2月28日2007/03/01 02:32

 「新雑誌を読んでみよう」キャンペーンは停滞中。いやね、物理的に苦しいことが判明したモノで。予定のモノを全部買い、さらにいつもの雑誌も買うと、持ち帰るのが大変なんですけど。ま、少しずつ消化はしているんだけど。
 
 本日のネタはこれとは無関係に、競馬ネタ。何でも、日本ダービーはGIじゃなくなるかもしれないとか。これは競馬ファンにとってはかなりデカいニュースだと思うので、多数ネタ承知の上で語っておこうかと。
 
 日本ダービーがGIじゃなくなる?何で?そりゃあ興行のこと考えたら、JRAがそんな自殺行為をやるわけない。問題は今年達成した「パートI国入り」である。これにより、名目上も日本は競馬一流国となった。それはいい。けど、「だったら国内馬限定レースにGIなんて称号付けるな」ってイチャモンが入ったのだ。国際社会(正確には国際セリ名簿基準委員会)から。
 
 日本はパートI国入りしたとはいえ、実は全グレードレース(いわゆる重賞)が国際グレードを獲得したワケではない。外国馬に出走枠を用意したレース(結構多い。活用されるかどうかはともかく)だけである。内国産馬保護を目的として外国馬に解放しなかったレースはことごとく駄目。それが当たり前なんだけどね。
 
 問題なのは、この「解放しなかった」レースに日本ダービーが含まれていること。それどころか、クラシック(桜花賞・皐月賞・オークス・ダービー・菊花賞)全滅である。これらは国際解放する予定がないので、認定される見込みなんてありゃしない。大ピンチである。さてどうするJRA。
 
 実はこの問題、とっくの昔にわかっていたことである。今までは二流国扱いされていたので、国内にだけ通用する基準でレースの格を決めても、誰も文句言わなかった。けど、これからは違う。一流国の仲間入りをしちゃったのだ。それに伴う責任ってモノを考えれば、こういう指摘を受けるのは当然ではないかと。
 
 私に言わせれば、この問題に「いい解決策」なんてありゃしない。次の3つのうちいずれかを受け入れるしかないと思われる。すなわち、1)日本ダービーはローカルなレースだと認める、2)内国産馬保護を諦め、日本ダービーを外国馬に解放する、3)今更ではあるけど、パートI国入りを返上する、である。どれも厳しいって?そりゃそーだ。けど、世の中ってのはそーゆーものでしょ。
 
 この3つのうち、どれを採用するべきか?私の推奨度は書いた順である。常日頃からこういう問題があるってコトは知っていたので、結論出すのは簡単である。むしろ「寝耳に水」みたいな論調の新聞に対し、「わかっていたくせに、白々しい」って言いたいくらいだ。まあ、私の見解が一般の理解を得るかどうかは別問題なんだけど。
 
 実は世間が求めそうな解決策は、「そうなるんだったら、パートI国入りなんて称号はいらない」じゃないかと。ごく普通の競馬ファンにしてみれば、メリットがよくわからないのにデメリットはデッカイからねえ。日本のパートI国入りなんて、「JRAの自己満足に過ぎない」って意見があるくらいだし。
 
 けど、他の誰が何を言おうとも、私だけはそれを認めるわけにはいかない。日本がパートI入りしたのは、JRAの各種働きかけのおかげだってのは認める。JRAの都合と努力で獲得したモノを、JRAの都合で返上するのは勝手じゃないか?って言いたくなる気持ちもわかる。けど、そうした「国内事情」だけで日本がパートI国入りしたワケじゃないでしょ。
 
 私に言わせると、パートI国返上は、日本馬の海外遠征全てにミソをつけるようなものである。その昔は、「日本馬?しょせんローカルな存在でしょ?」と言われても全く反論できなかったのだ。日本のパートI国入りは、果敢に海外へ挑戦してきた日本馬があってこその称号だ。それを応援すべく何度も現地に出掛けた私にしてみれば、絶対認められない。軽々しく「返上しちゃいましょう。それじゃ海外からナメられる?別にいいじゃん」なんて言えちゃうようなら、あの日フジヤマケンザン様があれだけ頑張ったのは何だったんだ。
 
