8月10日2006/08/11 05:42

 明日からコミケ。色々と大変である。今回は70回目だそうな。もうそんなにやってるのか…なんか墓穴掘りそうなので、深く考えないようにしよう。
 
 前回触れ方が甘かったので、本日はロンドン水族館を軸に、「動物園・水族館」の魅力について語ろう。メインの目的が「馬しかいない動物園」だったんだし(笑)。
 
 このネタ、本当なら「好きな人」に個別に話して終わり…って扱いのはず。なのにいちいち採り上げたのは、先日まで売ってたニューズウイーク日本語版(やっと読んだ)が、「世界の動物園・水族館」なんて特集組んでたからだ。ちなみに内容はと言うと…「一般人の考えることなんて、そんなもんよ」ってところかねえ。最後に「けっ!」って付けてもいいかも。
 
 どの辺が気に入らなかったと言えば、まあロンドン水族館の扱いだな。ココの目玉は「ロボットフィッシュ」だそうですよ。確かに見ました。良く出来ていた。それなりに面白かった。けど、この3語で終わりにして良し。感心はしても感動するモノじゃねえ。
 
 誤解を受けないように言っておくけど、これはこれで一見の価値があるのは間違いない。ちゃんとサカナっぽい動きをしてるってのはスゴいと思うし、動力系とか制御系がどーなってるのかは私も多いに興味がある。けど、そーゆーのは専門的な解説がセットになって初めて面白いモノ。水族館で見るのは、「ちょっと違う」と思うんだよね。
 
 ついでに言うとだ。良く出来てはいるけど、やはりホンモノと比べてしまうとアラが目立つ。やはりギクシャクしてるし、動きは単調。「人間の技術はココまで来たのか!」と感じるのは事実だけど、それでもまだ「今後やるべきコト」は多い。アタマを空っぽにして観賞するんなら、正直言って「まだまだつまらん」シロモノだと思う。実際、小学生ぐらいのガキはロクに観察してなかった。
 
 じゃあ、ホンモノのサカナは?そりゃあアナタ、「日本にいる、平凡なドコにでもいるサカナ」でさえ長時間観賞して飽きない私。「異国の平凡なサカナ」には感動しまくり。釣り道具担いで郊外へ出掛けたくなったぐらい。特に生きて動いてる「ミノー」を見た感動と言ったら!ちなみに、日本でミノーと言ったら、ルアー(疑似餌)の一種。知識としては「小魚一般ってだけじゃなく、そう呼ばれるサカナがいる」ってのは知っていたけど、実物拝む日が来るとは。その昔釣りをかじっていた身としては、実に感慨深い。
 
 日本にいる連中だって結構楽しい。向こうで「マス」って言ったらコレだってのは知っていても、ブラウントラウト(日本じゃ輸入希少魚で、釣りの対象)の群舞はグッとクる。くそう、腕が完全にサビついてなければ、釣り竿担いで中禅寺湖にでも出掛けたのに…いや、それより現地で釣り糸垂らせば…
 
 ジャパニーズ「錦鯉」もいた。これこそ平凡…と思ったら大間違い。何を考えたか、大半が「ショートボディ」。これは観賞魚の専門用語で、体全体が丸っこくて寸詰まりになってる奴である。その究極形が金魚の流金とからんちゅうだね。日本じゃ錦鯉のショートボディはあまり評価されないと思うんだけど、それだけに物珍しさがある。私は観賞魚は「精悍なタイプ」が好みなので、どっちかと言えば可愛さ強調のショートボディタイプは魚種にかかわらず好まない。にもかかわらず、感じるモノはありましたね。向こうじゃコッチの方がウケるのかな?
 
 川魚に比べると、海の魚は少し「平凡感」がある。日本の水族館にもいる連中が増えるから。でも、サメはいつ見ても楽しいし、今回は「活発に泳ぎまくるエイ」がいかに楽しいかを学習させられた。エイは日本の水族館で何度も見てるけど、基本的に底の方でじっとしてる姿が中心でねえ。ヒラヒラ・フワフワ水中を漂うエイがああも可愛いとは、初めて知りました。
 
 でもアナタ、ロンドン水族館の「最高傑作」は、何と言ってもアロワナっすよ!最初見たとき、目を疑いました。だって体系はどう見てもアジアなのに、色は白っぽい…こ、これはワシントン条約により規制されてる、アジアアロワナ天然モノ!希少種ですよ!私も初めて見ました。
 
