8月17日2008/08/18 04:04

 一眠りして体力回復したので、コミケ総括をお届けしよう。今回は、色んな意味で充実はしてました。ただ、予算オーバーかましたけど(苦笑)。
 
 エスカレーター閉鎖、脅迫に伴う手荷物検査といった不安事項があった今回だけど、蓋を開けてみれば案外大したことはなかったようだ。エスカレーターの混雑は「いつものこと」であり、みんな最後は諦めている。脅迫は案の定実行されなかった(犯人逮捕されたとの情報がある)し、手荷物検査もあまり混乱しなかったような。ま、スタッフはいつも以上に大変だったとは思う(お疲れ様です)けどね。
 
 しかし、今回は強烈な「敵」がいました。太陽である。いや、熱いのなんの…暑いのはいつものことだけど、炎天下は「熱い」んだよ…おかげで体力ボロボロですがな。わかってはいたけど、相変わらずの地獄ですね。
 
 初日に家を出る前、ピーカンの空を見てものすげー不安を覚えたので、少し考えて「日光対策グッズ」持参を決めました。諸般の事情から「コレを持ち込むのはなあ…」と今まで封印してたんだけど、今回はシャレじゃ済まないと判断したので。
 
 なにせ今回、「企業ブース三強の一角」って購入依頼が来ている…あそこはマジにシャレじゃ済まない。案の定「列長い・進み遅い・売り切れ警報点灯」の三拍子揃っていやがる。おかげで炎天下に2時間(ここだけで)放置される羽目に。ちなみに実はココは「かなりマシ」だったそうな。噂によると、10:30から並び始め、16:00時点で「買えなかった」ってトコロがあったんだと。列の人数は私が並んだところと同程度だったくせに。しかも、翌日は開始15分で品切れ発生だとか。何があったんだ?
 
 どれぐらい日差しが強かったのか。いい目撃例がある。「頭にタオル巻く」という生半可な日光対策していた奴が、日差しに耐えられなくなってフツーの傘を差してました。しかも、それなりの人数が。頭のてっぺん守るのは大切だけど、首の後ろも顔面もノーガードだからねえ。
 
 かく言う私の日光対策は、かなり強固なモノである。シャルジャだもの。いわゆる「アラブの頭被り」だ。競馬場では「実用品」と称して何度も使用してきた品だけど、コミケでは「普通コレが必要なほど屋外にいない」「コスプレ扱いされるのがイヤ」ってな理由で封印してた。しかし、背に腹は替えられない。必要な部分はガッチリガードされ、おまけに全く蒸れない。日焼け対策としても優秀で、周囲に「今焼きました」ってな顔している連中がゴロゴロしてる中、私は鼻の頭が少し日焼けした程度。やはり「砂漠の民」愛用品だけのことはある。
 
 ただ、今回はコレでも「完璧」ではなかったようだ。どうもアタマの中が沸騰したらしく、「初日に企業を全部片付けよう」なる、無茶を敢行。いや、確かに2日目以降行かなくて済めば楽になるけどさあ…おまけに、キツめのところ消化して「後は楽なはず」と思ったら、「まんがタイムきらら」が行列(わかる気はするけど)だった…おかげで計算以上に体力を消耗。さすがにやりすぎだった…
 
 企業と言えば、文句を言いたいぞホビージャパン。諸般の事情から今回ちょろっと買い物した。B5サイズの本1冊(さほど厚くはない)とA4サイズのクリアファイル買っただけなのに、バカでけー紙袋(横80cmはありやがる)よこしやがった…あの、購入依頼品だから「いらねー」で片付けるワケに行かなかった(紙袋も商品扱いなので、依頼主に渡すのが当然)んですけど。この色の趣味にその昔から関わっている私としては、この会社に対する恨み言は山のようにあるんだけど、それにまた1つ付け加わりました。宣伝だか何だか知らないけど、受け取った側の迷惑考えろよ!
 
 なお、初日はこんな無茶をやらかした関係上、普通の同人関連のチェックがやや甘くなった。平たく言えば、便せん購入に不満アリ…この時の「鬱屈」が、後でタイヘンなこととなって炸裂する。もっとも、競馬関連はチャンとチェックしましたよ。これについては、後日キチンとした報告をお届けする。
 
 2日目。本来ならば本日も企業回りから入るんだけど、前日無理をした関係上その必要はない。するってえとヒマな時間が…などと考えていたら、ゲーム系同人誌を販売しておられるyagi殿と遭遇。渡りに船とはこのこと…ってんで、開店準備を手伝う。なお、なんでヒマなのか?は、守秘義務抵触の恐れがあるので秘密としておこう。
 
 ゲーム系のトコロから買い物を始めたので、この方面は久々に「充実した」買い物が出来ました。今までは「どこぞに散々並ばされヘロヘロになった上、品切れだらけ」ってなコトが多かったからねえ。この系列の「戦果」についても後日報告がある予定。こうして私の鬱屈は解消…されたワケではない。ゲーム方面の鬱屈は解消されても、ヲタク方面の鬱屈が残っていたのだ。
 
 その鬱屈が炸裂したのが、同人音源購入…なんか山ほど買っちゃったんですけど。iTunesに叩き込めば「いずれ再生される」から、聞かないなんてことはないけどさあ…やりすぎだろオレ。便せんよりコッチの方が高い(当たり前だ)から、金銭面での予定が…ちなみにこの日は午前中に買い物を終え、水道橋に向かいました。理由はわかるでしょ。
 
 3日目。売り子がメイン。こんな時に限って曇って涼しくて「買い物しやすい」のは、私の人徳という奴だろう。とはいえ、便せんはいつものよーに買いました。これ以外で「光った」のは、ウォーゲーム。何故かメカ・ミリタリーで扱ってました。しかも、オマケとして同人便せんプレゼント。何故便せん…なんか無意味にピンポイント爆撃喰らっているんですけど(苦笑)。
 
 私は趣味が特異なので、コミケには3日間行かないと気が済まない。ヲタクの中でもちょっと特殊な人種じゃないかな。フツーは1日ぐらい「行く必要なし」って日があるからねえ。おかげで体力使い果たしてヘロヘロです。でも、夏はまだマシなんだよ。冬はカレンダー購入のため夏以上に忙しい。しかも次回日程表によると、初日は有馬記念とバッティング。翌日は東京大賞典。どーすんだよおい。やっぱりコミケは生き地獄だ。我々ヲタクは、日頃の行いが悪いから、生きたまま地獄巡りをしなきゃいけないんだよ。トホホ…

