8月31日2010/09/01 00:24

 本日は、「記録取って最後までやる」って約束でプレイした「ヒトラー電撃戦」リプレイ。説明の必要は無いと決めたので、すぐさま本題に。なお、前回同様独軍が私でAzathoth殿が連合軍。
 
 前回のプレイから多少反省し、細かいトコロを見直して挑んだ今回。と言っても、基本戦略は一緒。ポーランド~天候回復してから対仏戦~ユーゴ・ギリシアの後にバルバロッサ…というものだ。他にも有力な手は考えられるけど、これが私の「お気に入り」だ。
 
 改善点は主に対仏戦。やはり電撃戦連発の方が効率が良い…と、電撃戦が可能な7ターンまで待って対仏戦開始。その間にノルウェーへちょっかいを出しているけど、連合軍は反応せず。
 
 対仏戦はど派手に電撃戦でカタをつけた。7ターンにブリュッセルとナンシーを占領し、8ターンにはパリ攻防戦。実はコレ、結構危険な作戦である。ランスに進出した攻撃部隊が猛反攻を喰らう危険があるから。ただ、今回はカレーから英軍が撤退していたこともあり、あえて採用してみました。おかげで8ターンに仏降伏。後々のことを考えるとここで連合軍が無茶する必要は無い(この時点で燃料を大量に使うのは後々キツいかもしれない)ので、この流れが悪いとは思わない。
 
 この後はユーゴ・ギリシア征伐のため部隊の移送…なんだけど、思わず愚痴が漏れる。単なる部隊移送なのに、対仏戦やっている時と同じくらい燃料を使うのだ。しかも、燃料節約のためポーランド征服時に使用した歩兵は「バルバロッサのため」放置しておき、対仏戦に使った歩兵は「西方防壁のため」放置しておいてコレだ。あれほど研究したゲームだというのに、まだ「燃料の無駄遣いしてねえか?」って気分になる。
 
 対仏戦が終了すると、早くも「どーやってロシアを侵略するか」考える必要が出てくる。部隊の効率良い移動を考える必要があるゲームなので、無駄な移動は可能な限り省く必要があるからね。有力候補は一応3つある。1)南から攻め込み、そのまま南方都市群を攻める、2)南北に攻撃軸を置き、北のレニングラード・南の南方都市群を狙う、3)真っ直ぐモスクワ~ゴーリキーを狙う、である。私は熟考した末、前回同様1)を採用した。理由は単純。レニングラードにも攻撃部隊を割いた場合、南北両方の攻撃が中途半端になりそうだったから。このゲーム、デザインコンセプトに「ヒトラーの戦略は正しい」ってのがあるようで、AAライン進出とまではいかないまでも、南北を攻めるのは理に適っている。ただ、ちょっと冒険的かなあ。なお、真ん中に突っ込むという「独参謀本部案」は、このゲームでは「変則的な作戦」だと思う。タイヘンな割に利益が少なそうで…南方転回するつもりなら、アリだと思うけど。
 
 というわけで、前回同様ユーゴ・ギリシアを攻めた装甲部隊をルーマニア経由で南方に送り込み、北は歩兵で戦線張って誤魔化すって手で、真冬の13ターンにバルバロッサ開始。13ターンは移動だけ、泥濘の14ターンに航空機を移送、15~17ターンの晴天時に「航空機付き電撃戦」をしこたま叩き込み、赤軍戦線をこじ開けることにした。コレが私の考案した「赤軍防衛戦」攻略の秘策だ。
 
 ここでAzathoth殿は、ささやかながらミスを犯したと思う。泥濘の14ターン、独軍はこのターンに生産した航空機に限り、最前線で活用できる。「あらかじめ作った航空機は移送のためもう1ターン待たないと使えないのに、生産した航空機は使えるってなんかヘン」と思っていたんだけど、大規模飛行場整備の時間だと思えば何となく納得できる。この「ささやかな」航空機をドニエプロペトロフスクに飛ばしたんだけど、赤軍航空隊によって撃退され、攻撃も中止された。これはいい。問題はこの後。Azathoth殿は「ここが攻撃受けそうだ」ってんで部隊を少し下げたのだ。これはミスだと思う。
 
 一見常識に適っていそうな、この行動のドコがミスなのか?このゲームは「移動するだけで」燃料を使う。つまり、安易に中途半端な距離へ部隊を下げることは、燃料の浪費になってしまうのだ。「ある程度抵抗するつもりのない土地に部隊を送り、すぐに後退させようと考える」って行動がいかに無駄なのかは、ソロプレイで「独ソ国境で抵抗しようとする赤軍」を何度も大崩壊させ、「どーやって守るんだコレ」とアタマを抱えた私は良く知っている。ここはヤラれるのを承知で死守が正解だった気が。事実、赤軍はこのツケを払わされた。
 
 独軍の電撃戦連発により、赤軍の戦線に大穴が開く。コレはいい。想定された事態だ。しかーし!赤軍はその穴を埋める部隊を動かす燃料が不足していたので、南方の戦線をクイビシェフ前面という「かなり引いた位置」に持ってくるしかなかった。スターリングラードも南方の油田もガラ空き!でも、独軍も手放しでは喜べない。急所であるクイビシェフはガッチリ守られているのだ。あそこへ突っ込むのは、無理というか無茶だ。
 
 そこで…独軍は戦線の形が悪くなるのを承知の上で、まず赤軍の資源ゾーンを着実に占領。コレで赤軍の燃料事情は極めて悪化し、動きが鈍くなる。ヒヤヒヤするほど薄い戦線だけど、コレならしばらく耐えられると見た。そして…バクー油田を守っていた小癪な英軍を蹴散らし、更に南下を命じた。「独軍のコーカサス経由中東攻略作戦」発動である!たまに話題になる戦略だけど、実行したところは初めて見た。つーか、フツー「青作戦」がココまで綺麗に決まらないでしょ。
 
 まさかこんなトコロに独軍が侵入すると思っていなかった(普通思わない)英軍は、バスラに小規模な部隊がいるだけ。ここを攻めるのは、ご丁寧に独軍エリート部隊。当然のようにバスラ陥落。この時期のエリート部隊は、SSじゃなくて「ドイツアフリカ軍団として使ってね」って部隊だろう。アフリカに部隊を送るのが馬鹿馬鹿しいこのゲームにおいて、本当にロンメルが「砂漠の狐」になるとは…「ココまで来たら、スエズも占領してやる!」と、なんか間違った方向からスエズに迫ったんだけど、流石にココの防衛は堅かった。
 
 そうこうしているうち、レンドリース効果もあって赤軍にある程度補給が貯まってきた様子が。この伸びきった戦線を攻撃されたら、東部戦線が丸ごと消滅しかねない…ってんで、戦線を大規模に縮小して防御に移行。スエズ前面?の部隊は戦略移動で引っこ抜き、代わりにテキトーな部隊を送り込んでおいた。コイツらは赤軍の移動で補給切れに追い込まれた(今考えれば燃料ユニット1個送っておけば良かった)けど、補給切れがいくら続いても部隊が消滅しないこのゲームでは「痛いなあ」で終わり。連合軍はバスラ奪回攻撃を行う必要がある。色々得失はあっているはずだ。
 
 その後独軍は「赤軍戦線を色々つついて、部隊と燃料を消耗させる」って攻撃を何度か行い、1942年夏(アレ全部41~42年前半の話なのだ)である25ターンに中断、後日続きをやることになった。なんつーか…スゴい展開である。
 
 こうやって出来事だけ書いてゆくと「独軍楽勝」っぽく見えるかも知れないけれど、内実はヒドいものだ。アツくなって東部戦線(中東含む)に色々突っ込んでしまったので、西側の守りは前回より更に薄い。幸い西側連合軍の燃料事情もキツめ(中東失っているし、レンドリース送らないと赤軍が苦しいし)なので誤魔化せているけど…前回終了時が「これで本当に44年を迎えられるのかぁ?」だとすれば、今回は「流石に44年にはたどり着けそう」ってなものだ。しかも、私が撤退戦で派手な間違い犯さなければ。史実でも「最も難しいこと」とされ、移動だけで燃料を使うこのゲームでは「滅茶苦茶難易度の高い」撤退戦での話だ。正直、どーなるかまだわからん。
 
