3月1日2009/03/02 03:07

 昨日のDASREICH殿との「モスクワ'41」は、心底アホな負け方をした。私は何故か(今思えば、「レッドタイフーン」と混同したんだと思う)「2:1攻撃にはEXがない」と思い込んでおり、反撃ターンに2:1攻撃を仕掛けてしまったところ、見事EX連発。おかげで戦線に大穴が空き、モスクワ占領で敗北。少しややこしい移動をキチンと行っていれば、戦闘比を1:1に下げられたはずなのに…いかんね。とりあえず、「ソレが無くても厳しかった」とは思うけど。
 
 この勝負については、ここまでとする。他に紹介したいネタがあるから。題して、「戦略級ゲームにおける、対仏戦省略」。何で今更こんな話を?それは、昨日ゲームが終わった後の飲み会に理由がある。
 
 細かい経緯は忘れたけど、DASREICH殿が「ポーランド戦以前の占領政策をいじくれば、独が英仏を敵に回さず、対ソ戦を行うことができたのでは?」と提唱してきた。具体的内容については、DASREICH殿が自説を公開した時のお楽しみとさせてもらう。これに対し私は「そうですかね?」というエクスキューズを投げかけ、議論になったわけだ。
 
 まあ、この手の分析ってのは正直難しい。実際起きなかっただけに、「どうなったと思われるのか」には無限の解釈が考えられ、どの解釈がより正当なのかを証明することは難しい。ただまあ、ソレを承知の上で色々夢想してみるのが、「ゲーマーって人種の特権」なんだけどね。
 
 あくまで私個人の意見としては、当時の英仏は「大ドイツ帝国復活は悪夢であり、必要と判断したら対独開戦も辞さず」という態度を取ったと思う(ポーランドを見殺しにしたような連中なので、準備は遅れたと思うけど)ので、結局は似たような流れに落ち着いたような気がする。とはいえ、その裏付けは薄弱だ。少なくとも、事前に下調べが進んでいたDASREICH殿と真っ向張り合うことができるホドじゃない。そもそも、研究次第でDASREICH殿と同じ結論に至る可能性もあるわけで。
 
 そこでまあ、とりあえず「あくまでゲームの中では、対仏戦を省略してのバルバロッサはどうなる?」ってことを分析してみようかと。私はこれでも一応「戦略級ゲームの作戦研究書いた人」なんだし。ゲーム内での扱いがどうなっていようとも、それはあくまでそのゲームの中だけの話だ。ただ、これを分析することによって「デザイナーはどう捕らえていたのか」「史実における問題点がどの辺に出てきそうか」を分析する役には立つと思われる。
 
 戦略級ゲームの古典的傑作「第三帝国(AH)」では、対仏戦省略は無意味である。このゲームは「外国を征服すると独の国力がかなり向上する」ので、仏は放置しておく利益より占領する利益の方が遙かに高い。ただ、それが正しい歴史認識かと問われれば、「どうもそうじゃなさそうだ」という分析を、「失われた勝利」デザイナーの柿崎殿が何度かゲーム雑誌に発表している。
 
 「第二次欧州大戦(SPI/HJ)」ではどうか?残念ながら、私はこのゲームでそんな戦略を提唱した人間は知らない。暗黙のタブーだと思われる。軽々しくプレイできないバケモノのようなビッグゲームなので、そんな「史実の流れを根底からブチ壊す戦略」を提唱する人間がいるとは…とりあえず独の生産力は向上するけど、「第三帝国」に比べれば貧弱なものだと、シミュレイターに掲載された「ある悲惨なる戦い」なる連載記事(これまた柿崎殿の作品)で報告されている。それゆえ、「フランスに行かない」って選択肢もありそうだとは思う(事実、「ユーゴに行く意味なし」がこのゲームの常識)けどね。私も通しでこのゲームをプレイしたことはないし、研究もやったことはないので、これ以上のことは言えない。ゲームをお持ちの方から、「ルールを読む限りではどうなりそうなのか」報告していただけると嬉しい。おそらく政治ポイントの絡みで「フランスには行く必要があった」ような気がするんだけど…
 
 「ドイッチュラント・ウンターゲルト」(HJ/GJ)、「第二次世界大戦」(バンダイ)、「ヒトラー帝国の野望」(翔企画/国際通信社)では、やはり収入面で対仏戦を行う意義があったような気が。この辺、私もうろ覚えである。半年ほど前に軽く参照した記憶があるんだけど、あくまで「軽く」だったので、覚えてないのだ。すいません。ただ、いずれにせよ「対仏戦は行うのが定石…というより、省略したら不利になるだけ」だった気がする。
 
 それでは、「ヒトラー電撃戦」(国際通信社)ではどうか?あくまで私はだけど、「省略可能である」と思っている。なにせ、「後々苦しいながらも戦えちゃいそう」だと発見してしまい、それを前提として「バルバロッサへの道(連載第2回)」「独ソ戦と大陸反攻(連載第3回)」をまとめたんだから。
 
 このゲームは最大の特徴として、「外国を征服しても生産力は一切向上しない」ってのがある。土地を占領されることによって生産力が減ることはあっても、一切増えないのだ。おまけにフランスの生産力は「燃料の生産は英国に依存する」ので、積極的に活用して「独ソ戦の最中にベルリン占領」ってのは少し無理がある。ナリだけデカいけど動きが鈍く、結局独軍に圧倒された仏軍らしさは出ているような。まあ、これはどんなゲームでもある程度再現されているけど。
 
 生産力が向上するワケじゃない、放置しておいても当面の大きな脅威にはならない、だったら無視して問題ない…これが「ヒト電」の仏である。ある程度国境に守備隊を置く必要があるけど、そんなものは「対仏戦終了後、英国がちょっかい出してこないよう」海岸に貼り付けておく部隊のことを考えれば、大きな負担になるワケでもない。
 
 とはいえ、流石に「バリエーションとしてはアリだけど、ベスト戦略とは言えない」という位置付けにしかならなかった。理由は単純、やっぱり「東西に敵を抱える状況」だと、たとえ相手が「補給生産量が乏しい関係上」鈍重な英仏連合軍であっても負担は負担だし、米国が参戦してきて補給が豊かになり、米陸軍が強襲上陸抜きで投入されるようになったら、「たとえソ連を降伏させても、独本土を蹂躙されてゲーム上は敗北」しちゃう可能性が高いから。赤軍プレイヤーが「対仏戦が終わるまでは攻めてこない」と油断していて、米国参戦前に赤軍を崩壊に持って行けそうな場合(実は大いに考え得る)限定の戦略である…ってのが、私の評価。それゆえ、対仏戦は「省略できちゃう」と書いたし、バルバロッサの解説で、赤軍は「早い段階からきちんとした備えが必要→一度構築した戦線は軽々しく前進させられない→引いて守らなきゃ駄目」と書いた。
 
 なお、「対仏戦を省略したあげく、史実と似たような時期に対ソ戦を行う」って作戦も考察してみたけど、私の意見としては「対仏戦を省略するのなら、むしろ早い時期にソ連へ侵攻した方が、赤軍が弱体な分だけ戦いやすいのでは」って結論が出た。このゲームの生産力は独>ソなので、開戦時期を遅らせた方が戦力差は開く理屈だけど、「6:2の方が10:4より戦いやすい」って理屈でそんな結論になった。実はこのゲーム、赤軍の初期戦力は、他のゲームより「すご~く貧弱」なのだ。生産ルールの関係から、そのように調整されたのだと思われる。
 
