11月9日2010/11/10 00:54

 本来ならば「心ならずも放置してしまった」ネタを採り上げたい。けど、とりあえずその前に新規ネタを。吼えておかないと精神衛生上良くないので。つまりはまあ、そーゆーネタです。なお、悩んだけどメインの色はあえてコレで。
 
 日曜日はMiddle-Earth東京支部例会。この日私はいわゆる「ウォーゲーム」に分類されるようなモノを全くやらず、ひたすら「ドミニオン」系のカードゲームを遊んでいた。これはちと理由がある。最近ウケてるこのゲームを「体験したい」って人のためのインストに参加したから。一応私は「経験者」だからして。
 
 ドミニオンとは、どんなゲームか?う~む…簡単に説明すると、「場に出ているカードを購入して、自分のデッキを作ってゆくゲーム」となるのか?詳しくはググるなりして調べて下さい。説明するより、実際やってもらった方が「わかる」とは思うんだけど。
 
 ウォーゲームじゃないけど、ドミニオンは面白い…ってのはいい。ここでイチイチ触れるような話じゃないでしょ。問題は、諸般の事情により私が初プレイした「ばるば☆ろっさ」(アークライト)という、「ドミニオン類似ゲーム」の方だ。コレについては、吼えたいことがある。
 
 この色について行ける人間なら、まあ「何をやらせたいのか」おおむねわかると思う。バルバロッサ作戦と言えば第二次大戦東部戦線・独ソ戦だってのは「この世界じゃ常識」だからして。プレイヤーはみんな独軍で、「目標都市」を陥として勝利得点を稼ぐ。そーゆーゲームである。そんでもって、基本システムは「ドミニオン」亜流。
 
 このゲーム、「私が気に入ったかどうか」、つまり私個人の印象を言えば、「イマイチ」だった。やらせたいことはわかるんだけど、どうも追加した要素が「ドミニオン」の良さを打ち消してるように思えて。その辺の細かい分析も重要なのかも知れないけれど、「ドミニオン」を知らない方に説明しようとすると「かったるい」シロモノになりそうなので、ココでは語らない。必要ならば、一緒に飲んだ時にでも聞いて下さい。
 
 吼えたいのは、システムどうこうって部分じゃない。カードデザインだ。あえて厳しく「コレはダメだ!」と言わせてもらう。一応は同人ゲーム評論家の端くれを自称している私が「コミケ会場その他で」あーゆー感じのデザインをしたモノ見つけたら、作者に改善を強く具申する。つーか、真面目に今度の同人ゲーム即売会(11/28のテーブルゲームフェスティバル2010及び冬のコミケ)で、ドミニオン亜流の同人ゲーム作っている方々に「アレを真似ちゃダメだ!」と言いふらしたいくらい。実際にはそんな時間があるとは思えないけど。
 
 カードデザインのドコがダメなのか?まず言っておくけど、イラストが「萌えミリ」なのは無関係。耐性がある私にしてみれば、心底どーでもいい。そりゃ「燃え」系の方が好みではあるけど、強制するほどのコトじゃない。駄目なのは、単純に「大切な情報が小さく印字してある」からである。まだ老眼の進みが遅く、比較的細かい文字に抵抗が薄いこの私に「論外だ!」と言わしめるほど。アレはないわ。40代以上の人間にケンカ売ってるレベルだ。
 
 問題は「字が小さくて読みにくい」だけじゃない。ごく一般的な「カードの持ち方」(上を少し開いて下を指で持つ奴)をすると、一番手前のカードからして自分の指が邪魔でほとんど読めない。カードが上に重なる他のカードに至っては言うに及ばず。「ゲームに深刻な悪影響が出るほど、カードの機能性が低い」と評価するしかない。
 
 腹立たしいのは、目立つ大きさの数値が2つほどあるんだけど、そのうち1つが「目立つ位置にデカデカと書く必然性を感じられない」モノだってこと。そりゃあね、片方が「購入コスト」でもう片方が「使用コスト」だ。「コストは目立たせなきゃ」ってのはわかる。けど、使用コストって「非機能(アクションとして使用しない・できない)」「1」「2」の3段階しかないんですよ?他の方法で表示すりゃあいいじゃん。「もっと他に大事なモノ、目立つように表示しなきゃイケナイものがあるだろ!」ってのは、私レベルでもすぐわかる。
 
 そりゃあね、「イラストがやたらデカい」ってのが諸悪の根源っぽいのは認めよう。「売り上げ考えたら、イラストを大きくする方が大事なんだよ!」という主張があるのも認めよう。しかし、「カード全体におけるイラストの割合」をほとんど変化させなくても、より機能的なカードを作ることは可能だと思う。私個人の見解では、カードをデザインした奴にセンスがない。センスがない奴に「イラストを大きく取れ」という無茶を要求した結果、「ゲームと考えると機能性不足、イラスト集にしては余計なモノが多い」という、誰得なシロモノになっちゃったようだ。
 
 ゲームのコンポーネントというものは、「コレクターズアイテムでありさえすればいい」なとという極端な例外を除き、「まずは必要な機能を満たしているかどうか」が問われると思う。これを満たしていないと、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」って理屈で、イラストの出来でカバーすることも難しいんじゃないかな。そこを押さえた上で初めて「見た目がどうこう」って話になるのでは。なお、この理屈は「同人レベルでさえ、クリアしていて当たり前」の話であり、商業ベースのシロモノなら更に上が問われると思っていたんだけど…
 
 私は、こーゆー「機能面に露骨な欠陥を抱えたモノ」は許せない。ゲーマーだから…ではなく、カレンダー&便せんマニアだからだ。イラストと機能面(カレンダーなら日付部分、便せんなら文字書くスペース)のバランスがどうこう…ってのを鑑賞するのが楽しくてこんなモノに深入りしている身としては、「もっと勉強してこい!」と言いたくなる。…ってことは何か?私はカードやらユニットやらに慣れ親しんだ影響がヘンな方向に作用した結果、カレンダー&便せんにハマったってことか?
 