 それだけでもカンドーなのに、こいつの出来の良さといったら…大きさはメーター近く。体型はまさに完璧。アジアアロワナ自体は今まで何匹も見たけど、私が理想とする体型に一番近かったなあ。おまけに体色も綺麗でねえ。ぱっと見は白一色という「つまらん色」だけど、よーく見るとうっすらと青光りしていて…好みの差ってのはわかるけど、私は養殖物のカラフルさよりも、あの微妙で繊細な色を評価するなあ。
 
 しかもねえ。トドメにこいつが芸達者で…偶然だか何だか知らないけど、水槽にハナくっつけてる私の前で「よく見るか?」って言いたげにすうっと近寄ってきてくれた。さらに、私の目の前で180度ターンのサービス。右側面・真正面・左側面を余すところ無く見せてくれる。誘惑か?誘惑してんのか!その場で「強奪」してこないあたり、私も臆病者だね。
 
 ちなみに水族館内は写真OKだったけど、このアジアアロワナの写真は撮ってこなかった。つーか、撮ったけど消去した。だって、「真実」が写ってないんだもの!撮影条件(暗かった)と私の技量考えればそんなもんだ。だったら、イメージの邪魔になるだけ。どーせこんなものを喜ぶのは私だけだから、誰に迷惑かけるワケでもないし。不満があるなら直接ロンドンへ行くべし。その代わり、イメージが消えないくらいじっくり観てきたからいいの。私の頭の中の妄想水族館に、「ロンドン水族館から強奪してきたアジアアロワナ」入れてあるし。
 
 水族館だの動物園だのは、「コドモが喜ぶモノ」と思われがち。でもね、好きな奴にとってはいつまでも楽しいのよ。オトナになって知識増えたからこそ楽しいって面は必ずあるし、「気に入った」動物はいつ何度観てもイイものだし。私が競馬を好んでいる理由の1つに、「馬を観てるとそれだけで楽しいから」ってのがあるのは間違いない。
 
 特に、「動物の個体識別」が可能になると、動物園はグッと楽しくなる。コレが可能になるには、相当な修行が必要だけどね。やることは「じーっくり、熱心に観察する」だけなんだけど、個体識別可能なレベルに達するのは大変だ。私の場合、サラブレッド(いつも観てる)でもちょっとアヤしいかな。今回で言えば、ハーツクライはともかくマラーヘル(香港で一度見た)は「覚えがあるような、無いような」って程度の感想しか受けなかったし。目立つ馬じゃないとはいえ、だらしないねオレも。
 
 サファリツアーみたいな「天然物を天然の状態で眺める」のが悪いとは言わない。素晴らしいと思うし、私も行ってみたい。けど、これで「個体識別可能なレベルに達する」となると、生活を犠牲にするかそれを仕事にするか…ってレベルでのめり込む必要があるのでは。けど、動物園ならもっと気楽に修行出来る。天然の観察は、動物園で修行を積んでからの方が楽しいと思うんだけど、どうだろう。
 
 最近の動物園は「見せる工夫・飼育する工夫」が問われている。その意味・意義は私にもよくわかる。けど、その優劣ばかりが採り上げられるのはどうかと思う。そこにちょっと珍しい動物がいて、それを眺めに出掛ける。それが動物園の一番重要な意義であり、楽しいところじゃなかろーか。ただゴロンと寝ころんでる姿を見るだけでも、写真やTV映像とは比べものにならないぐらい「学べる」コトは多い。
 
 私は、動物園などのウリは「珍しい動物」であって欲しい。そりゃあ「よく知られた動物の、珍しい見せ方」にも惹かれるモノは多い(高名な旭川動物園はやはり行ってみたい)けど、リアルを知ってるのと知らないとでは大違いだからね。動物好きとしては、「リアルを知らない生き物」は可能な限り減らしたい。それに、そーゆー気持ちがカケラもない奴に「珍しい見せ方」の魅力を説いても無駄だと思うんだけどな。
 
 最近はネットで大量の情報をあされるだけに、「知識として仕入れただけで観たつもりになってる」奴が増えた。正直、私もその1人だけど。けど、現実は違う。ベラボーに違う。いいことばかりじゃないかも知れないけど、それでも「現実を知ってる」と「現実を知らない」では大違いだ。情報化社会だからこそ、こういう気持ちは大事だと思うぞ。なので、渋谷でパブリックビューイングできたレースを見るため、大枚はたいて英国くんだりまで行き、現地で馬券ハズして灰になってきた…ってのは、バカなことじゃない(笑)