8月18日2008/08/18 23:46

 本日は、コミケ関連の報告事項・競馬編を。コミケで「私が考えるところの競馬情報」を仕入れるのはよくある話だけど、今回は「報告する価値のある」情報が入ったのでね。
 
 コトの初めは去年の話になる。私と同じ旧あっぱー(今は亡き競馬雑誌の投稿者)であるRH西葛西店殿(ブログはこちら)が「1年で日本の全競馬場を制覇しよう」という野望を発表した。競馬場巡りってのはこの世界じゃよく聞く話だけど、1年で制覇ってのはさすがに珍しい。
 
 これを知っている私が去年の冬コミで遭遇したのが、「普通はしない競馬場巡りの旅」って同人誌。要は各競馬場へのアクセス方法を紹介しているんだけど、「安く行く方法」「賢いハシゴのやり方」といった、少し毛色の変わった情報を紹介している。こういうモノがあるから、コミケは侮れないんだよね。
 
 私はこの本を買い、RH西葛西店殿に「プレゼント」と言って押しつけた。ドコをどう考えても、参考になるはずだから。そもそも同人誌の作者だって、こーゆー人間に読んでもらってこそ、作った甲斐があるってものじゃないかなあ。第一、話として面白いではないか。
 
 実際、この本は「役に立った」ようだ。去年暮れの時点で具体的に「いつどんな手段で行くのか」決まっていた競馬場はむしろ少なかったようなので、いくつかはこの本を参考に旅程を組み立てたそうな。私としても、「折に触れての叱咤激励」という、大切だけどちょっと平凡なもの以外の支援が行えたのは喜ばしい。これはこの本の作者に報告しておかねば…と考え、今回のコミケでも立ち寄ることにしたのだ。
 
 そこで発見した新刊をぺろっとめくって発見したのは…この本の作者も、「1年で全競馬場巡り」なるものを実行中ということ。思わず笑ってしまった。もちろんこの新刊は2冊購入し、1冊は近日中にRH西葛西店殿に「押しつける」予定。そんでもって、「私の知人も1年で全競馬場巡り実行中なんですよ。前回の本は役だったと言ってました。年末出る予定の報告記楽しみにしてます。頑張って下さい」と声を掛けておいた。
 
 前回、「私の知人に1年で全競馬場を巡ろうって人間がいて…」って話をしたかどうか、記憶は定かではない。ただまあ、私がそーゆーコト言いながら本を買い、それに対抗心?を燃やす形で「オレも実行してみよう」と思った可能性は否定できないね。そうじゃなくても、今回は確実に「同じコトやってる奴がいる」と報告したし、「同人誌を買う」「次回作に期待すると伝える」って形のささやかな活動支援をした。RH西葛西店殿は普段から競馬場で良く会う仲であり、叱咤激励は顔を合わせる度にやっている。おまけに参考となるモノを押しつけた。これまた「ささやかな活動支援」と言えるでしょ。
 
 今年2008年に「1年で全競馬場巡り」なる行動を実行中の奴がどれだけいるのか知らないけど、数はそんなに多くないでしょ。そもそも、過去に達成した奴すらいなかったとしても別に不思議じゃないくらいだ。そういう珍しい存在に対し、私はささやかながら活動支援をしたわけだ。しかも、「お互いに面識のない」2人に対して。実際巡っている両名には遠く及ばないけど、私もある意味ではスゴいと思う。まさにアホ。アホすぎる。
 
 面白い話を見つけたら、より面白くなるよう応援して煽るのが私。これ自体は良くある話かもしれないけれど、私は活動範囲がヘンなので、色々と「他の奴には絶対出来ない」レベルの活動支援が行えるわけだ。今回みたいに「面白い話がより面白い方向に膨らんだ」時は、心底「ヘンな奴で良かった」と思いますね(苦笑)。
 
 1年での競馬場巡りなんて、「達成したからどーした」って行動ではある。それは事実。けど、とりあえず話として面白い。それでいいじゃん。こーゆーことの積み重ねが「競馬文化」ってものじゃない?JRAや競馬マスコミが賞賛するモノだけが競馬文化だとしたら、つまんないでしょ。私としては、これからもこういうモノを見かけたら応援していきたいなと。
 
 ちなみに、両名とも8/15現在「残り9ヶ所」だそうな。まだ油断は出来ないけど、順調ではないかなあ。成功した場合、とりあえず私からは心からの賞賛を送る予定。そんでもって、おそらく年末に「お互いの動向」を私が報告することになるんだろうな。だって、やっぱり「コミケと有馬記念のハシゴ」は辛いから。コミケにおける「競馬を扱っている日」は有馬記念とバッティングする初日だからねえ。このハシゴはかなーり辛いけど、競馬文化振興のためにはそれぐらい我慢しないと…ってコトにしておいて下さい(苦笑)。
 
 なお、もう2点ほど追加報告情報を。香港にできたというメイド喫茶については、私が叱咤激励して偵察部隊を差し向ける予定…と言うより、私が何もしなくても偵察に行くでしょ、彼は。私は別件(そのための情報を入手できた)のため自分で確認できないと思うけど。それと、今年のドバイで躍進した「南アの競馬」を観戦するための基礎情報を入手できた。想像以上に「タイヘンな土地」のようなので、実際行くのは早くてもワールドカップ(サッカー)の様子を見てからになると思うけど。いやあ、やはり意味不明な情報を仕入れるならコミケだよね(笑)。

8月19日2008/08/20 03:52

 コミケ関連報告事項・ゲーム編は後日に回す。やるからにはそれなりの手間を掛けたいんだけど、諸般の事情によりその余裕がない。来週以降になるんじゃないかなあ。悪しからず。
 
 本日の話題は、先日さらっと流した「コミケ脅迫事件について」意見を述べてみようかと。コミケが終わった今なら、多少は遠慮無く意見言えそうなので。なお、今回は私の意見・感想どころか「妄想」レベルの話も混じるので、そこは理解した上で話半分ほど聞いていただければと。
 
 16日の新聞にベタ記事で「コミケ脅迫犯、逮捕」といった感じで記事が出ていた。秋葉原の件以降、「この手の脅迫」は冗談扱いされない・出来ないって風潮があるので、逮捕は当然でしょ。罪状は威力業務妨害(要は「脅した」って罪)となっていて、これは悪質な書き込みだけで一応成立する。よって、「実行する意志があったのか」はわからない。当人は罪状を認めているようで、「目立ちたかった」との動機も掲載されていた。私の知る限り、「既存マスコミ」(新聞・TVなど)に発表された情報はこの程度(15・16日にフツーのニュースなんて見てるヒマあるわけねえ)。しかも、おそらくは関東ローカルなニュース。
 