 ダービーを外国馬に解放するってのは、決して悪いことではないと思う。どーせ挑戦してくる馬なんてそんなにいるわけないし、出たからって簡単に勝てるようなレベルのレースじゃないでしょ。とはいえ、来るからにはそれなりに勝算あってのことだろうから、レース自体は面白くなるだろうし。
 
 けど、色々と痛手を受けてる生産者の心情なんかを考えると、手放しで賛成しにくいのも事実かなあ。それに、贅沢かも知れないけど、日本ダービー馬ってのは「自分が良く知ってる」馬の中から出て欲しい。ウイナーズサークルで誇らしげにしてる馬を見て、過去その馬に負けた連中(ダービーより前に戦った連中も含む)の姿が山のように思い浮かぶ(大抵、外れた馬券とセットになって)からこそ、ダービーは美しいと思うので。
 
 というわけで、私のイチオシは「ダービーをローカルレースだと認める」ことである。そんなもの認めたら、興行的にマイナスになるのは間違いない。「GIだから」って理由だけで馬券買ってる奴は少なくないと思うので。こういう称号を失う意味は、私にもよくわかる。
 
 それでも私がこれを推す理由は単純。「日本ダービーは日本ダービーだから偉大なのであって、GIだから偉大なのではない」と思うから。競馬やる人間にとって、やっぱりダービーってのは特別なレースだ。別にGIって称号がなくなったって、やっぱりダービー馬は偉大だと思う。「GIじゃないダービーなんて…」などとヌカすような奴がいたら、「お前は競馬の何を見てるんだ」と言いたいね。GIであろうがなかろうが、日本ダービーは日本ダービー。これを「偉大なレース」と呼ぶか「しょせんローカルレース」と呼ぶかは勝手だけど、それはGIなんて称号と直接は関係ないでしょ。
 
 とか言いつつ、私もGIって称号には弱い。私が観に行ったレースは大レースばかりなんだし。けど、日本馬が参加するようなレースってのはそんなのばっかりだから、仕方ないでしょ。思えば、「大レースだから」って理由で観に行ったのは、本当ならなかなか行けない時期にやってるドバイだけ。後は「日本馬が行くから」とか、「原居民様が行くから」とか、「モンジューに復讐するチャンスだから」といった、それ以外の動機がメインだった気がするなあ。GIかどうかは大切かも知れないけれど、別に一番大切ってワケではない。それが私の意見かな。
 
 そりゃあ確かに、ダービーがGIじゃなくなったら寂しい。けど、それで即座にレースのレベルが下がるワケじゃない以上、「されど日本ダービーは変わらず」と、堂々としてりゃいいと思うな。ダービーを勝った馬が「日本を代表する名馬」であることに変わりはないんだから。「日本馬を信じる」ってのは、そーゆーことじゃないのかね。
 
 なお、このニュースを報道したサンスポは、「七冠馬ディープインパクトも二冠馬扱いされてしまう!」と騒いでいたけど、そりゃあ勧告前からの話であり、すでに確定してる。パートII国のローカルGIレースなんて、しょせんその程度にしか扱われてないんだから。それを間違ってると言いたいのなら、色々と手順踏んで代償払わないと。
 
 実際にJRAがどう対応するのか、競馬関係者や私以外のファンがどう騒ぐのかはわからない。結果として私が「論外だ!」と決めつけた「パートI国落ち」を選ぶ可能性もある。けど、その程度じゃ日本競馬を見捨てられないね。私にはその程度の覚悟はあるから。この問題はいずれにせよ「シャレじゃ済まない痛み」を伴いそうなので、いずれにせよ覚悟を決める必要があるんじゃないかな。少なくとも、「外国で使っちゃイケナイ金まで日本馬に突っ込んで丸損して、それでも日本馬の応援を止めない」程度には。いやマジに。

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