1月15日2010/01/16 02:08

 私にしては珍しく、「ケンカ売られているのはわかっていたけど、あえて放置」しておこうと思っていたんだけど、別の方が「あえて買っている」姿を見せられたらなあ。ちょっと渋々…ってトコロもあるんだけど、あえて私も「参戦」することにしました。ちなみにジャンルはこの色です。
 
 ケンカ売ってきたのは、XoDってサイト。管理者の方(サイトに名前がないので、あえてここでは名前は出さない)は知り合いだったりするわけだけど。ここの「ダメな営業」ってコラムで、「アニメを題材にしたゲームや、フィギュアを使ったゲームをとっかかりにしたら、と主張する者も少なくない。/くだらない。」(/は改行)と主張なさっている。私は前者に思いっきり該当するので、「くだらない」に該当するわけだ。
 
 同コラムでは、「子持ちのゲーマーで、自分の子をゲーマーに仕立て上げようとしている者」についても言及されていて、同様に「くだらない」と判定されている。これに対し、子持ちゲーマーのtakoba39714殿が、「SLG以前」という反論?を書いておられる。反論とは言い過ぎって気もするけど、「くだらない(からやめなさい)と言われたことを、実行するための方法論」を語られているからなあ。ならば、私も何か言っておこうかなと。
 
 「ダメな営業」の趣旨を私なりに乱暴に要約すると、こうなる。良い営業マンというのは、まず幅広く当たってみて見込みのありそうな顧客を選別し、見込みのある顧客だけ相手にすることを考える。ダメな営業は、見込みのあるなしを考えず、見込みのない相手に無駄な時間を費やしている。よって、ボードシミュレーションゲームを広めようとするならば、見込みのある奴、すなわち「こういうものが存在している」って情報だけで興味を持つような人間だけを相手にすべきで、それ以外の普及手段~アニメ・フィギュアを使ったものをとっかかりにしてどうこうとか、家族相手に普及を図るとか~は、「くだらない」。
 
 私は営業系の職務を担当したことはない。営業のターゲット(仕入担当)に近いことはやったことがあるけどね。それゆえ、営業がどうこうって部分については、あまり語ることができない。強いて言うなら、「競争入札における仕様書の重要性ってモノを理解できてない(実はちょっと特殊な知識)営業は、来るだけ無駄だからオレの前に顔出すな!」ってくらいだ。コッチは諸般の事情により、気軽に「○○社の何々」って指定してモノ買えるワケじゃないってコトぐらい、理解しろよなあ…
 
 しかしだなあ。あくまで私個人の意見を言わせてもらうと、「歴史系ボードSLGを広める手段として、アニメ・マンガ等の非歴史系ボードゲームに手を出すような輩は『多少なりとも見込みがある奴』だから、そーゆージャンルを充実させて歴史系に流れてくる奴が出るかも知れない」って意見は、ここでいう「マグロ一本釣り」路線ではなく、「底引き網路線」の一環じゃないかと思うのだけど。いくら何でも、「歴史系ボードSLGってのは、こーゆー遊びです」って解説聞いただけで、「これだ!これこそがオレの求めていたモノだ!」と悟ってくれない限り、見込みがないと見なす…ってのは、無理があるのでは?底引き網漁船だって、一応は完全無作為ではなく、「見込みのありそうな漁場」選んで操業しているんだし。
 
 世間一般の人間は、「歴史系ボードSLGの情報」なんて欲してない。「自分と無関係の情報」だと信じているからだ。この情報過多の時代において、どうやら自分とは関係ない話らしい…ってモノを聞いてくれる人間が、どれぐらいいると?このブログはあえてそーゆーコトにチャレンジしていて、ある程度は「非ゲーマーにもゲームの話題を読ませる」ことに成功しているようだけど、満足できるようなレベルじゃない。そもそも無茶な話だし、文才無いからなあ。
 
 私の経験から言えば、このブログを、「赤い話題」だってだけで読み飛ばさずに、一応目を通す…ってだけで、「程度問題で考えれば、他より見込みのある」人間と言っていい。「赤い話題」限定で考えると、ソコにすら至らない人間が多いからなあ。ただ、これだけでは絞り込んだうちに入らない。営業マンにたとえれば、「仕入担当に取り次いでもらえる手段が見つかった」レベルである。いくら何でも、これぐらいだったら「ダメな営業」でもわかるでしょ。大切なのは、「そこから先をどう絞り込んでいくのか」になるはずだ。まあ、このブログは読者の絶対数が少ないので、「現在ゲーマーじゃないのに、赤い話題も丹念に読む読者」をいくら絞り込んでも、「ゲーマーとなってくれそうな奴」が混じっているとは思えない(少なくとも確率は低い)けどね。
 
