8月31日2010/09/01 00:24

 本日は、「記録取って最後までやる」って約束でプレイした「ヒトラー電撃戦」リプレイ。説明の必要は無いと決めたので、すぐさま本題に。なお、前回同様独軍が私でAzathoth殿が連合軍。
 
 前回のプレイから多少反省し、細かいトコロを見直して挑んだ今回。と言っても、基本戦略は一緒。ポーランド~天候回復してから対仏戦~ユーゴ・ギリシアの後にバルバロッサ…というものだ。他にも有力な手は考えられるけど、これが私の「お気に入り」だ。
 
 改善点は主に対仏戦。やはり電撃戦連発の方が効率が良い…と、電撃戦が可能な7ターンまで待って対仏戦開始。その間にノルウェーへちょっかいを出しているけど、連合軍は反応せず。
 
 対仏戦はど派手に電撃戦でカタをつけた。7ターンにブリュッセルとナンシーを占領し、8ターンにはパリ攻防戦。実はコレ、結構危険な作戦である。ランスに進出した攻撃部隊が猛反攻を喰らう危険があるから。ただ、今回はカレーから英軍が撤退していたこともあり、あえて採用してみました。おかげで8ターンに仏降伏。後々のことを考えるとここで連合軍が無茶する必要は無い(この時点で燃料を大量に使うのは後々キツいかもしれない)ので、この流れが悪いとは思わない。
 
 この後はユーゴ・ギリシア征伐のため部隊の移送…なんだけど、思わず愚痴が漏れる。単なる部隊移送なのに、対仏戦やっている時と同じくらい燃料を使うのだ。しかも、燃料節約のためポーランド征服時に使用した歩兵は「バルバロッサのため」放置しておき、対仏戦に使った歩兵は「西方防壁のため」放置しておいてコレだ。あれほど研究したゲームだというのに、まだ「燃料の無駄遣いしてねえか?」って気分になる。
 
 対仏戦が終了すると、早くも「どーやってロシアを侵略するか」考える必要が出てくる。部隊の効率良い移動を考える必要があるゲームなので、無駄な移動は可能な限り省く必要があるからね。有力候補は一応3つある。1)南から攻め込み、そのまま南方都市群を攻める、2)南北に攻撃軸を置き、北のレニングラード・南の南方都市群を狙う、3)真っ直ぐモスクワ~ゴーリキーを狙う、である。私は熟考した末、前回同様1)を採用した。理由は単純。レニングラードにも攻撃部隊を割いた場合、南北両方の攻撃が中途半端になりそうだったから。このゲーム、デザインコンセプトに「ヒトラーの戦略は正しい」ってのがあるようで、AAライン進出とまではいかないまでも、南北を攻めるのは理に適っている。ただ、ちょっと冒険的かなあ。なお、真ん中に突っ込むという「独参謀本部案」は、このゲームでは「変則的な作戦」だと思う。タイヘンな割に利益が少なそうで…南方転回するつもりなら、アリだと思うけど。
 
 というわけで、前回同様ユーゴ・ギリシアを攻めた装甲部隊をルーマニア経由で南方に送り込み、北は歩兵で戦線張って誤魔化すって手で、真冬の13ターンにバルバロッサ開始。13ターンは移動だけ、泥濘の14ターンに航空機を移送、15~17ターンの晴天時に「航空機付き電撃戦」をしこたま叩き込み、赤軍戦線をこじ開けることにした。コレが私の考案した「赤軍防衛戦」攻略の秘策だ。
 
 ここでAzathoth殿は、ささやかながらミスを犯したと思う。泥濘の14ターン、独軍はこのターンに生産した航空機に限り、最前線で活用できる。「あらかじめ作った航空機は移送のためもう1ターン待たないと使えないのに、生産した航空機は使えるってなんかヘン」と思っていたんだけど、大規模飛行場整備の時間だと思えば何となく納得できる。この「ささやかな」航空機をドニエプロペトロフスクに飛ばしたんだけど、赤軍航空隊によって撃退され、攻撃も中止された。これはいい。問題はこの後。Azathoth殿は「ここが攻撃受けそうだ」ってんで部隊を少し下げたのだ。これはミスだと思う。
 