 この先の展望としては、多分そのうち西側で動きがある。中東を奪回しに来るのか、あえて放置するのかはわからないけど。ただ、北仏は一応それなりの防壁があるので、多分中東奪回の後、北アフリカヴィシー領かスペインのどちらか(両方とも瞬殺可能)を経由して来るんじゃないかなあ。よって、ソレを見てから東部戦線から部隊を引き抜いても、間に合う…といいなあ。一部で大戦果を挙げたと言っても、所詮「物量が倍の敵と戦っている」のだ。最後は「独軍の死に様を見せてやる!」って話になりそうだ。
 
 今まで何度も言っているけど、やはりこのゲームは良くできていると思う。今までWW2の戦略級ゲームはいくつもやってきたけれど、このゲームが一番「ヒトラーの気持ち」を体感させてくれると思うな。特にこのゲーム、燃料が無くなると「引きたくても引けない」って状態に陥るから、「勝てばいいんだ!」って勢いで突っ込みすぎると、代償は多分「戦線消滅」だ。かと言って臆病に守っていればいいってモノじゃない。航空機や電撃戦など、ルールは「攻撃側が相当有利」に設定されている。キチンと先を読み、なるべく攻勢を継続できるように戦略を考えていく必要があるのだ。アタマ痛いなんて可愛いモノじゃない。
 
 しかも、ルールの縛りは緩くて「何でもやりたい放題」だ。他のゲームだったら杞憂レベルの問題でさえ、真剣に考えて「あらかじめ考えて潰す」必要がある。安易に「史実はこうだったから」だけで戦略を練ると、とんでもない代償を支払わされかねない。今回だって、別にAzathoth殿のプレイが「すごく不味かった」ワケじゃない。私の南方重視戦略とささやかなワンミスが組み合わさった結果として、「独軍の中東侵入」なる、私が英軍でも本気で心配しない事態が生じたのだ。しかも、私がソコまで突っ込めたのは「こちらの側面を反撃される心配がないから」というもの。青作戦が失敗した直接的な原因は「側面のスターリングラードがヤバくなったから」という史実と、一応対応している。
 
 あとこのゲーム、実は「作戦面」も結構面白い。特に東部戦線の攻防は、コレだけ取り出してゲームにしても楽しめそうなくらいだ。それもそのはず。実はこのゲーム、よ~くルールを「分析」すると、「East Front」(COL)に良く似たゲームだとわかる。司令部の位置を考えないで良い分、単純ではあるけれど。おかげで、細かい部分はかな~り史実と違うにもかかわらず、「東部戦線らしさ」を感じることが出来る。
 
 確かに、このゲームの「結論」はわかりきっている。国家戦略ゾーンを占領することによって多少差は縮められても、基本的に「生産力と生産上限が倍」の敵と戦っているのだ。いずれ何もかも足らなくなって敗北する。ゲーム上の勝敗は、それをいつまで遅らせることが出来るか…って話なのだから。ただ、その過程はかなり楽しめる。この過程を楽しむ(苦しむ)ってコトこそが「漢は負けるとわかっていても戦わねばならぬ時がある」ってことじゃないかなあ。
 
 ゲーム中断時期が時期なので、今回は独軍の気持ちよい攻撃をお届けできた。でも、次回は「長く苦しい撤退戦」の話…いや、そうなるように努力しなければならない。1つ間違えば、電撃的に戦線が崩壊しかねないのだから。無事最終ターンを迎え、「ゲーム上の」勝利を手に出来るよう頑張らないと!というわけで、次回をお楽しみに!でも、早くも心折れそうなんですけど…アメ公が来ちゃうよ、どーすんだ…

9月2日2010/09/02 23:39

 秋だねえ…カレンダーの絵柄だけは。ただ、日差しが傾く時間は何となく秋っぽくなってきた気がする。もっとも、いくら暑くても、ヲタクにとっての夏はコミケで終わっているのさ…
 
 本日の話題は、セカンドネームについて。私で言えば「F男」だな。こんな話題なのにこの色なのは、要はそーゆー話題だからです。
 
 ちょっと前に、Googleの幹部が「未来予想」を発表した。それによると、将来は「若気の至り」を消し去るため、改名する奴が続出するかも…だそうな。要は「それぐらいやらないと、自分の過去をほじくり返され続ける」世の中になっちゃうのでは…ってコトが言いたかったらしいんだけど。
 
 現状では、この手の「過去」は「放置しておけば、そのうち消え去る」ものだと考えて良さそう。データ保存しておくのもタダじゃないので、そのためのコストを支払わないようにすれば、そのうち消える。サービス停止絡みでデータが消えそう…ってのは、良くある話だし。
 
 ただ…少なくともGoogleって会社は、この現状を変更しようって意欲がある。この会社は、たとえ「便所の落書きレベルのモノ」であっても、「全て」を「いつまでも」保存して検索可能にすれば、それがカネになる…って考えで活動している会社だからね。実際相当のカネになっているし、他にも検索でメシ食っていこうって会社が存在する以上、「Googleがやらなくても、誰かがそれをやろうとする」と考えて良さそうだ。コストなどの関係から、実現はちょっと先の話になりそうだけど。
 
 むしろ問題は、「多分改名しても無駄」ってトコロだろうな。改名したかどうかは、過去の情報があるかどうかを調べればすぐわかる。「過去の偽造」でもやらない限り、不自然なまでに過去のデータが少なけりゃ、改名したとバレるでしょ。元の名前見つけるのは簡単じゃないかも知れないけど、フツーは「過去は全部捨てるぜ!」とはいかないだろうから、何かしらとっかかりが発見され、後は芋づる式に発見されちゃうのでは。
 
 本当にそんな世の中が来るのかとか、そうなっちゃ困るから法規制するとか、過去の名前を本格的に隠蔽する手段は…なんて話は、ヨソに任せよう。私が「ある程度しのげそうな」対策として思いついたのが、「普段からセカンドネームを使う」である。いくつも名前を持ち、それを時と場合によって使い分け、「ヤバいこと」~犯罪を犯したとか、宝くじが当たっちゃったとか、救急車で運ばれたとか、日本海まで乗り過ごしたとか~をやらかした時に「使っていた」名前はドンドン捨てると。プロの手にかかればこれでも「経歴丸裸」にされちゃうと思うけど、シロートに毛の生えたような連中なら誤魔化せるのでは。
 
 本当にセカンドネームが流行るのかはともかく、「うかつに名前出すと永遠に言われ続ける」ってコトが常識になれば、ネット上で「匿名性」が高まっていくかも知れない。その結果…世界中のネット住民が「日本人のと同程度に匿名性を好む」ようになるかもね。
 
 日本人がネット上で匿名を好むのは、日本社会の特性というか何と言うか…を反映した結果だと思う。あえて細かく論じないけれど。過去に「匿名は良くない!」って意見を発表した人はかなりいるけど、日本社会と馴染まない(より正確には、そんなことをしてもデメリットに見合うだけのメリットが得られない)って主張をぶつけられ、結果として今も日本のネットは匿名性が高い。
 
 日本社会とは異質な外国社会(ひとくくりにするのはどうかと思うんだけど)の場合、堂々と名乗るメリットがデメリットと同程度にある。だからこそ、堂々と名乗るのがむしろ当たり前だったはず。それが「やっぱり名前出すのは色々と…」って話になったらどうなるのか?下手すると社会全体が色々変わっちゃうかもね。
 
 思えば、私の「F男」って名前も使った経歴が長くなり、それなりにキズも増えてきた気がする。まあ、だからってこの名前を今更捨てようとは思わないけど。少なくともネット上では「本名よりよほど有名」(本名が無名なだけ)だしね。ただ、その結果として「本名よりF男って名前で何やらかしたか知る方が大事」と考える第三者(友人・知人じゃない奴)がそのうち登場したりするのかなあ。
 
 私も含めみんな気軽に使っているけれど、ネット社会ってモノが「今までの常識を覆しちゃう」可能性を持った存在なのは間違いなさそうだ。良い悪いの問題じゃなく、この先色々変わってくるんだろうな。そういう動きに取り残されないよう、注意した方が良さそうだ。
 
 ただなあ。私もいい加減オッサンになり、「変化」なるものに弱くなってきたのは事実。元からして相当「古い奴」だしなあ。下手に対応しようなどと考えず、取り残されて疎外され、「最近の若い者は…」とブツクサつぶやくのが正しい姿なのかも。少なくともその方が楽だし(おい)。

9月5日2010/09/05 23:43

 本日はすご~く疲れたので、詳細は後日に回して結果報告だけ。か、勝った…

9月6日2010/09/07 01:22

 諸般の事情により、昨日は「ヒトラー電撃戦」の続きを。前回怪進撃(快進撃でもいいんだけど)を見せた独軍の運命やいかに!
 