 ネット上の情報を含めると、もう少し細かいことがわかる。とはいえ、逮捕された状況とか犯人に関する情報といった、「逮捕された後の情報」は似たり寄ったり。わかるのは、脅迫の具体的内容ぐらいかな。私が見た情報では、「コミケを15日正午に爆破する」とヌカした書き込みがあった。また、その続きらしい書き込みについても軽く触れていて、その書き込みを信じるのなら「フラれたことが動機」っぽくなっていた。
 
 私の知っていることを、多少推測入れて語るとこうなる。この話題について行ける方なら、もう少し細かいことを知っているかも知れない。コミケ関連の情報はたまに私のトコロに漏れてくることがあるので、この件についても年末頃に「補足情報」が伝わってくるかも。しかし、あくまで現時点でわかるのはこれだけだ。
 
 私の感想は、「いいものに目をつけやがって」かな。コミケは3日間トータルでのべ50万人(まだ数字聞いてないので推測)が参加する、巨大イベント。この混雑に紛れて悪事を働くのはそう難しくない(スリ・置き引きは良くある話らしい)はずだし、コトを起こせば話題性充分だ。ワンフェスのエスカレーター事故でさえかなり報道されたのだ。コミケを襲撃すれば、確かに「目立つ」でしょ。
 
 もっとも、本当に目立ちたければ「実行」しないと駄目。単に脅迫するだけなら、多分デパートやスーパーなどを脅迫した方が報道量増えるんでないかなあ。一般人にしてみれば、「関係がない」存在だから。何かあったら「ヲタク連中がやらかしやがった」とばかりに大規模に報道されるだろうけど、脅迫された程度じゃねえ。いわゆるヲタクは昔に比べれば「市民権」を得た気がするけど、それでもまだ「一般社会からの冷ややかな視線」は残っている気がするね。
 
 それを考えると、この脅迫が「口だけではなく、実行する意志有り」って可能性は無視できなかった。「目立ちたい」なんてチャチな動機で…と思うかもしれないけれど、考えてみて欲しい。いわゆる「政治的テロ」ってのも、要は「目立つために」実行されているのだ。もちろん、目立つことそのものが目的ではなく、目立つことによって「背景となる政治思想を知らしめる」ためにやっているんだけど。
 
 もちろん、単に目立ちたかっただけでなく、「背景となる思想」があるのかもしれない。それこそ、「日本社会への警告」を目的としたモノ(日本で政治的テロを行う理由はいくらでも見いだせる)かもしれないし、「ヲタク絶滅」(色々恨みを買っている可能性は否定できない)かもしれないし、「オレの○○ちゃん(二次元キャラ)でHな本を作るなんて許せん!」(過去のボヤ騒ぎはコレが原因だとか)って理由とか…
 
 ただまあ、書き込み内容は「コミケを襲う」とだけあって、コミケを中止しろと訴えてない。この時点で私は「犯人はヲタクじゃなさそうだ」と考えていた。何故か?ヲタクってのは、普通に考えたら「コミケがないと困る」のである。コミケに対する「愛着」ってものがあるからね。
 
 過去のボヤの例のように、コミケに対する愛着が憎悪に変化して…って可能性はある。ただこの場合、コミケを中止させれば用は足りる。そのための手段として騒ぎを起こすと予告するってのは考えられるけど、その場合普通は「コミケを中止しろ。さもなくば…」って内容の脅迫になるんじゃない?むしろ怖いのは「コミケと無理心中」ってパターンか。ただこの場合、犯行予告する理由がない。「イヤだ、アンタなんかと死にたくない」とヌカすとわかっている相手に犯行予告するか?
 
 もっとも、「完全な一般人」は、コミケを襲撃しようと考えるほどコミケに詳しくない。プロのテロリストなら「日本社会を調査した結果、襲撃対象としてこのイベントが適切と判断した」なんてコトも考えられるけど、そんな奴はもっと別の方法で犯行予告するでしょ。その意味では、一般人から見たら「同じ穴の狢、結局ヲタク」って目で見られそうなモノだ。ヲタクから言わせれば「それは違う」ってなるんだろうけど、一般人が聞く耳持つとはとても思えない。
 
 ヲタクではないけど、一般人でもない。じゃあどんな奴か?まあ、コミケを知ってる程度にはヲタク入っているけど、別に同人誌だの同人誌が対象としているモノ(漫画・ゲーム・アニメなど)はそんなに好きじゃない奴だ。そう考えると、「ヲタクの彼女に振られた腹いせ」ってのは、かなりリアリティがあった。こういう奴は「彼女>ヲタク趣味」だからねえ。ヲタクは少なくとも「彼女≧ヲタク趣味」であり、「彼女=ヲタク趣味」、「彼女<ヲタク趣味」って奴もゴロゴロしてる(苦笑)。
 
 とりあえず新聞のニュースでは「フラれた腹いせ」って報道がなかったので、これは単なる作り話かもしれない。もっとも「彼女を見返したい」→「目立ちたかった」って発言になっただけかもしれないので、現時点での報道じゃ何とも言い難いけど。その辺を詳しく知りたければ、裁判(おそらくある)を傍聴するしかないんだろうな。コミケスタッフは証人として誰かしら出廷する可能性が高いので、そこから漏れ聞こえてくるかも知れないけど。
 
 秋葉原の件といい、今回の件といい、私が思うに「最近はいわゆる一般人の方が病んできている」気がする。ヲタクが昔々から病んでいて、今もって病んでいるのは間違いない。でも、病んでるからって「何でもアリ」ってことにはならないでしょ。「ヲタクだからこそやらない犯罪」なんていくらでも考えられるワケであって、秋葉原の件だのコミケ脅迫(内容によるけど)だのは、まさに「ヲタクだとやらないコト」じゃないかなあ。
 
 にもかかわらず、世間の報道とやらはどうせ「ヲタクがまたやらかしやがった」で片付ける。そう考えたいんだろうな。わかりやすいし、ある種の安心感があるからね。ただ、そうやって「目をそらし続けている」とどうなるのかは、あまり考えたくないねえ。まあ、目をそらし続けてきた結果が現状って話はあるけど。
 
 実際のトコロ、逮捕された犯人がヲタクか、そうでないかはわからない。あくまで私の推測では「違うのでは?」となるけど、これが外れている可能性もある。その場合は「私の知らない事情」が色々影響していそうなものだけど、私の推測自体が完全な的外れかもしれない。間接的には私も立派な被害者なので、その辺の事情はできれば詳しく知りたいけど、報道されるのかねえ。
 
 まあ、私も間接的には被害者とはいえ、大きな実害があったワケではない。犯人逮捕されたことだし、コレに懲りてしばらくは「コミケを脅迫する馬鹿」は出現しないでしょ。そうでも考えないと、コミケの度に「未使用便せんはオレと一緒に燃やせ」って遺言を書く羽目に…