 とまあ、ゲーム上の位置づけではこうなる。じゃあ、史実において独が対仏戦省略を検討したら、少なくとも「英仏と戦わなくて済むよう」史実以上に配慮したら、どーなったのか?うーん…私は歴史家じゃないので、ロクに調査もしてない段階でそんなコト聞かれても困る。つーわけで、現時点じゃここまで。そーゆーコトは、「鉄十字の軌跡」(シミュレイターに連載された歴史記事。そのうち国際通信社から単行本が出る予定らしい)を書いた大木毅殿とか、「第二次大戦はズデーデン割譲要求から始まったかも知れない」と主張なさる(デザイン中と聞く「新・第二次世界大戦」にもそういうシナリオが?)高梨俊一先生とかに聞くべきでしょ。なんかお二方から「コッチに振るなよ」ってツッコまれそうではあるんだけど(苦笑)。

3月3日2009/03/03 23:26

 奇数月は二ヶ月めくりのカレンダーもめくるので、部屋が文字通り一変する。うむうむ。やっぱりカレンダーはいい…つーわけで、本日の話題は連載企画「カレンダー自作プロジェクト」について。
 
 前回は「とりあえず、ミリタリーカレンダーでいこう」ってトコロで話が終わった。そこで今回は、具体的な絵柄…の前に、基本レイアウトをどーすんのか語ろう。実は、コレが決まらないと、具体的絵柄もへったくれもないので。
 
 カレンダーのレイアウトなんて、ほぼ決まっている…と思うのは間違い。バリエーションはかなり豊富だ。今までもいくつか紹介してきたと思うけど、今回は「自作する」って観点を交えて改めて語ってみたい。
 
 まず重要なのは、「めくる単位」かな。カレンダーってのは、考えようによっては「フルカラー写真/イラスト集」でもある。つまり、枚数が増えればそれだけ写真がイラストを用意する必要がある。日めくりだと365枚も用意する必要があるわけだ。同人レベルで何とかなる仕事じゃないでしょ。
 
 現実的に「同人で作成可能なモノ」となると、月めくり・2月めくり・3月めくり・4月めくり・半年めくり・通年といったデザインが候補となる。それぞれ画像が12枚・6枚・4枚・3枚・2枚・1枚必要なわけだ。これと日付部分のレイアウトを組み合わせ、より具体的な基本デザインを選ぶことになる。
 
 日付部分のレイアウトなんて、悩まなくて…と思うのは、カネ出してカレンダー買った経験のない人。販売しているカレンダーってのは、「イラスト・写真集」って意味合いがより強化される。そのため、日付部分の実用性を落として目立たなくしてあるモノが多くなる。私の部屋にも「日付は横1段にズラっと並べただけで、日曜だけ目立つようにしてある」ってデザインの品は置いてあるのだ。これは私の好みではないけれど、「日付部分のバリエーションを増やす」ため、常に導入している。
 
 他に気にする部分として、「綴じ方」がある。無料配布モノにありがちな、一番上を金具で挟んで綴じ、過ぎた月は切り取って捨てるものにするのか、リング状のもので綴じ、切らなくてもめくれるようにするのか、真ん中を平綴じにするのか…などなど、結構バリエーションはあるんだよ。
 
 あと、比較的答えを出しやすいモノとして、「紙の形とサイズ」がある。A3・B4といった「一般的な形状」のものばかりとは限らないからね。ただ、そういう「特殊な形の紙」は、値段が高い。同人で売ることを考えたら、卓上サイズにでもしない限りコスト面で割高になる。
 
 「自分で作って売る」って縛りがなければ、この際どんなレイアウトの品でも妄想できる。実を言えば、それはそれで自由度高すぎてむしろ面白くないので、あえて「自分で作って売る」って足かせはめているんだから。それを意識してどんなレイアウトにするかと問われれば、答えは比較的簡単に出る。「2月めくりで上を綴じる」ものしかない。他はちょっと無理がある。
 
 何故そうなるのかって?一番大事なのは、「イラスト/写真の枚数」だ。私は自前でコレを用意できない。具体的にどんな形になるのかはともかく、外注することになる。その際、「どういう注文なら応じてくれそうなのか」を考える必要があるんだな。
 
 枚数が少ないモノ(代表はもちろん通年)の場合、カネ取れないほどチャチなものにするか、あるいはデッカい画像を用意する必要がある。この「デカい画像」を発注するのは、結構大変じゃないかなあ。比較的問題の単純な写真の場合でさえ「引き延ばしを考慮して画素数を増やす」必要が出てくるし、イラストだと更に問題は大きい。あんまり知られていないようだけど、「デッカい1枚絵」ってのは、単に「ちっちゃく書いた奴を拡大すればいい」ってことにならないのがフツーだからね。「デッカい絵はちょっと…」と敬遠される可能性がある。
 
 かといって、月めくりでは「写真またはフルカラーイラストを12枚」発注することになる。フルカラーイラスト12枚って、用意するのはかなりタイヘンでしょ。許可を得て「どこかに発表されたモノの使い回し」をするとしてもだ。写真でも「同じネタは使えない」ので、結構制限は受ける。
 
 このように、枚数と大きさのバランスなどを考えると、「ちょっと大きめの画像を6枚」ってのが用意しやすい(自作するにしても外注するにしても)ものになる。それを承知の上で「あえて別のレイアウトに挑戦する」意義は見いだせないかなあ。私は画像を安定供給できる環境にいるワケじゃないので。
 
 2月めくりとなると、中綴じ(カレンダーの真ん中を綴じるもの。コンパクトに折りたたんだ状態にしやすいので、雑誌付録などに多い)だとバランスが悪くなる。まさか画像の真ん中に折り目持ってくるワケにはいかない(不可能じゃないけど、ズレないで綴じるのが難しい)し、「上半分が画像・下半分が日付部分」とすると、2月タイプだと日付のレイアウトが難しくなる。正直、バランスが悪くなってしまうのだ。私はそもそも、この手の「中綴じタイプ」はバランス悪いデザインだと思っていたりする(でもバリエーション増やすため…)ので、なおさらだ。
 
 2月めくり上綴じタイプのカレンダーなんて、ある意味一番平凡である。ただまあ、「自分で作って売る」ことを考えた場合、あんまり冒険しにくいのも事実。まして「画像は外注予定」じゃあね。どーせ計画だけで実現などしないとわかっていても、非現実的な話にするのはかえってツマラナイわけで。
 
 かくして「大きめの画像を6枚」使用すると決めて、やっとこさ「じゃあ、具体的絵柄はどうなる?」って話が出来るのだ。つーわけで、次回(また来月)こそ、具体的絵柄の話になる予定です。誰も楽しみにはしてないと思うけど、お約束なので「お楽しみに!」って言葉で〆ておきます(苦笑)。

3月4日2009/03/05 02:14

 本日の話題は、自分の中では「ちょっと放置しすぎた」話題である、ブラウザ関連。世間的にはどーでもいい話題ではあるんだろうけど、そーゆーネタをやるのがここの特色だからして。
 
 まずは、私の運用ブラウザの変更点から。ちょっと前に「IE Tester」なるソフトを導入した。IE5.5~8.0RCまでの代表的バージョンの表示を「真似して」くれるのだ。IEのバージョン上げた場合「どう表示が変わるのか」わかるので、かなり便利ではある。
 
 それと、Firefox3.1のバージョンがβ2になった。気がつかない間に勝手にバージョンアップされていたようだ。まあ、別に困りはしないけど。Lunascapeも順調にバージョンを上げ、RC3になった。そろそろ正規版が出るんでないかな。
 
 その代わりと言っては何だけど、Safariは元の3.2.2のまま。4のβ版が公開されたのに。これは理由がある。試しにインストールしてみたところ、表示がオカシイ。サイトが文字化けしているどころじゃない。メニュー等も全滅。フォントを変更すればマトモに表示されそうな気がするけど、フォント変更したくても「文字化けのおかげで、どのフォント選んでいるのかがわからん」状態じゃ、どーしろと。どうやら「日本語版」が出るのを待つしかないようだ。
 