 話を聞いてもらうためには、どーすればいいのか?まずは「興味を持ってくれる可能性がある奴」を相手にすることだ。実を言えば、営業マンってのは、営業の肩書きが入った名刺を出すだけで、このレベルの絞り込みはある程度クリアしているのである。門前払いのケースを除けば、担当者が出てくるから。この段階さえクリアしてない営業活動なんてのもあるけど、それはもはや「営業マン」の担当ではなくなる。テレアポなんてバイト・パートその他「下っ端」がやることだし、スパムメールや立て看板・各種CMに至っては人間ですらない。それをふまえずに「幅広く」なんて考えると、それこそ「TVで採り上げてもらうか、あるいは日本中にスパムメールを流すか…」っていう話になりかねない。
 
 そんな奴がドコにいるのかはさておき、まずは「ボードSLGの話題を聞いてくれそうな奴」を探し出す。そーゆー奴に幅広く「ボードSLGとはこのようなものです。興味ありませんか?」と聞き、見込みのあるなしを見分ける。この段階で「見込みがある」側なら、片っ端から口説き落として試しにやらせてみても悪くない。その結果「面白い!」と言ってくれた奴が、新しいゲーマーではないかな。話を聞いてもらえるかどうかもわからない存在を含む「一般大衆」から一気に「ゲーマー」を探すのではなく、ある程度相手を絞り込み、絞り込んだ対象を幅広く当たって更に対象を絞り込み、その対象を…といった感じで、根気よく段階を踏んで絞り込んだ方が良いような気がする。
 
 では、まず最初の段階である「話を聞いてくれる奴」をドコで探せばいいのか?わかるかそんなもの。私は「アニメ・マンガ等を題材としたボードゲームに手を出すような輩なら、他より話を聞いてくれる可能性が高いのでは」って仮説を立てているけど、現段階ではあくまで仮説。「私自身がそうだった」という事実がある(「超人ロック」が入り口だ)ので、「試してみても悪くないのでは」とは言えるけど、「そんな連中が話を聞いてくれる確率は、一般人並みに低い」という意見(現状では、これまた仮説・推測レベルではあるんだろうけど)もある。大半のゲーマーが「ゲーマーって立場からでは、同じゲーマーにしか語る言葉がない」のが現状である以上、ハッキリしたことは言い難いと思う。
 
 なお、私も「非ゲーマーにゲームの話をすることはできない」側の人間だ。この色の話題だと、どーしても「ついて行けない人は置き去りにします」宣言が出ちゃうからなあ。より文才があれば、「最初赤い話題はまるで興味なかったので読み飛ばしていたけど、毎回面白く読むようになった」なんて読者を獲得できたかも知れないけど、私じゃ無理だ。「マグロの一本釣り」うんぬんってたとえで言うなら、「アニメ・マンガを題材とした…」って主張より、このブログの存在そのものの方がよほど「マグロ一本釣り」路線だと思われる。「職業としての釣り」ではなく、「趣味としての釣り」としてやっていることなので、「釣果の有無ではなく、チャレンジ自体に意味がある」ことではあるけどね。「オレも松方弘樹みたいに大物ゲットしたいぜ!」と言って海に出てオデコ(釣果ゼロのこと)だった奴相手に、「だから底引き網漁船に乗れば…」なんて言う奴はいない。
 
 私は営業やら広告宣伝やらには疎い。だからこの話については沈黙しているつもりだったんだけど、別方面から刺激受けちゃったからなあ。まるで「ヒトラーの快進撃を見て欲が出てきたムッソリーニ」(笑)。今回の内容も、伊の戦争計画並みに支離滅裂って気がする。でもまあ、明白な結論が簡単に出るような議論じゃないのはわかりきっているので、良しとするか。どーせ、何やったってやらなくったって、結局はこの業界が新規参入者を獲得するのはかなーり難しいに決まっているんだから。