7月20日2010/07/20 23:23

 諸般の事情により、ネタをまとめるのに苦労しました。いかんね。でも、このネタ扱うのが難しいと思うぞ。
 
 土曜にあった、不可思議なイベント?に参加してきました。趣旨としては、「ウォーゲーム雑誌に掲載された、戦史記事をまとめた単行本」である「鉄十字の軌跡」出版記念講演。ね、不可思議でしょ。この色のネタについて行けない方には。
 
 一般にボードウォーゲームというのは、史実にあった戦いを扱っている。理由はともかく、そーゆーものなのだ。それゆえ、戦史関係の記事が掲載されていることが多い。そいつをまとめた単行本が欲しいよね…って話がどんどん進んでいき、今回このようなイベントが開催されたわけだ。
 
 普通なら、ここで著者の紹介に始まり、どのような話が出たのか…と話が進んでいくんだけど、あえてそれは大幅に省略しようと思う。つーか、そーゆーレポーターとして「どう考えても私より優秀」な方が、各自のブログその他でさんざん発表なさっておられる。低いながらも可能性があったと思うのであえて触れるけど、公式に「レポート書け」って依頼も受けてねえ。ここはやはり「F男という馬鹿しか書かない」ものを。
 
 私が注目したのは、実を言えば「参加者の顔ぶれ」である。こんなイベントに参加する奴って、どんな奴?コッチの方が気になったんだよね。翌日に記念コンベンションとして「ゲームする日」があるとはいえ、ゲームやらないイベントに顔出すゲーマーなんてどんな奴なのか?そこが気になったのだ。
 
 とはいえ、顔ぶれの一部は想像がついちゃうんだよな…私はこの業界では「顔が広い」ワケじゃないけれど、元々が狭い業界だから。そもそも、主催者であるコマンドマガジン編集部の中黒殿・司会であらせられた高梨俊一先生(諸般の事情により、絶対頭が上がらない。「先生」以外の敬称を使う気になれない)・著者の大木毅殿&鹿内靖殿の両名…全員私と「個人的面識のある方々」だ。その主義主張その他については、一緒に飲んでつついて「以前聞いたことがある」ものばかり。改めて含蓄あるお言葉をいただくのは有り難いけど、「新鮮味」って点では…私には一応「飲んだ席で先人をつついて、有り難いお説教喰らう」という趣味があるからなあ。
 
 ただ、私のような「主催者サイドと個人的面識がある奴」ばかりなのか、そうでないのかは気になった。こう言っては何だけど、私みたいな「個人的面識がある奴」が来るってのは、言ってみれば「親類の学芸会に顔を出す奴」と同じ側面がつきまとう。「お義理」って奴だね。これはこれで日頃の人間関係というか人望というか…を反映しているものなので、重要と言えば重要だ。けれども、「それしか客がいない」イベントってのも、どうかと。特に私としては、「同種のイベントが個人・ゲームサークル等の主催で成立しうるのか」が気になったので、「知り合いばかりってのも、それはそれでイヤだなあ」と思っていた。
 
 実際集まったのは…正直言おう。「知り合い率」は高かった。「ブログのネタ求めて来たな」って方(私も含まれるんだと思う)が何人かいらっしゃったので、正直「よし、これでマトモなレポート書かなくていいや」と思った(苦笑)。ましてツイッター配信までされては、レポート系では勝負にならん。
 
 それでも一部内容について触れるなら、「作戦級愛好家」である大木・鹿内殿両名の見解は共通点が多く、むしろ司会である高梨先生(戦略級のデザイナーでもあらせられる)との相違点が多かったような。その意味では、「丁々発止としたやりとり」みたいな緊張感は薄かったのかな。とはいえ、司会もパネラー(って言うのか?)も「飲まないうちから蕩々と語れる」方々。「歴史とゲームの相違点」「ゲームはメディアである」「絶望感を感じさせる作戦級ゲームが面白い」などなど、ためになる話は山ほど出ましたね。
 
 さて、肝心要の「知り合いではない参加者」だけど…まあ、「顔の広い」ゲーマーなら「面識あるか、ブログその他で名前を見たことある」方々、つまり「有名なゲーマー」が中心だったような。とはいえ、「実はヒストリカル・ボード・ウォーシミュレーションゲーム、の3点を満たすゲームはつい最近始めました」なんて方もいらっしゃいました。飲み会では「やっぱり自己紹介は必要だよね」って話になったし。正直、「このメンバーなら、自己勝敗は省略しても…」って話になりかねないと思っていたんだよね。良かった良かった。
 
 地理的な話では、北は仙台、西は福岡方面から来訪された方が…「関西からの一般参加者」はいてもいかしくないと思ったけど、思った以上に遠方からいらっしゃった方が多かったですね。こういう方々は「ゲームだけ」だとかえって足を運びにくい(地元で出来ることだから)のでは…って話もあるので、地域交流って観点からはむしろこうした「ゲームがメインじゃない」イベントの方がいいのかも。これは予想してなかった。
 
 全体的に、皆様「真面目な」参加者だった。事前に募集された質問をキチンと考えてきた方が多かったし。私は不真面目でした、すみません。ただ…みんなアドリブ弱いよ!飲み会の席で「飲んでいる今だから出来る質問」って話振られて、ケツ引いちゃった方の多いこと…私が「誰も質問しないようなら、私が質問しますから」と主催者である中黒殿のケツ叩いてやっと実現したってのは、どーゆーことよ。本来斬り込み役は私の仕事じゃない(友人に斬り込み隊長がいる)はずだけど…
 
 先日行われたゲームマーケット2010の成果により、どうやら「ゲーム好きだけど歴史はあんまり」って層の方が、シミュレーションゲーマーに引きずり込み易いのではないかという「有力な推測」が出ている。ただ、この趣味はやはり「歴史に興味を持ってナンボ」だってのも事実。ゲームはあんまり…ってな歴史好きを引きずり込む努力だとか、ゲームメインで足踏み入れた人間に歴史の面白さを伝える努力も、必要なんじゃないかと思う。そのためのアプローチとして、「こういう手段もあるんじゃ」と提示された…ってのが、このイベント最大の意義だった気がする。もちろん、今回は既に歴史に興味のあるベテランゲーマー向けのイベントだった。しかし、コレを参考に類似のイベント(今度は初心者向け)を仕掛けるって手もあるわけで。その意味では、「今日は楽しかったね」で終わらせちゃイケナイ気がする。ただ、だからって私が何かするワケじゃないけど。
 
 なお、私はこんなイベントにもかかわらず、コミケカタログなるものを持参(行きがけに入手した)し、何やら怪しげな打ち合わせをしていたり、翌日のコンベンションで銀河英○伝説の「ヴァーミリオン会戦」なるアニメゲーをプレイして勝利するなど、やりたい放題だった。なお、ヴァーミリオンで「ラインハルトを」と希望したのは向こう側だ。私がヤンを志望したワケじゃない。「選択ルールは原則アリで」と言ったのも私じゃないし、「高速隊形になって、援軍のミュラーが来るまでひたすら逃げ回る」って手を採用しなかったのも私じゃない。だから、「アンタ、それは単なるイジメじゃないのか!」と言われても…きっとほら、「作戦級における絶望感」を味わいたかったんだよ。そーゆーコトにしておいて下さいよ…