 今まで各ブラウザを「早いかどうか」「Web標準規格に準拠しているか」「一部の表示がオカシイサイトを表示するか」といった観点で語ってきたけど、今回は「マトモに表示されるサイトの、細かい違い」を語ってみようかと。本来なら画像を用意すべきだと思うけど、多分それでもワケわからんと思うので、あえて文字だけで勝負してみる。
 
 ブラウザごと、バージョンごとの表示ってのは、地味に違う。一部サイトではド派手に違って「問題表示」になるけど、フツーに表示しているサイトでも結構違うんだよね。ただ、その変化は地味に留まっている(だから問題にはされない)んだけど。これは「フツーなら気にしない」レベルではあるんだけど、今回はあえて細かく気にしてみる。
 
 題材として採り上げるのは、まあこのブログでいいでしょ。ちなみにこのブログ、HTMLの記述はヘンだ。なにせ「一太郎2008で編集して、そのままHTML保存したモノをテキストで呼び出してコピペ」という、奇妙な手段で編集しているから。文字だらけなのでその方が編集しやすいし、「文字の色分け」なんてやってるからねえ。あと、スタイルシートを活用して行間隔を少し広げてある。なお、基本的な設定は「IE6時代に決めたモノ」を今でも流用しているので、「正しい表記はどれか?」と聞かれたら、一応IE6のものが正しい。
 
 まずはIE。素晴らしいことに?バージョンごとに表示がビミョーに異なる。文字の間隔や行間隔がビミョーに異なるのだ。IEのバージョン上げた時には「少し違うかな?」としか意識してなかったけど、比較してみると違いがよくわかる。
 
 特に違うのは、IE5(正確にはIE5.5)とIE8。この2つは、昨日の冒頭「奇数月は二ヶ月めくりのカレンダーもめくるので、部屋が文字通り一変する。うむうむ。」って部分の表示が異なるのだ。IE5は文字がデカくなり、「一変する。」「一」で行末が来る。IE6とIE7は最初の句読点で行末。IE8は「一変する。」「す」で行末。
 
 Lunascapeの表示も面白い。レンダリングエンジンを変更すると、かなり表示が変わるのだ。TridentとGeckoの違いは小さいけど、ブログ名や表題の余白部分が少し異なる。大きく違うのはWebkitエンジンで、文字間隔がかな~り狭くなる。そのため、1行目に最初の「うむ」まで入る。私は「これはこれでいい」と判断したけど、読みにくいと思う人もいるかもね。
 
 FirefoxはIE8と似た感じ。Operaもそんなものかな。Google ChromeとSafariは文字間隔が少し詰まる。文字数で言えばIE6&IE7と同じ。ただ、言うまでもなくSafariはデフォルトフォントが綺麗で読みやすい。印象で言えば、やはりSafariが一番違う。
 
 「作り手」である私の目から見て、これらブラウザの表示はどうなのかと言えば…難しいねえ。まあ、とりあえずは「どいつもこいつも駄目」である。ワープロソフトの文字制御(間隔調整とか)にさえ不満が強いこの私、行末ガタガタなのが当然の「ブラウザで読む長文の日本語」を美しいと思ったことはない。この点を改善するため、フツーのブログではなくて「PDFをアップして読ませる」ことまで検討したくらいだ。
 
 とはいえ、最終的に「これでいいか」と決めたのは、IE6での見栄え。これが「標準」と言えば標準だ。けど、じゃあそれからかけ離れた表示は駄目なのかと聞かれれば、そんなことはない。標準からして妥協の産物であり、他も「妥協できない」ほどヒドくはない。色々違いはあるけれど、どいつもこいつも及第点ギリギリをキープしているのは間違いない…って評価になるかなあ。
 
 強いて言うのなら、私が「多少マシ」と思うのは、まずSafari。フォントだけじゃなく、文字間隔もこれぐらいが適切だ。文字間隔が間延びしているものより、少し詰めた方が好みなので。それを考えると、Lunascape(Webkit)やGoogle Chromeといった「Webkitエンジン使用ブラウザ」の方が推奨となるのかな。ささいな違いなので、あまり気にしなくていいとは思うけど。
 
 ブラウザで表示される日本語は、正直言って印刷物に比べれば「醜い」と思う。それはブラウザだけの責任じゃない気はするんだけど、それでも「色んな意味で向上の余地はある」のでは?紙媒体の印刷物にとって代わろうというのなら、そこのところも考えたブラウザがあると便利なのでは。もっとも、これはHTML書式にも関連する話であり、「ヘンなソースに変換しやがる一太郎なんぞで文章書いている」私が言えた義理ではないと思うんだけど。でも、長文書くには一太郎の著述支援系コマンドが便利なんだよな…

3月5日2009/03/06 01:08

 今までほとんど触れてこなかった、WBCの話題。本日、日本代表は中国相手に勝利した。まあ、これはどうってコトはない。台湾とかならともかく、中国代表なんて「普通にやれば負ける」チームだからして。
 
 問題となるのは、やはり明日以降でしょ。中国に比べれば、台湾や韓国が「自滅」する可能性は低いわけで。そうなると、元気のない打線が気になる…って論調が目立っている気がするね。
 
 ただまあ、今回みたいな短期決戦の場合、下手に「打線の勢いで勝とう」なんて考えると、ロクな目に遭わないと思う。基本的には「負ければ消え去る」わけだから、「相手チームにダメージの残る勝ち方」なんてする必要がない。この際相手が「なんか負けた気がしない」ってな勝ち方でも、問題はないわけだ。この辺が「勝っても負けても何度も対戦するから、より相手にダメージの残る勝ち方が望ましい」リーグ戦と違うわけだね。
 
 それを考えれば、いわゆる「スモールベースボール」主体の戦い方こそが「理にかなっている」わけで、そういう戦いは日本の得意技と言える。だから、「ヘンなカン違い」しない限り、このラウンドで2位以内になるのは問題ないでしょ。韓国については、おそらくはこのラウンドで「アタマまで踏み潰せない」以上、勝っても負けても「だからどーした」って対応が正しいとは思うけど…
 
 問題はその次だ。おそらくは「日本・韓国・キューバのうちどれか1チームが脱落する」ことになる。まあアメちゃんらしいやり口というか、何というか…ただまあ、文句を言っても始まらない。ここまで来れば、後は勝つしかないんだから。
 
 日本は優勝できるか?それは時の運次第…じゃあ答えになってませんね。とりあえず、可能性はあると思う。采配がどうだの人選がこうだのといった意見が出ているけど、あのメンバーに選ばれた時点で「野球が上手い」のは間違いないんだから、むしろ大事なのはチームとしてのまとまりだって話はある。今のところまとまりはあるようなので、不安要素は北京の時より小さいんじゃないかな。
 
 打線がしめり気味なのは、あまり気にしても仕方ないと思う。好不調の波は避けがたいわけだから。むしろ、「駄目な時に駄目なりに」結果を出せるかどうかが問題かな。それができるメンバーだとは思うけど、下手に気負うとロクな結果にならないような…「イチローが当たってない!」などと騒いでいるマスコミを見ていると、多少不安だね。イチローは脚でヒットもぎ取れる選手なんだから、「それでも点は取れる」ぐらいの気持ちでいいと思うんだけど。
 
 ただ…個人的に不安なのは、やはり何と言っても青木と岩村。この2人は「何かやらかすんじゃねえか」って気持ちが…正直言おう。比較的この2人をよーく眺めていた私としては、この2人は全くもって信用できない。TVにケリ入れたくなるようなことをやらかしそうな気がして仕方ないのだ。
 