 ウォーシミュレーションゲームに限らず、ゲームに使う駒やカードなどのデザインについては、飲んだ場などで「アレはいい、コレは駄目」みたいな意見が交わされるけれど、より突っ込んだ意見が交わされる機会はあまりない。これはもったいない話だと思うな。どこかの誰か、少なくとも私より「ウォーゲーム以外のゲームに詳しい人」に、コンポーネント論をまとめてもらえると有り難いんだけど…「誰が描いたイラストなのか」だけで全てを語っているようじゃ、駄目だと思うんだけどなあ。
 
 なお、余談を1つ。このゲームの機能性があまりにも低いので、私は最終的に「イラストでカードの機能を思い出す」という作業を行いました。大股開いているネーチャンはこの機能で、胸強調しているネーチャンはこれで…って感じで。この時点で既に「色っぽいか、趣味に合うか」なんてどーでもよくなってます。こういうドアホな作業を強いられるのなら、実は「萌えミリ系」イラストだってのはプラスだった気がする。「燃え系」だと戦場写真もしくは「リアル追求したイラスト」になりがちなので、絵柄やポージングなどに多少偏りが出るような。「記号の一種」と考えた場合、実は「萌え系」は「燃え系」より優秀なのかも。もっとも、ソレを言い出したら「『ばるば☆ろっさ』のイラストとして最も優秀なのは、ハリガネ弁当箱(ウォーゲームで一般的な、NATO式兵科記号のこと)である」という、よくわからん話になるんだけど。
 
 私は一応「自称同人ゲーム評論家」だ。同人ゲームはどうしてもコンポーネントに難を抱えがちになるので、「厳しい制約の中でどんなコンポーネントにするのか」「あえて力を入れるなら、どんな部分か」なんてことは気にしている。それだけに、こーゆー「機能性を無視したコンポーネント」はちょっと許せない。「こーゆーのは駄目だろ!」って声を広めた方がむしろ業界のためになるような気がしたので、あえて長々と吼えてみました。とりあえず、ゲームに使うカードをデザインするのは早い。カレンダーのデザインからやり直せ(苦笑)。

コメント

_ HA ― 2010/11/10 06:16

おはようございます。
恐らくMustAttack界隈では最も「ばるば☆ろっさ」を擁護しているであろうHAですw

私が聞き及ぶ範囲でも(絵柄に関するものを除けば)情報の見づらさに批判が集中していますね。
かくいう私も所有している「ばるば☆ろっさ」こそカードルールを憶えてしまったものの、所有者さまにインストしていただいた「くにとりっ!」ではやはり同じ問題に悩まされましたので、アークライトを庇いようがありませんw

そうしてみると、より綿密なインストを必要とするアークライト製ドミニオンクローンはパーティゲームとして失格と言えましょう。

# ものすごく蛇足。コスト0で使用できるカードもありますので4段階です。
(もちろんこの程度の瑕疵でF男さまの論が揺らぐものではありません)

> カレンダーのデザインからやり直せ
なるほど…これはF男さまならではの提言ですね。目からウロコです。

_ F男 ― 2010/11/12 22:24

私は、「ドミニオン&そのクローンは、基本的に多人数ソロプレイゲームである」→「多人数ソロプレイゲームの場合、1プレイヤーの手番はサクサク進むべきである」→「ドミニオンクローンに、戦闘って概念は邪魔」、だと考えているのですが、アレはアレでアリって意見があるのは認めます。少なくともゲーム内容は「ダメ」ってほどじゃないかと。

># ものすごく蛇足。コスト0で使用できるカードもありますので4段階です。
使用コスト0のアクション(左上の黒囲み数字が0)ってありましたっけ?記憶が正しければ、実質使用コスト0のアクションは全て「アクションコスト1、使用効果としてアクション数+1」になっていたような。あっても不思議じゃないんですけど。
なお、「アクションだけど、コスト0」と「アクションコスト1、効果としてアクション数+1」の違いは、「他のアクションを行った直後、残りアクション0の段階で使用できるかどうか」に関わるので、地味に重要だったりします。

_ HA ― 2010/11/13 01:06

> 使用コスト0のアクション
恐らく灯台もと暗しというやつかな思いますが、補給部隊がそうです。あとプロモカードの「アドルフたん」もそうですね。作戦フェイズ中に補給カードをプレイする意義としては主に戦車ユニットの火力を発動させる場面でしょうね。

_ F男 ― 2010/11/13 22:24

>補給部隊がそうです。
なるほど。アレはそーゆー位置づけでしたか。ただ、それはルールを直せば別の位置づけに出来そうな。
実はゲームのルールって、コンポーネントの都合により左右される面も多く、「コンポーネントをわかりやすく、使いやすくしなくてはイケナイ」→「ルールをこうしなくてはイケナイ」ってものは多いのですけど、そこが洗練されているゲームは少ないんですよね。もっと「ルールブックの完成度を高める」って意識を高めて欲しいかと。

_ https://shontaslinger.wordpress.com ― 2017/08/11 03:25

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