 ゲーム再開後しばらく経った43年前半。独軍は熟考に沈む。赤軍のスタック中に、混成軍や親衛歩兵といった「3戦力ユニット」の割合が増えてきた…これはつまり、こちらの装甲部隊による「敵攻撃兵力のすり潰し」がやりにくくなってきたことを意味する。もちろん、攻撃力も増している。これは危険な兆候だ。さて、どうする。
 
 「ヒトラー電撃戦」で最も難しいのは、撤退戦闘だろう。なにせ部隊を移動させるだけで燃料を使うゲームだ。当然撤退でも燃料が必要になる。しかも、その必要量はかなり多い。攻撃ならまだしも、防御側が「戦線を構成している部隊のうち、一部だけを撤退させる」のは意味がない。取り残された部隊が壊滅するだけだ。動かさない部隊との連携を保ちつつ、広い範囲の部隊を動かさなくては、撤退する意味がない。そのためには大量の燃料が必要で、それを蓄積するための計画が必要になる。主導権を持ってないのにそんな計画を練らなくてはイケナイのだから、かなり精度の高い先読みが必要だ。
 
 実際このゲームでの「撤退戦闘」がどれだけ難しいのかは、バルバロッサ作戦の研究をやった人間なら知っていると思う。国境付近に展開した赤軍が崩壊してしまい、山ほど来る増援も各個撃破されるだけ…って展開を目の当たりにし、「どーやって守るんだコレ!」とアタマを抱えた人間は、私だけじゃないはずだ。
 
 しかし…ゲーム中盤まで攻撃側の独軍は、攻守逆転した後は撤退戦闘を戦わなければならない。失敗すれば戦線が消滅する。「ソ連降伏を目指してとにかく突っ込み、失敗したらさっさと戦線消滅させてゲームを終わらせる」なんて考えもあると思うけど、「このゲームの後半の流れがどうなるのか、見てみたい」という理由から「最後までの勝負」を申し込んでいただいたAzathoth殿相手に、そんな無責任なことは出来ない。自信はないけど、私の研究をキチンと披露しなければ!
 
 確かに、目の前の赤軍は強化されてきている。しかし、我が独軍の東部戦線も充分強力で、その気になればこのまま持ちこたえることは可能だろう。問題はソコじゃない。実はこの東部戦線、強力すぎるのだ。東部戦線が「赤軍の攻撃に耐えられる」ということは、西部戦線にロクに部隊がいないってのと同義語だ。実際、ある程度時間稼ぎをしないとヤバそうな「大西洋の壁」以外は「守備隊と言うより単なる見張り」程度の部隊しか送ってない。着々と増強されている米軍が動き出せば、対応するための部隊を捻出するしかない。その捻出先は、東部戦線を支えている部隊しかいない。つまり、我が軍の東部戦線は、見た目ほど強力ではない。
 
 かといって、ここで撤退することは、「南方資源」を赤軍に渡すことを意味する。そうなれば赤軍の燃料事情が好転するので、より強力な攻撃を受けかねない。可能な限りこのラインで踏みとどまって時間稼ぎをしたいのだ。しかし、しかし…
 
 長考の末に私が下した決断は、「ここで撤退」だった。最終的な決め手になったのは、燃料事情である。今ならまだ燃料に余裕がある。しかし、戦略爆撃が開始され始めた以上、いつ燃料事情が悪化しても文句は言えない。いずれ撤退しなければならない以上、燃料に余裕がある間に…そう考えたのだ。
 
 というわけで、43年春に独軍大撤退。史実より半年以上早いタイミングだ。この半年はいつか取り返せるのだろうか…そんな感傷に浸る間もなく、米軍が北アフリカに上陸。カサブランカに加え、ルール上可能になっているアルジェ・オランにも上陸部隊を送り込み、ヴィシーフランス瞬殺。わかっていたことだけど、何て頼りない…同時に「砂漠のネズミ」こと、スエズの英軍も西進を開始。これらを迎え撃つのは、ロンメル抜きの伊軍…
 
 だがしかーし!伊軍は頑張った。トブルク付近では、英軍のミスを突いて補給を切断、進撃を1ターン遅らせることに成功。チュニジアでは、チュニスに籠もった伊軍相手にまさかの「補給不足で攻撃停止」が。ゴミのような戦力にもかかわらず、見事に英米の足を止めて見せた。有り難う…君らの死に様は、記憶するに足りるものだったよ。そんなこんなで、伊降伏は何と44年夏。史実より1年も降伏を先送りに出来た。
 
 伊降伏に先立つ44年春、ついにオーバーロード作戦開始。最初に上陸できたのはブレストだけだったが、上陸した部隊と強襲上陸を組み合わせ、「西方防壁」をこじ開ける!これに対抗する戦力を捻出するため、東部戦線では遂にルーマニア放棄が決断される。悪いけれど、君たちを守る戦力はドコにもない。
 
 だが…ここで独軍にミスが!ユーゴパルチザンに気を取られ、なんとな~く戦線側面に穴を作ってしまう。確かにパルチザンはユーゴから出られないので、この穴は利用できない。けど、付近まで進出していた赤軍戦車隊は話が別だ。コイツらに一気にウィーンを占領されてしまった…
 
 正直言おう。この時、私の心は折れかけていた。東部戦線北方では東プロイセンが赤軍の執拗な攻撃を受け、イタリアもルーマニアも降伏。そこにこのミスである。だけど、最後の気力を振り絞って突出してきた赤軍戦車部隊への反撃を計画した。部隊自体はそれなりにいるんだけど、燃料が足りるか?収入はもうボロボロだけど、備蓄はまだある。コレを使って赤軍戦車部隊を叩き出した。いやもう、冷や汗ものだった…
 
 そんな紆余曲折の末、44年をしのぎきって45年に突入。独軍は「最終防衛ライン」にそれなりの戦力を籠もらせることに成功。燃料は乏しいながらもまだ残っている。コレを使って「バルジ大作戦」でもやってやろうかと考えたけど、やはり補給は貴重だ…ってんで計画放棄。46ターン終了時点で独軍に「どう頑張ってもベルリンが陥ちないユニット配置」を行えるだけの部隊&燃料があると判明したので、独軍勝利としてゲームを終わらせてもらった。か、勝った…
 
 確かに勝ちはしたけれど、「後半の独軍」は辛いよ…燃料事情から言って、独軍は何度も連続して大撤退できない。かといって、中途半端な撤退はやるだけ無駄。必然的に「撤退~しばらく耐えて燃料備蓄~また撤退」」を繰り返す必要がある。何かの間違いで「撤退しないとマズいのに、燃料がない」となったらアウト。撤退が早すぎても、燃料事情が悪化するのでアウト。そんな中で撤退のタイミングを見計らうのは、辛いなんてものじゃない。あくまで現時点での予測だけど、多分「連合軍辛勝」って結果が多いんじゃないかなあ。
 
