8月20日2011/08/20 23:18

 ヴィクトワールピサについては後日。なんつーか…今は色々言葉になりません。少し立ち直る時間を下さい。
 
 コミケ戦果、ゲーム編。分量が多くなりそうなので、独立させました。コマンド誌には絶対書かないことを中心にお届けします。と言っても、今回のレポートがコマンド誌に載ることはないから、そーゆーネタもここで扱うわけだけれど。なお今回は完全敬称略です。悪しからず。
 
 今回真っ先に紹介すべきは、2011(CM76-CM80)」(TNG 初日西つ-11a)かな。ゲーム(電源不要)のサークル配置データを紹介したもの。大半のゲーマーには無用の長物だけど、私のような「ちょっと特別な興味を持つ人間」にとっては有り難いシロモノ。個別のゲームを紹介する前に、全体を俯瞰する意味でこの本から入ってみた。ちなみに、CM76は一応私が「コミケレポート」なるものを最初に書いた回。それから今回のCM80 までのデータが掲載されている。どう考えてもマニアックなモノだけど、「一度はコマンド誌に載せてやる」と意気込んでいたんだけどなあ(笑)。
 
 この同人誌を見ればわかるんだけど、ゲーム(電源不要)の中のサブジャンルに、「SLG」というモノがある。にもかかわらず、実のところ「SLGを扱っているか否か」は、サブジャンルだけでは判断できない。例を出そう。今回のCM80において、サブジャンル「SLG」って区分で出展したサークルは8つとなっている。しかしながら、実際はもう少し多い。少なくとも「SLGamer」のさいたまオフラインが含まれていないのだから、「そーゆー分類をするのはF男だけ」って話ではなく、「実態と違う」と断言していいのでは。
 
 何故このような「食い違い」が生じるのか?単純に「実態に即している」かどうかで言えば、私の持っているデータの方だと思う。それが、「SLGがあるかも」ってだけでコミケ会場を飛び回っている人間の強みってことで。ただ、このやり方でゲーム(電源不要)全体を俯瞰するのは、ハッキリ言って不可能でしょ。私だってSLG限定という「ものすごく幅の狭い範囲」だから「足を使った取材」ができるのであって、よりサークル数の多いTRPGやカードゲーム等も含めてそれをやれって言われたら、逃げ出す。少なくとも依頼してきた奴に「公式の取材許可証もらってから来い!話はそれからだ。」と伝えるね。マジに。ちなみに、コマンド誌からそんなモノを支給された覚えはない。
 
 こういう食い違いがあったからと言って、買う側は別に問題ない…というワケでもない。これは推測だけど、コミケを主催する側が各サークルを「どのサブジャンルに分類しているのか」は、むしろ 「電源不要同人クロニクル」の持っているデータに近いと思われる。そのため、「他のSLG系サークルと離れた位置に配置された」とか、「他のSLG系サークルより当選確率がやたら低い」といった「ちょっとした不都合」が生じる可能性がある。これらは当然買い手にも色々影響してくるわけだ。
 
 実を言えばこの「サブジャンルの不一致」って現象については、以前から「どうもそーなっていそうだ」と推測はしていた。とはいえ、これは「マイナージャンル故の悲哀」とか、「各サークルの生き残り戦略」などが絡んだ結果こうなったと思われるので、今更是正もへったくれもないとは思う。ただ、似たような現象はゲームマーケットでは見られなかったことを考えると、「コミケという場でSLG系サークルが生き残ってゆく方法」なんてコトを考察しようと思ったら、それなりの意味を持ってくるのかも知れない。
 
 この問題に関しては、現状では「私の推測に対し、ある程度の裏付けが取れた」だけで満足しようと思う。主に私の好奇心を満足させるため、より細かい調査に挑戦するとは思うけど、せいぜいが「そういう機会があったら」って話になるかな。現状では何の役に立つのか、ハッキリしない問題に過ぎないし。
 
 とまあ、全体の傾向に関するお堅い話はここまでとしよう。お楽しみ?の個別紹介に行ってみよう。今回イチ押しは何と言っても「F-16ファイティングファルコン」でしょ!昔エポックの「シミュレーションゲーム入門2」についていた同ゲームが、「勝手に再版シリーズ」として復活だ。複数のサークルから「アレはいい」って趣旨のコメントを聞いたくらいだ。よくぞ再版してくれた。賞賛に値する。ちなみに発行はStudio Pirates、コミケでは東方大隊(初日西つー4b)。なお、東方大隊発行のAvalanche Press特集はまたもや完結せず…私は最後までつき合うので、頑張って下さい。今回はPanzer Grenadier編。あと、ソロ空戦ゲーム「Phantom Leader」のルール和訳もありました。
 
 今回色々お世話になったさいたまオフライン(初日西つ-5a)。「SLGamer」のvol.3が出ていました。精力的な活動は頭が下がります。今回の付録ゲームは「関ヶ原総進撃」。記事の特集も当然関ヶ原。ゲームだけじゃなくて記事もしっかりしているトコロは素晴らしいです。あと、ド硬派同人誌「The Last Stand」(コマンド誌に連載を持つ鈴木拓也氏の同人誌)も委託で出ていました。
 