 まずは青木。確かに、安打打つのは上手い。けど、3番ってのはどうかねえ。スワローズファンが「あいつは3番打者の器じゃない」と文句言ってたぐらいだからなあ。WBCで経験積んで育ってくれるっていうのならともかく、現時点での青木は「プレイが軽い」気がして…
 
 岩村に至っては…正直、「何でこんな奴使うんだ!」って文句言っていた記憶が強くてねえ。メジャーに行っちゃった今でさえ、私の中の「バカが直るかもしれないので、いっぺんシメたい奴三羽烏」の一角(残りは浦○レッズの闘○王とJRAジョッ○ーのバカ○藤)を担っているんですが。なんというか、大事な場面で大トンネルとか、豪快に振って三振しておけばいいものを、小賢しいこと考えたあげく最悪のゲッツー…といった、バカやらかしそうで怖いんですけど。この選手に向かって何度「馬鹿野郎、素直に空振り三振しとけ!」(注:本当はもっとスゴいこと怒鳴ってるけど、そんなのネット上で書けない)と怒鳴ったことやら。
 
 まあ、今更この2人について愚痴っても仕方ない。「そーゆー選手だ」って割り切りはできているはずなんだし。ただまあ、スワローズでならどんな馬鹿やったって腹立たしいだけで済むけど、日本代表で馬鹿やられたら、なんか恥ずかしいやら申し訳ないやら…って気持ちが。どうなるのかねえ。精神衛生上は「球場へ行って罵声を浴びせ続ける」という、いつもの行動を取りたくもなるんですが。
 
 とはいえ、日本代表には「いい選手」がいっぱいいるので、多分この2人が多少馬鹿やらかしたところで、何とかしてくれるんじゃないかなと。というか、何とかして下さい。お願いします。私自身は「青木がチャンスで打たずに関係ないところで打ちまくる」とか、「岩村のタイムリー大トンネル」なんてのは、最終的には「まあそんなもんだ」で片付ける(その前に怒鳴りまくるけど)ことが可能だけど、他の大部分の日本国民はそんなこと不可能だと思うので…

3月9日2009/03/09 21:57

 本日のお題は、「PS3の開発環境」としておこう。何と言うか、ちょっと考え込みたくなる発言を目にしたので。元はSCEのCEO(まあ、トップと言っていい)が、「PS3のゲーム開発が難しいのは、意図的なものである。」という趣旨の発言をしたことにある。なお、あえてこの色の話題としておく。
 
 何故SCEはPS3のゲーム開発を難しくしているのか?言い分はこうなる。もしゲーム開発が簡単で、誰でもPS3の性能をフルに発揮できるのだとしたら、残りの9年半(「10年使われる」って想定に基づいた発言だと思う)はどうするのか?って話になる。ゲーム開発が難しいのは、その代償としてハードに大きな可能性が眠っている…ってことらしい。
 
 アナログゲームに携わってきた私に言わせると、当然「最初からPS3の機能フルに使えたとしても、9年半の間にやるべきことは山ほどあるはずだ。」となる。アナログゲーム、特にウォーシミュレイションゲームの「ハード」は、私の知る限りあまり進歩してない。細かく見れば色遣いが鮮やかになった(ケチって2色刷りにせず、フルカラーが当たり前になった)とか、紙の質が良くなったとか、細かい線画が使えるようになったとか、一応進歩はしている。けど、これを「本質的な違いだ」と感じる奴は滅多にいない。でも、この業界も一応、進歩する部分はかなり進歩している。決して歩みを止めてはいない。
 
 それはあくまでアナログでの話であって、コンシューマーゲーム機では「ハード」が重要なんだ…ってのは、わかる。更に言うなら、人間には「慣れ」ってものがあるから、最初から機能をフルに発揮されると、それがどんなに素晴らしいモノであっても、みんな慣れてしまう。そうなった場合には「PS3の機能をフルに発揮しているかどうか」とは別の部分で勝負することになる。これがどれだけキツいことなのかは、ハード面の進化がほとんどないアナログゲーマーだからこそ、よくわかる。
 
 ついでに言えば、アナログゲームの世界でも、ゲームの内容とは別の部分で「評価されなかった」品が山ほどある。コンシューマーゲームで言えば、ゲームそれ自体は面白いのに、「バグが惨い」「絵がチャチ」「シークタイムが長い」ってな理由でで売れなかったようなものだ。それを思えば、「あえてゲーム開発を難しくして、発展の余地を残す」って考えは、必ずしも無茶苦茶な話だとは思わない。こういう部分に進歩・進化がないと、ユーザーに見限られてしまう可能性があるからして。
 
 とはいえ、やはりこの発言には「重大なカン違いがある」ってのが、私の意見。理由は単純。仮にプログラマーがPS3の性能を「ファミコンレベル」しか引き出せなかったとしても、それで面白いゲームを作ることは可能だ。でも、いかにPS3の機能をフルに引き出そうとも、クソゲーはクソゲー。「このゲームはクソゲーだけど、PS3の機能をフルに使っている」なんて評価をするのは、ごくごく一部のマニアだけだ。
 
 そもそも、何でゲームメーカーは「PS3でゲームを作ろうとする」のか?PS3のハード性能が…って動機で開発決めるトコロは、滅多にない。要は「そのハードで作れば売れるから」である。「そのハードの機能を引き出せるかどうか」なんてのは、あまり重要じゃない。必要ならカネと手間と時間をかけるだけの話だし、それでもできないことは諦める。コンシューマーゲームの世界では、「勝ち馬に乗る」ことが鉄則であって、特別な事情(実は案外普遍的にある話だけど)がない限り、負け組ハードに肩入れする理由はない。ましてや、プログラマが「コッチの方が開発しやすい」「開発していて気持ちいい」と言ったから…なんて理由でハードを選ぶとは、とても思えない。
 
 それゆえ、コンシューマー機は「勝つのはコチラ」だと思われ続ける必要がある。実を言えば、ハードの性能なんてモノは、この「このハードが勝者になるという説得力」として重要なだけであり、総合的な性能がいかに劣ろうとも、何かしら「勝てそうな」要素を付け加えることに成功すれば、逆転もあり得るのだ。それを端的に証明したのが「Wii」だね。
 
 PS3は本来、負けるはずがなかった。PS・PS2の成功という前評判があり、総合性能の高さという評判もあった。なのに、何故トップから転落したのか?私は「何だかんだ言って、最初の価格設定を間違ったのが全て」だと思っているけど、開発の難しさも理由の1つかもしれない。初期にタイトル揃わなかった(開発が間に合わなかった)ことが、割高感を煽ったフシはあるので。
 
 つまづいた理由は別件だとしても、なかなか再浮上して来ない理由は「開発が難しいから」かもしれない。勝てば正当化されたことが、勝てなかったことにより否定的要素として扱われ始めるから。競馬で言えばこうなる。阪神JF(暮れの2歳GⅠ)とチューリップ賞(先日やってた桜花賞トライアル)の両方で勝ち負けした馬であれば(ちなみに今年はブエナビスタが両方勝った)、血統がどうであろうと、鞍上が誰だろうと人気になる。これだけの実績があれば「だから良いのだ」って理由になりうるので。でも、そんな馬がいなかった場合、「親父が○○だから」「鞍上○○だから」って理由がより重要になってくる…ってことだ。
 
 PS3が負けたかどうかはともかく、現状勝ててはいない。混戦に持ち込まれてしまったのは確か。それをふまえた場合、この発言は極めてマズいと思う。勝っているハードの性能を引き出すことに成功すれば、確かにそのプログラマーは賞賛され、尊敬される。けど、負けているハードの性能引き出したところで、「だからどーした」扱いされる可能性は高い。一部マニアにだけウケたって、売り上げに直結しないからねえ。
 