8月21日2008/08/22 02:02

 本日、コマンド誌へ「第一稿」を送付した。予定より早い。もっともこれは「予定より早く仕上がったから」ではなく、むしろその逆。色々やったけど分量を劇的に減らせそうもないので、編集側のアドバイスをもらった上で判断した方がいい…と思ったから。下手に自力だけで解決しようなんて考えたら、ドツボにはまりかねない。やっぱ全部書き直した方が良かったかなあ…ブツブツ…
 
 気を取り直して本題に行こう。上記話題はまた後日本格的にやるし。今日のお題は、「ユーロファイター・タイフーンの売り込みについて」としよう。どうもモーレツな売り込みをかけているようなので。
 
 ユーロファイター・タイフーンとは?英・独・伊の3国で共同開発した最新戦闘機。日本の空自が導入するかも…って話があり、以前ここでも採り上げた。
 
 正直言って、私は「空自がこの機体を買うことはない」と思っていた。理由は言うに及ばず。あの役所、結局はアメちゃん頼りだからねえ。同盟国なんだからむしろ当然ではあるんだけど、正直「これでいいのかね?」と思うくらい。ま、国防用兵器をドコでどーやって調達するかについては、私ごときに細かく語れる問題ではないんだけど。
 
 そんなことは世界中でわかりきったことであり、ユーロファイター売り込んでる連中も「どーせ当て馬でしょ」と割り切っているんだと思っていた。実際、仏のラファールって戦闘機は「どーせ当て馬だろ」ってんで売り込み拒否したくらいだ。しかし、どうも連中は「本気で」日本に買ってもらおうとしているらしい。
 
 ただ…その理由は切実かつしょーもないものらしい。英国が「これだけ買うよ」って約束を守れそうにない(予算の問題か?)ので、「キャンセル料払うぐらいだったら、どっかに転売できないか」本気で相手を探しているんだと。何やってんだか。
 
 現実問題としてこの売り込みが成功する可能性は、かなり低いと見た。どーせ空自のことだ、部品の規格がどうこう、整備の手間があーたらこーたら…って難癖付けて、「多少割高でも米国製が…」って決断下すだけでしょ。ま、これはこれで間違った意見じゃない。現場の意見を無視して兵器なんか買っても、ロクなことにならないからねえ。
 
 ただ、ユーロファイター側のセールストークが面白いのも事実。何でも、「中国の最新戦闘機に勝てるのはウチとラプターだけ」って主張してるんだそうな。イーグルやらホーネットの焼き直しはともかく、現在試験中のF-35ライトニングⅡも「勝てない」と断言してるのが面白い。この機体の開発には英国も深く関与してるだけに、まんざら嘘八百ってわけでもなさそうだ。
 
 中国の最新戦闘機と言えば、ロシア製Su-27フランカーの系列機。確かに強い。空戦は機体の性能が全てじゃないので、「空自は中共空軍に勝てない」ってことはないと思われるけど、相手が良い機体持っているのは確かだ。空自のイーグルも良い機体だけど、ちょっと開発年代が古い。これはホーネット系列も同じ。この辺を「改造」した機体を買うかも…って話はあったので、「それじゃ中共空軍に勝てない」って恫喝はわかる。
 
 問題はやはりライトニングⅡでしょ。これがフランカーに勝てないってのは、ちょっと聞き流せない話のような。なにせ計画では、米空母に搭載される艦載機はコレに差し替えになる予定だ。つーことは、「米空母艦載機は、フランカーにボコボコにされちゃう」ってことに…あ、あのー、いいんでしょーかそれで。
 
 そりゃあね、艦載機ってのは普通の戦闘機より色々不利があるので、多少性能が劣っても仕方ないかもしれない。けど、同じ米軍同士で比べてどうこうじゃなく、仮想敵の戦闘機に「勝てません」ってのは…それでいいのか米海軍。いくら何でも相手をナメすぎてないか?中共相手に全滅させられたら、台湾が大陸のモノになっちゃう(ゲーム「Red Dragon Rising」の話)んだぞ。
 
 ついでに言えば、「タイフーンはライトニングと空戦やって勝てる」ってことになる。これもこれで頭の痛い話ではないかと。日本や英国が米海軍と戦うことはあまり考えなくて良さそうだけど、今回の「余ったタイフーン押しつけ先」の候補にインドがある。インドは米国に逆らう可能性あると思うんだけどねえ。ま、この国はすでにフランカー導入済みだから、結局米空母じゃ勝てない理屈になるんだけど。
 
 こうやって考えてゆくと、空自が「ラプター売ってくれ!」とこだわるのもわかる気がする。イーグルやホーネットの焼き直しじゃあ、フランカー相手は不安がある。ライトニングⅡでさえ、「どうせソコまでの性能はいらない」って判断から、マトモにやったら苦しそう。だったら、ラプター買うしかない。本土空襲の心配が不要(現状、ICBMは空軍では迎撃不能らしいし)で、最後は数の暴力で押し切ってしまえばいい米国と違い、空自だと「どの機体でもフランカーに勝てません」じゃあ大いに困るだろうからねえ。
 
 でも、現状ラプターは輸出禁止。大統領選の結果次第でどうなるかはわからないけど、オーストラリアからも「売ってくれ」って言われたのにダメ出ししてるんだから、そう簡単に輸出認めるとも…「じゃあ、仕方ないからタイフーン」って可能性は、一応あるような気もしてくるね。なんか安売りしてくれそうな雰囲気だし。
 
 もっともだ。「タイフーンとラプターならフランカーに勝てる」ってのは、あくまでユーロファイター側の言い分。実際どうなのかは、何とも言い難い。それに、これはあくまで「マトモな空戦やったら」って仮定の話。現代空戦ではマトモな空戦なんてあんまり生じないって話もある(ちょっとでも優勢な側がボコボコに相手叩いて終わると想定されているらしい)ので、そもそもそんな仮定が無意味って話もある。「安そうだから」でタイフーンに飛びつく必要があるのかどうかは、ビミョーだね。
 
 最後に小話を1つ。タイフーンって名前の戦闘機は、第二次大戦にもあった。この先代タイフーン、正直言って色々問題があった機体でねえ…特にエンジンがややこしい構造で、整備するのが大変だったとか。事情は違うけど、日本が同じ名前の戦闘機を買ったら、やっぱり整備するのに苦労しそうな気が…

8月22日2008/08/23 02:54

 ここで扱うネタとしては一般的だけど、北京五輪のソフトボールと野球には、やはり言いたいことがあるぞと。実質ただの鬱憤晴らしだけど、何か書かなきゃ気が済まないってことで。
 
