10月19日2007/10/20 05:53

 気がついたら?この色のネタをやってない。いけませんね~。よって、先日仕入れたネタに基づいて、「香港におけるメイド喫茶に関する考察」でもぶちかまそう。
 
 日本はもちろん、実は東アジアに増殖中のメイド喫茶。台湾・バンコクなどに実在すると聞いているからねえ。この先どうなるのかはともかく、ある程度流行っているようだ。
 
 何でそんなものが…と思うのは、ある意味認識不足。「日本のサブカルチャー」(ヲタク文化と限らないのがミソ)ってものは、結構影響力が大きいのだ。特に地理的に日本と近く、民族的にも近いモノがある東アジアにおいては。「ローマがギリシア文化の影響を受けた」だの、「フランス文化はイタリアの模倣を母体としてる」だのといったコトと本質的に変わらない現象だな。
 
 香港もまた日本のサブカルチャーの影響は濃い。なにせTVでフツーに日本の番組が流れるくらいだ。ましてやヲタク文化に至っては…向こうのコンシューマーゲーム事情だのマンガ・アニメ事情などはスゴいよ~。私はさほど詳しくなかったりするんだけど、知り合いに専門家(笑)がいるので色々と話は仕入れているんだな。
 
 そうなると、香港にも当然メイド喫茶があっても…と思うのがむしろ当然である。日本でこれだけ流行ったんだから、影響受けない方がむしろオカシイ。にもかかわらず、今現在香港にメイド喫茶は確認されていない。話題のインパクト考えれば、あれば私の耳には届いても不思議はないのに。
 
 実を言えば、これはわかる気がする。香港故の特殊事情があるからだ。実を言えば、香港は「ホンモノの」メイドがうじゃうじゃいるのである!なにせ元英国植民地、英国文化の影響ってのはそれなりに残っている。メイドってのもその一環だろう。おまけに経済力もそこそこあるので、メイド雇うだけの経済的余裕がある奴が多い。メイド喫茶はないけど、実は香港はメイド天国なのだ。
 
 それは素晴らしい、じゃあ向こうへ行って…と思ったアナタ、ちょっと待って欲しい。向こうにいるのは、「ホンモノの」メイド。使用人としてのメイドだ。その大半はフィリピン辺りのオバチャンだったりする。日本における「間違った」メイド観を持っている人間は「何じゃそりゃ!」と思うかも知れないけど、実のところコッチの方が正しい姿である。
 
 メイドって結局使用人だから、フィリピーナってのはわかる。けど、何でオバチャン…ここは香港の個別事情が絡む。香港におけるメイドってのは、ものすごーく一般的存在だ。それこそ、日本で言うところの中流家庭がフツーに雇っている。向こうは日本より共働きの割合が多いそうなので、家事・子守をメイドにやらせるのはフツーのことだったりするのだ。さて問題です。「子供はそのうち」と思ってる共働き夫婦2人暮らしの家があります。この夫婦がメイドを雇おうとしました。若いネーチャンとオバチャン、どっちを採用すると思いますか?コレは間違いなくオバチャンでしょ。どこをどう考えても「浮気の種」になりそうな若いネーチャンを雇うことに賛成する奥さんなんて、いるわけない。
 
 「メイドが若いネーチャン」ってのは、実を言えば「女は家庭にいるモノ」って時代の概念である。家には奥様を筆頭に執事・庭師・運転手…って人間が山ほどいて監視してるから、まあ普通は浮気相手にならない(あくまでタテマエ。「お手つき」はたまにあったらしい)し、そもそもメイドってのは「使用人人生」のふりだしだからだ。男性使用人の場合、単なる使い走りに始まって執事か従者に終わる…って人生設計があるわけだけど、女性の場合はメイドに始まり、位が上がる前に結婚でドロップアウトするのが一般的だって話。家事が一部機械化され、「結婚していても働くことができる」って世の中では、むしろオバチャンを雇う方が「自然な流れ」ではないかと。
 
 こんな香港でメイド喫茶ってのは、確かに少し無理がある。「メイド=オバチャン」という「正しい固定概念」があってはねえ。幻想をはぎ取って考えれば、メイドなんてそーゆーものでしょ。メイド喫茶がもてはやされるのは、あそこにいるメイドが「異文化に対するカン違いの産物」だからなのだ。その意味で、メイド喫茶に「萌え~」などとヌカしてる奴だけでなく、「そーゆーものに入れ込むなんて…」と小馬鹿にしてる奴も含め、「日本には今でもニンジャがいるんだろ?」などと真顔で言ってくる外国人と同列だったりする(苦笑)。
 