 一見常識に適っていそうな、この行動のドコがミスなのか?このゲームは「移動するだけで」燃料を使う。つまり、安易に中途半端な距離へ部隊を下げることは、燃料の浪費になってしまうのだ。「ある程度抵抗するつもりのない土地に部隊を送り、すぐに後退させようと考える」って行動がいかに無駄なのかは、ソロプレイで「独ソ国境で抵抗しようとする赤軍」を何度も大崩壊させ、「どーやって守るんだコレ」とアタマを抱えた私は良く知っている。ここはヤラれるのを承知で死守が正解だった気が。事実、赤軍はこのツケを払わされた。
 
 独軍の電撃戦連発により、赤軍の戦線に大穴が開く。コレはいい。想定された事態だ。しかーし!赤軍はその穴を埋める部隊を動かす燃料が不足していたので、南方の戦線をクイビシェフ前面という「かなり引いた位置」に持ってくるしかなかった。スターリングラードも南方の油田もガラ空き!でも、独軍も手放しでは喜べない。急所であるクイビシェフはガッチリ守られているのだ。あそこへ突っ込むのは、無理というか無茶だ。
 
 そこで…独軍は戦線の形が悪くなるのを承知の上で、まず赤軍の資源ゾーンを着実に占領。コレで赤軍の燃料事情は極めて悪化し、動きが鈍くなる。ヒヤヒヤするほど薄い戦線だけど、コレならしばらく耐えられると見た。そして…バクー油田を守っていた小癪な英軍を蹴散らし、更に南下を命じた。「独軍のコーカサス経由中東攻略作戦」発動である!たまに話題になる戦略だけど、実行したところは初めて見た。つーか、フツー「青作戦」がココまで綺麗に決まらないでしょ。
 
 まさかこんなトコロに独軍が侵入すると思っていなかった(普通思わない)英軍は、バスラに小規模な部隊がいるだけ。ここを攻めるのは、ご丁寧に独軍エリート部隊。当然のようにバスラ陥落。この時期のエリート部隊は、SSじゃなくて「ドイツアフリカ軍団として使ってね」って部隊だろう。アフリカに部隊を送るのが馬鹿馬鹿しいこのゲームにおいて、本当にロンメルが「砂漠の狐」になるとは…「ココまで来たら、スエズも占領してやる!」と、なんか間違った方向からスエズに迫ったんだけど、流石にココの防衛は堅かった。
 
 そうこうしているうち、レンドリース効果もあって赤軍にある程度補給が貯まってきた様子が。この伸びきった戦線を攻撃されたら、東部戦線が丸ごと消滅しかねない…ってんで、戦線を大規模に縮小して防御に移行。スエズ前面?の部隊は戦略移動で引っこ抜き、代わりにテキトーな部隊を送り込んでおいた。コイツらは赤軍の移動で補給切れに追い込まれた(今考えれば燃料ユニット1個送っておけば良かった)けど、補給切れがいくら続いても部隊が消滅しないこのゲームでは「痛いなあ」で終わり。連合軍はバスラ奪回攻撃を行う必要がある。色々得失はあっているはずだ。
 
 その後独軍は「赤軍戦線を色々つついて、部隊と燃料を消耗させる」って攻撃を何度か行い、1942年夏(アレ全部41~42年前半の話なのだ)である25ターンに中断、後日続きをやることになった。なんつーか…スゴい展開である。
 
 こうやって出来事だけ書いてゆくと「独軍楽勝」っぽく見えるかも知れないけれど、内実はヒドいものだ。アツくなって東部戦線(中東含む)に色々突っ込んでしまったので、西側の守りは前回より更に薄い。幸い西側連合軍の燃料事情もキツめ(中東失っているし、レンドリース送らないと赤軍が苦しいし)なので誤魔化せているけど…前回終了時が「これで本当に44年を迎えられるのかぁ?」だとすれば、今回は「流石に44年にはたどり着けそう」ってなものだ。しかも、私が撤退戦で派手な間違い犯さなければ。史実でも「最も難しいこと」とされ、移動だけで燃料を使うこのゲームでは「滅茶苦茶難易度の高い」撤退戦での話だ。正直、どーなるかまだわからん。
 