 順番から言って、まずはソフトボールか。正直、金メダルは予想してなかった。米国には苦戦してたからねえ。しかも、エースは3連投。「いずれ捕まるか…」と思ってました。
 
 正直、最後の方は疲れが出ていた気がするね。コントロールが多少乱れていたし。でも、腕は振れていた。あれが良かったんでしょ。守備も良い動きしてた。米国に1勝2敗でも金メダルってシステムには多少違和感があるけど、決勝は本当に見事だった。
 
 やっぱり、ああいう「絶対的なエース」はカッコイイよねえ。今じゃ高校野球でもなかなか見かけなくなった存在だけど、それだけにジーンと来ますね。球の速さとか持ってる変化球とかコントロールとかじゃなく、あの「マウンドは譲らない、絶対抑える」って気迫が素晴らしいんだよ。あれこそが「マウンドに登るために産まれてきた」ってことじゃないかな。いいモノ見せてもらいました。おめでとう!
 
 それに対し、野球の方は…うーん、実は順当な結果だったりするんだよね。北京入りしてからの結果を見る限りでは。打線は湿っているし、投手も「何とか抑えていた」感があったし…「継投が裏目に出た」って論調が多そうな負け方だけど、個人的には打線が悪いような気がする。「絶対負けたくない」試合で先取点取られた若いピッチャーを、どうしてマウンドから引きずり下ろせないかなあ。
 
 ああいう若い投手は経験が不足しているので、うまく「心を折る」ように攻めれば、プレッシャーに負けて自滅しそうなもの。国際大会だと「名前にビビって勝手に自滅」ってケースが減る(何だかんだ言って相手を良く知らないから)ので、もっと直接的にビビらせないと。三振覚悟でくさい球見逃して、「お前の球なんていつでも打てる」ってプレッシャーかけるとか、しつこくバントして「バックに不安あり」って印象づけるとか…もう少し芸はなかったのか?って気がするんですが。
 
 逆に日本の投手陣の方が、なんか「悪いプレッシャー」を感じていた気がするね。本来ならば有利に働くはずの「格上意識」が、かえってマイナスになったような。そりゃあ確かに「こんなところで負けるワケにいかない」のは事実。でも、その思いが強すぎて腰が引けたんじゃ、勝てるワケがねえ。相手がどうこうじゃなく、なんか自滅しちゃった気がしますねえ。やれやれ。
 
 こうなると、気になるのは「次期日本代表監督」かなあ。五輪はとりあえずこれで最後だけど、WBCがあるからね。私は正直「次も星野監督はカンベン」かなあ。悪い監督じゃないけれど、どっちかと言えば「リーグ戦向き」の監督だと思うので。王監督の時もそう感じたけど、それ以上だ。
 
 とはいえ、じゃあ誰がやる…と考えてゆくと、悩んじゃうよねえ。王監督は短期決戦向きではない上に、体調に不安がある。岡田・原・落合・渡辺・梨田(現時点でのセ・パ上位球団の監督)は、日本代表監督としてはちょっと若すぎる気がする。ノムさんは…いい監督だと思うけど、ちょっと人望に不安が…余計なこと言わずにいられない性格だからなあ。人望って点を考慮すると、外国人監督も考えがたい。大矢・高田は年齢面はともかく、監督としての実績が…
 
 監督OB組だと…まず、星野・田淵・山本はアウトだとしておく。チョーさんは体調に不安あり。後は監督としての実績やら体調やらを考えると…広岡・森・吉田・古葉といったところになるのか?うーん、なんかしっくり来ない…こうなると、消去法でまた星野なのかぁ?個人的には若松なんだけど、これはスワローズファンと青木・稲葉・宮本(おそらくまた選ばれる)以外誰も納得しないでしょ(苦笑)。
 
 まあ、誰が監督やるにせよ、「北京のリベンジ」は果たさないと。WBCではディフェンディングチャンピオンなんだし。また改めて期待したいと言って〆ておこう。これ以上何か書くと、「ネット上で公開するのは不適切」な記述ばかりになりそうなので…

8月26日2008/08/27 02:17

 昨日は言い訳できない(寝落ち)けど、日曜は「第二稿」制作のため更新できず。私にしては珍しく、「煮詰まってなかなか書けなかった」のでね。やはり色々と苦労はしているんですよ。ちなみにこの第二稿、諸般の事情から第三稿の存在が前提だったりする。焦る必要はないんだけど、やはりなかなか完成しませんなあ。
 
 第一稿の修正指示を受けて思ったのは、「やっぱり私はシロートだねえ」ってことかな。言われてみれば当然だな…ってことが、わかってなかったりする。ただまあ、それは前々からわかりきっていたことなので、「良い経験になっている」と前向きにとらえているけど。
 
 前回は主に内容面から「他人に見てもらうのは違う」と語ったけど、いわゆる体裁に関わる部分でも色々と勉強になりますね。ま、向こうは「それでメシ食っている」んだから当然なのかも知れないけど。自己流が悪いってワケではないけど、機会があるなら編集の人間に原稿を見てもらうと、色々いいことがあるような。原稿料がどうとか「ゲーム業界への貢献」がこーとか言う以前に、自分の糧になってます。ただ、こんなもの学習してどーするのかは、自分でもよくわからないけど。
 
 ちなみにだ。煮詰まったのは、「私なりの『ヒトラー電撃戦』の魅力を語る」ってくだりである。第一稿にはカケラも存在しなかったので、「入れた方が良い」と指示をもらったのだ。確かにこの部分を端折ると、「販促かよ!」ってツッコミを受けかねない(苦笑)。コレは冗談としても、「何でこのゲームの研究を?」って説明は、あった方がいいだろう。
 
 そこでまあ、「軽く」触れてみることにしたんだけど…やけにまとまりが悪かった。乏しい文才がついに枯渇したのかってくらい。正直、こう苦戦するとは思ってなかった。別に難しいことを書こうとしたワケじゃないんだけど…
 
 今から思うに、どうもこれはコマンド誌82号を読んだことが原因のようだ。この号は付録ゲームのテーマが仮想戦。そこに「ちょっと見逃せない」発言があったので、無意味に肩の力が入ったようだ。
 
 見逃せない発言とは何か?特集内の囲み記事「仮想戦の中に歴史を読む」に出てきた、「40年春、順当にフランスを下した皆さんは、あしか作戦(英本土上陸作戦)を敢行するだろうか?たいていの人は、しない。」って発言である。言いたいことはよくわかる。わかるけれど、私の立場からは、この発言を見逃してはいけない。なにせ私は「ヒト電」におけるあしか作戦について、たっぷり語る予定になっているんだから。
 