 あえて「後半の独軍のコツ」を述べるとするならば、「とにかく燃料を大切に!」かな。燃料さえ残っていれば、攻撃を受ける前に逃げ出すことも、反撃で相手を叩くことも出来る。「本当の窮地」に備え、とにかく燃料の無駄遣いをしないように努める。そうすれば、「最後まで戦う」ことが可能になるんじゃないかな。実は今回、独軍はロクに攻撃していない。「反撃により敵戦力を削り、守りを楽にする」って作戦は何度も私の脳内で計画されたんだけど、「そのための燃料がない」と却下された。
 
 Azathoth殿の敗因は…多分一番大きいのは「中東を占領されたこと」だろう。燃料事情が脚を引っ張ったとおぼしき局面がいくつかあったからなあ。時間とリソースを気にして中東奪回をやらなかったけど、あれもやっておくべきだったのでは。もっとも、この辺私も自信があるワケじゃない。それと、「私なら」という限定での話ではあるけど、バルカン半島上陸やスカンジナビア攻略などを行って、独軍の戦力分散・燃料浪費を強いたと思う。その分主攻が弱くなりかねないので、趣味の問題かな?って気もするけど。
 
 かく言う私もミス犯しまくりだったけど、何とか致命的な結果を招かずに済んだようだ。ただ…やはり全体的に撤退が早すぎたかなって気もする。本当ならばもう少し「戦争経済」面で相手を苦しめないと、苦しいんじゃないかなあ。もっとも、ギリギリまで踏み込むのは相当なリスクを背負うので、現状の私ではアレが精一杯でしょ。まだ研究足らないよ。
 
 全体を振り返ってみると、意外なほど「WW2の流れ」に従ったプレイになった気がする。そりゃまあ、タイフーンが省略された代わりに青作戦が豪快すぎるとか、米軍上陸までアフリカで動きがなかったとか、「死守命令」が飛ばなかったとかいった違いはあるけど、それでも「らしさ」を色濃く残した上での変化って気がする。しかも、それらはルールやカードなどで強いられたモノじゃなく、両プレイヤーが「こう戦えば良いんじゃないかな」って考えた末のものだ。そういう「細部にとらわれず、全体のつじつま合わせを重視している」って点が、このゲームの良い点でしょ。
 
 個人的に「頭が下がる」のは、イタリア兵。今回のプレイにおいては、心の底から「君達が味方で良かった」と言いたくなるほど、活躍してくれた。この国が供給してくれる燃料がなけりゃ、とても戦えなかっただろう。航空機も大活躍してたな、主に東部戦線で。そして…ルール上は頼りない陸軍だけど、今回は何故か頑張った。微弱ながらも英米の足を止めたアフリカでの戦いっぷり、そして降伏するまで補給切れにもかかわらずバスラを守備し続け、「奪回するのは手間だ」と思わせ続けた中東遠征軍(他にテキトーな守備隊がいなかったので、コーカサス経由で送り込まれた)も偉かった。なんかムッソリーニ閣下から言われちゃいそうな方向の活躍って気はするけど、降伏が1年遅れたんだからカンベンして欲しい。
 
 というわけで、2回に分けて「ヒトラー電撃戦」リプレイをお届けしました。結構ボリュームのあるゲームだけど、慣れれば2日で終わります。ということは、その気になれば「週末を通してのプレイ」で決着が付くわけだ。大作は敬遠されがちな昨今ではあるけど、それでも挑戦してみる価値はあるんじゃないかな。

9月9日2010/09/09 22:28

 同じ色の話題は連続させたくないんだけど、ちょっと無視しにくいモノ見ちゃったからなあ…つーわけで、国際通信社から10月中旬に発売予定の「少女兵器大戦」について。なお、あえて余所でどんな話が流れてるのか、全く確認していません。
 
 ブログ「ゲーマーいちねんせい が ゆく」を見る限り、私が「ヒト電」の作戦を考えたり、作戦を考えたり、作戦を考えたり…で忙しかった先週金曜日、この情報がアップされたらしい。詳細を確認したところ、台湾で出たカードゲームの完全日本語化だそうな。よくこんなの見つけてきたなあ。「コミケ会場で、カタログにない新作同人ウォーゲームを発見する」とか、「香港で、日本で売り切れていたカレンダー買ってくる」といった意味不明な武勇談を持つ私でさえ、感心してしまいますよ。
 
 説明などを見る限り、内容は「萌えミリカードゲーム」のようだ。絵師は台湾の人。オリジナルのモノをそのまま流用するらしい。台湾の萌え絵ってどうよ?と思う方もいるかも知れないけど、私が見た限りでは「いいセンいってるんじゃない?」と感じたので、ダメってコトはないと思う。ただ、私の好みは滅茶苦茶なので、さほど参考にならないとは思うけど。
 
 ゲーム内容は流石に良くわからないけど、大ハズシしてはいないんじゃないかなあ。この手のカードゲームって、カードバランスに配慮して「壊れている」カードをうまく排除してやれば、大きくハズすことはないからね。面白くするにはそれだけじゃ駄目だと思うけど、今出ている情報ではこれ以上のことは言えない。当たり前だ。
 
 とりあえず言えるコトとしては、もし私が同人誌即売会であのテーマ・あの絵のゲームを見かけたとしたら、即座に購入してレポートに記載する。それが私の仕事の1つだから。ある意味「いかにも」ってアイテムだし、最低でも「よくこんなの見つけてきたなあ」と笑ってもらえる。基本的に「良いところだけ見る」ように努めているので、ゲーム内容については載せてから考える。つーか、「即売会レポート」なる企画で他に何をしろと。
 
 閑話休題。このゲーム、ぶっちゃけ売れるのか?う~ん…宣伝次第かなあ。あくまで私が知る限りにおいてだけど、フツーのボードゲーム&カードゲームの世界において、「国際通信社」ってのはマイナーメーカーに属すると思う。絵師も作品の質はともかく、日本だと「知名度だけで飛びつく奴が出る」ってレベルじゃ無さそうだ。そんな作品が口コミだけで大売れする可能性は、ゼロじゃないけど低いでしょ。ウォーゲーマーが褒めたからって、屁の突っ張りにしかならんですよ。
 
 それは国際通信社側もわかっているようで、なんか先週末は上京して営業活動したついでに、私が「同人系のイベントではない」とパスしたJGCにも顔を出していたらしい。私は営業活動に詳しいワケではないので、「頑張れ」としか言えないけれど。ただまあ、色んな意味で「頑張る」価値はあると思うな。
 
 国際通信社は、コマンド誌を出している「バリバリのウォーゲームメーカー」である。国際通信社やコマンド誌のことを全く知らない奴でも、そう聞かされれば「へえ、そうなんだ」と感心する可能性が高い。そーゆーメーカーが選んだ「萌えミリ」モノだ。なんとな~くだけど、箔が付いて見えるんじゃないかなあ。ある意味ハッタリではあるんだろうけど、宣伝文句なんてそんなモノじゃない?後はこの手のゲームを紹介しても不思議のない有名メディア(ゲームのサイトとか、少年マンガ雑誌とか)が取り上げてくれればいいんだけどね。流石にそれは難しいか?
 
