10月8日2005/10/09 02:46

 今年もやってきましたイグ・ノーベル賞授賞式。今年も珍妙な研究が受賞したので、とりあえずはその内容を紹介しようかと。私の英語力だと、英語サイトにある研究内容を訳すのは無理なため、簡単な紹介(しかも誤解含む可能性アリ)に留めましょう。
 
 まずは謎の研究から。農業歴史賞を受賞した「リチャード・バックレー氏のズボンが爆発した意味の研究」。なんか大戦間のニュージーランドの酪農の技術研究らしいんだけど、それとズボンの爆発にどんな関係があるのかは意味不明。なぜ爆発したのか。リチャード・バックレー氏の安否は。謎は深まるばかりである。
 
 物理学賞はスゴい。「粘度の高い石油ピッチの滴が落ちる様子を観察する実験」。この実験の何がスゴいって、1滴落ちるのに平均9年!もかかってるんだそうな。1927年から継続して今も研究中だとか。9年間ずっと待って、ポタッと落ちるのは一瞬なんだろうな。なんかすごく空しい…
 
 薬学賞。「去勢した犬用の人工睾丸の発明」。これにいかなる効用があるのかは不明。他の動物用のモノもあるとか。馬用をセン馬につけて競馬に出走できるのか?JRAの公式見解を聞いてみたいモノだ。
 
 文学賞は、スパムメールでもって大金を手にしたナイジェリアのインターネット起業家と、その協力者に。私に送られてくるスパムにもあげたい賞だな。受賞者が出席したかどうかは不明。
 
 平和賞。「スターウォーズの名場面集を見ているバッタ脳細胞の電気的活動の観察」。なぜスターウォーズ。なぜバッタ。なぜ平和賞。謎また謎の研究だなあ。仮面ライダー1号・2号の実現に近づいたってコトなんだろうか?他に平和賞あげる理由がわからん。
 
 経済学賞。「何度も何度も逃げて隠れる目覚まし時計の発明」。いやまあ、言いたいことはわかるんだけど…はた迷惑な発明だと思うのは私だけ?日本で売っているのかどうかは不明。実物を私に送るのはやめてもらいたい。
 
 化学賞。「人類は水とシロップの中の、どちらでより速く泳げるか?についての入念な実験」。入念な実験って、本当にシロップの中で泳いだのかなあ。泳がされた奴は大変だったろうなあ。で、どっちが速かったって?
 
 生物学賞。「においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生学的意義についての調査」。カエルにストレスを与え、その時発するにおいを辛抱強く嗅ぎ続けて分類したんだとか。その数何と131種類。「ガマの油売り」という伝統芸があるんだから、本来なら日本人が研究すべきだったような。何やってんだ筑波大。
 
 栄養学賞。日本が誇る天才ドクター中松の、「毎回の食事内容を34年間撮影し続け、食べ物が頭の働きや体調に与える影響の継続的研究」に。これ自体は遠大な割にほとんど無意味な研究(パラメーターが多すぎて明白な結果が出ないのは確実)だと思うけど、将来の研究に役立つ可能性はある。今からでも遅くない、協力してみてはいかが。私はやらないけど。
 
 最後に流体力学賞。「ペンギンが糞を出すときに生じる圧力:鳥類の排便における計算」。科学者ってのは、ソコまで調べないと気が済まないのか!流体力学ってのは奥が深いなあ。
 
 これらの研究は、大半がちゃんとした学術論文の形式で発表されたモノである。単なるギャグではないのだ。一応は。科学ってのは「世のため人のために役立つもの」と思っている人は少なくないと思うけど、それはある意味間違いだ。とりあえず研究してみて、役に立つかどうかは後で考える。これもまた科学だと思う。
 
 イグ・ノーベル賞は科学者にだけ受賞資格があるわけではない。やり方次第ではド素人でも受賞可能だ。ある意味ホンモノのノーベル賞より受賞するのは難しいとは思うけど、チャレンジしてみてはいかが。

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