12月15日2008/12/16 01:21

 Google Chromeは駄目だ…どうやらSafariと共存しないらしい。私の環境特有なのか、一般的なモノなのかは不明だけど。多分レンダリングエンジン絡み(確か共通である)の理由ではないかと推測しているので、一般的な問題じゃないかなあ。Googleに言わせれば「古いバージョンのレンダリングエンジン使っているAppleが悪い!」となるのかもしれないけど、長い文章をじっくり読みたい時には、文字表示が綺麗なSafariは手放せない。迷惑どころか、有害判定を下さざるを得ない。テスト終了前にアンインストールしてしまいましたとさ。
 
 本日の話題は、「ゲーム用PCとは」を論じてみよう。実を言えば私はソコまで詳しくないんだけど、「何に詳しい人間が語るのが適切なのか」って部分も含めて、ある程度の説明はしておこうかなと。
 
 まず大前提。PCでゲームを楽しむ人間というのは、世間では少数派です。ゲームにはコンシューマー機を利用するのがフツーであって、それじゃ困るって人間は(それなりの割合ではあるけど)どちらかと言えば少ないはずです。そもそも、「PC持ってるしゲームもやるけど、PCでゲームなんてやらない」って層が山ほどいるからね。
 
 そういう「隙間産業」にリリースされるゲームというのは、何かしらトンガったモノが多くなる。そうじゃなきゃ、イチイチPC版を出す理由がない。トンガってなければコンシューマーで出せるし、その方がどう考えても売れる。色んな意味で、「コンシューマーゲームとの差別化」をしないと、生きてゆけない(やっていけないのではなく、コンシューマーに流れちゃうって意味で)業界だ。
 
 ドコをどうトンガらせるのか…には、様々な手法がある。その手法の1つが「キーボードに依存する」モノ。コンシューマー用キーボードって一般的じゃないので、「キーボードがあった方が便利です」ってモノはPCで出した方がいい。オンラインゲームがPC中心なのは、「チャットにはキーボードがあると便利」って理由も大きい。それだけじゃないけどね。ま、最近は音声チャットの性能も向上しているし、コンシューマーもネット接続当たり前って時代になってきたから、今後は違ってくるのかもしれないけど。
 
 いわゆる洋ゲーは、「とにかく重い」って方向で差別化しているらしい。グラフィック性能だけ考えたら、むしろコンシューマーの方が得意なのでは…とも思うけど、とにかくそーゆーモノが売れるようだ。要求スペックはもう無茶苦茶である。最新のCPUに最新のVGA付けるのが「当然」って世界だ。そうじゃなきゃ、マトモに動作すらしない。安上がりに「どんなものか」試そうと思ったら、いわゆる「3Dベンチマーク」(PCの速度測定するソフト)をダウンロードしてくるといい。特別な拡張機能使わない限り、無料で試せる。
 
 ちなみにだ。洋ゲーはマシンスペックだけでなく、OSも最新のモノを要求してくる。Windows系列で3D画像動かすためには、DirectXってソフト(OSの追加機能)を使うのが一般的なんだけど、これの最新版(DirectX10だったかな)は、Vista専用である。動くだけならその前のバージョン(DirectX9.x)でも動くかもしれないけれど、標準機能とやらを楽しもうと思った時点で「Vista必須」だ。
 
 そもそも、いわゆる「ハイエンドPC」を求める人間のうち、それなりの割合が「洋ゲーをストレス無く、美しいグラフィックで楽しみたい」って人間である。3Dベンチマークソフトの数値上げて喜んでいる人間も、この層に含めて考えることができるし。特にVGAは、こうした人間にアピールして良い評判を作り、その評判を利用して廉価版の普及を図る…って図式が重要だったりする。この世界では、「全体の発色特性がどーしても気に入らない」などという理由で、NVIDIA製品をデフォルトでスルーする、私のような奴はむしろ少数派だ。
 
 そんなわけで、PC業界にとって「ゲーム用PC」ってのは、バリバリのハイエンドPCを指す。当然OSも最新版。「リアルな画像」とやらを求めてゆくと、まあこんな感じになるからね。世界全体で見たら、ゲーマーの大半はこんなPCを欲しがる人間だと思われる。きちんとした統計見たワケじゃないけど。
 
 それに対し、日本国内ではかなーり事情が異なる。理由は簡単、日本人はゲーム画面にさほどリアルさを要求しないのだ。いわゆる「アニメ画・ゲーム画」が使えるので。見慣れているので、そーゆーものだと割り切れている…どころか、「むしろコッチがいい」って層が山ほどいる。ボードシミュレーションゲーマーである私にしてみれば、「ゲームは画じゃねえだろ」って理由じゃないのはちと寂しいけど、コッチのゲーマーでも「戦車は線画が嬉しい」って奴が増えたぐらいだ。画は重要なんだよ。
 
 本来ならば、そんな画でいいのならコンシューマーで足りる。にもかかわらず、PCで出す理由は…純国産のPCゲームって、大半が「お子様には見せられない」内容だからねえ(苦笑)。「PCでゲーム楽しむ層」って、そーゆーモノを喜ぶ層とかなり被っているハズなのだ。
 
 こういう層は、いわゆる「リアルで重たいグラフィック」を喜ぶとは限らない。それどころか、邪魔だとさえ思っている。いわゆる「ゲーム画」にクソ重いグラフィック性能を要求しないのはミエミエ。2D描画性能なんて、もはや差別化しても誰も気がつかないレベルに達しちゃっているからね。「発色がいい」って理由だけでMatroxのVGA買おうとするのは、その必然性がある仕事してる奴か変人のドッチかだ。よって、国産ゲームはグラフィック要求水準がかなり低い。
 