 そのため、「勝っていない」ハードは、何とかしてソフト開発を楽にする必要がある。そうしないと、開発しようって話が出てこなくなり、デフレスパイラルに陥るからだ。大きな売り上げが見込めない以上、せめて手軽に開発できないとゼニが回らないでしょ。ゲームビジネス全体がデカくなった今となっては、プログラマーの知的好奇心を刺激するかどうかだけでゲーム開発を決められる時代じゃない。
 
 結局PS3って、「中途半端」なんだと思う。ゲーム機にしては無駄に高性能で開発が難しい。PCと比べると汎用性がない。デジタル家電の制御をやらせたくても、制御する機器が揃ってない。あれもこれもやろうとして、どの用途にも使いにくいモノが出来ただけって気がする。それだけならまだしも、上層部はそんな現状をキチンと認識できてないのでは。
 
 PS3については、「SONY上層部を入れ替えて、テコ入れしてくる」とか、「PS4(仮称)の基本設計がどうこう」といった噂が流れている。実際どうするのかはともかく、とりあえず敗因分析は徹底的にやってから考えた方がいいと思うな。なにしろ、「勝って当たり前」の戦いで勝てなかったのだから。ま、色んな意味で注目モノだと思うけど。考えようによっては、伸びしろも「縮みしろ」もまだ山ほどあるんだからね。本当にどうなるコトやら。

3月12日2009/03/13 00:14

 久々の献辞。柿崎唯殿へ。私に「ゲーム雑誌の原稿を書いてみよう」と考えたキッカケを与えていただいただけではありません。「ある悲惨なる戦い」の研究部分は大いに参考になりましたし、東部戦線の戦い方は「East Front」の連続ブリッツ戦略とその対抗策を一部参照しました。コマンド誌84号において、私と柿崎殿の記事が共に掲載されたことは大いなる喜びです。本来でしたら私の連載に掲載する献辞ですが、流石に恥ずかしかったので、こちらで感謝を捧げさせていただきます。これからも「私の目標とするライター」であり続けていただければ、これに勝る喜びはありません。
 
 昨日、「ヒトラー電撃戦」の連載最終回のチェックを終え、その旨編集部に伝えた。とりあえず、私の作業はこれで基本的に終了。色んな意味で感慨深いですね。
 
 思えば色々あった。第2回はまとめ方に難渋し、何度もリテークが飛び交った。第3回は原型を完成した時点で分量を確認したところ、予定を遙かにオーバー。青くなって編集部に「分量増えちゃいました。どうしましょう…」と相談する羽目に。第4回(今回提出)は、研究を進めた結果、一部で当初予定していた内容が完全に瓦解。最終的には全部編集部からオーケーをもらえたわけだけど、正直「よくOKが出たなあ」って気持ちも強い。
 
 内容面に関して言えば…色々未熟な点はあるだろうけど、自分なりに書きたかったことは書けたと思う。一口に作戦研究と言っても色々あるけど、私が目指したのは「基本原則を提示することにより、つまらないミスでゲームが壊れることを防いてもらう」ことに重点を置いたものだ。そのため、実は「ベスト戦略を見つけ出す」ことより、「安易な必勝法を消す」ことにやや重点を置いた。これにより、独軍プレイヤーに「色々試してやる」と、連合軍プレイヤーに「何をしてこようとも、最終的に勝つのはこちら」と感じてもらえれば、私としては最高なんだけど…
 
 世間的な評価がどうなっているのかについては、未だよくわかってない。2chは怖くて見てないから(苦笑)。想像するにあまり評判にはなっていないんだと思うけど、それは仕方ない。派手に騒がれたいのなら、もっと別のゲームを題材にすべきでしょ。私が目指したのは「地味だけど実用的」って路線である。連休を使ったゲーム合宿でプレイするため、久々にこのゲームを引っ張り出したプレイヤーが、参考のため私の記事を読み、プレイ後に「なるほどね」と感じてくれる…というのが、私の狙いなのだ。それが成功したのかどうかは、かなり後にならないとわからないような。
 
 こういう基本構想は、実はあっさり決まった。色んな意味でイロモノ感が漂う(正直言おう、私もルールブック読んだ直後にそう思った)けど、実際プレイしてみるとキチンと機能している。しかも、単なる「歴史の流れ追体験」に留まらず、色々できる(できちゃう)けど、ツボはキチンと押さえてあるようだ…ってのが、このゲーム。よって、ある程度「何をしたらいいのかわからず、狼狽えてしまう」って状態を解消できるようなモノを書けば、後はプレイヤーの判断にゆだねればいい。私はそう思っていたので、後は「そのためにはどんなモノを書けばいいのか」って部分に集中できた。
 
 私の経験から言って、モノを書く際難しいのは「何が言いたいのか」って部分だと思う。テーマを選ぶまでは簡単かもしれないけれど、そのテーマのどの部分を書けば「自分なりの原稿」になるのか、そこを決めるのがタイヘンなのでは。その点、今回はテーマを選んだ時点で「何を主張すべきなのか」はあっさり決まったので、相対的に「楽な」作業だったような気もする。先輩ライター各位が様々なゲームから「書くべきコト」をうまく選び取っているサマを見ると、「私なんてまだまだ」だと実感しますね。
 
 編集部が私の基本構想を丸呑みしてくれたのも、正直大きかった。連載第1回は「ポーランド戦」と「ソ・フィン戦争」という、しょーもない戦場の話だ。私は「ここでの戦い方がキチンとわかれば、後はその応用だ」と主張したし、実際心底そう思っているけど、フツーはこれだけで連載1回分書かせてくれない。ある意味誌面を贅沢に使わせてもらった。そのおかげで、「基礎はキッチリ語ってある」という安心感が出て、後の原稿がかなり書きやすくなった。また、第3回で「独ソ戦と大陸反攻を同時に掲載する」という荒技を認めてくれたのも、自分の中では大きかった。連動性を強く打ち出したかったのでそうしたのだけど、おかげで分量は予定オーバー。仕方ないこととはいえ、「分けて書いて下さい」と言われちゃうかも…と、怖々打診したことを思い出す。
 
 こうやって考えてみると、私の原稿は「テーマとなったゲームの出来」と「編集部の度量」の2つが大きくアシストしてくれたおかげで、無事書き上げられたような。こういう支援は簡単に得られるモノじゃないと思うので、実感として「これでオレも一人前のライター」なんて感想は出てこないかな。「4~5頁の短期集中連載4回」という、今から考えるとそれなりの大仕事(文字数だけで考えたらそうなる)をこなしたわけではあるけれど。
 
 私のように「原稿書いてみようか」という方には、まず「その題材に対して、何が言いたいのか」明確に見えているモノを題材としてオススメしたい。新人である以上、原稿の基本構想段階では〆切がない。よって、まずは「このテーマについてなら、言いたいことがズバッと決まっている」ってなモノを見つけるまで、タップリ時間をかけると良いのでは。「多彩なテーマから言いたいコトを見つけ出す」とか、「定期的にそんなテーマを見つける」なんて高度なコトは、もっと後になってから身につけても間に合うと思われるし。
 
 次に、そのテーマについて、とにかくたくさん、書けるだけ書くことを考える。「まずは短いモノから」とは考えない方が良い。そりゃあ冗長なものより、簡潔な方が良いのは間違いない。でも、まずは「語りたいことをキッチリ書ききる」ことを優先させた方が、少なくとも気が楽だと思う。書くべきコトがキッチリ書けていれば、編集部が「わかってくれる」可能性は低くないのでは。それがプロってモノでしょ。
 
