3月16日2006/03/17 01:32

 WBCに言いたいことはいっぱいあるけど、あえて明日以降(米国-メキシコ戦の後)に回す。正式には、まだ敗退が決まったワケじゃないんだから。
 
 つーわけで本日は、予定通り科学の話題。「地球温暖化のメカニズムと現状分析」について。Web上でかなりステキな記事を見かけたので。
 
 某新聞に掲載された調査によると、地球温暖化の原因は「オゾン層破壊」と答えた人間が多数を占めたそうな。いやはや、何と言って良いのやら。つーわけで、地球温暖化について語っておこう。私の知る範囲で。
 
 一般に地球温暖化の原因とされているのは、「温室効果を持つガス」である。温室効果ってのは、まあ「熱を逃がしにくい」ってことだと思えばいい。大気の大半は窒素と酸素なので、これらよりも熱を逃がしにくいモノが「温暖化の元凶」とされるわけだ。
 
 温室効果のあるガスの代表例が、二酸化炭素である。息をすれば出る。何か燃やしても出る。炭酸の正体。実にありがちな物質なんだけど、量が増えるとヤバいと言われている。一般に「地球温暖化の原因は何ですか?」と聞かれたら、二酸化炭素と答えるのが正解だろう。
 
 二酸化炭素って増えてるのか?増えてるんじゃないかな。こんだけ化石燃料(石油・石炭のたぐい)燃やしているんだから。おまけに、緑も年々減っている。少なくとも、減りそうな要素はあまり見当たらない。だから、「二酸化炭素が増えて地球が温暖化する!」って騒いでいるわけだ。
 
 とまあ、ここまでが「一般教養」レベルの話。ここからはより深い話をしよう。温室効果の高いガスってのは、二酸化炭素に限らない。二酸化炭素と同じくらい「影響が出そうだ」と言われてるものに、メタンがある。メタンは二酸化炭素より温室効果が高いので、微量でも増えると危ないのでは…って意見もある。ちなみに天然ガスの主成分はメタン。じゃあ天然ガスを掘りすぎると…と思うでしょ?実はもっと深刻な量のメタンを大気にバラまいてる連中がいる。それがウシ。人間が食うために育てているウシのゲップは、ヤバいって説があるのだ。ホントかね。
 
 地球って本当に温暖化してるのか?この答えは「多分」となる。実は、言われているほど明確に「地球は温暖化してる」って証拠はない。「どーも温暖化してるらしい」って程度。「ジュラシック・パーク」の作者マイケル・クライトンは「温暖化なんて嘘っぱちだ!」って作品を書いちゃったほど。
 
 ちなみに、「地球温暖化」と「地域温暖化」を混同してはイケナイ。地域レベルで見た場合、なんか温暖化してるように感じる場所が多いはず。人口が増加して緑が減れば、ヒートアイランド現象で地域の気温が上がるからね。これはこれで深刻だと思うけど、地球レベルだと「だからどーした」って影響でしかない。ただ、世界規模の大森林地帯(代表例がアマゾン)の開発は、そうも言ってられないような気が。
 
 ただ、もし「こりゃあ温暖化してる」って結論が出るほど地球が温暖化したら、その時はもう「手遅れ」だろう。地質学レベルで見た場合、地球の気温ってのは案外派手に上下するらしいってデータがあることだし。その意味では、今から対策を考える必要はあるのでは。
 
 ちなみに、オゾン層の破壊は地球温暖化に全く影響ないってワケでもない。オゾン層破壊の原因とされるフロンは立派な「温室効果を持つガス」だし、オゾン層が破壊されると有害な紫外線がやたら増え、生物全般に悪影響が出そうだと言われてる。そうなりゃ植物が深刻に減り、結果として二酸化炭素が増え…ってことになりかねない。
 
 地球環境ってのは複雑な要素が絡まって決まっているので、人間の浅はかな知恵でどうこうってのは大抵的外れだ。正直、地球温暖化についても「わかってないこと」は多い。たとえ人間が一滴も石油を燃やさなかったと仮定しても、「地球は温暖化傾向に向かうのでは」って説もある。逆に「半端な温暖化は氷河期突入を招くのでは」って説もあったなあ。二酸化炭素濃度の上昇についても、「多少排出量が増えても、大気濃度は大きく変化しない」って説もある。
 
 ただ、だからって放置していい問題とも思えない。繰り返しになるけど、「やっぱり温暖化してました」ってしっかり確認できた時には、もう手遅れなんだから。とりあえず、今できることはちゃんとやっておいた方がいいのでは。温暖化が確実になってから対策するより、結局はそっちの方が安上がりでしょ。
 
 ただねえ。個人的見解だけど、「大気中の濃度が上がらなきゃいいんでしょ」とばかり、深海に二酸化炭素を捨てるって計画は感心できない。そりゃあね、地球温暖化のことだけ考えたら効果的な気がする。けど、結果として別のところで「そんなムチャをやったツケ」を払わされるような。人間が自然相手に「良かれと思ってやったことが裏目に出た」なんて例は、山ほどあるからねえ。
 
 地球温暖化を防ぐには?今のところ、とにかく二酸化炭素排出量を減らすことが重視されている。だけどねえ。いわゆる「地球に優しいもの=二酸化炭素削減」ってワケでもないんだよね。代表は原発。火力発電より二酸化炭素排出量は少ない。水力発電も二酸化炭素は出さないけど、コッチは自然破壊(緑の減少)がネック。あと、某知事が音頭を取って削減したディーゼルエンジンは、二酸化炭素排出だけを考えたらガソリンエンジンより優秀だったりする。難しいねえ。
 
 地球温暖化は、深く考えると相当難しい問題ではある。でも、だからって入り口からして間違うというのはどうかと思う。すげー有名なことだと思っていたのに、「原因はオゾン層破壊」って解答が多いというのは…しかもこれ、世界規模の話らしい。ドイツでも同様のカン違いが多数を占めたって話だから。うう、先進国一般人の科学教養ってのはその程度なのか…そりゃあ地球温暖化するワケだ。
 
 というわけで、地球温暖化について色々語ってみました。これで皆さん「正解」を答えることが出来ますね。ま、だからって偉いとはカケラも思わないんだけど。大切なのは、各人が「地球温暖化について」真剣に考え、ちゃんと対策することだから。ま、かく言う私もそんなのあんまり気にしてないけどね。ただ、入り口ぐらいは覚えてください。何事もそこから始まるんだから。つーわけで、今回はオチなしです。

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