待機用スペース、後にプレイルーム)に集結させられ、中小ブース(4階)行きを奥に、大型ブース(5階)行きを手前に…と、分割して並ばされる。でもって、開始と同時に奥側の階段(非常階段?)を使って移動させられた。私はまず4階から攻めた(売り切れが怖いのは問答無用でコチラ)ので詳細は不明だけど、おそらく5階行きの人も非常階段を使ったと思う。あまり賢いやり方ではなかったと思うけど、会場配置からして無理矢理感がある以上、ある程度は仕方ないのだろう。流石に会場移転も視野に入るのでは。そもそもあの施設、2014年4月から改修工事で1年ほど休館予定(公式発表アリ)だし。
 
 会場内は知った顔だらけ。そりゃそーだ。「ウォーゲーム系」はほとんどが顔見知りだからして。多分、「純粋な一般参加者」(ドコが!と言わないように。今の私はタダの一般参加者だ)の中では顔が広いレベルだと思う。もちろん以前の肩書きの影響が大きいワケだけど、コッチも「挨拶欠かさない、新作はなるべく入手(当然自腹)する。」ってコト(常識だ常識)を心がけているからなあ。「同人の活動支援」は大事ですよ。大手中小に関わらず。
 
 サークル入場している方々だけでなく、一般参加者の中にも知った顔がチラホラと。個人的意見だけど、実は私よりも「同人ゲームの紹介」に向いた方って、いると思うんだこの世には。私は単に「同人ゲームコレクター」であって、深い洞察とか建設的な提案とかを期待するのであれば、他の方に当たるべきではないかと。同人ゲーム業界はなんか盛り上がっているんだから、そのパワーをどうこうって話はもっと出て良いような気はする。
 
 既存の知り合いに対面するだけではない。私もそれなりに知名度があるようで、初対面の方を「紹介」してもらうってコトもある。今回も「初めまして」って方が数人…特に、先日ココに書き込みをなされた堀場殿を紹介してもらったのは笑いました。こーやって交流の輪が広がるのはいいことだ。
 
 その場で堀場殿に披露した私の自説について、ココでも少し触れておこうかな。いわゆる「版権モノ」の話になったので、私の考える「版権モノ四天王」の特徴などを話してみたのだ。「版権モノ四天王」は、「ヤマト」「ガンダム」「銀英伝」「まどマギ」である。最初の3つはほぼ不動、まどマギは今後どうなるのか推移を見守りたい…ってトコロ。「ヤマト」はとにかく多い。とにかく同人ゲームの中では最も数が多いと思う。コテコテのSLGは流石に少ないけれど、ミリタリー色の濃いゲームの応用とか、フツーのカード・ボードゲームの題材としてもよく見かける。知名度の高さだけでなく、「色んな形のゲームにしやすい」題材なんだと思われる。
 
 実は人気ほどゲームになってないのが「ガンダム」。SLG系では問答無用で人気アイテムなんだけど、他のゲームが人気の割に少ない。ガンダムっていわゆる「スーパーロボット」系(問答無用で強いモノ)と「リアル系」(常識的な範囲で強い程度のモノ)の橋渡し的存在の1つ(詳細は語り出すとタイヘンなので省略)と言われているんだけど、それが逆にカードゲーム・ボードゲームのネタになりにくいのかもね。SLGとしても「リアル志向」が強めのゲームって形になることが多く、そのため実は「結構重たい」ゲームが多いような。その点、今回入手したオデッサ作戦モノ2つはどちらも「比較的ライトなSLG」に仕上げていて、ある意味斬新に感じた。リアル志向の強いガンヲタにプレイさせて、最初は「こんなチャチなゲームじゃ…」と思わせておき、ボコボコにしてやって(ZOCアリのゲームでZOCを使いこなせないようじゃ、まず負ける)「作戦術の大切さ」を説く…ってのは面白いかも。
 
 銀英伝は流石に最近影が薄くなった。ツクダから出たモノが「少なくとも明白に超えるのは難しい」ってレベルなので、その応用ぐらいしか出ないからなあ。今となってはバルジだのハリコフだのみたいに「似て非なるゲームが山ほど出る」ってホドの人気ではなさそうだし。ただ、元々SLGとの相性は極上の作品のハズなので、何かしらブレイクスルーがあるかも。
 