 この先の展望としては、多分そのうち西側で動きがある。中東を奪回しに来るのか、あえて放置するのかはわからないけど。ただ、北仏は一応それなりの防壁があるので、多分中東奪回の後、北アフリカヴィシー領かスペインのどちらか(両方とも瞬殺可能)を経由して来るんじゃないかなあ。よって、ソレを見てから東部戦線から部隊を引き抜いても、間に合う…といいなあ。一部で大戦果を挙げたと言っても、所詮「物量が倍の敵と戦っている」のだ。最後は「独軍の死に様を見せてやる!」って話になりそうだ。
 
 今まで何度も言っているけど、やはりこのゲームは良くできていると思う。今までWW2の戦略級ゲームはいくつもやってきたけれど、このゲームが一番「ヒトラーの気持ち」を体感させてくれると思うな。特にこのゲーム、燃料が無くなると「引きたくても引けない」って状態に陥るから、「勝てばいいんだ!」って勢いで突っ込みすぎると、代償は多分「戦線消滅」だ。かと言って臆病に守っていればいいってモノじゃない。航空機や電撃戦など、ルールは「攻撃側が相当有利」に設定されている。キチンと先を読み、なるべく攻勢を継続できるように戦略を考えていく必要があるのだ。アタマ痛いなんて可愛いモノじゃない。
 
 しかも、ルールの縛りは緩くて「何でもやりたい放題」だ。他のゲームだったら杞憂レベルの問題でさえ、真剣に考えて「あらかじめ考えて潰す」必要がある。安易に「史実はこうだったから」だけで戦略を練ると、とんでもない代償を支払わされかねない。今回だって、別にAzathoth殿のプレイが「すごく不味かった」ワケじゃない。私の南方重視戦略とささやかなワンミスが組み合わさった結果として、「独軍の中東侵入」なる、私が英軍でも本気で心配しない事態が生じたのだ。しかも、私がソコまで突っ込めたのは「こちらの側面を反撃される心配がないから」というもの。青作戦が失敗した直接的な原因は「側面のスターリングラードがヤバくなったから」という史実と、一応対応している。
 
 あとこのゲーム、実は「作戦面」も結構面白い。特に東部戦線の攻防は、コレだけ取り出してゲームにしても楽しめそうなくらいだ。それもそのはず。実はこのゲーム、よ~くルールを「分析」すると、「East Front」(COL)に良く似たゲームだとわかる。司令部の位置を考えないで良い分、単純ではあるけれど。おかげで、細かい部分はかな~り史実と違うにもかかわらず、「東部戦線らしさ」を感じることが出来る。
 
 確かに、このゲームの「結論」はわかりきっている。国家戦略ゾーンを占領することによって多少差は縮められても、基本的に「生産力と生産上限が倍」の敵と戦っているのだ。いずれ何もかも足らなくなって敗北する。ゲーム上の勝敗は、それをいつまで遅らせることが出来るか…って話なのだから。ただ、その過程はかなり楽しめる。この過程を楽しむ(苦しむ)ってコトこそが「漢は負けるとわかっていても戦わねばならぬ時がある」ってことじゃないかなあ。
 
 ゲーム中断時期が時期なので、今回は独軍の気持ちよい攻撃をお届けできた。でも、次回は「長く苦しい撤退戦」の話…いや、そうなるように努力しなければならない。1つ間違えば、電撃的に戦線が崩壊しかねないのだから。無事最終ターンを迎え、「ゲーム上の」勝利を手に出来るよう頑張らないと!というわけで、次回をお楽しみに!でも、早くも心折れそうなんですけど…アメ公が来ちゃうよ、どーすんだ…