 これらはあくまで私の経験だけに基づいたものであり、必ずしも万人に当てはまらないと思う。とはいえ、商業誌に掲載される原稿を完成させることはタイヘンであり、フツーはそのキッカケすら見いだせない以上、とりあえず参考にはなるのでは。つーか、参考ぐらいにはなってもらわないと困る。私が「とりあえず、こうすれば商業誌の原稿が書けるようだ」って報告をすることにより、「じゃあ、オレもチャレンジしてみるか」って人間を増やす手助けになる…ってのがあるんだから。
 
 もちろん、私も「これで私の仕事は終わり」などと悠長に構えているワケにはいかない。そんなことしててら、またジェットストリームアタックを喰らいかねないワケで。「商業誌に原稿を掲載してもらう」という第一目標を達成した以上、第二段階の「継続して書く」「面白いモノを書く」といった領域にたどり着くよう、努力だけはしなくては。そうなれるのかどうかはまた別にしてもだ。ガイアを踏み台にして飛び越えただけじゃ駄目なんだよ、ちゃんとマッシュを斬らないと(笑)。

3月14日2009/03/15 00:08

 昨日、サンセット版「武田騎馬軍団」ルールブックver.0.9なるものが送信されてきた。もちろん、カミつくところを見つけて返信。エポック版のルールブックに比べるとだいぶ整理されてわかりやすくなっていたけど、まだ完成には遠い。疑問点をドカスカ送ってしまいましたとさ。
 
 ウォーゲームのルールブックを書くのは、実に大変な作業である。おそらく、一般のゲーマーが思っているより、ずっと。よって、本日のお題は「ルールブックを書く」とする。専門的な話なので、この色の話題について行けない人はご注意を。
 
 今現在、日本では少なくとも年間10個の「ウォーゲームのルールブック」が作成されている。ゲーム付き雑誌が2つあって、それぞれ隔月と季刊だからね。それゆえ、「ルールブックを書くのは大変そうだけど、慣れれば何とかなるのでは?」と思っているゲーマーは少なくないような。まあ、それは大きな間違いじゃないんだけど。
 
 正直言って、エラッタの山を覚悟すれば、ルールブックを書くのは難しくない。「移動」「戦闘」といった項目ごとにある程度のフォーマットを用意し、それらを上手く組み合わせてやればいいんだから。フォーマットの部分は、過去の作品を参考にすればいい。とりあえずは今世紀に出たゲームを参考にすれば、「フォーマット部分からして滅茶苦茶」ってな事態は避けられそうだし。
 
 ただ…わかると思うけど、ウォーゲームのルールってのは複雑である。一部分をちょろっと変えただけで、ルールブック全体を「変更前のルールが残ってないか」探し回る必要があるんだよ。いざとなれば口頭で説明すればいい「テストプレイヤー用ルールブック」と、「製品版ルールブック」をイコールで結ぶことはできない。
 
 しかもだ。製品版ルールブックを作成する際には、厄介な問題が立ちふさがる。「ルールブック書く奴はそのゲームをよくわかっているけど、読む奴はそうじゃない」というギャップである。これは生じるのが当然ではあるんだけど、どれぐらい厄介なのかは誤解されていると思うな。
 
 ルールブックというのは、要は「あるゲームのルールを、文字や図を使って相手に伝える」ものである。要は、コミュニケーションの1つでもあるわけだ。そうである以上、受け手と送り手の間にある「ギャップ」が問題になりやすい。送り手が「当然のように知っている」ことを受け手が知らなかった場合、会話がかみ合わないでしょ。このことは、このブログを読んで「うわ、今日の話はワケわかんねー」と感じている、愛読者の皆様にはよくわかると思うんだけど(苦笑)。
 
 大抵の場合、ルールブック書く奴はそのゲームを熟知している。そのため、自然と「このゲームのことをわかっている奴」にしかわからないコトを、常識として処理してしまうのだ。それを「このゲームのことよくわからない奴」が読むとどうなるか?質問が山ほど飛んでエラッタが出まくるわけだ。
 
 先日聞いた話によると、その典型例がレックカンパニーのゲーム、すなわち「エポックのゲーム」だそうな。テストプレイを徹底的にやるのはいいんだけど、そのおかげでみんな「そのゲームに習熟」してしまい、結果としてルールブックが「そのゲームをよく知らない奴には意味不明」なものになってしまう傾向があったんだとか。
 
 正直言うと、私もいくつか思い当たるフシがある。「戦国大名」のあのルールだとか、「武田騎馬軍団」のこのルールとか。ルールブック書いた人間にとっては「当然」なんだろなと推定されるけど、ルールブックに従う必要があるコチラには意味不明…ってルールがいっぱいあったからなあ。つーか、何故発売当時にキチンと質問しなかったんだ、過去のオレ。「若かった」で片付けられる問題じゃねーぞ。
 
 レックの例は極端だとしても、世の同人デザイナーは同じ問題を抱えている。同人はどうしても人手が不足しているので、「ルールブックを書く」専門の奴なんて用意できない。どうしてもデザイナーかテストプレイヤーがこれを兼ねることになる。いや、商業ベースのモノでさえ、ルールライティング専門の奴なんて用意してないでしょ。ある程度は経験などによって解消できるけど、結局「ゲームを深く知っているが故の、不親切なルールブック」になりかねない…という問題を抱えているわけだ。
 
 かといって、「じゃあ、ゲームのこと知らない奴を雇えば」とはならない。当たり前だ。ウォーゲームのこと一切知りませんって奴じゃ、モノの役に立たない。「日本人が日本人ゲーマーのためにデザインしたゲームなのに、何故このルールブックは機械翻訳のような日本語なのでしょう?」って状態じゃ、無意味なんだし。理想だけ言えば、ウォーゲームについてひととおり知識があり、ゲームデザイナーや一般プレイヤーとキチンとした会話が成立するけど、デザインやテストプレイには一切タッチしない奴が必要なのである。そんな人間は、その昔のブームの頃でさえ用意できなかった。今もやっぱり難しいでしょ。
 
 ごくごく一般的な話をすれば、ゲームのルールなんて「完成度が高くて当たり前」である。そうでなくてはならない。でも、実際問題としてどうなのかと言われれば、色々タイヘンなんだと思う。私がココで提唱した「専門のルールライターを用意する」って意見も、実際問題として考えると、「役に立つのか、害をなさないか」はかなり疑問だ。ただまあ、一応は色々意見を出した方が問題解決に近づくとは思うので、ちょっと言ってみただけの話である。
 
 ルールブックを書くのはタイヘンだから、少しぐらいエラッタがあっても見逃して…とは言わない。それはそれとして、ルールブックを書くのは本当に、ホントに、ホント~にタイヘンなんだってことは理解して欲しい。そして、願わくは「オレがウォーゲームのルールブックをマトモにしてやる!」って気概を持った人が、1人でも多く出てきて欲しい。そうすれば…だからぁ、何でオレが「武田騎馬軍団」のルールブックと格闘してんのよ。他に人材はいないのかよ。確かに自業自得・自縄自縛ではあるんだけどさあ…

3月16日2009/03/17 00:45

 ゲームの話題が続きすぎるのは何なので、昨日の話や「武田騎馬軍団」ルールブックの話はまた後日。本日の話題もゲームと言えばゲームだけど、少し別系統の話を。よって、色はコレで。
 
 今週末~来週アタマにかけて、私にはある「ミッション」が下されている。本屋にて「あるもの」を入手しなければならないのだ。それは、Gallop別冊「先取りPOG」…ではない。いやこの本も多分買うけど、別に「ミッション」扱いするほどのモノじゃないでしょ。もっと入手が困難そうなモノだ。「ウォーゲーム日本史」第1号である。
 