 今まで何度も語っているまどマギ。人気がある作品だってのはわかるけれど、何故こうもゲームが出るのか、かなり不思議だ。「ゲームにしたくなるような作品だ」と、同人ゲームを出した作者の1人が語っていたし、私もそう思う。けれど、「こうも突出して数が多い理由」としては弱いのでは?だとしたらコンシューマー系ゲームで複数の企画があってもおかしくないのに、私の知る限りでは携帯機に1つあるだけ。面白い現象だと思う。
 
 私の考える仮説としては、この作品がゲームにしやすいってだけではなく、「アナログゲーム流行期に流行った作品だから」ではないか…ってモノ。理由・理屈は良くわからないんだけど、なんかアナログゲームは地味に流行していると思う。SLGだけ見ると「コマンド誌(a-game)のゲームマーケット進出」が好循環(ゲーマーが集まる~ソレを目当てにサークルが集まる~サークルを目当てにゲーマーがより集まる~)を生み出したってコトが大きいと思うけれど、それだけじゃなくてアナログゲーム全体がなんか盛り上がっているような。理由は良くわからない。「震災の影響で…」って分析があるのは私も知っているけれど、その前からなんか盛り上がってきているなあ…って感触はあったからなあ。
 
 理屈はともかくアナログゲームはなんとな~く盛り上がってきていて、SLG業界もその流れに乗れていると思う。良かった良かった。こーゆー流れがうまく定着してくれれば言うことナシである。関係各位の奮戦っぷりを見る限り、「そうなってくれるのでは」って期待を持ってもいいと思うな。
 
 先日の記事で「色々謎」と書いた「このシミュゲがすごい!」だけど、実は国際通信社のお偉いさんにして「元」コマンド誌編集長(偉くなったので担当を外れたらしい)の中黒殿が「さいたまオフラインに影響されて」(当人談)同人誌を作ったってモノ。ゲーム付きでフルカラー。ライターもかなり豪華ときたもんだ。ある意味コマンド誌に真っ向からケンカ売っている(笑)。売れ行きはかなり良かった(いくつ持ち込んだのか聞いていないのだけど、完売していた)みたいだし、「年1回なら(継続して)出せるかな…」って言質も取ってあるので、今後も期待したいですね。同人だろーが商業誌だろーが、「継続してこそ」ですよ!
 
 なお、この本にツッコミ所を発見した。裏表紙にある4コママンガ「しみゅげ!」(画:9Joeまさはる/作:広島がんぼう)第44ターン「不幸自慢」の2コマ目に「ワゴンセール常連の『○軍大反攻』が…」って台詞が出てくるけれど、「○軍大反攻」(原題「ホ○イトデス」)がワゴンセールの常連ってコトはあり得ない。コレは「○ロシア大作戦」(原題「レッ○アーミー)のコトであろう。「ホワイトが赤でレッドが白」なので、勘違いしたのだと思われる。なおこのゲーム、色々悪い評判があるけれど、言われているほどヒドいゲームではなかったと思うな。大味なことは認めるし、多少運ゲーの要素がある(独軍増援がランダムなので。強い部隊が早めに到着してくれないとキツい。)けれど、「独軍は抵抗不能」ってホドではなかったような。アレが駄目なら、バルバロッサ作戦初期を扱ったゲームは全部駄作ってコトになるぞ。
 
 多くの方が期待していたであろう「ウォーゲームハンドブック2012」について、少しだけ触れておこう。正直、私はルールブックとマップ眺めた時点でアタマ抱えていた。「駄目なゲームだから」ではない。「難しいゲームだから」である。太平洋戦争戦略級ゲームだからなあ。ちなみに、山本五十六が活躍していた頃まで…ってな理由(口実?)により、開戦から43年4月までのゲームとなっている。なんか似たようなスケール・似たような期間のゲームをデザインしようとした方がいたような気が…
 
