2月23日2007/02/24 03:02

 本日の話題は珍しく「メジャーな」話題、時事ネタでいきましょう。この6月を持って休刊が決定した月刊ジャンプについて…というより、このニュースをスクープと称して1面に持ってきた、夕刊フジについて語ろうかと。
 
 このニュース自体の感想は一言。「もったいない」である。いくら減ったとはいえ、40万部弱売れてる雑誌。本屋だけでなくコンビニでも普遍的に売られている雑誌であり、いきなり「休刊」する必然性は薄かったような。同じ発売日(毎月6日)には他に月刊マガジンと月刊チャンピオンが売ってたけど、月マガはともかく月チャンプよりは売れてたはずだし。
 
 ただ…正直言いましょう。私最近読んでませんでした。月マガと月チャンプはざっと読んでいた(立ち読みだけどってこと)のに。パワーが衰えていたのは確かかなあ。今の目玉連載何なのか、全くわからない。モノによると読んでなくても「目玉はコレ」ぐらいわかるってのに。もっとも私の好みはベラボーに偏っているので、あまり参考にはならない気もするけど。
 
 雑誌「休刊」に伴う感想ってのは、その昔週刊ファンファーレ休刊の際に語り尽くした気がするので、ここではあえて語らない。「その前にやることがあったはず」なんて言っても空しいだけだし。本来なら冒頭で「寂しいね」と語って終わりにするようなレベルの話…って予定だった。
 
 それが「本日のネタ」にまで昇格したのは、今日発売の夕刊フジが「スクープ」と称して1面にこのネタを持ってきたから。あのー、このネタってそこまでする価値あったんですかぁ?そりゃあ歴史と伝統はある雑誌だけどさあ。
 
 確かに、月ジャンは過去150万部ほど売れていたし、30年以上の歴史を誇る。けど、逆に言えばその程度。過去に「ご臨終」となった雑誌と比べて、特別大きな扱いをする必然性はあまり…そりゃあ私は一般人とはほど遠いところにいる人なので、ビッグニュースだとは思う。けど、1面に持ってくる価値があるニュースかと聞かれたら…週刊少年誌でさえ、その価値があるかどうかビミョーだね。
 
 まあ、夕刊フジは「夕刊タブロイド紙」である。ライバルが東スポ・ゲンダイ・デイリー辺りだってコトを考えれば、この際何を1面に持ってきても許される存在だとは思う。けど、「これをやるんだったら、もっと大きいネタがあっただろ」って気がするのも確か。大方の「このニュースで騒ぎそうな人間」にとっては米澤元コミケ代表逝去の方がニュースバリューが高かったはずであり、それを1面に持ってこなかった新聞が「スクープ」と称してこのネタを1面に持ってきてもねえ。
 
 これは、地味に「2007年問題」と関係があるのかもしれない。団塊世代の大量退職により、駅売り主体の夕刊タブロイド紙は存亡の危機にある。何とか下の世代に買ってもらえるようにしないと…って危機感があるのは間違いない。だから、普通ならもっと目立たない位置に来るはずのこの記事を1面に持ってきて、若い世代にアピールしてたんじゃないかと。普段買わないからよくわからないけど、これから夕刊フジはそーゆー路線を突っ走るつもりなのかもね。うまくいくとは思えないけど。
 
 ついでに言えば、記事の内容もちょっといただけない。良い悪いを論じる以前に、写真がこのネタと無関係の宮里藍。記事の分量も大したことはない。これだったら素直に「宮里藍、幻のアルバトロス」ってな見出しの方がウケたと思うんだけど。「それだったら買わなかった」ってバカは、オレぐらいだと思うし。
 
 ついでだから内容にもツッコミを。要は「最近苦しかった」ってことを訴えたいんだろうけど、比較対象が思いっきりヘン。対象として名前が出てきた雑誌は3つ。少年ガンガン・月刊マガジン・コロコロコミック。あのー、最後の雑誌は対象読者が相当違うと思うんですけど。ガンガンとの比較もスゴい。「致命傷になった」とかいう関係者のコメントを引用してるのはいい。けど、じゃあガンガンの発行部数はというと、最盛期で40万部程度…上り調子・下降線の違いがあるとはいえ、発行部数だけ比較したら変わらないじゃねえか。これでどこがどう致命傷なのか?明らかに説明不足だ。
 
 ウラの事情抜きで私なりの「解説」を加えておこう。ここ数年、月ジャンはヒロイックファンタジー系の作品に力を入れていたフシがある。この路線は確かに月マガよりガンガンの方と被る。そういう雑誌に「負けた」ってのは、今後何かと不利でしょ。おそらくはその辺も絡んで名前が出てきたんだと思うな。ま、それよりはウラ事情(作家・編集者の引き抜き絡みか?)の方がデカいのかもしれないけど。
 
 今の月ジャンが面白いかどうかは、読んでない私にはよくわからない。ただまあ、一定水準には達しているのは間違いないでしょ。そんな雑誌が休刊で、「なんじゃこりゃ」って記事を1面に持ってくる新聞が存続…別に「夕刊フジなんて潰れちまえ」とは思わない。新聞記事に文句言いたいのは、今に始まったコトじゃないわけで。ただ、なんか空しくなるのは仕方ないことかなあ。「優勝劣敗」って何だっけ…
 
 しかしまあ、これで片付けていてはいけない。私はヲタクなんだから。とりあえず予定を変更し、「新雑誌を読んでみようキャンペーン」対象に月刊ジャンプを含めることにした。現時点での連載陣が全員漫画家廃業するとは思えない以上、どこかで見かける可能性は高い。そんな日のために、「期待できるのか否か」を自分の目で確かめておきたいからね。もちろん、気に入った作品があった場合はその作家を追いかける。昔読んでた雑誌だけに、せめてこれぐらいはしないとね。それがヲタクって生き様だと思うな。