 私のFloral Pegasusは適度に性能が低いので、いい例になると思う。コイツの性能だと、洋ゲー系3Dベンチマークソフト「3DMark06」(最新版はVista必須なので、このバージョン)では「箸にも棒にもかからない。出直してこい」って数字しか出ない。画面見ていても、カクカクとしか動かない。ところがだ。先月末に出た、3D画面がある(「大事な」トコロに使っているワケじゃないけど)某エロゲー(もちろん国産)のベンチマークソフトは、高画質に設定しても「問題ない」って数字を叩き出す。実際画面見てもスムーズに動いている。多少改善の余地はありそうだけど、ある程度以上になってくると「シロートには違いがわからないんですが」って向上に終わるだけって気がする。
 
 つまりだ。あくまで一般論ではあるが、洋ゲーは国産ゲームと比べてハード要求水準が高く、「標準的な環境」ってスペックの時点で、国産ゲームの性能限界(ハードの性能上げても、見た目の向上が得られない状態)に達してしまうのだ。これはOSにも言うことができる。洋ゲーは「フツーにプレイしたけりゃ、Vistaにしろ」と言って来るけど、国産ゲーは「XPで充分、Vistaの意味はない」と言っている。
 
 コレは当然、PCへの要求スペックに関わる問題だ。洋ゲー中心に楽しむなら、VGAもCPUも強化が当然だけど、国産ゲーム主体ならソコまでカネかける意味は薄い。全体の性能はともかく、ゲームのスペック引き出すことだけ考えたら、オーバースペックに突き当たってしまう。だったら、無駄にPCスペック上げるより、他にカネかけた方がいい。PC関連にカネつぎ込むとしても、静音化とか2Dグラフィック性能強化といった、「一般的じゃない」方向への強化の方が効くでしょ。VGAにカネかけるって、一般的には「いかに重たいグラフィックを速く動かすか」ってコトを意味するので、軽いグラフィックを動かすんだったら必要性薄いからね。比較的一般的なトコロでは、画面の大きさと機能の割にバカ高いモニタ買うとか。
 
 クルマが「単なる移動手段の一種」だけでなく、それ自体が趣味であるように、PCにどーゆースペックを要求するのかも、趣味の世界である。本質的には、他人が口出しするモノではない。ただ、PCは「ここを強化すると、こうなる」ってイメージを描きにくいトコロがあるので、「CPU強化とVGA強化、ドッチを優先すべきか…」って悩みが生じやすい。私だって、「私の使い方だと、同クロックのマルチコアと単純なクロックアップのドッチが勝るのか…」って悩みはあるんだから。
 
 ただ、とりあえずの原則としては、「ボトルネックを潰す」方向で考えるべきだろう。遅い部分があると、他をいくら強化してもあまり性能向上しない…ってコトになるからね。グラフィック性能中心に考える場合でさえ、「低速CPUに高級VGA」ってマシンより、「どっちもソコソコの品」ってマシンの方が満足度が高いと思う。その意味では、「現時点でCore i7マシンを組もうと思ったら、他もハイスペックの性能じゃないとボトルネックができるので、どうしても割高感が出てくる」「CPU・VGAを最新のモノにするんだったら、OSがXPだとボトルネックになりうる」というのが、私の意見。「OSは軽いほどいい」ってのは、「スピーカーは、アンプ出力が低くてもちゃんと鳴るのがいい」ってのと同程度に、間違った認識ですよ。
 
 むろん、ボトルネックを承知の上でトンガった性能のPCを入手するのも悪くはない。ただ、それは「それ相応の」使い方をする場合の話。今流行のネットブックだって、かなり限定的な機能に特化した使い方を前提として、「安さ」にトンガらせたPCだからね。このように「トンガらせる」意味・意義ってあるはずだけど、フツーはその判断が難しい。よって、ある程度バランス良く性能を上げた方が、総合的には良い結果をもたらすと思う。
 
 だいたいだなあ、国産PCゲームなんて、どーせ3D性能はあんまり要求しないに決まっているので、Core i7なんて不要でしょ。Core 2 Quadでさえ意味の薄い贅沢だ。VGAもせいぜいがハイエンド1枚差しで充分…どころか、ミドルクラスで問題は生じないはず。だったら、2D発色にこだわるべきじゃねえのか。人によって好みは分かれるけど、やっぱり最高峰はMatroxでしょ!つーわけで、GeForceうんたらなんて発色が悪いVGA使うくらいなら、Matroxの最新VGA探すべきです。どーせ3D性能はさほど良くない(そのくせ値段は高い)に決まっているけど、国産ゲームなら問題なさそうだ。これぞ日本男子のこだわりだと思うんだけど、どうかね(笑)。

コメント

_ ラン(E) ― 2008/12/16 20:42

7年物のDynaBook使いが通りますよっと。
ごく最近のエロゲも問題なく動くしHDD換装済みなんで普段使いにも支障はないんですが、「先月末に出た、3D画面がある(「大事な」トコロに使っているワケじゃないけど)某エロゲー(もちろん国産)」はVRAMが足りないらしく通常画質でも画面が崩れやがったので最低画質でプレイ中です。
や、有栖にはいつも引導を渡されてますよ。98のときもHDD専用ゲー出されたし。

どこかに4:3液晶でXPなゲーミングノート、ないですかねぇ。ワイド液晶とかフルスクリーンエロゲ的にいらないんで。

_ F男 ― 2008/12/17 00:06

>最低画質でプレイ中です。
いくらあの画面は「大事な」トコロに使ってないとはいえ、それは辛いですね…
話聞く限りでは、2~3年前の標準的ノートPCでも「標準画質なら動く」らしいので、その辺が狙いじゃないですかね。いわゆるネットブックは、「ゲームは駄目らしい」って話です。

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