12月9日2006/12/10 01:30

 またも香港競馬ネタ。だって、ビッグニュース飛び込んできたから。まず、フローラルペガサスの鞍上が、天才デットーリになったのだ。こ、これは!ひょっとしなくても期待持てってことですな!うおおお!
 
 天才デットーリについては、いちいち説明する必然性を感じない。ここでも何度か説明してるし。天才といえど馬の力がなけりゃ負けちゃうんだけど、それはあると信じる。ならば、もはやもらったも同然。下らないミスによる敗北はあり得ないんだから。
 
 ただ、天才は香港沙田は必ずしも得意ではない。私は「天才が人間に戻る唯一の競馬場」だと思っている。とはいえ、単に「馬の力を超えたレースはできない」ってだけで、凡人とは比べものにならない。たのもしいどころの騒ぎでは済まないでしょ。
 
 しかしだなあ。私も読みが浅いというか何というか。フローラルペガサスに天才が跨るって知っていたら、万難を排して香港に駆けつけたのに。つーか、パスポート持って空港すっ飛んでいって、正規運賃(バカ高い)払ってだなあ…ってことまで考えたくらいだ。さすがに無理だけどな。まあ仕方ない。当日は中山競馬場から、現地に影響が出るんじゃねえかって気合い込めて応援させてもらおう。
 
 とはいえ、やっぱり少し寂しいよ。天才は単に「乗った馬が勝つから」応援してるワケじゃねえ。とにかくひたすらにカッコイイってのもある。単に「天才が競馬場にいる」ってだけで、見物に行く価値があるほど。似たような存在としてF1ドライバーがいるけど、私はシューマッハより天才の方が「観ていて楽しい」と思うね。日本のTVスタッフはその辺理解してない連中が多いから、仮に勝ってもフライングディスマウント(デットーリジャンプ)写してくれないんじゃないかと。それは違うでしょ!武豊なんてどーでもいいんだ!(おい)
 
 こういう「観てるだけで絵になる」騎手ってのは、貴重ですね。日本はもちろん、世界中見渡しても数少ないと思うな。まあ、応援心理なんかも入るので、人によって対象は異なるだろうけど。日本では…その1人に含めてきた、大西騎手が引退するそうな。
 
 大西には大西の都合ってものがあり、それに口を挟むつもりはない。けど、「何でだよ」って気持ちはしますねえ。まだやれると思うだけに。ただ大西の場合、なまじ「その昔」を知ってるだけに、多少勝てなくなっても「だからどーした」って気がして終わり、ってのも事実。冷静に考えると、確かに多少厳しくなってきたのかなあ。
 
 大西は日本の騎手だけに、各種エピソードはどこかで語られていそうなものだ。案外ファンは多かったって説はあるし。ただ…大西に関しては、「誰が何と言おうと支持する!」という、無意味にアツい一部団体が人気を盛り上げた側面はあるねえ。私も含まれる。
 
 今でも忘れられないのは、大西が200勝した時だね。調子こいて大西コールなるモノをぶちかましたところ、翌週TVで「200勝おめでとうございます。感想は?」と聞かれ、「恥ずかしかったです」ときたもんだ。おいおい。コッチも恥ずかしかったんですけど。
 
 また、大西騎手は「福島じゃ大人気」ってことになっていた。まあ「福島にいるダービージョッキー」は少し珍しいから、わかる気はするんだけど…ただ、そう評価されるに至った理由が、「毎年福島に出没して、とにかくアツい声援を送る」謎の集団と無関係であったかは、少し疑問かなあ。そうでなけりゃ、私が見ず知らずの人間から「大西のファンだ」などと的確な指摘をされるとは…
 
 そんな地味なジョッキー大西が、サニーブライアンとの出会いによって注目を浴び、今に至るまで現役を続ける…これはスゴいことですよ。普通「勝てない」ジョッキーなんて、サッサと引退しちゃうからね。「いつ引退しても不思議はなかった」って印象があっただけに、逆に引退って聞くと「何で?」って気がしますねえ。しみじみ。
 
 競馬やってて何が嬉しいって、「自分が見つけた、気になる奴」が、本当に強くなることでしょ。これは人でも馬でも。大半は哀しいことに弱いまんまなんだけど、それだけに強くなってくれた時は嬉しいんだよ。流行に乗って、「強い奴を応援する」ことしか知らない奴には、決して理解できない感情だね。
 
 フローラルペガサスも大西も、「私が目を付けた」存在。それがここまで来たってのは、とても嬉しいね。片やこれからの馬、片や引退してゆくジョッキーだけど、共通点はあるんだよ。ここは万感の思いを込めて、ありがとうとだけ言っておこう。