2月9日2007/02/10 03:44

 読者からカツ入れられちゃあ、気合い入れるしかないでしょ。「使っちゃイケナイエナジー」投入しまくりで行きますか!(おい)
 
 本日のお題は、某スポーツ新聞で評判の連載(らしい)である、「巨人軍再生」について語ってみようかと。私にとっては比較的どーでもいい話題ではあるんだけど、「ミスタースワローズ」若松元監督までもが語っているくらいだ。スワローズファンに過ぎない私が語っても、おかしくはないのでは。
 
 巨人軍再生…正直言って、これはお題からして間違っている。これが私の意見。「再生なんかしなくていい」って意味じゃない。「どーゆー状態のことを再生と呼ぶのか」をはっきりしないと、無意味だと思うから。なにせ、私が思うに「昔の巨人軍」は、絶対に再生不能だから。
 
 「昔の巨人軍」が再生不能なのは、何も「王・長嶋のような選手がいないから」とか、「強い巨人なんて時代遅れ」という意味ではない。どんなに強くなろうと、WBC日本代表以上の選手をかき集めようとも、王・長島級の選手を育成しようとも、結局昔の巨人ほどの人気は出ないと思うから。巨人がどうこうではなく、取り巻く環境が違いすぎる。
 
 何でそうなるのかって?巨人の人気には、重大な構造的欠陥があるってのが私の意見。巨人軍は「日本を代表する、全国区球団」なのに、争っているのが日本一だからだ。その昔ならいざ知らず、今の時代だとこの図式はキツいものがある。
 
 全国区球団が日本一を争うことの、どこがキツいのか?そこに「格上挑戦の美学」がない。コレに尽きる。日本を代表する球団なら、目指すのは世界一でなくてはいけない。反対に日本一を争うのなら、全国区球団でなく地方代表であるべきだ。巨人軍は構造的にこのどちらにも当てはまらない以上、今の時代だと限界があると思うんだな。
 
 まあ、これは言い過ぎかもしれない。よーく考えると「格上挑戦だと常に負け続けた馬」ディープインパクトがあれだけ人気を集めたんだから。この馬の場合、明白に格上挑戦と言えるのは「3歳の時に古馬に挑んだ」有馬記念と「海外に挑んだ」凱旋門賞(最近のJCは海外への挑戦とは言えない)だけじゃないの?無敗の三冠馬ってのは確かにスゴいんだけどね。
 
 格上挑戦の美学ってのは、人気が出るために不可欠な要素…じゃない。それは私も認めよう。問題は別のトコロにある。この図式を満たしていないと、「弱ければ見捨てられる」のだ。今の巨人ってのは、ちょうどこの図式にハマっている。だから人気が出ない。「巨人が凋落したのは弱いから」というのは、間違ってはいないけどコトの本質を突いていない。単に弱いだけが問題なのではなく、弱ければ簡単に見捨てられるトコロにも注目が必要じゃないかな。
 
 私は日本人だ。だから、やはり何だかんだ言って日本馬には相当甘い。「さすがにキツいだろ」と言いながら結局馬券買っちゃった例がどれだけあると?勝ち負けだけが問題じゃないのだ。勝てそうもないから・弱いから・どうせ馬券当たらないから…で見捨てられるようなら、そもそも海外遠征なんて行かないっつーの。
 
 「日本一を目指す地方代表」「世界を目指す日本代表」の強みはここにある。強い弱いは問題じゃない。強くても弱くても、「自分達を代表する存在」であることは否定できないのだ。必然的に、弱いからって見捨てることなどできやしない。他のチームは、「自分達のチーム」じゃないのだ。そんなものを応援する空しさは、その昔ついテンジンショウグンを見捨ててしまった私には、よーくわかる。
 
 大切なのは「オレらの代表」と思えるかどうかなので、別に地方代表・日本代表である必然性はない。けど、どう考えても有利だろ。地元だとか日本代表とかって付加価値なけりゃ、ドコの誰が弱い存在を応援するって?最下位ブッチギリのスワローズを応援し続けるとか、無名の香港馬を「オレの馬」呼ばわりするよーなバカが多数派とは思えないんですけど。
 
