3月8日2006/03/09 01:25

 勝手に献辞。私の母校である、某高校の図書委員へ。誰が何と言おうと、あの図書室は最高です。そこの図書委員である誇りと魂が、いつまでも受け継がれることを切に祈ります。
 
 やっと「区切りがついた」。ふう、長かったなあ。本日、ある仕事が「私が勝手に設定した重要な区切り」を迎えました。めでたい。本日はコレを語りましょ。でも、ネタ分類は黒じゃない。
 
 区切りを迎えた仕事は、「小型図書室の開設」である。正式名称は資料室なんだけどね。どれだけいるのか知らないけど、本好きならば興味を持ってくれるんじゃないかな。ま、実態は地味で大変な仕事だったけどね。
 
 私は今現在、某大学の法科大学院ってところで仕事してる。一応「本気で司法試験目指してる」学生のための学校だね。ここで、卒業生(今年初めて誕生する)のための自習室を作ることになった。私がタッチしたのは、ここに付属する資料室である。だから、蔵書は全部法律関係の専門書。規模は二千冊ぐらいかな。
 
 私がやった作業は…色々やらされた。発注リスト兼目録となるファイル(単なるExcelファイル)は何度もいじったし、入荷した本(寄贈含む)の検品にはほとんど関わった。さらに、本に「資料室蔵書」ってハンコ押し、ぞんざいな分類(今時なのにバーコード対応じゃない)のラベル貼ったし、引っ越し作業用の箱詰めもやった。ま、言っては何だけど「誰でも出来る作業」中心だった気はするね。
 
 とはいえ、これだけは「すごく重要な仕事」と言える作業があった。資料室の書架に実際本を並べ、「この本の収納場所はココ」と具体的に決めたのは、私だ。単にリストに従って本並べただけという話はあるけど。それでも、目録にある本が全部あると確認し、私の責任において「問題なし、作業終了!」と宣言したんだから、気分は良かった。この作業を担当した結果、この資料室にある本は全て「私の手垢が付いた」状態でオープンしたことになる。本好きなら、この喜びがわかってもらえるのでは。
 
 この作業が終わったのは先月の話。その後色々あって引き継ぎ作業が遅れていたんだけど、本日ここの管理責任者が蔵書リストを引き取りに来た。PCファイルだから物理的にどうこうってワケじゃなく、単にリストの構造を説明しただけ。とはいえ、これでやっと心おきなく「後は任せた」と言えるようになった気がする。後のことは、少なくとも私は知らん(笑)。
 
 この図書室は、本当に小規模である。正式名称からして「資料室」だし。貸し出しに全く対応してないし、お世辞にもちゃんとした図書館とは呼べない。とはいえ、一応は某有名大学の名が付いたシロモノ。使う相手は限定されているとはいえ、「本気で司法試験目指して勉強中の」連中。恥ずかしいモノ作るワケにいかなかったのは事実。
 
 驚きなのは、そんなものの開設に、私ごときが立ち会ったことである。自分で言うのは何だけど、それなりに重要なポジションだったと思うぞ。それっぽい経験は「高校時代に図書委員だった」ってだけなのに。周囲に司書の肩書き持った人々がゴロゴロしてたことを考えると、私がもし「使えない」人材だったら、さほど重要な仕事は任されなかったはず。そりゃあ至らぬ所は大いにあったと自覚してるけど、一応は「曲がりなりにも役に立つ」存在として扱われたんじゃないかな。
 
 マンガなんかじゃ「アマチュアがプロと対等に渡り合う」なんて話が出てくるけど、現実は大抵厳しい。けど、今回私はプロの司書相手にある程度存在感を示せた。元図書委員ってだけで。実際は単に「Excelの扱いに慣れてる」「版と刷の違いを知っている」「本を扱っても文句が少ない」ってだけで重宝されたような気がするけど。その程度で通用しちゃうような規模のモノに過ぎないし。それでも、ちょっとカンドーしたのは事実かな。
 
 正直、今回の仕事は苦しくも楽しかった。高校時代を思い出して。上司に「本の扱い慣れてるねえ」と褒められ、「高校時代に図書委員やってただけなんですけどね」と返したんだけど、その時ちょっぴり誇りがこもりましたね。某高校図書委員の名にかけて、本の扱いであまり無様なトコロは見せられないぞと。つい先日ヲタクネタで「高校時代の魂今も忘れず」って話をしたけど、仕事の上でもそれを「証明」できたような気がする。
 
 ま、ちょっとカッコつけて書いたけど、実態は大変で…下らないミスも山積みだったし。正直「もうカンベン」ってな仕事でしたね。本屋の苦労がわかったような気が。ま、だからって「本屋の敵・立ち読み魔」をやめる気はないんだけど(笑)。

コメント

_ ミセスフローレン ― 2006/03/16 18:16

この頃F男さんは、「図書館の人」をやってらしたんですね。
分類に使用したNDCは第何版だったのでしょう。

法律のNDCはええと300番台の……。二桁目の20が思い出せず自前のNDC8版で確認しました。実務も数年前にやったんですけれどね。たいていの有資格者はこんなもんではないかと。

だいたい遙か昔、ワープロさえろくになかった時代に取得した情報処理の単位に何の意味がある?

自治体などの図書館では、やる気のない有資格者より、やる気のある一般職員ということわざもありますし。

自分が手をかけてあれこれやった本が、きちんと配架されて並んだときの達成感。うん、あれは気持ちいいですよね。

_ F男 ― 2006/03/17 02:07

えー、実は今回、NDCは使っていません。管理する側の人手が足らないので、「利用者が自力で戻す場所を探せる」ように、「法律分野-出版社-著者ヨミ」だけで分類してあります。

これだと「並ぶ位置が同じ」本が大量に出るんですけど、それは仕方ないかなと。とりあえず、スタンダードになるのが「最初に私が並べた順番」。何気に責任重大ですな(笑)。

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