3月5日2006/03/06 01:22

 あちゃー、不安的中だなあ。やはりマイネルシュピールでは中山2000は…じゃなくて、野球の日本代表。韓国に負けちゃうとはね…
 
 去年最後の更新で、ボソッと日本代表に触れた。その時、「100試合以上のリーグ戦ならともかく、短期決戦では…」という不安を書いている。正直当たって欲しくなかったんだけど、当たっちゃいましたねえ。まいったね。
 
 実は帰り道の途中に確認しただけなので、詳しい内容まではよくわからない。とりあえず、接戦でスワローズの石井弘が一発浴びて1点差ってことまでは確認してる。石井~お前何やっているんだか。ただ、私はコイツ「駄目なときでも抑える」タイプの投手だとはカケラも思ってない(その点は高津の方がずっと上)ので、直球走ってない時点で「ヤラれたな」とか思ってたけど。
 
 問題はその後の攻め。まず8回。私なら、岩村には代打を送る。リーグ戦なら絶対やらないけど、短期決戦だもの。あの局面でコイツが一発狙うのはミエミエだったからなあ。「ここだと宮本の方が絶対いい仕事するのに…」と思ったね。9回に送った代打も金城。これまたなんかビミョーに違う気が…金城使うんなら、ランナー出てからでしょ。
 
 この試合の負けは大きいと思う。本来なら2位通過でも余裕なんだけど、「絶対1位通過!」と意気込んだ結果、負けたときのダメージを拡大しちゃったような。似たようなことをアテネでやらかした、あの時の教訓が活かされてないように思うんですけど。
 
 私個人の見解だけど、日本のナショナルチームは「勝負に挑む姿勢」に問題がある気がする。大舞台でどこかひ弱なのは、その辺が原因じゃねえかと疑っているんだけど。ぶっちゃけた話、日本代表ってのは「戦力ではなく、メンタルに問題がある」ってことだね。
 
 どの辺が問題かって?まず、日本人はすぐ「名前で格を判断する」クセがある。そんでもって、格上には「負けて当然」、格下には「勝って当然」と考える。確かに、戦力に色々と差があるのを認めるのは大事だ。だけど、有利すなわち勝ちじゃないし、不利すなわち負けじゃねえ。
 
 リーグ戦では、こういう「格を感じさせる」メリットは大きい。まさか全部勝つワケにはいかない以上、「どーやって負けるか」も重要だから。「絶対勝つ!」って意気込んで負けちゃったら、ダメージは計り知れないほど大きくなる。だから、「まあ仕方ない」と思わねばやってられない。強いチームってのは相手に「負けても仕方ないよね」と思わせることができるので、それはそれで有利だ。日本人はコレを人一倍気にするクセに、こーゆー要素の存在を認めようとしないんだよね。
 
 ただ、短期決戦では本来「格の違い」なんて言い訳にならない。格上だろーが格下だろーが、「とにかく勝つのみ!」って気合いで当たるのが「基本」となる。つまり、絶対に「格負け」しないって前提で試合をする必要がある。けど、日本はここでも「格」にこだわるんだな。
 
 その点で言えば、今回の日本代表は「人選からして格を重視」したもののような気がする。「スゴい」選手並べて、相手の戦意を喪失させることに重点が置かれたチームだと。リーグ戦ならそれは正しい。相手に「ひょっとして勝てるんじゃ?」と侮られるのは、長期戦だとダメージがでかい。けど、短期決戦だとそのメリットは小さいのでは?「そんなの知るか。負けたら終わりだ!」で片付けられちゃうんだから。
 
 WBCで言えば、予選突破が決まった韓国戦は、短期決戦にしては珍しく「抜いてもいい」試合だった。ということは、「トップギアを温存した範囲での全力」で当たるのが正しかったと思う。もちろん勝ちに行くんだけど、負けてもダメージは少ないぞと。
 
 まあ、こういう境地に達するのは難しいことだと思う。ならば、韓国お得意の「自分が常に最強で常勝だと信じる」っていう方が有益かも。これはこれで問題ありまくるんだけど、結果残すには悪い手じゃない。もっとも、韓国って国は何事につけ「この境地」から脱却しない限り発展がないところまで来てる気がするけど。
 
 結果はともかく、私が「これぞ日本代表」と認めた存在ってのは…なんかフジヤマケンザン様だけのような気が(笑)。妄想・錯覚入りまくりだったとは思うけど、香港国際Cを勝ったときのフジヤマケンザン様は神々しかった。応援しに行ったコッチが、心の底から「誰のためでもなく、お前自身のために頑張ってくれ!」って気持ちになれたものだ。強い弱いの問題ではなく、あの日のフジヤマケンザン様は「勇者」だった。あれより「強い」馬は何頭も知っているけど、あれほど「偉大な」馬は他に知らない。
 
 相手の強さと自分の弱さを認めつつ、それでも自分の勝利を信じて全力を尽くす…言葉で言うのは簡単である。だけど、この境地に至るまでがどれだけ大変なことか。世の中の大半は、「強いと見れば諦め、弱いと見れば威圧する」ってな境地に至るのが精一杯。自分自身も含めて、「そうじゃない」と言える存在がどれだけあると?私は幸運にも「そうじゃない」と断言できる存在を知っている。ただ残念なことに、それは私自身じゃねえ。人間ですらない(笑)。
 
 トリノ五輪、WBC、そしてW杯。今年は「大勝負」がテンコ盛りである。しかしながら、真の意味で「日の丸を背負える」日本代表がそこにあるのか?結果的に良かった悪かったの問題じゃなく。それは、送り出す我々の問題でもあると思うんだけどな。