 ルールはごく簡単。その点は初心者でもプレイ可能と呼べる。けど、「ユニットが少なく、ルールも少ない戦略級ゲーム」って、マルチゲーム並みに「超展開」を許容したモノ(それでバランスが取れている場合もあるけれど、大抵はバランスが悪い)か、「ルールを使いこなすのがベラボーに難しい」ゲームになりがちなんだよね…ルールを読む限り、1手1手がスゴく重そうで、気軽にプレイできそうもない。久々に腰据えて研究してみるかな。そうしないと、初心者相手に負けかねないし、たとえ勝ったとしても「貴方はこの点が不味かった。次はソコを工夫してみて下さい」ってアドバイスも出来ない。なお、私は相対的に太平洋戦争には詳しくないので、研究には時間が掛かるかも。太平洋戦争の「有望そうなヒネリ」なんて「CBI重視策」ぐらいしか知らないし。その昔初期タクテクス掲載の「第三帝国」作戦研究を熱心に読んだ関係上、怪しげな戦略をスラスラと10個近く並べることが可能(「ヒト電」研究では一応全部検証した)な欧州大戦モノとはソコが違う。「太平洋艦隊」(HJ/SS)の作戦研究でも探して読んでみるか?むしろ「RED SUN RISING」(GMT)研究を読んだ方が良いかも。
 
 他にも書きたいことは山ほどあるけれど、ややとりとめが無くなってきたのでココまでとしよう。後は必要と感じたなら後日また何か吼えればいい。とにかくタイヘンな1日でした。ま、こーゆー場所でヘトヘトになるのが私の生き甲斐なんだから仕方ないけれど。とはいえ、「ANIMAKER~声優大作戦~」(TDF)新版フルセット(分量が分量なので、クソ重い)をずっと持ち歩いていたのは失敗だったか。いくら「早く入手して安心したかった」(ヲタクに良くある性)とはいえ…

コメント

_ 堀場 ― 2012/05/16 17:46

ゲームマーケット、お疲れさまでした。
また、当日は対戦していただき、ありがとうございました。

同人ゲームに関する分析はなかなか興味深かったです。
ガンダム・ゲームについては数が少ないとのことですが、これは版権を気にして……というのもあるのではないでしょうか。

最近は知りませんが、一時はサンライズがかなり強気に出ていたように思いますし。

まぁでもそれはそれとして、個人的にはボトムズのゲームはもっと出てほしいところです。

いや、いっそ自分で作るか!?

_ takoba39714 ― 2012/05/16 23:59

>なんか似たようなスケール・似たような期間のゲームをデザインしようとした方がいたような気が…

しまった。誰も覚えていないだろうとタカをくくっていたのに(笑)。
なんかゴチャゴチャしすぎてきたので再構成中です。
これを研究して、再度出直しを図ります。

_ F男 ― 2012/05/17 01:04

>堀場殿
こちらこそ、対戦有り難うございました。対戦そのものはともかく、結果には納得してないので、機会がありましたらリベンジさせて下さい(笑)。

>版権を気にして……
書いている時には失念してましたが、確かに「版権問題が五月蠅い」って話はありましたね。「バンダイもウルサイ」って話も聞いたことがあるような…確かに影響があるのかも知れません。

>ボトムズのゲームはもっと出てほしいところです。
激しく同意です。

>いや、いっそ自分で作るか!?
実は同人ゲームの作り手から「どうゲームにしたものやら…」ってニュアンスの話は聞いているので、大変だとは思うのですが、何かしら手はありそうです。頑張ってみて下さると嬉しいですね。予約したいくらいです(笑)。

>takoba39714殿

>誰も覚えていないだろうとタカをくくっていたのに(笑)。
そーゆーコトを覚えておいて、頃合いを見て刺激してみる…ってのが、私の大切な「シゴト」ですから(笑)。

>これを研究して、再度出直しを図ります。
「手軽にプレイできる太平洋戦争の戦略級ゲーム」はたくさんあっていいと思うので、色々工夫してみて下さい。これまた予約したいくらいです。

_ manicure ― 2017/05/04 13:15

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