6月16日2010/06/17 01:19

 W杯日本代表、勝ちましたねえ。でも、アレは日本が勝ったと言うよりは、カメルーンがコケた(予兆はあった)だけって話もある。とはいえ、勢いが出たのは確か。この先苦しい戦いが続くだろうけど、しっかり戦って欲しいな。
 
 本日の話題は、ゲームの話。先日レポート第一稿を仕上げた「ゲームマーケット2010」関連の話で、ココに書いておいた方が良さそうな話があるので。「ネタバレは…」「そーゆーコトはレポート本体で…」といったお叱りを承知の上で、ココに書きたいことなんですよ。
 
 SNS「MustAttack」内の中黒コマンド誌編集長の日記にあるように、ゲームマーケット2010のa-gameブースには「ウォーゲーマー予備軍」、つまり「興味あったけど経験ナシ」「やり方がよくわからなかった」なんて人間が結構やってきたようだ。つまり、業界全体が長年探し続けてきたにもかかわらず、その存在が疑われていた方々が「実はココにいた」というわけだ。
 
 私は以前「潜在的ウォーゲーマー」について語ったこと(2010/1/16)があり、ウォーゲーマーではないけどアナログゲームをプレイする層は、「素質はあるのでは」という意見を述べてみた。とりあえず、コレはある程度当たっていたらしい。他と比べてどうこうって話はさておき、「新人を獲得するため、宣伝に力を入れるべき」有力なターゲットの1つだと認識していいのでは。
 
 こういう「ウォーゲームじゃないアナログゲームをプレイする層」が勧誘先として有力なのかどうかは、諸説あった。「有力なのでは?」って意見を述べる人間は、私の他にもそれなりにいたように思う。しかし、「仮に有力だとしても、具体的にどう勧誘したらいいのか、よくわからん」って状態だった。私も具体案なんて持っていなかったし。それに対し、今回「ゲームマーケットにa-gameが出展する」という手法によって、成果を得ることができたようだ。いや、めでたい。
 
 今回得られた成果が具体的にどれくらいなのかは、私にはよくわからない。「お前もゲームマーケットに参加してたはずなのに…」と思われるかも知れないけど、まさかいきなりそんな形で成果が得られるとは予想していなかったのだ。a-gameのブースについては「盛り上がり具合を確認すればソレで良し」と思っていて、あそこでゲームをプレイしていた方々は「東京近郊のウォーゲーマーなんだな」ぐらいに考えていた。そのため、別フロアの同人ゲーム&同人誌の取材しかしてない。何か特筆すべきコトがあったとしても、「ゲーマーいちねんせい が ゆく」でフォローしてくれるさ!と本気で信じていた。ひととおり同人系の取材が終わった後にヒマだったら、私もa-gameのブースにたむろして「細かく観察」したかもしれないけれど、同じ日に日本ダービーがあったのにそれを期待されても…良い方向にとはいえ、予想を裏切る事態だったので対応できなかったのだ。「敵の強大な戦力にヤケクソ気味の攻撃を行ったところ、何と突破に成功した。けど、そんな攻撃が成功すると思ってなかったので、予備なんて用意してなかった」ってトコロだ。
 
 そのため、今回書いた原稿(おそらく8月発売のコマンド誌に掲載)では、この現象についてはあまり触れていない。私に「自分で取材したわけでもないモノを細かく書ける」なんて技量があるとでも?私は別のモノを取材するため派遣?され、そっちはそっちで書くべきコトがいっぱいあったのだ。一応軽く触れたので、見る目がある奴が読めば「おおっ」と思ってもらえるかも知れないけど…
 
 ただ、コマンド編集部がかなり良い手応えを感じる程度には、「新人候補」がやって来たらしい。今後もこういうイベントに「できる範囲で参加していきたい」って意向を、私の方で確認している。この手のイベントの取材担当者としては、とても嬉しい話だ。でも、こういう展開は予想してなかったなあ。せいぜいが「東京近郊在住のゲーマーとの交流を深める場として、これからも…」って話だと思っていたのに。いやまあ、そ-ゆー意味合いも色濃くあるんだろうけど。
 
 今回のこの話、現象だけ追ってゆけば「とてもめでたい話」で終わる。いくら何でも「オレさえ良ければ、この業界が衰退したってかまわない」なんて了見の狭い奴はごくごく少数だろうから、「業界のためになりそうな鉱脈見つけました!」って話は嬉しいと受け止められると思う。「アナログゲームやるけど歴史に興味がない奴なんて、有望かぁ?」みたいな意見を持っていた方は「予想を裏切られた」ことになるわけだけど、そういう意見に一理あったのは事実だし、無駄な努力をするよりは有望な努力をした方が良いに決まっているんだから、「嬉しい誤算」で片付く話だ。でも…なんつーか、私個人はちょっとばかり「引っかかる」トコロがあるな。
 
 ドコが引っかかるのかって?私はウォーゲーマー歴もコミケ出入り歴も長い。コミケの「ゲーム(電源不要)」ってジャンルには足を運ぶようにしていたから、ウォーゲームではないアナログゲーム業界がどうこうって姿も、ある程度は知っている。にもかかわらず、「ドコに潜在的ウォーゲーマーがいるのか」については、ちょっとした仮説を提供する程度。そーゆー人間をこの業界に引きずり込む手段については、皆目見当も付かなかった…ってな有様だ。「一体何をやっていたんだか」って気がして仕方がないんだな。私が的確に行動していたのなら、もっと早い段階で「今回の喜び」を得ることが出来たような…
 
 生物学者のダーウィンは、いわゆるダーウィン進化論を提唱したまでは良かったけれど、「突然変異がどんな形で子孫に受け継がれるのか」って部分が未解決だった。遺伝の法則を知らなかったからだ。逆に遺伝の法則は知っていたけど、ダーウィン進化論を全く知らなかったのがメンデル。これ自体はありがちな話だ。でも、この両者を良く知る立場にいたはずなのに、両者の関連性に気がつかない…どころか、両方とも「タワ言だ」で片付けた偉い学者ってのがいたんだそうな。コイツに先見の明があったら、生物学は今よりも発展していただろう。今の私は、この「お偉いさん」を笑えないような心境だな。
 
 まだまだ課題はあるんだろうけど、今回のゲームマーケット2010で「業界の希望らしきもの」が見えたのは間違いなさそうだ。私が今手がけているコトと関連性の深い分野の話なので、私に出来ることも何かしらあるかも知れない。先見性のないアホウな私ではあるけれど、出来ることは色々と協力していきたいな。まあ、とりあえずは目先の仕事をキチンとこなしてゆかないと。そろそろコミケ情報の季節だからね。夏もガッチリ取材してこのジャンルを盛り上げてゆくってのが、とりあえず私に出来る貢献かな。苦労は多いし代わりがいるなら代わって欲しい気もするけれど、とりあえずは頑張っていきましょうかね。