 国際通信社が萌えミリ進出…って話になると、「嘆かわしい」って意見が出そうな気もする。ただまあ、今回の話はそう目くじら立てる必要は無いのでは。要は輸入・翻訳なんだから、イチから開発するよりは手間かからないし。「全世界で大人気!」なんて品じゃないので、ライセンス料も高額って話にはなりそうもないし。元からして萌えミリモノなので、いちいち「燃え系」のイラストに直すのもアホらしいし。ことこの1件に限って言えば、「本業」のウォーゲーム界に与える影響はほとんど無いと思う。
 
 でも、バカ売れしたら「コッチの方が儲かる」って話になって…という危惧を持つ人がいるかも知れないけど、それはないない。ホビージャ○ンがウォーゲームを見限ってテーブルトークRPGに力を注いだのとは、話がかなり違うでしょ。「萌えミリの方が売れる、儲かる」ってだけでウォーゲームを見限るような存在なら、そもそもコマンド誌が今まで続かない…どころか、創刊すらされないって。「真の本業」は別にある会社なんだから、お偉いさんやら株主やらに「見分け」がつくとは思えないので、「最近ウォーゲーム部門は黒字じゃないか、凄いな」ってんで、ウォーゲーム関連が充実するかも知れないくらいだ(笑)。コレは流石に冗談だけど。
 
 ただ…この方面の業務が忙しくなって、現在のコマンド誌スタッフの一部が「かかりきり」になる可能性はある。けど、ソレを心配しても仕方ないのでは?フツーに人事異動その他でスタッフが入れ替わる可能性はあるんだし。代わりに「新兵」が来たら色々大変だろうけど、その時には業界全体で「鍛えて」やりゃあいい。とりあえず、ご祝儀代わりに原稿でも書いてみるってのはどうだろう。
 
 マイナス面ばかり語ったけど、プラス面もチャンとあると思う。とりあえず絵は一定水準にあると思うので、プロモ活動としてゲーム系のイベント(ゲームマーケットやらJGCやらテーブルゲームフェスティバルやら)に積極的に顔を出せば、それなりの普及・宣伝効果が見込める品だと思う。その「ついで」として「ウォーゲームハンドブック2010」担いでいけば、初心者が釣れるかも知れない。なんか「売れ筋の版権モノで客を引きつけ、硬派なテーマのゲームを手に取ってもらう機会を増やす」って手法で同人ゲーム売ってるサークルみたいだけど。
 
 私F男はこのゲームを買うか?う~ん…私の今の環境だと、実はこういうゲームの対戦相手を見つける方が、フツーのウォーゲームの相手を見つけるより難しい。そこが引っかかるので、正直「喜んで買う」とは言い難い。基本的にゲームは遊んでナンボ。資料的価値だのコレクション欲を満たすだのといった理由が成立するウォーゲームならともかく、この手のゲームならなおさらだ。だから躊躇は入っちゃう。けれど、同人ゲームの創り手とあーだこーだ話をするネタとしては面白そうだ。結局は買っちゃいそうだなあ。
 
 この業界と萌えの関係については色々語られていたけれど、実際問題となるとこんなものよ。いきなり混ざり合ってグチャグチャになる…なんてことはなく、基本的には水と油のように分離したまま。混ざり合うとしても、境界部分からジワジワと…って感じでしょ。このまま放置しておくと、業界全体が「穏やかに死んでゆく」のを止められない以上、せめてその進行を遅らせるために、こういった力を利用してもいいのでは?私はそう思いますね。
 
 実は萌えに関してはレベル高くないので、私に語れるのはこの程度だ。あまり参考にならない気はするけど、後はコレを読んだ各自で判断していただければ。こうやって話題にすれば、ちょっとした販促にはなりそうなので、コマンド誌編集部も喜ぶはず。そのあげく、トチ狂って販促アイテム「2011年カレンダー」をアノ絵柄で出してくれれば、私は満足だ。あ、便せんでもイイですよ。

9月14日2010/09/15 00:41

 体調不良。ここに来て、まさかの夏バテ。暑かったから…つーより、寒暖差にヤラれちゃいました。皆様も体調には気をつけて下さいませ。
 
 本日の話題は、先日休刊したコミックバンチ関連。なんとこの雑誌、分裂増殖しやがった…何がどうなっているのか私にもサッパリわかんないけど、とりあえず思うところを書いてみます。
 
 以前書いたことではあるけど、まずは書誌情報。コミッックバンチ。新潮社刊行。毎週金曜発行の漫画週刊誌「だった」。8月末に休刊し、12月をメドに新雑誌「@バンチ」が創刊される見込みだそうな。詳細はともかく、私の「この雑誌の総括」は以前(6/25)語った。ここまではいい
 
 問題はここから。各種広告やWebニュースによると、10/25に「コミックゼノン」って月刊の漫画雑誌が創刊され、どうやら旧バンチの作家・作品のかなりを「引き継ぐ」模様。当然出版社は異なる。まさに分裂増殖。
 
 雑誌が分裂増殖するってのは、実はそう珍しい話じゃない。一般人にはあまり知られていないようだけど、増刊だの別冊だのを持つ雑誌って、結構あるのだ。それが独立した雑誌になるような形で「分離」し、その際本誌の連載を一部引き継ぐ…って話はあったからね。特にコレをよくやるのが講談社系列。特に「モーニング」系列は、何がどーなっているんだか私にもサッパリ…
 
 しかし、今回のような「雑誌休刊~新雑誌創刊って流れがある中で、作家・連載を引き抜く形で別会社から別雑誌創刊」ってのは、聞いた覚えがないなあ。そりゃまあ、雑誌休刊・廃刊ってのはたまにある話。そこに連載持っていた作家がある程度「斬られる」のも、仕方ないと言えば仕方ない。斬られた作家は仕事見つける必要があるから、別の会社の雑誌に移って仕事する…なんてのは当然だろう。余談だけど、雑誌廃刊に伴って掲載先を移した作品ってのもいくつかある。「雑誌の生命を吸い取っているので不死身」と言われた「火の鳥」(手塚治虫)とか、「何度壊しても『キング編集室』が復活する…どころか、最近は2つに増えてます」(注:ごく一部のゲーマーにしかわからん表現です)「超人ロック」(聖悠紀)とかね。
 
 何でこうなったのか?私が仕入れた情報によると、こうなる。元々新潮社は、「コミックバンチ」の編集を編集プロダクションに委託していた。そんでもって、休刊と同時にその編集プロダクションを「斬り」、直営でコミック雑誌を出す気になったそうな。それに対し、どうやら斬られた編集プロダクションが「新しい出版社」を見つけ、そこから新雑誌…と称してコミックバンチを復活させる気になったらしい。どーゆー話があってどーなったのかサッパリわからんけど、とりあえずは「敵対的な分裂増殖」と呼んでいいと思う。
 
 私は基本的に「雑誌の廃刊・休刊」が大嫌いである。いくつもトラウマ抱えているから。けど…分裂増殖ってのはどうかと思う。どこぞのエロゲメーカーが「解散したはずが、分離増殖した」(実態はまるで分離してません。仲良くお互いの仕事やってます)件だってイマイチ納得できてないのに。色々「オトナの事情」があるんだろうけど、読者としては混乱するだけだ。なるべくならやめて欲しい。
 
 問題は、「作家・作品の振り分け」がどうなるかだけど…これは、現状では「コミックゼノン」陣営の圧勝じゃないかと。「北斗の拳」の原哲夫、「シティーハンター」の北条司を抱えているんだから。飛車角を分捕ったようなものだな。ただ、「元が所詮コミックバンチ」だってことは認めるしかない。今後ドチラが「売れる」のかについては、まだ何とも言い難い。
 
 ただ…「コミックバンチの飛車角を手にした」コミックゼノンには、少しばかり不安はある。以前の記事で私はコミックバンチのことを「正直言ってターゲットが良くわかんなかった」と書いた。ヲタク層狙いなのか、一般層狙いなのか、絞り切れてない感じがすると。これは私個人の意見であって、そーゆーのがこの雑誌のカラーであり、利点でもあるのは確かだ。けど、それをそのまま月刊マンガ雑誌に引き継ぐってのは…
 
 現時点ではまだハッキリしてないけれど、おそらくゼノンはコンビニ・駅売店では入手できそうもない。つまり、マンガ雑誌とは「そーゆートコロで売っているモノが全て」だと思っているような奴、イコール一般人のかなりの割合が目にすることすらない。書店のマンガ雑誌コーナーに足を踏み入れるような人種ならフツーに入手できるだろうけど、「北斗の拳」を愛読してた年代にもかかわらずソコに足を運ぶのは、ハッキリ言ってヲタク入っているような奴だ。にもかかわらず「コミックバンチと同じような」作品で勝負ってのは、どうなんだろ。
 
 新潮社の@バンチに至っては…私個人の意見としては、ゼロから新雑誌を作り上げるのと同じくらい、タイヘンだと思う。現時点では「目玉作品」っぽいのが見あたらないんだもの。せめてもう少し知名度のある作家をどっかから持って来ないと、色々辛いんじゃないかなあ。おまけに、コッチも「コンビニで扱ってくれると思うなよ」って存在なので、「売っている場所をうろついている層」の変化に対応できてるのか?って心配がある。なまじ「出版の世界じゃ大手」だけに、なおさらだ。ヲタクに媚び売る覚悟あるのか?
 
