9月21日2006/09/22 01:26

 本日は新司法試験の合格発表日。色んな立場から言いたいことがいーっぱいあるんだけど、下手すると守秘義務に引っかかりそうなのでパス。
 
 その代わりと言っては何だけど、本日の出来事を1つ報告しようかと。元地検特捜部勤務の某先生が、本日の情報を求めて私の仕事場に現れたので、つい「先日、某タブロイド新聞に掲載されていました」と報告してしまいました。
 
 その新聞記事ってのが、褒めていたんなら胸を張って報告できる。けど、叩かれていたんだな。ま、それがその新聞の存在価値だから仕方ないけど。ただまあ、「悪人を弁護するのはけしからん」などという、しょーもない理由で叩いていた。先生も、深くは気にされてなかったようだ。
 
 刑事弁護士ってのは、ある意味冷たい目で見られている仕事である。悪人の肩を持つってのが「仕事」だから。ただまあ、悪人だからって何やってもいいってのは、時代劇だけの話。実際問題としては、どんな悪人にも弁護士は必要でしょ。
 
 実際、警察だの検察だのが「暴走」した例は少なくない。その辺ちゃんと歯止めをかけてくれないと、それこそいつ逮捕されても文句は言えない。ごくつまらんコトも含めて「何もやってない」と公言できる人間がどれだけいると?さらに冤罪のことも考えれば、刑事弁護士って職業は大切だ。
 
 ただまあ、刑事弁護士の仕事の大半が「悪人を弁護してる」ってのも事実。それに、正直「それはどうなの?」って弁護方針を採用する奴がいるのも確か。ただまあ、これは簡単に答えを出せる問題ではない。私は世間一般の人の中では多少法律に詳しいハズだけど、しょせん三流大法学部の落ちこぼれ。そんな奴の意見なんて、尊重に値しないと思っている。
 
 余談だけど、私が「裁判員制度に信念を持って反対している」のは、裁判にシロートの見解を持ち込むことに反対だからだ。判例や学説はおろか、六法すらろくすっぽ読んだこと無い奴(当然私も含む)が、裁判に立ち会って何するっての?「修行不足でした。出直してきます。」とは言えないんだから。世間で言うように、「トーシロが深く考えずロクでもない結論を出す」ことを心配しているワケではない。深く考えて真面目に向き合ったところで、裁判を混乱させる以上のことができないのでは?っていうことだ。
 
 閑話休題。たとえ悪人でも、弁護される権利はある。ましてや特捜に逮捕されたなんてコトになれば、「とにかくいい弁護士を」って考えるのは当然でしょ。それどころか、可能な限りそうして欲しい。特捜部に「暴走」なんてされたら、大変なんてモノじゃ済まないからね。巨悪を捕まえるのが仕事って部署なだけに、言ってみれば劇薬みたいなモノだから。ちょっと使い方間違えただけで大変なことになる。
 
 そんな特捜部と渡り合うってコトを考えた場合、相手の手の内を知ってる「元特捜部」って弁護士に頼むのは、悪いコトじゃないと思う。つーか、ドコが悪い?悪名高い「天下り」と共通点があるのは認める。けど、一緒にはできないと思うな。少なくとも私はそう思う。
 
 またこの先生、「教師」として見た場合もいい先生だと思うな。「雰囲気」は相当なモノだけど、別に近寄りがたいってワケじゃないし、熱心だし。授業受けたワケではないけど、その辺は何となくわかる。真面目な話、カネ払ってでも教わってみたい先生だなあ。ま、私の学力じゃひっくり返っても無理だけど。また、私がもし特捜部に検挙されるようなコトがあった場合、是非弁護していただきたいものだ。罪を軽くしてくれるとはカケラも思わないけど、不必要な罪は背負わされずに済みそうな気がする。そーゆー判決を引き出すのが弁護士の仕事だと思うんだけど、どうかね。
 
 また、私のしょーもない報告に対する切り返しも秀逸だった。「今度は研究とか、そういうことで新聞に載りたいものだな」ときたもんだ。「粋」ってのは、こーゆー台詞のことを言うんだと思うな。正直、私のよーな派遣社員に使うには、もったいないぐらいだ。私も心底そういう記事が読みたいなあ。そして「読みました」って報告して、「読んでくれたか。有り難う。」とでも言われてみたいものですよ。
 
 ただこの先生、ちょっと…どころじゃく「おっかない」存在でもある。いやまあ、そりゃそーでしょ。あの****(←超ド級有名人)を捕まえた人だからねえ。生徒が提出したレポートを整理してお渡しする時、「む、今回は未提出者が多いな」って言われただけでコッチがビビる。別に私は悪くないのにね。そんな方だけに…まさか今日の話題、報告するバカとかいないよな。「なんか好き放題書いてるみたいじゃないか」なんて言われたら…えーと、侮辱罪って最長何年喰らい込むんだっけ?いや名誉毀損か?