 「ウォーゲーム日本史」は、コマンドマガジンの姉妹誌となる、ゲーム雑誌である。これだけなら、この色の話題でどうこう語って終わりだ。単に入手するだけなら、「確実に入手できそうな店」は何件か知っている。私が目指しているのは、より一般的な「本屋」にて、この雑誌を入手することだ。
 
 フツーに考えるなら、「本屋で売っているようなモノじゃない」で終わりだ。しかし、発行元である国際通信社からの情報によると、一応は「一般流通」させるよう、働きかけているのだとか。ならば、あえて「ウォーゲーム雑誌を売ってるとは考えもしなかった」店で入手してみたいじゃないか。そこでまあ、自分で自分にミッションを下したわけである。
 
 とはいえ、ノーヒントじゃ色々タイヘンだ。よって、一応コマンド誌編集部に「どの辺で売っていそうか、ヒントをもらえますか?」って打診をしてみた。しかしだねえ…教えていただいた「この辺なら売っていそう」って店は、残念ながら私の要望を満たしてない。まあ、他に返事のしようがなかったとは思うけど…
 
 紹介してもらった店1号は、書泉グランデ。ここでゲーム雑誌が…ってのはカンドーものではあるけれど、比較的近くにある、同じグループの書泉ブックマートに行けば「絶対入手できる」(コマンド誌も売っているし)からなあ…なんかサプライズが足らない。
 
 もう1件は、時代屋。歴史時代モノ専門の本屋である。こんなトコロでもウォーゲームが!…と言いたいところだけど、むしろ「今まで扱ってもらえなかったのかよ」って店のような。これまた私の「思いがけない場所で入手する」って欲求を満たす店とは言い難い。
 
 もちろん、こういった店で入手できるのは大きい。それは認める。けど、どうせなら「今までまるで考えもしなかった」店、世のウォーゲーマーが、「そーゆー」欲求を満たすために立ち寄るはずのない店で入手してみたいものだ。そこでまあ、一応は「より無謀な」探索プランを実行し、それが不調に終わった場合にのみ、これらの店を利用することにした。そうすれば、「ドコで売っていたのか」って調査報告も兼ねられるわけで。
 
 まず、無謀プランその1として、私の最寄りである「大宮駅周辺」で探す。地方都市としてはソコソコ大きいこの駅周辺、本屋の数は多い。それなりに大きい本屋を5件ほど漁ることができる。更に、駄目ならさいたま新都心&北与野周辺に拡大する。この近辺にも大きめの本屋があるはずなので。
 
 これに失敗した場合、まず池袋へ足を伸ばす。地味にジュンク堂池袋店に期待しているから。東京都内でも最大級の本屋だからねえ。あと、紀伊国屋、八重洲ブックセンター、丸善も「見ておきたい」店だ。東京都内でその規模の大きさを誇る本屋の実力とやらを、見せてもらう。
 
 これら全てで不調に終わった場合、秋葉原の書泉ブックタワーをチェックする。それでも駄目なら、隣に書泉ブックマートがあり、近くに書泉グランデがある三省堂をあたる。「確実に入手できそうなトコロ」に行くのは、これら全てのチェックが終わった後。いつ完了するのか、自分でもよくわからないけど。
 
 ソコまでやる価値があるのか?それは何とも。あくまで私の趣味としか言いようがない。「立ち読み大魔王」の私の目を逃れて、一般書店で流通している本・雑誌の存在なんて、あまり認めたくないのだ。「かなーり特殊な専門書」なら仕方ないけれど、それはコマンド誌も同じ。ウォーゲーム日本史がどう扱われ、どう流通しているのか調べようと思ったら、これら「図体のでかさをウリにしている」本屋の動向を見極めたいのだ。
 
 本当なら、私が「裏技」呼ばわりしている「注文しちゃう」って攻撃を行うべきだったかもしれない。そうすれば、ついでで置いてくれたかも知れないので。ウォーゲーム関連雑誌が一般的な本屋で立ち読みできるようになれば、多少なりとも販促効果はあると思われる。それを狙って「フツーの本屋でも扱ってもらえるよう、頑張った」と思われるのだから、アシストする価値はあったのかも知れない。けど、残念ながらそれは私の趣味じゃない。
 
 なお、ここをお読みの方々に一応の「調査依頼」はしておきたい。そーゆータイトルの雑誌を一般的な書店で見かけた場合、報告して欲しいのだ。どーせゲーマーの大半は「確実に売っているところ」または通販などで購入するんだろうけど、それが当たり前だってのはちょっと寂しいじゃないか。どーせ何ら報告されないとは思うけど、駄目で元々だ。
 
 今回のミッションは、あくまで私の趣味を満足させるためだけのものだ。「ウォーゲームの未来を考えた場合…」ってなコトも重要と言えば重要だけど、ある意味では「そんなことは知ったコトじゃない」のだ。立ち読み可能な場所に置いてある雑誌が、私の目をすり抜けることは許せない。そーゆー、しょーもない誇りを満足させるための調査である。それが、その昔とある巨大本屋(フツー立ち読みはスルーされる)で、「カンベンしてもらえますか」と言われた、私の義務なのだ(苦笑)。
 
 それゆえ、一応探してはみるけれど…どうなることやら。個人的な感触としては、多分「専門書籍」扱いされて、かなり例外的な店を除けば店頭に置かれないと思うけどね。ただ、「そんなものだ」と決めつけることは許されない。万が一ってコトは考えられるので。どうなるのかはよくわからないけど、とりあえず調査はしてみます。お楽しみに?

3月23日2009/03/24 03:08

 色々あって更新が滞った。毎度おなじみスランプってワケじゃないんだけど。まあ、色々あるってことで。
 
 本日は諸般の事情により、小さいネタ連発で。メモみたいなモノだと思っていただければ。フツーなら何とかネタにまとめるんだけど…やっぱスランプなのかな(苦笑)。
 
 先々週及び先週プレイした「レッドタイフーン」について。両方ともDASREICH殿と対戦し、両方とも私の負け。いかんねえ。いくら強豪とはいえ、連敗は。ただまあ、勝った負けたより「ゲームを覚えた」ことが重要かな。
 
 このゲーム、同じ「ドイツ戦車軍団」システムでありながら、「モスクワ'41」と違って「両軍とも辛い」ゲームである。独軍・赤軍ドッチを選択しても、苦労しながらプレイする必要がある。まあ、それが楽しいゲームではあるんだけど。
 
 あまり大量に書けないので、ポイント絞ってメモ書き風に。まず、このゲーム「ソロプレイやって感覚を掴む」のは、あんまり向いてない。両軍とも同じプレイヤーだと、「考えていることがかみ合いすぎる」のだ。まず対戦してみて、独特の感覚を掴んだ上で研究することをオススメする。
 
 あと、独軍は安易に引いてはイケナイ。基本的に防御側は「戦線のド真ん中の部隊だけが引く」なんてことはできない。基本は「全体が足並みそろえて」引く必要がある。ただ、このゲームでそれをやるのは楽じゃない。よって、あえて引かずに頑張って、行動ポイントを節約した方が勝る場合が多い。部隊が思い通り動かないゲームなので、「さっさと引いて戦線整理」って行動が行いにくいのだ。
 
 それと、独軍は後方に予備を用意すること。パルチザン及び空挺は想像以上に対処しにくい連中です。装甲部隊を後方に置いておき、出たそばから攻撃してやるよう配置すればいいだけなので、まあ何とかなるんではないかと。
 