 この影でひっそりワケわからんことになっているのが、徳間書店。実はコミックゼノンの「出版社」は、徳間書店らしい。「引き取った」んだ、ふ~ん…って、ちょっと待て。この会社は「COMICリュウ」っていう月刊マンガ雑誌を1つ抱えているはずじゃ…とりあえず路線がかなり違うと思うので、「客の奪い合い」にはならないでしょ。でも、今後色々とタイヘンじゃないかなあ。共倒れにならないよう、祈りたいね。
 
 6/25の記事を私は「最近ネタが不足気味とはいえ、この話については『新雑誌創刊時に改めて語る』だけで終わりにしたいです。はい。」って言葉で〆た。この期待は思いっきり裏切られたわけだ。何やってんだかなあ。オトナの事情が大切なのはわかるけど、読者がついて行けない話になるのはカンベンして欲しい。私が「雑誌の廃刊・休刊」をこよなく嫌う最大の理由は、こーゆー「読者不在のドタバタ騒ぎ」を見せられるからだ。作品が「生き延びた」ことは評価しても良いけど、それでも正直言って不愉快だね。
 
 とりあえず、この件については引き続き「経過観察」します。なんかイヤなモノ見せられて終わり…ってなりそうな気もするけど、それでも「しっかり見る」のが私の趣味だからね。さて、どうなることやら。本日はオチなし。

9月18日2010/09/19 01:15

 業務連絡。仏行きは最終的に放棄されました…木・金・月の3日間休めないのがその理由。金・月だけにして…ってプランも考えたんだけど、色々考えた末に放棄されました。うーむ…ただ、これは相手が凱旋門賞だから。キングジョージの時は、絶対休む。影響なんて知ったコトか。なお、腹いせに「韓国もしくは台湾で同人カレンダー買ってくる」もしくは「香港国際開催に行く」のどちらかは実行しようかと。
 
 本日の話題は、押尾裁判。結構「面白い」裁判だと思うんだけど、マスコミ報道はソコをうまく伝え切れてない気がするので。なお、あまり深く突っ込まないで下さい。この方面では、私は「基本的にはシロート」だからして。
 
 裁判の経緯及び判決については、各自調べて下さい。マスコミもこの方面ではキチンと仕事してます。ただなあ…なんつーか、「無理矢理派手にしようとしている」感が強いんだよね。「セックス・ドラッグ」ってな事件なので、ソレを期待する気持ちはわかるんだけどさあ。正直言って、そこを排除した部分にこそ「この事件の面白さ」があると思うんだけど。
 
 細かい部分も大事ではあるけれど、この裁判で一番重要な点は何か?それは何と言っても「すぐ救急車呼んでいれば、被害者は助かったのか」に尽きる。検察は「すぐ呼んでいれば助かったはず」と主張し、「そうしなかったから、保護責任者遺棄致死罪」ってな求刑を行った。コレに対し弁護側は「いや、アレは救急車呼んでも助からない可能性が高かった」と主張し、「だから、せいぜい保護責任者遺棄罪」だと主張し、後者の主張が認められたわけだ。これ以外の争点も重要だけど、罪の重さを決定する上では枝葉だと言っていい。一般に「どの罪が適用されるのか」の方が「その罪の中で悪質かどうか」より影響がデカい(一応例外はある)からして。
 
 これのどこが「面白い」のか?よく考えてもらいたい。検察は被害者が「すぐ救急車を呼べば助かる」ような状態、つまり「症状が軽かった」から罪が重いと主張している。それに対し、弁護側は「救急車呼んだって助かるとは言えないほど、重症だった」から、罪は軽いと言っているのだ。よく考えれば矛盾でも常識と反しているワケでもないんだけど、ちょっと「あれ?」って思うような話だと思わないか?そこが面白い。
 
 今回の裁判では、とりあえず「本来ならば救急車を呼ぶ必要があった」って部分には争いがない(検察・弁護両方ともそれを認めていること)。その上で、「救急車を呼ばなかったのは、どれぐらい悪質な行為なのか」を争っていたわけだ。そう考えれば、「本来助かるはずのところを見殺しにした」方が、「どーやっても助からない」ものを見殺しにするより、罪が重いでしょ。
 
 ただ、この結果として、被告は被害者が「救急車呼んでも助からないかも知れないくらい、重篤な状態」にもかかわらず、救急車を呼ばなかったことになる。そりゃあアナタ、「重い罪の適用」は免れても、「軽い罪の中で重い処罰」喰らっても、文句言えないよ。そう考えると、あの判決はキチンと妥当性はある。報道によると「検察側も弁護側も控訴を検討」してるみたいだけど、だからって「とんちんかんな判決だ」ってワケじゃないと思うな。
 
 むしろ面白いのは、実を言えばこの弁護方針が「被告の意向」に従っていたのかって部分。報道を信じる限りでは、「無罪もしくは執行猶予を勝ち取れる」と信じていたようだけど、「アレは救急車呼んでも助からなかった」と主張していながら、それを勝ち取るのはちょっと無理がないか?無罪もしくは執行猶予を狙うのなら、「救急車呼べば助かる程度だった」ってな部分に同意して、その上でたとえば「軽率に考えちゃったので、ああなっちゃいました。悪意はありません」ってな主張に持ち込むべきだったのでは。ただ、この場合「軽率で済む問題じゃない」と判断されたら、重い罪を背負い込むリスクがあるわけだけど。
 
 そう考えると、今回弁護側は「被告の意向に反して、ローリスクローリターンな方針で弁護を行った」と考えることも出来る。一応は執行猶予を主張していたようだけど、「現実的な落としどころ」として「保護責任者遺棄罪の、重めの判決」を考えていた可能性はあるな。現実問題としては「そんなもの」かもしれないけれど、それが被告の意向に従っていないのであれば、「あえてハイリスクハイリターンを狙う方が、弁護方針としては正しい」って考え方もあるとは思う。
 
 それじゃ、この弁護方針は「問題があるモノ」だったのか?知るかそんなモノ。被告が身勝手な主張をしている場合、弁護士がそれに忠実に従うべきかどうかは難しい。そもそも依頼者(被告)は法律に関して詳しくない(当たり前だ)ので、「身勝手な」主張にこだわったからって「単にワガママなだけ」で片付けるのはどうかと思うし、依頼人に「お前は法律に詳しくないんだから、黙ってろ」とばかりに意向を無視して裁判を進めるってのも、「なんか違う」ような。かと言って「無理のある主張」を馬鹿正直に代弁して「無駄に重い刑罰」喰らうことが本当に「被告の利益を守る」ことになるのか…とりあえず、法律家のタマゴ連中が「押尾事件の弁護方針について、思うところを述べよ」って課題を出される可能性はあるかな。報道量の関係上判断材料が豊富なので、課題にする価値はあると思うんですが。
 
 検察側の課題も、ちょっと専門的になるけど面白い。今回、検察は「救急車呼べば助かったのに、見殺しにした」と主張したけど、裁判所&裁判員に「そうとは言い切れない」と判断されちゃった。にもかかわらず「控訴を検討」してるのだとしたら、「裁判所が異なれば判断も異なる」と期待しているか、あるいは「確かに救急車呼んでも助からなかったかも知れないけれど、今回の件は悪質な見殺しだ」と主張するのか、どちらかだと思われる。前者もありがちなんだけど、あくまで私個人の印象としては、後者じゃないかと。それがまた面白い。「判例変更」を求めているようなモノになるからね。
 
 一口に判例変更と言っても、色々ある。「今までシロだったモノをクロにする」なんてモノも一応あるけど、流石にそーゆードラスティックなのはそう多くない。今回の場合、「今までの判例では問題にならなかった部分を、問題にする」って感じの「変更」を求めるんじゃないかなあ。「確かに、薬物中毒だから救急車呼んでも助からなかったかもしれない。けど、そんなコトはシロートに見分けが付くわけがない。だったらこの場合救急車を呼ばなかったことは『救急車を呼べば助かったのに、呼ばなかった』場合と同様に扱うべき」と主張するのでは?
 