 そーゆーわけで、香港には未来永劫メイド喫茶なんてできない…と言っていいのかは疑問かな。私は「工夫次第では」立派に成立すると思う。日本のメイド喫茶にいるメイドは、確かに「ニセモノ」だ。しかし、それはあくまで「メイド本来の用途を考えた」場合の話である。メイド喫茶に必要とされているのは、ホンモノのメイドではない。言ってみれば「和風のメイド」こそが必要とされているのだ。そして、こういうモノは「メイドの本場」香港であっても、需要はあると推測される。
 
 香港ならば、良いモノはニセモノであっても受け入れられるはずである。良い例がラーメンではないかな。日本のラーメンってのは、本場のそれとは完全に別の食い物である。こんなラーメンを、香港人は「日式拉麺」として楽しんでいる。外国風にアレンジされた和食に抵抗感が強い(わかる気はするけど…)日本とはそこが違う。そんな連中なら、周囲に「ホンモノの」メイドが山ほどいたからって、「和風メイド」ってモノを認めるんじゃないかなあ。
 
 ただ…「メイド喫茶にいるのは、普通のメイドじゃなく和風メイドだ」ってことを上手くアピールするのは大変だと思う。「ホンモノのメイドとの差別化を打ち出す」なんて、真剣に考えたことある奴いるのか?さらに、現地民の好み・流行なども無視できない。日本と香港のサブカル両方に相当通じている奴がプロデュースしないと駄目なんじゃないかな。少なくとも、「日本でウケたんだから、香港でもウケそうだ」って気持ちだけで開店してもやっていけないような…だからこそ香港にはメイド喫茶がないんでしょ。
 
 もっとも、香港には「逸材」がゴロゴロしているんじゃないかと思う。「和風メイドをいかにして香港に持ち込むか」という難題に対しても、いずれ答えを出せるんじゃないかな。それに、「輸出する」日本側だって逸材はいるでしょ。それを思えば、いずれ香港にもメイド喫茶は出来るんじゃないかと。日本におけるメイド喫茶は単なる流行ではなく、どうもある程度定着しそうな勢いだからねえ。私は実は認めたくない(純メイドにこそ萌えるから)けど、「和風メイド」はホンモノっぽいので。
 
 なお、日本における「逸材」の話だけど…私は違うよ?純メイド党だから「和風メイド」に対する理解は乏しいし、香港サブカルにだってそれほど詳しくないし。そもそも、私より適任だって奴を特定可能な気がするんだけど、気のせいかな。私個人としては「ホンモノのメイド天国であるはずの香港にあるメイド喫茶」なるものは見てみたい気がするので、誰かさんには頑張ってもらいたい(笑)。

コメント

_ たくさま。 ― 2007/10/21 00:03

香港のゲーム・漫画事情の専門家とか香港でメイド喫茶云々のところって誰かさんとは一体誰のことでしょうか? 私にはよくわからないのですが・・・(笑)。


さて私の意見ですが、「香港でメイド喫茶」は無理の一言ですね。
香港のメイドと日本製のメイドとの差別化は難しいですよ。
というか風俗という面から考えるとエロがないメイド喫茶よりエロもあるマカオの夜総会を選んでしまうはずですから。また中国へ行ってしまう可能性も。
では喫茶店という面から考えるとこれまた差別化が難しいわけで。 茶餐廳という飲食何でもござれのとてつもない店がウジャウジャあるわけで。飲食物の数で負けてはいられないし。
その点を見ると、やっぱり無理だと思うのですよね。


台湾と香港での日本のサブカルの浸透具合はほぼ同じです。ただ台湾ではおおっぴらにエロが出来なくて、香港では可能。そこの違いが大きいのではないでしょうか。


多分タイのメイド喫茶のある1店(すでに閉店)がメイドの数を減らして喫茶コーナーを縮小したのと同じ理由が被るような気がします。「エロ」という部分で。


私の意見としては香港にメイド喫茶より日本に中国人のためのメイド喫茶を作った方が早いような。
それは冗談として、コスプレヤーは香港にもいるし、第2外国語を日本語としている大学生もいます。日本のアニメがネットを通じて簡単に行き来していて、字幕無しに見ています。
そこがポイントになるかもしれませんね。つまりはメイド喫茶は無理だけど、
「コスプレ喫茶」
ならありかもしれませんね。そのかわり毎日衣装を変更させて創意工夫をしないといけませんが。
多分長続きはしないだろうけど・・・じゃあ意味ないじゃん。
流行に敏感ですぐに新しい物へ流れる香港人を相手にするのは難しいのではないでしょうか。


とりあえずツッコミ不要ということで。そのうちまた飲みながら話しましょう。

_ F男 ― 2007/10/22 21:59

>誰のことでしょうか?
さて、誰のことでしょうねえ。

諸般の事情を考えると、香港でメイド喫茶ってのはかなーり難しいでしょうね。ただ、そこでメゲてはいかんのですよ!志は高くないと!(笑)

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