 ハードなゲームが好みという方、Technical Term(初日西て-4b)のフリートシリーズは如何?今回は中東が舞台の「Arabistern Fleet」。ただ…実は中東の海軍って、弱小なトコロ中心なのよね。そこでマップを東方向に広く取って、インドVSパキスタンの戦いも扱っています。インド海軍の戦力は強力ですなあ。コレに対し、イラン海・空軍の戦力の弱いこと…「マトモに動くのか?」って疑問がある、革命前に買った航空機含めてコレだからなあ。なお、次回はイスラエル周辺を扱う予定で、今回のマップとの連結も視野に入れているとか。
 
 第二次大戦陸戦モノじゃなきゃつまらん?そんな方は商業誌だけ相手にしていれば…ってワケでもありません。2015年紀解読委員会(初日西て-3a)の「蕋江作戦」が二次大戦陸戦モノです。日本軍対重慶軍(国民党)だけど。ポイントトゥポイントシステムで、45年4月の支那派遣軍最後の攻勢作戦を扱っています。こういうテーマのゲームこそ、「ウォーゲーム日本史」の付録ゲームに…するわけないか(笑)。
 
 複数の同人サークルから「あのコンポーネントは凄い」という賞賛の声が聞かれた、マケドニア本舗(初日西て-3b)の「軍艦越後の戦いDX」。今回は追加ユニットが1シート分出ていました。本体をお持ちの方は是非入手したいところですね。
 
 後はSLGと言うよりは「境界のゲーム」になるのかな。とはいえ、そーゆーモノも積極的に取り上げるのが私のポリシー。このジャンルイチ押しは何と言っても「高速鉄道を埋めよう!」(芸無工房LOSERDOGS:初日西て-6a)…デザイナーズノート?にある「今は反省している」の一言が全てを言い表しています。このノリ、私は好きだな。
 
 昔懐かしタンクバスターのルールを使ったのが、「タンクバスターマクロス」(Gカンパニー:初日西つー3b)。何故マクロス。ただ、この手のゲームのネタは、ヤマト・ガンダム・マクロスが「3強」だと思う。作者の年代とか色々あるんだろうな。
 
 こういうモノも評価できる私でありたい。オペレーションミラージュ(初日西て-4a)の「とある爆撃機の尾部銃座」は、米軍のB-17を操って戦略爆撃を成功させる…ってゲーム。プレイヤーは全員同じ機体の乗員を操り、力を合わせて爆撃を成功させて帰還することを目指す…ってのがミソ。「野獣げぇまぁ」の徳岡氏が喜びそうなシステムじゃないかと。これもまた立派な「シミュレーションゲーム」だと思う。
 
 あと、油断しまくってサークル名が不明(奥付に書いてあるかと思ったら、何もなかった…)なんだけど、「宇宙戦艦ヤマトカードゲーム」なるものも入手。ネタがヤマトなので。プレイヤーはヤマト…ではなく、その敵役(苦笑)。「地球を攻撃したのはお前か!」てな理由で攻撃してくるヤマトを迎え撃ったり、言い訳して他人のトコロに行ってもらう…ってゲーム。ミョーなキャラ付けが楽しい。
 
 3日目のメカミリに居を構えていた、「みことが!命別館」(3日目東Y-46a)のゲームについても触れておきましょ。1人用の「レイテ湾の咆哮」「帝都大戦」ってゲームを出していました。まだルールブックも読んでいない(整理は色々タイヘンなんだよ)ので、どんなゲームなのかはよくわからん。一応「考える余地のあるスゴロク」らしい。
 
 あと、本来ならば?ココでの対象にならないゲームについても。イッシーサークル(初日西つ-19b)にて頒布されていた「まどか☆マギカ」のカードゲーム…も入手したんだけど、大事なのはそこで売られていたフォント。私がこみっく☆トレジャーで見かけた「不穏当屋」のフォント集があったのだ。くっ、もっと「宣伝」するんだった…
 
 とまあ、今回も多彩なモノが入手できました。「同人ウォーゲーム発表の場」を考えた場合、去年辺りからコミケよりもゲームマーケットの方が「適切な場」になってきている気がする。実際、「売り上げに関してはゲームマーケットの方が…」という話も聞いているし。ただ、だからって「ゲームマーケットがあればいい」って話になるワケじゃない。特に、関東圏以外に在住の方に行きやすいのはどちらかと言われれば、一応コミケの方ではないかと。また、同人ゲーム・ゲーム同人誌においても「美しいコンポーネント」は重要で、そういうモノを作る「才能」を持った奴はゲーマーであるよりヲタクである可能性の方が高い(あくまで私の印象だけど)以上、「イラスト及びコンポーネント制作で力貸してくれた人間のご機嫌取り」ってな理由でコミケに出る意義はあると思う(笑)。私としては、ヲタクとしてクソ忙しいコミケにおいて、ゲームを物色するのはタイヘンだという事情があるにもかかわらず、やはりコミケにも同人ゲームがあって欲しい。私自身は同人誌も同人ゲームも出す気がないけれど、それでも支援になりそうなことは続けていきたいな。
 
 なお、個人的事情により今回は「駆け足もいいところ」だったので、漏れは例によって山のようにあると思います。そーゆーもんだ。更に、商業誌掲載ならばもっと詳しく書くべきところを、しょせん私のブログだからって理由でかな~り手抜きでお送りしてます。悪しからず。