9月2日2006/09/03 04:10

 バスケ米国代表が敗退…いやね、最近は五輪でも優勝してないわけで、別に不思議と言うほどではない。でも、「今回こそは勝てるチーム」などと言っててこれかい。いい機会なので、苦言でも述べようかと。
 
 米国はスポーツ大国である。とにかく何でも盛んだし、動いてるゼニは桁が違う。五輪でもメダルは取りたい放題に近い。でも…最近何かしら「オカシイ」気がするのも事実。
 
 その象徴が「米国4大スポーツ」の、国際大会での不調かな。まずは野球。WBCで何が起きたのか、みんな覚えてるでしょ。次いでバスケ。冒頭で述べたとおり。アイスホッケーは冬季五輪でボロクソ。いくら「本場」はカナダって話があるからって…アメフトはそもそも国際大会がない。やるまでもなく米国が最強だろうけど、これは「米国以外じゃロクにやってない」スポーツ筆頭だからなあ。ちなみに、日本が世界で2番目って説があるんだけど、NFLに日本人選手はいない。そんなもんだ。
 
 ちなみに、競馬ははっきりと「弱くなった」と言っていい。芝じゃ国内ですら相当怪しいレベル。さすがにダートでは世界最強だと思うけど、日本やドバイに遠征すると信用度が落ちる。国内の主要なダートレースで外国の馬にヤラれまくる日がやってきても、別に不思議ではない。
 
 まあね、言い訳はわかる。要は国内の所属チームこそが重要なんであって、国際大会なんて「お遊び」だと。メジャーがWBCにあまり協力的でなかったのは有名だし、バスケも有力選手辞退しまくりだったようだ。国内で動いてるカネの大きさを考えれば、それも一理ある気がしてくる。
 
 ただ…この理屈は、伝え聞く「ヤンキー魂」とはかけ離れた理屈ではないかと。ヤンキーが「アメリカ代表」ってモノに魅力を感じないのはどうなのよ。いつからアメリカってのはそんな「軽い」存在になったんだ?
 
 欧州のサッカー代表と比較してみるといい。そりゃー「代表チームより強い」と豪語しているチームがいくつかあるのは事実。でも、だからって代表選手が露骨に「チーム優先」などと言ってる国はない。国がビンボーで代表選手のレベルにバラツキが多い、アフリカや東欧なんかの代表でその手の内紛が起きてるくらい。選手のモチベーションは、基本的にモーレツに高いでしょ。
 
 ましてやアメリカである。アメリカって国は元々寄せ集め集団なので、国家に対する意識は高いとされている。そのはずなのに、スポーツになるとモチベーション低下…これはいったいどーしたものかね。
 
 こうした「代表なんかのために戦えない」って姿勢は、米国って国にとって露骨にマイナスだと思う。強い弱いの問題じゃない。弱くても、「国のために戦えて嬉しい」って姿勢を示せないことが問題なのだ。だってそうでしょ。スポーツの代表選手が「国のために戦うなんて馬鹿馬鹿しい」って姿勢示していたら、兵隊さんだってそう考えちゃう危険があるんだから。
 
 私が見たところ、米国代表って存在は、「ハングリー精神」に欠けてるところがあるような気がする。日本だとハングリー精神ってのは「恵まれてると消えちゃうモノ」らしいけど、そんな単純なモノじゃない。それを承知で言うんだけど、なんかどっかで「負けてもいいや」って甘ったれた思いがあるような。本当は良くないんだけど。
 
 これは私の想像だけど、米国は今「勝ちたい」って気持ちより、「負けたくない」って気持ちの方が強いんじゃなかろーか。負けないための最良の方法は、勝負しないこと。代表チームが編成されても、「アレは本気じゃないから」で片付けて勝負を回避しちゃえば、負けても悔しくない。私はこーゆー考えは大嫌いだけどね。
 
 アメリカ代表がこうなっちゃったのは、いつ頃からか。うーん…少なくとも冷戦直後までは気合い入っていたと思うんだけどな。そもそもバスケの米国代表は、いつぞやの五輪でソ連代表に負けちゃったので、「気合い入れて編成された」はずなんだけどなあ。ドリームチームIのスゴさは今でも語りぐさになってるわけだし。あれからそんなに月日が経ったとは思えないんだけど…
 
 今現在及び近い将来だけ考えるなら、米国代表の弱さは「そんなものだ」で終わりにしていい。けどその先は…どーなっちゃうのかなー?って気がするのは事実。下手すると政治・経済にまで影響が出てくるかもね。代表ってのは何だかんだ言って「国の鏡」でもあるから。ま、日本人としては、他国の代表がどうこう言う以前に日本代表を何とかしなくちゃイケナイんだけどね。