 いやね、私は何も「ゼーレーヴェ(独語で「あしか」)やるべきだ」などと言うつもりはない。ただ、「どうせゼーレーヴェなんてやりっこない」「ゼーレーヴェでゲームが決まっちゃったら、つまんないでしょ」なんて考えは、何かが間違ってると思うんだな。そんな考えでゲームが進むようでは、チャーチルの苦悩が描けてないじゃん。
 
 考えても見て欲しい。もしチャーチルが「英本土上陸で戦争の帰趨が決するのは、美しくない」などという意識を持ち、英本土をがら空きにして艦隊を全て地中海に回したら、どう思います?これは極端な例だけど、ダンケルク撤退戦でヤケになって空軍を無駄遣いし、本土防空部隊が枯渇していたら?「それでもヒトラーは英本土に上陸してこない」なんて言うのは、どうかと思うんですが。
 
 そりゃあね、常識のある英軍プレイヤーなら、「独軍が上陸してくるかも知れない」って可能性を排除せず、防衛用の部隊をキチンと確保する。でも、油断・ミス・カン違いなんてのは良くある話。そういったものを発見してすら、「英本土上陸作戦」はやるべきじゃないんでしょうか。
 
 そもそもだ。英本土を守るために必要な部隊数って、どうやって求めるの?相手にどういう条件が整ったら「危険」で、自分がどういう備えをしていれば「安全」なのかわかりもしないのに、こんなことを論じても意味がない。それを知ろうと思ったら、最低でも「本気の」研究が必要で、できれば「実際プレイしてみる」ことが望ましい。やってみないとわからないことは多いからねえ。
 
 まあ、私も偉そうなことを言う資格はない。以前、「上陸できそうな隙」を見つけたのに、結局上陸しなかったからねえ。ただ、あれは自分の研究が甘かったからだ。いくら対仏戦の真っ最中だったとはいえ、独軍の生産をもう少し研究していれば、「上陸用の地上部隊がいません!」なんてアホな事態には陥らなかったはずだ…
 
 ただ、この時のプレイは「対仏戦の最中に、英本土に隙ができちゃう可能性がある」という教訓を残した。なんでそうなったのか、どこをどうすれば改善できるのか…といった検証はまだ終わってないけど、これが終われば「英本土の守り方」が改善されるのは間違いない。とはいえそのしわ寄せはどこかに生じるはずなので、対仏戦・北アフリカの戦い・バルカン半島・スカンジナビア…といった「初期の英軍が関与しうる戦場」全体の戦略が変わってくるかもしれないのだ!
 
 私に言わせれば、英本土上陸作戦は「サドンデス勝利条件」であり、ある程度は狙うのが当然となる。単なるサドンデス勝利条件だったら、狙うのは当然じゃないのか。プレイ時間がかかるので最近プレイしてないけど、傑作とされている「Ukrine'43」(GMT/コマンド付録)を考えてみると良い。このゲーム、独軍・赤軍共に「サドンデス勝ち」の可能性がある。後々のこと考えるのも大切だけど、目の前のことを疎かにしちゃいかんよ…って規定があるのだ。にもかかわらず、両軍が暗黙の了解とやらで「サドンデスで勝利が決まったら面白くないから、それは考えない方針で」なんてゲームの進め方してたら、どう思う?練習プレイとか、プレイ時間短縮とかいった「意義のある理由」があるのならともかく…
 
 そりゃあね、英本土上陸作戦を「ドコまで本気に」考えるのかはプレイヤー次第だし、おそらくは簡単に成功しない。ゲームによるけど、英軍が「キチンとやるべきことをやっている」のであれば、独軍がどう頑張っても成功しない(「ヒト電」ではまだ検証中だが、おそらくコレと似たようなモノ)でしょ。ただ、独軍としては「英軍にやるべきコトをやらせる」だけで意味がある。英本土防衛用に使っている資源は、状況次第では他の戦場で使われるのだから。そういうブラフにどこまで資源をつぎ込むべきなのかは、プレイヤーの考える作戦次第としか言いようがないけど。
 
 ちなみにだ。独軍の英本土上陸作戦だの、コマンド82号付録ゲームのテーマ「43年の連合軍仏上陸作戦(ラウンドアップ作戦)」だのといった仮想戦ゲームと、戦略級ゲームにおける「こういった作戦」には、見逃せない差がある。「代償」だ。史実で行われてない作戦を行う以上、そこには「単に実行するってだけで生じる代償」がどこかにあるはずだ。ゼーレーヴェの場合、「実行しちゃったら、その戦いの勝ち負けにかかわらず、押し寄せてくる赤軍をポーランド付近で迎え撃つ覚悟が必要」とか。ところが、仮想戦ゲームの場合、この「代償」が見えにくい。しょせん「マップの外の出来事」になってしまうからね。これを馬鹿正直に勝利条件に組み込むと、「ゼーレーヴェ作戦の勝利条件:ロンドン占領以外は独軍の大敗北」などとなり、ゲームとして成立しなくなってしまう。かといって「マップ上の進捗状況だけで勝利条件を判断」とすると、赤軍が42年夏には独ソ国境に押し寄せるとわかっているのに、勝利もクソもないもんだ…ってことになる。戦略級ゲームなら、これは身をもって体験することになるだろう。
 
 だからといって、仮想戦がクソで戦略級がアリとまでは言わない。戦略級じゃ描けないものは山ほどあり、仮想戦でこそ描けるものも山ほどあるんだから。ただ、仮想戦のデザインには独特の難しさがある。戦略級だって楽じゃないけど、「歴史改変の検証ツール」として考えた場合、戦略級の方が「作戦を行うだけで生じる代償」を実感しやすいって利点があるのは確かじゃないかなあ。私が言いたいのは、要は「戦略級ゲームの歴史改変と、仮想戦ゲームの歴史改変を同列で論じて欲しくない」ってことだけだ。
 
 我々ゲーマーは、常に「史実を改変しようと」あがいている存在だ。史実で負けた陣営を担当すれば「勝ちに変えてやる」と考える…のはむしろ少数派かもしれないけど、最低でも「史実よりは負けの度合いを少なくする」よう努力する。勝った側であっても当然、「より大きな勝ちを目指す」わけだ。それだけに、安易に史実を変えられるのは「白ける」のである。コッチが必死にアタマ振り絞って作戦考え、ダイス目に恵まれても「史実とあんまり変わらない」程度にしか歴史を変えられないのに、ゲーム上では何の代償もなくいきなり「歴史を変えてみました」とは、どーゆーことよ…って考えるのが普通でしょ。
 
