3月6日2006/03/07 00:48

 ヲタクネタ。私の中の「何か」がそれを欲している。ある意味一番評判が悪いんだけど、知ったことではない。
 
 何を採り上げるか迷ったけど、本日発売の「コミックフラッパー」(メディアファクトリー)から、「二十面相の娘」(作者小原慎司)にする。またマイナーな…まあ、私の「ツボ」なんだから仕方ない。なお、作者の名前はホントは旧字体が混じります。悪しからず。
 
 ここで出てくる「二十面相」とは、明智小五郎と対決してる怪人二十面相である。江戸川乱歩の描く世界を借りてるわけだね。作風その他別作品と言えば別作品だけど、ほんのり「乱歩の世界」の雰囲気漂っている。
 
 二十面相の娘と言っても、別に二世モノではない。イジワルな親類に引き取られた主人公を「誘拐」した二十面相が、気に入って引き連れてただけ。まあ年の差から言って「娘」だわな。確か中学生だし。ロリコン漫画と言えなくもないけど、私にその趣味はない(苦笑)。
 
 私の目から見たこの作品のキモは、よくわからん時代設定と謎解きってことになるかな。時代設定はホントによくわからん。戦後っぽい記述が出てくるんだけど、なんか昭和と言うよりは大正時代。ココで出てくる「戦争」って第1次大戦のことか?多分違うと思うけど。まあいずれにせよ、こーゆー時代は私のツボだったりする。
 
 謎解きの方は、まあミステリ世界が元ネタだから…って程度。なまじ謎解き漫画に走られるより、コッチの方がいい。これまた私の個人的ツボだな。こーゆー点を抑えられているんだから、私が愛読するのは当然でしょ。
 
 お気に入りのキャラ?そりゃもう、お手伝いのトメさん。今流行の?「メイド」じゃなく、「お手伝いさん」である。ドコが違うんだと言われても困るけど。やってることはメイドだけど、服装が「お手伝いさん」なところがポイント。キャラも間違いなく「お手伝いさん」。最近大量繁殖してる「エセメイド」より、コッチの方がいいね。そもそも、「使用人萌え」ってのはだなあ…(以下略)
 
 このように「私限定で」ハマる要素に満ちている作品なので、正直他人に勧めるような作品じゃないと思う。今まで気にしてたワケじゃないけど(笑)。絵の方も万人向けとは言い難いかな。ただまあ、世間が何と言おうと「いいものはいい」んだから仕方ない。
 
 なお、この作品を「イイ」と思っているのは、私だけではないらしい。実はこの作品、某所でやってた原画展示で存在を知った。それで「ムムッ」となって飛びついたわけだ。本屋ってのはこーゆー「トラップ」が仕掛けてあるから面白い。私が巨大本屋を好むのは、実のところこーゆートラップが多いからなんだよね。
 
 こういう「トラップに引っかかる」楽しみは、ネット書店じゃ味わえない。本の海を泳ぎ回ってこそのものだ。そもそも「自分が読みたい本」が何なのか、他にどうやって探り当てたらいいのだろう?少なくとも私にはわからない。
 
 こういうように「自分の欲しいものを自分で探り当てる」ことは、独特の喜びがある。他人の紹介に頼るのが悪いとは思わないけど、たまには自力で色々漁ってみてはいかが?「新しい自分」を発見できるかもしれないし。ただ、その結果発見したのが「大正時代・謎解き・使用人萌え」みたいなモノであったとしても、私は責任とれません(笑)。