 もし検察側がこう主張するなら、通るかどうかは…私にわかるワケがねえ。法律の専門書が山ほど置いてある図書館(法学部のものとか)に籠もってすげ~時間かければ、ひょっとしたら何かしら結論を出せるかも知れないけれど。だいたい、私ごときにそれがすぐわかるくらいなら、弁護士だの裁判官だのは不要だ。
 
 ただ、もし検察側がこう主張したいのなら、「地方裁判所にソレを認めてもらえないのは、織り込み済み」となるのでは。裁判員がどうこうって話じゃない。「判例変更」に近いようなことを認めてもらおうと思ったら、いわゆる「位の高い」裁判所の判断を仰ぐ必要がある…ってのがフツーだからだ。
 
 英米のように「法律ってのは、過去の判例が基本」って国じゃなくても、判例ってのは重要視され、そう簡単に変更できない。理屈では地方裁判所がやったっていいのかもしれないけど、実際問題としてソコに踏み込む裁判官は少ない。そりゃまあ、判例がえらく古くて「時代に即してないのは明らか」なんて場合もあるにはあるけど、フツーは嫌がる。社会に与える影響は絶大だからなあ。「そういう面倒なことは上級裁判所にお任せする」ってのがフツーの態度だ。
 
 キチンと調べてない(そんな能力あるか)ので断言は出来ないけど、過去の「保護責任者遺棄致死罪か、保護責任者遺棄罪か」を争った裁判(今回の裁判の判例になる)では、どうやら「救急車を呼べば助かったかどうか」だけが問われ、「仮に助からないと認めたとしても、やっぱり救急車を呼ぶべきだったかどうか」は問題にされていないようだ。その必要がなけりゃ争わないから、「先例無し」が当然って気がするけど。検察側がそこを争いたいとしても、地方裁判所としては、「そーゆーコトは控訴した後で、高等裁判所の判断を仰いでくれ」って態度に出ても仕方ない気はするなあ。実際、検察側は今回の裁判で「そう解釈して欲しい」って姿勢を打ち出してない(その必要は無いという判断が基本だろうし、仮に主張しても地方裁判所に判断してもらえるかどうか怪しいから、当然ではあるけれど)わけで。
 
 こうして見ると、今回の裁判は法律問題としても「面白い課題」になり得る存在じゃないか?って気がする。法律関係の雑誌に「保護責任者遺棄致死罪じゃなく保護責任者遺棄罪になった決め手は何なのか」が掲載され、それについて学者連中があーだこーだ意見を述べても何の不思議もない。実際どうなのかは、「その昔、法学部ってトコロをお情けで出してもらえた」人間に聞くな。
 
 こういう問題は一般人には関係ない、単に「セックス・ドラッグ」って部分だけ話題にすれば…って意見は、今回の裁判員の方々に失礼ですな。一般人なのに、「こういう問題」がどーなるのか、判断を迫られたのだから。そのタイヘンさの一部をわかってもらおうと、こんな話を展開してみました。
 
 しかし…今回「マトモな判断」しようと思ったら、報道がどれだけ役に立たないかを思い知らされたような気が…芸能系として扱われているんだから、こんなモノなんだろうけど。その点も裁判員の方々はタイヘンだった気はするね。ま、芸能問題を扱う時のマスコミなんてこんなもんか。

9月21日2010/09/22 00:03

 ふとしたことにハマってしまい、更新のヒマがありませんでした。何にハマったのかは、近日中にココで報告できる…といいなあ(苦笑)。

9月24日2010/09/25 03:39

 ここ数日、何となく法科大学院の評価なんぞにハマっていた。法曹絡みのニュースが相次いだからね。そこでまあ、私なりの「法科大学院の評価方法」をお届けしようかと。なお、今回お届けするのは、あくまで「評価方法」のみ。個別具体的な評価には一切踏み込まないつもりです。
 
 法科大学院とは、新司法試験を受けるために必要なことを教えてくれる場。基本的に新司法試験を通過するため「だけ」に存在している。実のところ、これが問題を引き起こしているって話もあるんだけど、その辺は後ほど。つーわけで、法科大学院の評価なんてモノは、法務省のサイトで発表されている「新司法試験の合格状況」を見ればわかる。
 
 しかしだねえ。世間一般の人間、及びそーゆー方々向けの報道は「法科大学院の実態」なるものをカケラも知らない。それゆえ、色々誤解はあるんじゃないかと思う。私は何故か法科大学院の実態を多少知っているので、守秘義務に抵触しない範囲(つまり、その気になれば簡単に調べられる情報)で説明しておこうかなと。
 
 法務省のサイトに行き、新司法試験関連の情報を漁ると、比較的簡単に合格状況に関するPDFファイルを見つけることが出来る。このファイルの数値を表計算ソフトに読み込ませるのは、ちょっとしたコツさえわかれば出来る。後は適切な割り算をやらせれば、「法科大学院別合格率一覧」を作成することが出来る。とりあえず、ここまでは自力で出来たと仮定しよう。
 
 問題はここからだ。合格率を出すんだから、合格者数を受験者数で割って…というのは間違っていない。でも、その前に「受験予定者数」なる数字に注目して欲しい。これと受験者数を比べると、なんか結構大きな差があることに気がつく。つまり、「願書は出したけど、受験せずに逃げた」奴が結構いる、ってことになる。
 
 大学受験などでは、これは別に不思議でも何でもない。本命・対抗・滑り止めに練習台…といった理由で願書出して、実際は他の大学・学部の合格状況を見て受験取りやめる、ってなコトを行う奴がいるからね。けど、法科大学院卒業した奴は、新司法試験を受けるしか選択肢がない。そんな中で「逃亡」するとは、これいかに?
 
 種明かしをすると、どうやら「このまま受験しても、受からない」ってな理由で試験から逃げ出し、翌年以降に備える…って奴が結構いるようなのだ。もちろん「病気・怪我などによるやむを得ない受験回避」もゼロじゃないんだけど、それだけじゃこの数字は説明できないでしょ。あくまで噂レベルだけど、法科大学院が「卒業はさせたけど学力足らない奴に、合格率の足引っ張られるのを防ぐため受験しないよう指導している」って話まであるとか何とか。新司法試験って、「法科大学院卒業後5年以上経過、もしくは3回不合格」となるとアウト(受験資格が無くなる)なので、貴重な受験機会を浪費させないため…ってタテマエはあるけどね。
 
 この「逃亡率」は、「新司法試験浪人」の増加に従って年々上昇しているらしい。まあ、気持ちはわかる。いずれ頭打ちになるはずではあるけれど、当初の予想より高いところで固定されそうな感じだな。逃げた奴はまあ「不合格レベルの学力しかない」と推定可能なので、「真の」合格率は合格者÷受験予定者数で求めた方が適切って話があるのだ。ちなみに、今年の合格率はマスコミ発表で「25%ソコソコ」だけど、「真の」合格率は2割を切ってしまいましたとさ。うわ…大丈夫か。
 
 ちなみにこの「25%」って数字を見て、「法科大学院卒業すると、7割が新司法試験に合格する」って理想とほど遠い…って報道があった。これは正しいんだけど、実はイメージほどかけ離れているワケじゃない。理想は別に「浪人せずに」とは言っていない。受験機会が最大3回与えられるので、そのどれかで引っかかればいいのだから。今回発表された25%って数字は現役・浪人含めた合格率だから、それを使って単純計算すると、約58%の人間が合格する計算(「不合格率」を3乗して1から引いた数字)になる。3割そこそこの合格率だと7割程度に達するので、「ダメダメな数字」じゃないんだよね。コレは一応注意が必要。
 