 あえて仮想戦を擁護すると、やはり「細部を理解できる」のは仮想戦だ。戦略級はどうしたって細部が疎かになるからねえ。仮に細かいところまで追究しても、「ちょっとした違いが制御不能なまでにふくれあがる」かもしれないので、かえって史実との対比がやりにくくなってしまうだろう。それに、そんなビッグゲームを気軽にプレイできるとでも?あしか作戦やラウンドアップ作戦といったテーマは、確かに「細部はどうなるのか」検証してみる価値はある。
 
 さらに、コマンド誌が主張しているように、「史実をなぞるだけではない、真の意味での作戦センス」を比較する役にも立つかもしれない。私の見解としては、ウォーゲームにおける史実というのは、ある意味「良く出来た模範解答」だと思う。とりあえずコレを真似るだけで、ある程度の結果が約束されるのだから。後世から「無能!」と非難されている将軍でさえ、作戦能力は平均的ゲーマーよりは上と考えられるわけで。
 
 しかし、これだけでは「真似るのが上手いだけ」なのか、「能力が高い」のか、わかりにくい。そこを検証するため、「模範解答の存在しない問題」にチャレンジする価値はあるわけだ。これは別に普通のゲームでも(上手くルールを組み合わせたものであれば)検証可能ではないかと思うけど、「仮想戦ならでは」ってシチュエーションは山ほどあるので、そこに特別な「発見」があるかもしれない。対戦相手さえ見つかれば、別に毛嫌いする理由はないと思うのだけど。
 
 …とまあ熱く語ってきたわけだけど、戦略級ゲームがどーたら、仮想戦がこーたらって話は本題じゃない。本題は、「なんで私は『ヒト電』の魅力を語るのに苦労したのか」だ。まあ、ここまで書けば理由はわかってもらえるんじゃないかなあ。今ココでぶちまけた「鬱屈」を盛り込んで…ってなったら、立派な分量オーバー。もっと肩の力を抜いて書かなきゃいけないんだけど…って状態になったのだ。コマンド誌のあの発言は、大いに参考になったんだけど、足も引っ張ってくれた。ま、私が勝手に足引っ張られただけではあるんだが。
 
 第三稿はちょっと特殊な事情から「絶対必要」なので、実質的にはこの第二稿で私の仕事は終わり…かもしれない。実際のトコロどうなのかは、コマンド編集部の考え次第になるわけだけど。ただまあ「大きな手直し」はなさそう(あればとっくに修正指示が来ているはず)なので、峠は越えたんでないかな。
 
 もっとも、まだ気を緩めるワケにはいかない。細かい修正指示が来るかも知れないし、何より今回はあくまで「第一部」。内容で言えば、これからが本題と言ってもいい。原稿に着手するのはもう少し先になるだろうけど、作戦研究は進めておかないと。これから先も、色々苦労する日が続きそうです。トホホ…

8月27日2008/08/27 23:46

 本日は、少し軽めの話題といこう。またもコマンド誌掲載事項に対するツッコミで。どちらかと言えば笑い話なんだけどね。
 
 今号から始まった、ASL(Advanced Squad Leaderってゲーム)のプレイ記事。私はこのゲームには詳しくないけど、読み応えはあってよろしいんじゃないか…と思っていたら、実に細かいところで「鼻から牛乳」状態に陥り、吹き出した。
 
 吹き出してしまったのは、囲み記事にある「パーセンテージ把握のすすめ」ってところである。「ASLに限った話ではないが、10面体でなく6面体のダイスを2個使用するゲームでは、確率を36分の何々でなく、百分率で把握した方がよい。」などと書いてある。正直、一瞬何が言いたいのかさっぱりわからなかった。「何でそんな面倒なことを」と本気で思った。
 
 確率論の初歩の話をすると、6面体ダイスを2個振った場合の確率分布は36分の何々になる。「6面体ダイスを2回振った合計を求める」場合と同じだと考えてもらえばいい。1回目に振った時の出目のパターンが6個、2回目も6個あり、この組み合わせなので6×6=36パターンの出目がある。この全パターンを、合計が同じモノは1つにまとめて整理すると、2=1パターン(いわゆるピンゾロのみ)3=2パターン…って形になる。
 
 36分の何々というのは「百で割り切れない」ので、端数が出る。よって、百分率では厳密な数字は得られない。とはいえ、これが「百分率把握」を否定する理由ではない。端数処理なんて、「実戦」じゃどーでもいいことだから。ただまあ、強いて言うなら「数字がでっかくなる」ので、記憶しにくいかも。「5以下が出る確率」を27.7%と把握するのと、10/36と記憶するのではドッチが楽かって問題だね。ちなみに36分の…で記憶する場合、分母は忘れて分子だけ記憶していれば足りる場合が多いので、余計覚える数字が減る。
 
 実はこの問題、「どっちだってかまやしない」のである。要は「どれぐらいの確率になるのか」を冷静に比較できればいいので、それを分数で把握していようが、百分率を使おうが、本質的な違いはない。端数が重要な局面でもない限り、自分にとって慣れてる方を使えばいいだけの話である。
 
 そう、要は慣れの問題である。私が「何でそんな面倒なことを」と感じた理由はここにある。私は2D6(6面ダイスを2個振ること)の結果について、「かなり正確な」直感的判断が可能である。この記事に出てくる「もちろん7以下の方が命中率は高いが、5以下もさして変わらないだろう」なんて判断は、まず下さない。これは自信を持って言える。
 
 なんでそんな自信があるのかって?そりゃーアナタ、2D6使うゲームにものすごーく慣れているからだよ。その名も「超人ロック」(笑)。このゲームも基本2D6を使用するからね。確率分布は有利不利を判断する根拠だから、「よくわからない」じゃ済まされない。それこそ、脊髄反射レベルで把握出来なきゃ。
 
 そりゃあね、私も「5以下と7以下って、どれぐらい違うのか」をとっさに聞かれても困る。けど、「ライオットとロードレオンがジオイド弾を出す確率の違い」と置き換えれば、「そりゃ結構違うでしょ」って答えが自然と出てくる…って、ゲーム知らないと意味不明な話ですいませんね。私はその昔サルのようにこのゲームをプレイし、今も年に1回集まってこのゲームをプレイしている。この手の判断がおかしくなるなんて、まずあり得ない。もはや血肉のレベルだ。
 
 だから、私にとっては2D6の確率を「パーセンテージ把握」する必要なんて無い。直感と分数把握(さすがに計算することはある)を組み合わせれば有為な結果が導き出せるので。出したい目がアチコチ飛んでいる「Operation Typhoon」の戦闘結果表なんかになると「えーと…」って考えちゃうけど、より単純に「何以下」ってだけなら、アタマでなくカラダが覚えている。つーか、「超人ロック」を死ぬほどプレイすれば、誰だってその領域にまで勝手に達する。ASLだって、やっぱり「死ぬほど」プレイすればそうなるんじゃないかねえ。
 
