5月12日2010/05/13 00:57

 少しばかりPOG関連資料の検討にハマってしまい…明日は資料本が大量に出回るというのに。何やっているんだか。本日は、POG関連の話その1。ディープインパクトについて。基本的には、「競馬はやるけどPOGはあまりやらない」人向けの話です。ご了承下さい。特に、POGやる人。参考になりませんよ?
 
 今年のPOGは、大きな課題として「ディープインパクト産駒の扱い」がある。無視するのも重視するのも「大きな賭」になるし、多少押さえておくにしてもどんな形で…ってなことを考える必要があるからねえ。
 
 あまりに有名な馬なので、現役時の話は省略。「とにかく強かった」としておけばいい。そんな馬が種牡馬入りしたんだもの、色々期待が大きいのは間違いない。POG関連資料が「この馬の産駒情報満載」なのは間違いない。それだけに、POGやる人間としては悩ましいんだよなあ…
 
 冷静に分析してみると、ディープインパクトは「現役時に強かった馬」「SS産駒」という、成功しそうな条件はチャンとある。けど、ある意味それだけ。この2つを満たす馬がどれだけいたと思っているんだ。大ハズシはしないだろうけれど、掛けられた期待の大きさは、その程度じゃ済まされない。
 
 ディープインパクトに掛けられた期待は、簡単に表現できる。「サンデーサイレンスの再来」だ。少し前の、「とにかくサンデーサイレンス」という時代が、この馬によって到来してくれないかなあ…ってレベルだ。でも…そうなる可能性は、ゼロじゃないけど相当厳しい。小難しい血統論のことは抜きにしての話ではあるけどね。
 
 何故厳しいのか?もしディープインパクトが「SS産駒初期」の産物であったならば、そうなったかもしれない。でも、既に「SS後継種牡馬」は山ほどいる。SSの肌馬も山ほどいる。この中で「SS並み」の結果を出すのは、単純に考えて条件が悪い。流石に難しいんじゃないかなあ。
 
 ごく単純な、初歩的な分析をしてみよう。ディープインパクトの初年度産駒は、現時点で私が入手している資料によれば147頭。今年の新種牡馬では1番だ。この時点で、「新種牡馬リーディング」は堅い。獲れなかったら大騒ぎだ。でも、SSよろしく「全種牡馬総合で」いきなり2歳リーディングやクラシックリーディング(正式な統計は取られていないけど、言いたいコトはわかるでしょ)も堅い!って頭数じゃない。上には上がいる。
 
 上にいるのが「頭数は多いんだけどね」ってレベルの馬ならいい。実際はネオユニヴァース、ジャングルポケット、キングカメハメハ、タニノギムレット、アグネスタキオン…勝率も当たりの大きさも相当な連中ばかりだ。現実問題として、こいつらを上回るのは簡単ではない。SSが登場した当時のライバル、トニービン&ブライアンズタイムよりもキツいでしょ。ジャンポケ・タニノが「トニー便&Bタイム社(わかるかな?)」の8掛けだとしても、同じ「日静グループ」系がウヨウヨしているのが…POG的には「無視は危険だけど、基本晩成なので深追いする必要がない」(株)北味がデカい顔してた時代じゃないんだから。
 
 ディープインパクトが集めた肌馬の質は相当なレベルなので、「頭数の割には良い成績」を収めてだなあ…って意見もある。けど、そううまくいくかな?いい肌馬集めたと言っても、いわゆる「SS肌」は当然つけられない。これらは当然他の種牡馬に流出する。おまけに、SS系種牡馬だけで見ても、タキオンとネオがキチンと産駒頭数確保できたってのが…いい肌馬集めるってのは、「自身の成功率を高める」と同時に「ライバルの脚を引っ張る」って効果もあるはずなのに、流石にそうは上手くいかなかったようだ。
 
 また、ディープインパクト産駒の「褒め方」も、ちょっと引っかかるんだよな…個々の馬については、「素晴らしい」が連発されている。けど、そりゃあどんな馬の産駒でも…それに対し、「全体的にいい」ってコメントが不足している気がするんだよな。記憶が正しければ、アグネスタキオンとネオユニヴァースは「全体的に評判が良い」ってコメントがあったような気がする。これを「いいに決まっているんだから、省略されただけ」と考えるのか、「ひいき目が入る自分のトコロの馬はともかく、他はそこまで言うレベルでは…」(この場合、「自分のトコロの馬」も…である)と考えるのか。
 
 POGで新種牡馬の扱いに困るのは、毎年のことである。アピールのため「肌馬の質がアップしている」コトが多いので、走る馬見つければオイシイ思いが出来るのは確か。でも、傾向も対策もわからない。宝が眠っているのはわかっているけれど、ヒントが少なすぎて掘り出しようがない…と、敬遠する人も多い。でも、ディープインパクトは…肌馬の質が良すぎて、「好きだったあの馬の下を取ろうかな」で探すとディープ産駒だった…ってことがあるだけに、悩ましい。
 
 私個人としては、ディープ産駒の扱いは保留している。結論を出すにはまだ早い。現時点では「仮に獲るとしたらどの馬か」を色々考慮している段階だ。むしろ他の種牡馬絡みの方が忙しくて…順位だの何だのを考えるのはかなり先の話だから、こんなモノだと思うけどね。
 
 もっとも、私はディープインパクト産駒を「1位指名」はしない予定。その枠だけは、誰が何と言おうと「既に埋まっている」のだ。つーわけで、次回はそれに関連した話をお届けします。お楽しみに。

コメント

_ 山崎美鶴 ― 2010/05/15 08:53

 はい、山崎美鶴です。

 種牡馬として肌馬の水準云々を勘定し始めると
ついつい考えてしまうのが(昔話に近いですけど)
「トウショウボーイって凄かったんだなぁ・・・。」
肌馬の水準が(株)北味やら何やらに比べて
あからさまに低い中から(フィメールバイアス含めて)
GⅠ級の産駒を輩出している。(ハズレも多いが)

 加えて、産駒の牝馬も繁殖成績が(これは明らかに)
良いから、もし、「軽種馬協会所属でなく藤正牧場の
所有で優良牝馬との配合が多ければ、どうだった?」
のIFは昭和末~平成初頭の内国馬産事情を考える
最大級の課題に思えます。

 果たして、デイープインパクト号、或いは他の各馬
そういう影響力や勘案の対象になる馬は出るのか?
そっちに関心が赴きますね。

_ F男 ― 2010/05/16 02:40

トウショウボーイは確かに「良い種牡馬」でしたね。ある意味ではサンデーサイレンス以上と言ってもいいかもしれません。

近年ではサンデーサイレンスが「もしSSがいなければ、日本競馬会はどーなっていたのか」という勘案の対象になると思いますが、そのSSも世を去って久しいですからね。ディープインパクトが「トウショウボーイ・サンデーサイレンスのような伝説を残せるか」は、興味深いです。

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