 ここまで書けば、巨人の問題点は明らかだろう。巨人ファン・アンチ巨人(これも「巨人の野球しか見てない」点は巨人ファンと変わらない)ってのは、結局強い巨人にしか興味がない層が主体である。そーゆーファンを取り込むことしか考えてこなかったし、安易に外部から選手獲ってきて「弱くても見捨てない」はずのファンにケンカ売るようなコトしてるし。それで弱けりゃ、客は入らない。
 
 そりゃあその昔はこれでも良かった。今より娯楽に乏しいから、「それでも」巨人を応援するしかなかったわけで。けど、今の娯楽多様化時代にこの図式は当てはまらない。時代が後戻りするとは思えない以上、何をどうやったって昔の「栄光の巨人軍」は戻ってこないってコトになる。この部分を勘違いしてる奴は少なくないと思うなあ。そもそも、「巨人再生」なる企画からしてこの勘違いの象徴のような…
 
 じゃあ巨人はどうするべきか?道は2つ。「弱くても見捨てないファンを大切にする」か、「とにかく弱くならない」かである。とりあえず、半端は駄目でしょ。前者を選ぶなら、まず「全国区球団」ってカンバンを降ろすことになるかな。簡単にチャンネル変えるコトができるTV越しのファンなんて、結局信用度が落ちるから。この辺は、身銭切ってるからTV越しでも本気度が高いギャンブルと比べ、不利な点だね。
 
 ただまあ、巨人の親会社は「全国区球団のカンバン」を降ろしにくい。となると、もう1つの道に走るのかなあ。とにかく良い選手はゼニ出して何でも獲る。メジャーほど名誉が得られない現状を考えれば、それをカネで補うためヤンキース並みの補強費をかける。さらに、育成は捨てる。そんなコトする必要がないから。ドラフトは完全ウエーバーにして、代償と称してFA期間を大幅に短縮するのが理想かな。お手本はヤンキースではなく、路線変更する前のレアルマドリード。WBC日本代表より強いチームを、本気で目指す。
 
 こんなんで客が戻るのか?さあ、正直何とも(苦笑)。私がこんな球団を応援することは絶対無いけど、「ディープインパクトよりフジヤマケンザンの方が偉大である」と信じている私のことだから、全く参考にならない。ただまあ、こんなことやられたら巨人以外の球団は相当厳しくなると思われるけど、それでも私はスワローズを見捨てることはないんじゃないかな。私にとって大切なのはそこだけだ。
 
 今の巨人の補強策は色々言われているけど、要は失敗してばかりだから文句言われているだけって気がするのも確か。だったら成功しまくればいい。それで喜ぶ奴は確実にいる。問題はそれが多数派なのかどうかでしょ。私が思うに、そーゆー奴は結構多いんじゃないかなあ。今は「補強は良くない」と言ってるクセに。
 
 昔の巨人の人気を考えれば、「昔は良かった」と言いたくなる気持ちはわかる。どうすれば昔に戻るのか…って考えたくなるのもわかる。けど、私が思うに、それは無理だ。今の巨人が目指すべきは、全く新しい「巨人軍」を作り上げるコトじゃないかな。それがいかなるものにせよ、今の巨人よりはマシだろう。けど、それはおそらく昔の巨人とは全く違う。「こんなの巨人じゃない」と思う層は確実に出る。ただ、それを恐れていたらずーっと「今の巨人」のままでしょ。私は正直「それもまたアリじゃないの?」とか思うけど。そう考えてゆくと、巨人再生最大のカギは、「昔の巨人を復活させよう」って考えを捨て去る勇気なのかもね。
 
 ただまあ…今年の巨人は、3位以内に入る可能性は高いんじゃない?だって投手コーチが尾花だから。去年いきなりってのは案の定無理だったけど、今年は結果が出始めても不思議じゃないような…正直、スワローズファンとしては怯えているんですけど。くそう、ドラゴンズとタイガースに陰りが見えないうちは、復活して欲しくないんだけどなあ…

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