 なのに、この記事の筆者は何故パーセンテージ把握なんぞ勧めるんだ?まあ理由はいくつか考えられる。たとえば「説明の都合」とか。フツーはゲーマーであっても「2D6の確率分布を、カラダで会得している」なんてことはない。そういう人間相手に説明しようと思ったら、「チャンとパーセンテージで把握しろよな」と言った方が早いと判断したのかも知れない。
 
 もっとも、一番ありがちなのは「最初にコレで覚えたので、それが習慣と化したから」ではないかと。私が直感的に「百分率なんて、面倒なだけ」と感じたのは、そういう習慣だからである。これは強固に染みついていて、今更変えようがない。その必要もないし。同じコトは、「最初にパーセンテージで把握し、それが強固に染みつき、変えようが無くなり、その必要性を感じない」人にも言えるはず。だからこそ、あんな強い調子でパーセンテージ把握をすすめているのでは。
 
 ちなみにだ。この推測には根拠が一応ある。「確率早見表をコピーして、手元に置いておくとよいだろう。」って記述だ。自分が似たようなことやって数字を「覚えた」ので、他人にも勧めているんじゃないかなあ。私のように「考えるな、感じるんだ」って会得方法とどちらがいいのかは…まあ、百分率を使用するかどうかはともかく、数字で覚えた方が早いとは思う(苦笑)。
 
 私はASLは詳しくない(全くわからないに近い)ので、この記事全体の評価はよくわからない。少なくともここで述べる話じゃないでしょ。ただ、話が「6面ダイス2個振った場合の結果」についてなら、私も相当なベテランである。他人にとってオススメできるかどうかはともかく、私なりの「確率把握のノウハウ」があり、それを変える気はない。だから、私はこのくだりに関してだけは、この記事を鼻先で笑い飛ばす権利があると思うな。私には心底必要がないから。「どちらが正しいか」って問題ではない。誰が何と言おうと、私にとって正しいのは私なのだ。大切なのはコレだからね。
 
 まあ強いて心配するなら、ASLってのはベテランがゴロゴロしている。つーことは、この記事に「ついて行ける」人間のうちかなりの割合が、「2D6振った回数なら負けないぜ」ってな人間じゃないかと。そんな人間にしてみれば、2D6の結果をパーセンテージで把握すべき…なんて見解はハナで笑うモノじゃないかな。「常識だそんなもの」となるか、私同様「そのやり方をする必然性はドコに?」となるかはともかく。中~上級者向けとなっているだけに、余計心配しちゃいますね。なにせ、ASL関連は「お説ごもっとも」以外何も言いようがないはずの私でさえ、何か書きたくなったぐらいだから。
 
 最後に、私のように2D6の確率を「感じる」ようになるためには、どれぐらいダイスを振ればいいのか紹介しよう。ずばり、「超人ロック」百回プレイ。このゲームを知ってから3ヶ月弱で達成したのかな(笑)。学生時代にあった膨大なヒマのうち、相当な割合をこれに突っ込んだからねえ。そうやって「ESPエネルギーの奔流が渦巻く戦場」で覚えたものにケチつけられたんだもの、反発してもいいよね(苦笑)。

8月28日2008/08/29 00:26

色々煮詰まってタイヘンだったので、本日はコレまで。 (注:昨日のコメントや原稿だけじゃなくて、色々ね)

8月29日2008/08/30 03:32

 まだ煮詰まっているんですけど。ブツブツブツ…つーわけで、今回は軽く。
 
 検索サイトのGoogleが打ち出した新サービス、「Google Street View」(以下「ストビュー」)を試してみた。いやあ、色んな意味でなんか後味悪いわあ…
 
 いやね、私はこのサービス自体に反対でも賛成でもない。色々意見があるのは聞いているけど、「まあ、地図の一種としては悪くないんじゃない?」ぐらいに考えていた。
 
 ただまあ、実際「細かく」使ってみると…見えすぎてプライバシーがどうこうってんでなく、なんか独特の違和感がある。たとえて言うなら、縄張りを荒らされたって感じかねえ。
 
 TVやら新聞・雑誌なんかで「自分が良く知ってる場所」が紹介されたりすると、なんか意味もなく嬉しかったりするもの。最初は似たような感覚が味わえる。けどねえ。しばらく使っていると、逆にイヤ~な感じがしてくるんですよ。「ここまで写すか」って感じで。まさに「縄張りを荒らされている」感覚かな。見ててげっそりしてきた。でも、ついつい色々見ちゃったけど…
 
 Google曰く、「現代社会にプライバシーなんてない」そうだけど、理屈はともかく、感覚的になんか納得しがたい気が。理屈じゃなく、自分の中の「ホモサピエンスって動物が持つ感覚」にケンカ売られているような感じがする。自分が写って無くても、なんか「見張られている」気がして仕方ない。ものすごーくイライラしてきます。まあ、これはあくまで私の感想であり、使い方によっては便利なのかなって気もするけど。
 
 ちなみにだ。ピンポイントで「この辺」って選んで見ただけなら、まだ我慢できる。知っている通りをドンドン進むような感じで見てゆくと、だんだんイヤ~な感覚が強まってくるようだ。太い道なら「明らかに車道から見た風景」(クルマ使って撮影しているようなので)なのでまだ落ち着いていられるけど、細い道だと露骨に「いつも見ている風景」に近いだけに、イライラ感が強まります。
 
 具体的にドコ見たのかって?まあ色々と。まずWINS後楽園~秋葉原(私の主要散歩道)と観察してゲッソリしたので、つい気になって色々見ちゃいました。なんか、「あっちもコッチも荒らされてる」のを確認したような気が…
 
 この感覚は、もうどーしよーもないんだろうなあ。別に我慢できないほどじゃないからいいけどさあ。ピンポイントでどうこうって話じゃないので、サービス停止以外に解決策はない。Googleって会社のことだから、多分サービス停止なんてしない。ま、この先範囲をどれだけ広げても、今以上に「困る」場所が増えるワケじゃないからいいんだけど。
 
 東京及びその近郊にお住まいの方、及びその他サービス範囲に入っている方(思ったより範囲が広い)、ためしに自分の家から最寄り駅まで連続して確認してみな。自宅ピンポイントも問題かもしれないけど、それとはちょっと違った「イヤな感じ」が味わえると思うんだけど。それとも、こう感じるのは私だけ?