 攻撃側の赤軍は…まだ色々とわかってない部分がある。とりあえず、打撃軍は南方に配置した方がいいような。その理由は極めてヘンだけど。標準で配置される西部方面軍右翼の部隊って、攻撃しないどころか、ロクに前進しない方が良いような気がするので。独軍が本気になって狙ってくれば、サドンデス負けしかねない。それが標準的なプレイかどうかはともかく。とりあえず、DASREICH殿は基本的に攻撃的なプレイヤーなので、それを臭わすようなプレイを心がけていた。かくいう私もやけくそ気味に狙ったら、思ったよりは前進できちゃった。西部方面軍右翼が防御的に行動すれば防げるけど、だとしたら打撃軍なんていらない理屈だ。まあ、南方寄りの西部方面軍左翼に配置した方が、使い勝手が良さそうな気はする。その価値(勝利得点1点)があるかどうかはともかく。
 
 次の話題にいこう。ブラウザ絡みの話。某ゲームクラブのSNS(ソーシャルネットワークサービス)に「入れない!」とおっしゃる誰かさん向けに。IEは悪いブラウザじゃないけれど、貴方向きじゃありません。ID・パスワードをブラウザが記憶してくれるのが「デフォルト」になってるブラウザ(いくつかあるけど)を使うべきです。
 
 この機能、いくらモノグサでも「使い方に気をつけるべき」なので、あまり強くオススメすべきではないと思う。それを承知で言うけど、ブラウザがID・パスワード記憶すれば、「忘れちゃう」なんてコトにはならないはず。GoogleなりYahoo!なりで「firefox」と打ち込んで検索させれば、後は黙ってもダウンロードできるはず。これ使いなさい。IEをいじくってもいいんだけど、IE6に「ブラウザにID・パスワード記憶させる」って設定あったかどうか自信がないので、Firefoxをインストールしちゃうのが手っ取り早い。
 
 ちなみに、私のPCのブラウザ環境も変化があった。IEがめでたく?8の正式版になった。Lunascapeも5の正式版。その代わり?Google Chromeがβ版に。こいつはベンチマークで「バカ速」である。体感でも結構速いかな。まあ、だからって相変わらず「信用できない」という欠陥はあるんだけど。あと、Firefoxも3.1のβ3版へと進歩した。製品版になるのは、いつのコトやら。
 
 最後のネタは、「ウォーゲーム日本史」探索情報。あくまで中間報告だけど。大宮駅周辺全滅。池袋も駄目。想像以上の難物でした。まあ、そんなモノと言えばそんなモノではあるけれど。一応「八重洲ブックセンターに置いてある」らしいという情報があるので、機会を見て行ってみたいとは思っているんだけど…どうも「書泉巡り」(書泉グランデ・書泉ブックマート・書泉ブックタワーをハシゴすること。私はよくやる)で入手することになりそうな。
 
 この3つは、とりあえず「まとまっているかどうかは別として、早めに書いておきたかった」ので書きました。鮮度勝負ってコトだね。いくら私でも、そーゆーモノを大いに気にするコトもあるんですよ。つーわけで、今回はオチもありません。練ってるヒマが無くて。この部分に関しては、確かにスランプかも…(苦笑)。

3月25日2009/03/26 02:34

 WBC、日本が連覇しましたねえ。いやはや、良くやってくれた。おめでとう&有り難うですね。
 
 勝因は、やっぱり「日本だから」かな(苦笑)。いやね、プロ野球選手のほとんど全てが、「疑いようもなく世界最大規模の野球トーナメント」である、夏の全国高校野球選手権(いわゆる夏の甲子園)を体験しているわけで。その時の気持ちを思い出せばいいんだから、こういう勝負は有利でしょ。
 
 戦前から色々言われていたけど、原監督ってのは結局「良かった」んじゃないかなあ。采配面では正直どうかと思うトコロもあったけど、大事なのは采配じゃなくて、むしろ「いかにチームをまとめるか」でしょ。何だかんだ言って急造チームだけに、まずはこれが最優先課題になるのでは。その点、今回はまとまりがあったんでないかな。
 
 原監督が「偉いな」と思ったのは、子飼いであるはずのジャイアンツの選手を「どちらかと言えば損な役目」に当てはめていたことかな。代走・代守備要員の亀井はともかく、基本スペックが似ている稲葉と小笠原の打順とか、第二ラウンド決勝の韓国戦(実は勝っても負けてもどーでもいい試合)の先発に内海を使うとか。代表選手ってのは、良くも悪くも「各チームを代表する選手」であり、当然プライドは高い。損な役回りに回されたら、「何でオレが…」と考えがちでしょ。けど、ジャイアンツの選手は絶対文句言えないわけで。この点、子飼いの選手を大事なところで使った星野監督より、好感が持てた。
 
 良かれ悪しかれ「らしいな」と思ったのは、選手の好不調をあまり気にせずに使い続けるところと、結構投手を引っ張るところかな。いかにも「ジャイアンツの野球」らしかった。ただ、今回はこれがいい結果を生んだと思われる。代表チームなんて「いい選手だらけ」なんだから、下手に小細工するよりああいう野球が良いのかもね。
 
 各試合を見て思ったのは、やっぱり日本は一番「ミスが少ない」野球をしていたってトコロかな。野球にミスはつきもの、日本だって「おいおい」ってプレーもあったけど、他の国は基本的にもっとヒドかった。これは選手の力と言うより、意識の問題ではと。「ミスはなるべく防ぐ、出てしまっても、被害を最小限で食い止める、逆に相手のミスを見つけたら、それにつけ込んで攻め立てる」ってことが、ある程度出来ていたような。
 
 韓国に関して言えば、「日本はそういう野球をやる」と、最も良く理解していたチームだったと思う。日本との戦いは「重たい」試合展開が多かったけど、そんな中でよく我慢していたような。キューバも米国も「粗い」野球やって自滅してたからなあ。今大会を総括すると、「一番丁寧な野球をやっていた国が一番で、その次に丁寧な野球をしてた国が二番」だったような。
 
 私にしてみれば、実は「最大の収穫」は、中国とオランダの健闘(苦笑)。中国は、日本戦を見る限り、「相手がマトモに野球やれば自滅する」チームだと思っていたのに…まさか台湾に勝つとは。ただこれは、中国がどうこうではなく台湾がダメダメだっただけかも。台湾球界は色々タイヘンだと聞いているので。「野球を知っている」国なんだから、盛り返してもらいたいところ。
 
 オランダは…一体何があった?流石に1次ラウンドD組の試合は結果しかチェックしてないので、どんなチームだったのかすらよくわからん。マイナー中心に米国で野球している連中が選ばれていたようなので、「放置しておけば自滅する」チームではなかったようではあるんだけど。「下手くそを見るのも勉強になっていい」と主張している私としては、やはり欧州でどんな野球が行われているのかをチェックせねば。とはいえ、こんな国に二度も負けるのかドミニカ…
 
 しかしまあ、メジャーの連中は(日本・韓国勢などを除き)やる気なかったですねえ。日本・韓国などが手抜きで勝てる相手じゃないってのはわかっていたはずなのに。ひたむきさが足らないチームが勝てるほど、短期決戦は甘くない。でもまあ、連中は「母国もベースボールもあんまり好きじゃない」ので、「カネもらわなけりゃベースボールなんてやってない」から仕方ないか(苦笑)。でもまあ、面と向かってこんなコト言われたら、なんて反論するつもりなんだろ…「ベースボールでカネもらっているような奴なら、絶対やっちゃイケナイプレイ」を連発してただけに、何言っても説得力が欠けるような。
 
 WBCだけじゃなく、オープン戦に春の甲子園と、「野球が楽しい」季節がやってきた。毎年この時期に思うんだけど、やっぱり野球はいいねえ…今年は特にそう思いますね。まあでも、もうそろそろ「そんなコト言ってる余裕が無くなる」んだけどさあ。一場なんて獲って、本当に大丈夫なのかスワローズは?