 ただ…表の後ろの方に「卒業年度別合格状況」ってモノがあり、それから導き出した数字によると、「現役合格」しなかった受験生の「合格率の落ち込み」はかなり激しい。勉強する環境を確保するのもタイヘンだからなあ。さらに、学校に行く必要がなくなるので、引き籠もって勉強し続けて色々煮詰まって…ってなコトも多いんじゃないかと。この「卒業後の学生のアフターフォロー」は色々苦慮しているんじゃないかな。なまじ「ウチの生徒じゃなくなった」だけに、面倒見るって言っても限度があるだろうし。
 
 閑話休題。法科大学院の数字的評価に話を戻そう。新司法試験ってのは、選択式の「短答式」と、「論文式」の2つに分かれる。試験日はおおむね似ているんだけど、短答式で「必要な点数」得られた奴だけが論文式の採点をしてもらえる。論文式の採点期間はすご~く長く、しかもコッチの方が合格率が低い。その間学生は落ち着かない日々を送ることになる。ちなみに、その間学生がどーしているのかと言えば、勉強の日々を送るのが一般的。仮に合格しても、その後「落第があり得る研修」に叩き込まれるので、無駄にはならないし。
 
 ちなみにこの短答式、法科大学院の授業では「一切対策しない」のがタテマエになっていたりする。カリキュラムを見る限り、「短答式に合格するための授業」みたいなモノが見あたらないのだ。一応法学未修者(法学部などに通わなかった奴向けのコース)向けの授業がコレに当たるけど…つまり、法科大学院の授業ってのは「論文式で合格点を取る」もしくは「実際法曹になった時に役に立つ」ものばかりやっていて、短答式については「自習しろ」で片付けているのだ。一応自習支援はしているんだろうけど。
 
 このことから、実は「法科大学院別短答式合格率」なる数字(合格状況表から算出できる)は、法科大学院の「教育の質」との関連性は薄めで、実は「学生の質」を現しているだけ…って話がある。優秀な学生を確保するのも大事な仕事とはいえ、ある程度…どころか、かなりの割合が「母体となった大学の、法学部の評判」に依存するって話があるので、評判の高い大学の法科大学院が「優秀な生徒を多数確保できる」となるのも仕方ない。
 
 そうなると…ある意味最も「法科大学院の実力」を表しているのは、実は「短答式に合格した奴の、最終合格率」だって話はある。ちなみにこの数字、今回の総合平均は約35%。おおむね「合格率が高い学校はこの数字も高い」けど、結構ばらつきはある。個別評価に関しては言いたいこともあるけれど、ソレは流石に私の胸にしまっておこう。ミョーな評判ばらまくのは、私の本意じゃない。
 
 法科大学院&新司法試験ってのは、結構残酷な制度だと思う。旧司法試験からして惨い制度だったって話はあるけれど、安くない学費払って、その割に「短答式は自習しろ」と言われちゃうし、あげく「卒業後のアフターフォロー」はちょっと疑問が…もっとも、最大の問題は、そうまでして「新司法試験に合格しなかった」時、実質「だからどーした」だけで片付けられそうな資格しか得られない(一応博士と呼んでもらえるみたいだけど、実質は修士扱い)ってのが…なんかどっかで根本的に制度設計を間違えているんじゃないかって気はするね。その辺をキチンと分析したモノが欲しいんだけど、法曹は法曹で一般人にそんなモノを説明しようって意欲ゼロだし、一般人は「関係ないね」で終わりだし…
 
 とりあえず、本気で法曹を目指そうって学生(社会人でもいいんだけど)の方、まずは勉強うんぬんより、精神力を鍛えて下さい。心が強くないと、とてもじゃないけどやってられない制度だったりするので。いやこれマジに。色々書いてきたけれど、一応私は基本「法曹を目指す人間及び法科大学院」の味方です。だって、応援するだけならタダだから(おい)。

9月28日2010/09/29 00:50

 先週末はウォーゲーム。久々に「Ukraine'44」がプレイできたり、「East Front」のアツいプレイを見学できたり…と、充実はしてたけどネタになりにくい(苦笑)。「面白かった、良かった」だけじゃイカンでしょ。
 
 そんなわけで、本日のネタは「ウォーゲーマーF男が考える、理想の2日間」をお届けしようかと。元ネタは有名ブログ「ウォーゲームだもの」こちらでも触れています。それぞれ興味深いです。
 
 私はウォーゲーマーであると同時に(長いので以下略)でもあるので、「理想の2日間」というのは色々難しい。ただ、ウォーゲーマーとして…となると、まあここで語れる程度には絞れるかな。
 
 1つの典型例としては、やはりまあ「自分が好きなゲームを思う存分堪能する」ってことになるんだろう。今現在の私の場合、「ヒトラー電撃戦」かねえ。前回は独軍だったので、連合軍が希望かな。これを2日かけてプレイする。2日あれば終わるゲームだと思うので、ちょうど良い。
 
 しかしだねえ。これをもって「唯一無二の理想」とするのは、私の趣味から言えば「どうかと」思うんだな。理想ってのは「努力目標」でもあるんだから、いっぱいあったっていいような。そこで、別の形の理想にも少し触れておこうかなと。
 
 先に述べた理想は「プレイするゲーム」に焦点が当たっていた。しかし、ウォーゲームもゲームである以上、「どのゲームをプレイするか」だけではなく、「誰とプレイするのか」も重要でしょ。そこに焦点を当てた理想を考えるなら、私だと「生涯通じての目標となる方と戦って、勝つ」になるかな。候補は数人いるので、2日間とっかえひっかえ「そーゆー方々」と戦い、その全てに勝利を収める。これがまあ「プレイヤーに焦点を当てた理想」になるかねえ。
 
 もちろん、相手となるのは「生涯を通じての目標」だ。1度や2度勝ったところで「超えた」などと言えるような相手じゃない。けれど、そーゆー方々に勝利を収めてこそ、初めて見えるモノもあると思う。それが見たい。もちろん、簡単じゃない。実際やったらボロ負けして終わりって気はする。ただ、だからって「そんなの無理だ」で片付けるのはイヤ。勝負ってのは、そーゆーものだと思う。
 
 さらに贅沢を言うのなら、「最後の対戦相手」は、「F男が生涯の目標」と公言し、負けを覚悟の上で本気でかかってくる奴がいい。そんな奴いるわきゃないけど。そんでもって、この最後の対戦だけ負ける。ある意味コレが一番「負けてはイケナイ戦い」であり、それまでの勝利を台無しにしかねない結果だ。私は人間が出来てないので、ゲームが終わった後の飲み会で「この2日間の勝利の喜びなんぞ、どっかに吹き飛んだ」などと愚痴を言いそうなものだけど、それでもあえて「そーゆー思いをするのが理想」と言ってしまおう。
 
 これらとは別に、もう少し現実的な理想ってモノもある。これはある意味すご~く単純。「対戦相手もゲームも決めずにぶらっとゲーム会場を訪れ、そこで出会った初対面の方と、その方が持参してきた、私の知らないゲームをプレイし、面白おかしくプレイする」ってものだ。そんでもって、次回の対戦を約束し、その時は私が選んだゲームをプレイすると。そーやって友人知人が増えるのは、とても嬉しいし理想でもあるからね。決して難しいコトじゃないし、似たようなコトは何度もやっている。けどまあ、こんな出会いは何度経験しても嬉しいし、「かくあるべし」みたいな気持ちは忘れないようにしたい。
 
 私は、理想ってのは「よくわからないモノであって欲しい」って気持ちがある。今までわからなかったことが、わかるようになる。知らなかったことを、経験する。「理想が実現する」ってのは、そーゆー要素を多く含んでいて欲しい。だから、理想なんてモノは「クドクド語るネタになり得ない」のではないかな。もし詳しく語れるのであれば、「足らないのは実行力だけじゃん」となり、「そこまでわかっているんなら、とりあえず実行に移すべし」となる。実行するのは色々と障害が…って話はあるけれど、それをクリアするしないってのは、「現実の問題」じゃないかな。
 
 そんなワケで、今回はネタ的に「クドクド語る系」じゃないので、ここで〆。つーか、私のようなしょーもない人格の人間にクドクド語らせると、「理想」じゃなく「妄想」の領域に突入しそうなので…